JPH0315586Y2 - - Google Patents
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- JPH0315586Y2 JPH0315586Y2 JP1984185646U JP18564684U JPH0315586Y2 JP H0315586 Y2 JPH0315586 Y2 JP H0315586Y2 JP 1984185646 U JP1984185646 U JP 1984185646U JP 18564684 U JP18564684 U JP 18564684U JP H0315586 Y2 JPH0315586 Y2 JP H0315586Y2
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Landscapes
- Feeding Of Articles By Means Other Than Belts Or Rollers (AREA)
- Advancing Webs (AREA)
- Knitting Of Fabric (AREA)
- Elimination Of Static Electricity (AREA)
Description
(イ) 産業上の利用分野
本考案は静電気の除去に適した帯電防止用カバ
ーに関するものである。 (ロ) 従来技術とその問題点 一般に、相異なる2つの物体が接触して摩擦さ
れると、相対する面で電荷の移動が起り、この物
体が離された時に静電気が発生する。例えば、複
写機の紙供給装置、印刷機、ポリエチレンフイル
ム製造機などのローラと紙、フイルム等とに静電
気が発生しやすく、この静電気が紙詰り等の故
障、ゴミの附着による製品不良の原因になつてい
ることは広く知られている。 従来、この静電気を除去するために、例えば、
帯状の布地に制電性繊維を植毛した帯電防止用カ
バーを、ローラにスパイラル状に巻回固定し、帯
電した紙、フイルム等に接触させることにより、
静電気を除去していた。 しかしながら、従来の帯電防止用カバーでは、
ローラにスパイラル状に巻回し、その両端部を接
着剤、接着テープ等で固定しなければならないの
で、装着に手間がかかり、特に、段部を有するロ
ーラに巻回することは極めて困難であつた。 しかも、従来の帯電防止用カバーでは、接着
剤、接着テープの劣化によつて時間の経過ととも
にゆるみやすかつた。 さらに、植毛した制電性繊維は抜け落ちやす
く、抜け落ちた制電性繊維が機械内部に堆積し、
火災発生の原因になるという問題点があつた。 (ハ) 考案の目的 本考案の目的は、前記問題点に鑑みてなされた
もので、静電気を効率よく除去し、装着性、経時
特性に優れた安全な帯電防止用カバーを提供する
ことにある。 (ニ) 考案の構成 本考案にかかる帯電防止用カバーは、前記目的
を達成するために、少なくとも水又は熱に対して
収縮率の大きい繊維からなる軸糸を、適宜、編針
を針抜きしてシンカーループ長を長く、かつ、高
さの異なる編針で交互編みしてなる編組織を有す
る円筒形状の帯電防止用カバーにおいて、前記軸
糸に制電性繊維又は導電性繊維を配する構成とし
てある。 (ホ) 実施例の説明 以下、本考案にかかる実施例を添附図面に従つ
て説明する。 第1実施例は、第1図およびこれをより詳細に
図示した第6図に示すように、軸糸a,b(実線)
を、編針を1本毎に1本の針抜きしてシンカール
ープ長を長く、かつ、高さの異なる編針で交互
編みを行なつて交互にニードルループmを形成し
てなる編組織に、パイル糸c(点線)をパイル編
みして円筒形状に構成したもので、このパイル糸
はシンカーループ長よりも長くしてあるため、
紙面上向きに円弧を描いている。なお、第6図は
説明の便宜上、軸糸a、バイル糸cのみによる編
組織を図示している。 軸糸aには、例えば、水又は熱に対して収縮率
の大きい未アセタール化のPVA繊維または他の
化学維、再生繊維、天然繊維を使用する一方、軸
糸bには制電性繊維(例えば、商品名東レSA−
7)又は導電性繊維(例えば、銅、ステンレス等
の金属繊維)を使用してもよく、また、軸糸a,
bには水又は熱に対して収縮率の大きい繊維と制
電性繊維又は導電性繊維とを混紡、交撚したもの
を使用してもよい。 交互編みとは、一の軸糸のシンカーループと相
対する位置に他の軸糸のニードルループmを交互
に配設する編み方をいい、針抜きによつて編組織
が粗となるのを防止するものである。 パイル糸cとしては、水又は熱に対して収縮率
の小さい繊維(例えば、ナイロン)の他に、制電
性繊維、導電性繊維が考えられるが、パイル糸c
は単一な繊維に限らず、前述の制電性繊維、導電
