JPH0249355Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は建築物等に取り付け、必要に応じて羽
根板を開閉させるルーバーの羽根板開閉機構に関
する。

従来技術 上記ルーバーは枠体に羽根板を複数平行に回転
自在に取り付けたものである。このルーバーを建
築物の窓開口部に取り付けるとその構造によつて
は雨戸及び面格子として使用することができる。
雨戸を取り付けることが困難なマンシヨン等の集
合住宅の廊下側の窓に取り付けるのが効果的であ
る。このルーバーは室内側から開閉できるように
しなければならない。個々の羽根板を１枚１枚手
で開閉するのは煩わしいのみならず、羽根板に無
理な力が加わることがあり、故障の原因ともな
る。また全体を一定の角度にすることが困難で回
転角度がバラバラとなり見苦しいものとなる。

考案の目的 本考案はこのような点を考慮してなされたもの
で、全体の羽根板を同時に開閉でき、しかも所定
の角度に開放させることができるとともに開閉時
に羽根板に無理な力が加わらない開閉機構を提供
することを目的とするものである。

考案の要旨 本考案は、羽根板の両端に設けた枠体に回転自
在に取り付けるための回転軸と、この回転軸の一
方に取り付けられたピニオンと、枠体内に摺動自
在に収納され前記ピニオンに噛み合うラツクと、
このラツクに摺動方向と直角に形成させた溝と、
この溝に挿入されるピンを有しそのピンを回転さ
せる回転駆動装置とからなることを特徴とするも
のである。

実施例 本考案を用いたルーバーの実施例は第１図に示
すように複数の羽根板１０を上枠１１、下枠１２
及び縦枠１３により構成される枠体に回転自在に
取り付けられている。本実施例は羽根板１０を枠
体に縦に取り付けるが、横に取り付けることも可
能である。

本実施例羽根板１０の構成は第２図に示す通り
である。羽根板１０の本体１４はアルミニウム合
金等の型材により構成されるもので、ほぼ長方形
の断面形状を有している。その裏表双方の面に目
隠し板１５を嵌合させるための嵌合溝１６，１６
が形成されている。この本体１４は中空であり、
内部に遮音性の向上のためグラスウールが充填さ
れるか又は発泡ウレタンが充填固化されている。
この本体１４の上下端に上部材１７及び下部材１
８が取り付けられる一方、両側面部には袖部１
９，２０を突出させて設けてある。

一方の袖部１９は本体１４の一方の面をそのま
ま延長しその先端をわずか丸めた形状の板状体で
あり、他方の袖部２０は側面１４ａの前記袖部１
９が形成された面と反対側の面寄りに側面１４ａ
から直角に形成された板状体であり、先端にパツ
キン２１を保持するパツキン保持部２２が形成さ
れている。この双方の袖部１９，２０は枠体に羽
根板１０を取り付けて、羽根板１０を閉じたとき
第７図イに示すように羽根板１０の袖部１９をそ
の隣りの羽根板の他方の袖部２０のパツキン２１
に当接させるためのものである。このように羽根
板の側端部となる袖部同士を直接当接させてもよ
いが、この当接箇所に縦桟を設け、双方の袖部を
この縦桟を介して間接的に当接するようにしても
よい。

上部材１７は本体１４の上端を覆う上板２３の
一面に本体１４の上端中空部に嵌挿させることが
できる形状の栓部材２４が形成されている。この
上部材１７にはさらに上部材１７と上枠１１との
間をタイトにするためのタイト片２５ａ，２５ｂ
が直立させて設けられている。このタイト片２５
ａ，２５ｂはこの間に後述の上枠に設けたタイト
材を挟むことができる程度にずらして形成されて
いる。下部材１８は同様に下板２７の一面に前記
栓部材２４と同様の栓部材２８を形成させるとと
もに、目隠し板１５の下端から嵌挿させることの
できる補助栓部材２９が形成されている。この補
助栓部材２９は目隠し板１５を固定させるための
もので、目隠し板１５の上端側にも補助栓部材３
０を取り付けている。この栓部材２４，２８、補
助栓部材２９，３０を有する上板１７及び下板１
８は合成ゴム、合成樹脂等で一体成形することが
望ましい。