性繊維に他の繊維を、適宜、混紡、交撚したもの
であつてもよい。 なお、パイル編みした後に、パイル糸をシヤー
リングしておいてもよい。 次に、本実施例にかかる実施例について説明す
る。 実験例 1 本実験例は、本考案にかかる帯電防止用カバー
の制電性に関するものである。 本実験例にかかる帯電防止用カバーは、未アセ
タール化のPVA繊維(商品名ビニロン、単繊維
での水に対する収縮率25%、650デニール/250フ
イラメント)と、制電性繊維である炭素繊維(商
品名東レSA−7,150デニール)とを後述するよ
うに適宜組合わせてなる軸糸に、前述の炭素繊維
(商品名東レSA−7,150デニール)からなるパ
イル糸を適宜組合わせ、2箇所の給糸口を備え、
かつ、1本毎に1本の針抜きしてなるシリンダ丸
編機により、混繊編みしたもの(A,B)をサン
プルとしている。 サンプルA:PVA繊維1本と炭素繊維1本と
からなる軸糸に、炭素繊維2本からなるパイル糸
を組合わせて混繊編みしたもの。 サンプルB:PVA繊維1本と炭素繊維1本と
からなる軸糸に、炭素繊維1本からなるパイル糸
を組合わせて混繊編みしたもの。 比較品C:PVA繊維1本からなる軸糸に、炭
素繊維2本からなるパイル糸を組合わせて混繊編
みしたもの。 比較品D:PVA繊維1本からなる軸糸に、ア
クリル繊維(商品名ピユーロン、125デニール)
4本からなるパイル糸を組合わせて混繊編みした
もの。 なお、編成油剤の影響を除くために水洗いした
後、温度20℃、湿度30%の環境下において測定し
た。
ーに関するものである。 (ロ) 従来技術とその問題点 一般に、相異なる2つの物体が接触して摩擦さ
れると、相対する面で電荷の移動が起り、この物
体が離された時に静電気が発生する。例えば、複
写機の紙供給装置、印刷機、ポリエチレンフイル
ム製造機などのローラと紙、フイルム等とに静電
気が発生しやすく、この静電気が紙詰り等の故
障、ゴミの附着による製品不良の原因になつてい
ることは広く知られている。 従来、この静電気を除去するために、例えば、
帯状の布地に制電性繊維を植毛した帯電防止用カ
バーを、ローラにスパイラル状に巻回固定し、帯
電した紙、フイルム等に接触させることにより、
静電気を除去していた。 しかしながら、従来の帯電防止用カバーでは、
ローラにスパイラル状に巻回し、その両端部を接
着剤、接着テープ等で固定しなければならないの
で、装着に手間がかかり、特に、段部を有するロ
ーラに巻回することは極めて困難であつた。 しかも、従来の帯電防止用カバーでは、接着
剤、接着テープの劣化によつて時間の経過ととも
にゆるみやすかつた。 さらに、植毛した制電性繊維は抜け落ちやす
く、抜け落ちた制電性繊維が機械内部に堆積し、
火災発生の原因になるという問題点があつた。 (ハ) 考案の目的 本考案の目的は、前記問題点に鑑みてなされた
もので、静電気を効率よく除去し、装着性、経時
特性に優れた安全な帯電防止用カバーを提供する
ことにある。 (ニ) 考案の構成 本考案にかかる帯電防止用カバーは、前記目的
を達成するために、少なくとも水又は熱に対して
収縮率の大きい繊維からなる軸糸を、適宜、編針
を針抜きしてシンカーループ長を長く、かつ、高
さの異なる編針で交互編みしてなる編組織を有す
る円筒形状の帯電防止用カバーにおいて、前記軸
糸に制電性繊維又は導電性繊維を配する構成とし
てある。 (ホ) 実施例の説明 以下、本考案にかかる実施例を添附図面に従つ
て説明する。 第1実施例は、第1図およびこれをより詳細に
図示した第6図に示すように、軸糸a,b(実線)
を、編針を1本毎に1本の針抜きしてシンカール
ープ長を長く、かつ、高さの異なる編針で交互
編みを行なつて交互にニードルループmを形成し
てなる編組織に、パイル糸c(点線)をパイル編
みして円筒形状に構成したもので、このパイル糸
はシンカーループ長よりも長くしてあるため、
紙面上向きに円弧を描いている。なお、第6図は
説明の便宜上、軸糸a、バイル糸cのみによる編
組織を図示している。 軸糸aには、例えば、水又は熱に対して収縮率
の大きい未アセタール化のPVA繊維または他の
化学維、再生繊維、天然繊維を使用する一方、軸
糸bには制電性繊維(例えば、商品名東レSA−
7)又は導電性繊維(例えば、銅、ステンレス等
の金属繊維)を使用してもよく、また、軸糸a,
bには水又は熱に対して収縮率の大きい繊維と制
電性繊維又は導電性繊維とを混紡、交撚したもの
を使用してもよい。 交互編みとは、一の軸糸のシンカーループと相
対する位置に他の軸糸のニードルループmを交互
に配設する編み方をいい、針抜きによつて編組織