目隠し板１５は耐候性塩ビ又はアクリル等の半
透明材で断面Ｕ字状に形成されるが、不透明材で
形成させてもよい。Ｕ字状の両先端部は嵌合溝１
６に嵌挿できるようになつている。補助栓部材２
９，３０によりこれを固定するのは前述の通りで
ある。

上部材１７及び下部材１８にはこの羽根板の回
転中心となる回転軸３１，３２が取り付けられて
いる。この回転軸の一方、本実施例においては上
枠側３１にピニオン３３が取り付けられている。
この羽根板１０を枠体に取り付けるには第３図に
示すように壁３４の開口部３５前面に固定した上
枠１１及び下枠１２に形成させた孔に前記回転軸
を通して回転自在に取り付ける。

本実施例の枠体は全体として、すなわち本実施
例ルーバーは壁３４に着脱自在とされている。そ
のため上枠１１の上側には壁３４にアンカー３７
で固定された鈎部材３８に掛けることができる形
状とされた掛部３９を形成させるとともに、下枠
１２の底部には壁３４に取り付けた下枠ラツチ４
１の掛金４２に掛け止めされる突部４３が形成さ
れている。この上枠１１及び下枠１２の対向する
面に設けた孔に回転軸２５及び３０を差し込んで
羽根板１０を枠体に取り付けている。

上記上枠１１内には回転軸３１に取り付けたピ
ニオン３３に噛み合うラツク３５が摺動自在に収
納されている。このラツク３５は一面に歯を形成
させた板状のもので、歯を形成させた面の裏面に
第４図に示すように直線状の溝４４が形成されて
いる。この溝４４に回転駆動装置４５に設けたピ
ン４６が挿入されている。この回転駆動装置４５
は上枠１１の室内側の面に取り付けられており、
ひも４７を一回引くごとにピン４６を90度回転さ
せるものである。

その構造は第５図に示す通りである。台４８の
中央に先端にねじ孔を有する軸４９を直立させ、
かつコイルスプリング５０の一端５０ａを取り付
けるスタツク５１，５１及びストツパー５２をこ
の台に形成させてある。このコイルスプリング５
０を介在させて、台４８に駆動輪５３、回転輪５
４及び逆転防止体５５が軸４９の先端にねじ込ま
れるねじ５６で取り付けられている。駆動輪５３
及び回転輪５４は軸４９を中心に回転自在とされ
ている。

前記コイルスプリング５０は一端５０ａをスタ
ツク５１のいずれかに取り付け、他端５０ｂを駆
動輪５３の縁５７に形成させた溝５８に挿入さ
せ、この駆動輪を常に時計方向に回転するように
付勢させるとともに回転輪５４に押し付けてい
る。駆動輪５３の縁５７にはひも４７を取り付け
る突出片５９を形成させ、この突出片５９を前記
ストツパー５２に当ててコイルスプリング５０に
よる回転を停止させている。この駆動輪５３の一
面に回転輪５４を回転させるための突起６０，６
０が設けられている。この突起６０は回転輪５４
に設けた４個の孔６１に入れられるもので、ひも
４７により反時計方向に回転させたとき孔６１と
突起６０とが係合して駆動輪５７とともに回転輪
５４が回転し、駆動輪５３のコイルスプリング５
０による時計方向への回転の際には突起６０が孔
６１から外れて駆動輪５３のみが回転するように
傾斜させた突起である。この駆動輪５３が戻ると
き回転輪５４が一緒に戻らないように、逆転防止
体５５には前記突起６１と逆方向に傾斜させた突
起６２が形成させてある。前記ピン４６は上記回
転輪５４の周辺部に取り付けられている。

従つて、ひも４７を引くと突出片５９によつて
駆動輪５３がコイルスプリング５０の力に抗して
回転し、その突起６０を孔６１に係合させて回転
輪５４とともに回転し、90度回転することにより
孔６１が逆転防止体５５の突起６２に入る。そこ
でひも４７から手を離すと駆動輪５３はコイルス
プリング５０によつてストツパー５２に突出片５
９が当るまで逆転させられる。前記のように突起
６０は逆転時に孔６１と係合しないように傾斜さ
せられている一方、突起６２は逆転時に孔６１と
係合して回転輪５４の回転を妨げるので駆動輪の
みが戻る。正逆転時に突起６０又は６２のいずれ
かが孔から外れ回転輪の表面に接するようになる
が、駆動輪５３、回転輪５４ともにコイルスプリ
ング５０により逆転防止体５５に押し付けられて
いるので、これらは相互に接触、離反方向に移動
することができ特に支障はない。かくして、ひも
４７を引くたびに回転輪５４を90度づつ反時計方
向に回転させることができる。

回転輪５４が90度回転するとピン４６も当然90
度回転する。このピンはラツク３５の溝４４に入
れられているのでラツクが第４図に示すようにイ
からロ，ハへと移動しロ，イと戻る。このラツク
３５の移動による羽根板の開閉状態を示したのが
第７図、第８図である。第４図の二点鎖線で示し
た溝４４内にピン４６があるラツク３５の位置イ
が羽根板１０の閉じた状態で、第７図、第８図に
それぞれイで示す状態である。ひも４７によるピ
ン４６の90度回転によりラツク３５はロへと移動
する。これに噛み合つているピニオン３３が第８
図に示すように45度回転し、回転軸３１を介して
羽根板を第７図のロの状態に回転させる（45度開
き）。ひも４７をもう一度引いてピン４６をさら
に90度回転させるとラツク３５はさらに第４図に
実線で示したハの位置まで移動する。従つて、ピ
ニオン３３をさらに45度回転させ、羽根板を第７
図ハの状態とする（90度開き）。ひも４７をさら
に引くとピン４６はさらに90度回転しラツク３５
を戻す方向に移動させる。従つて、第８図ニに示
すようにピニオン３３は逆回転し、羽根板を第７
図ロに示す45度開き状態に戻す。さらにひもを引
くことによりすべてが元の閉じた状態になるのは
容易に理解できるであろう。

考案の効果 以上のように本考案においては回転駆動装置の
回転によりピンを回転させ、そのピンの回転によ
りラツクを摺動させ、このラツクに噛み合うピニ
オンにより羽根板を回転するようにしたので、す
べての羽根板を同時に所定の角度回転させること
ができ、しかも羽根板に無理な力を加えずに回転
させることができる。

また、本考案は上記回転駆動装置として紐を引
くことによつてよつてピンを90度回転させる構成
のものを使用しているので、窓などに取り付けた
ルーバーの羽根を紐を引くだけで所定の開き角度
に設定して安定に固定しておくことができ、使用
目的に応じた羽根板の状態に簡単に設定すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を用いたルーバーの一実施例の
室外側から見た正面図、第２図はこのルーバーの
羽根板の分解斜視図、第３図はこのルーバーの壁
へ取り付けた断面図、第４図は一実施例のラツク
の背面図、第５図は回転駆動装置の実施例の分解
斜視図、第６図は駆動輪、回転輪、逆転防止体の
断面図、第７図イ〜ハは羽根板の開閉状態を閉め
す概略図、第８図はイ〜ホはラツクとピニオンの
関係を示す平面図。 １０：羽根板、１１：上枠、１２：下枠、１
３：縦枠、１４：本体、３１：回転軸、３３：ピ
ニオン、３５：ラツク、４４：溝、４５：駆動装
置、４６：ピン、４７：ひも。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の羽根板を互いに平行に開閉自在に枠体に
   取り付けたもののその羽根板を開閉する開閉機構
   において、前記枠体に回転自在に取り付けるため
   に羽根板の両端に設けた回転軸と、この回転軸の
   一方に取り付けたピニオンと、枠体内に摺動自在
   に収納され前記ピニオンと噛み合うラツクと、こ
   のラツクに摺動方向と直角方向に形成させた溝
   と、この溝に挿入されるピンを周辺部に有する回
   転輪と、この回転輪と同軸に回転自在に配置され
   周辺部に紐の一端を固定するとともにスプリング
   で回転習性を与えられ、前記紐のその回転習性に
   逆らう引きによつて前記回転輪を一定方向に90度
   ずつ回転させる駆動輪とを有することを特徴とす
   るルーバー羽根開閉機構。