が粗となるのを防止するものである。 パイル糸cとしては、水又は熱に対して収縮率
の小さい繊維(例えば、ナイロン)の他に、制電
性繊維、導電性繊維が考えられるが、パイル糸c
は単一な繊維に限らず、前述の制電性繊維、導電
性繊維に他の繊維を、適宜、混紡、交撚したもの
であつてもよい。 なお、パイル編みした後に、パイル糸をシヤー
リングしておいてもよい。 次に、本実施例にかかる実施例について説明す
る。 実験例 1 本実験例は、本考案にかかる帯電防止用カバー
の制電性に関するものである。 本実験例にかかる帯電防止用カバーは、未アセ
タール化のPVA繊維(商品名ビニロン、単繊維
での水に対する収縮率25%、650デニール/250フ
イラメント)と、制電性繊維である炭素繊維(商
品名東レSA−7,150デニール)とを後述するよ
うに適宜組合わせてなる軸糸に、前述の炭素繊維
(商品名東レSA−7,150デニール)からなるパ
イル糸を適宜組合わせ、2箇所の給糸口を備え、
かつ、1本毎に1本の針抜きしてなるシリンダ丸
編機により、混繊編みしたもの(A,B)をサン
プルとしている。 サンプルA:PVA繊維1本と炭素繊維1本と
からなる軸糸に、炭素繊維2本からなるパイル糸
を組合わせて混繊編みしたもの。 サンプルB:PVA繊維1本と炭素繊維1本と
からなる軸糸に、炭素繊維1本からなるパイル糸
を組合わせて混繊編みしたもの。 比較品C:PVA繊維1本からなる軸糸に、炭
素繊維2本からなるパイル糸を組合わせて混繊編
みしたもの。 比較品D:PVA繊維1本からなる軸糸に、ア
クリル繊維(商品名ピユーロン、125デニール)
4本からなるパイル糸を組合わせて混繊編みした
もの。 なお、編成油剤の影響を除くために水洗いした
後、温度20℃、湿度30%の環境下において測定し
た。
【表】
以上の結果から明らかなように、炭素繊維を混
繊したサンプルA,Bおよび比較品Cには、炭素
繊維を含まない軸糸にアクリル繊維のみからなる
パイル糸を組合わせた比較品Dと比較して著しい
制電効果が認められる。 実験例 2 本実験例は本考案にかかる帯電防止用カバーの
装着性、制電性に関するものである。 本実験例にかかる帯電防止用カバーは、未アセ
タール化のPVA繊維(商品名ビニロン、単繊維
での水に対する収縮率25%、650デニール)1本
と炭素繊維(商品名東レSA−7,150デニール)
2本とからなる軸糸に、150デニールの着色した
ウーリーナイロンからなるパイル糸を組合わせ、
2箇所の給糸口を備え、1本毎に1本の針抜きし
てなるシリンダーメリヤス筒編機により、混繊編
みした折畳み巾65mm(直径約41.4mm)のものをサ
ンプルとした。 そして、この帯電防止用カバー1を、厚さ30mm
の木製ドア2の両側面に対向するように取付けた
金属製ノブ3a,3bのうちの1つであるノブ3
aに装着した(第2図)。 装着方法としては、例えば、ノブ3aの端面か
ら帯電防止用カバー1の一端部を少し突出するよ
うに装着して水に濡らすと、帯電防止用カバー1
の一端部がカールしてノブ3aの端面を被覆する
とともに、帯電防止用カバー1が径方向に収縮し
てノブ3aを大なる力で締め付けて密着するの
で、便利である。 次に、ノブ3bを静電気発生装置で約10KVに
帯電させた後、ノブ3bに金属棒を近づけると火
花放電を生じたのに対し、帯電防止用カバー1を
装着したノブ3aには何の反応も見受けられなか
つた。そして、帯電圧測定機で測定したノブ3a
の帯電圧は約0.5KVで、手で触れても電気的衝撃
もなく、不快感もなかつた。 したがつて、本実験結果より、本考案にかかる
帯電防止用カバーは、軸糸のシンカループ長さを
通常の編物のそれより長くしてあるので、装着の
際に径方向の伸びが大きいうえに、軸糸に水に対
して収縮率の大きい繊維を使用することにより、
給水した場合の径方向に対する収縮率を大きくし
てあるので、複雑な曲面形状を有するものであつ
ても密着して取付けることができ、優れた装着性
を有することが判明した。 しかも、本考案にかかる帯電防止用カバーは、
火花放電を発生させず、炭素繊維によるコロナ放
電によつて静電気を除去し、優れた制電特性を有
することが判明した。 さらに、パイル糸に染色した繊維を使用してい
るので、カラフルとなり、カーペツト等との配色
によつて優れたインテリアになるという利点があ
る。 なお、帯電防止用カバー1の一端部を袋つづり
しておけば、位置決めが容易となり、かつ、美観
が優れたものとなる。 また、本考案にかかる帯電防止用カバー1の使
用例は前述の実験例に限らず、例えば、ゴムリン
グ4を備えた複写機用給紙ローラ5(第3図)、
ゴムローラである複写機用排紙ローラ6(第4
図)に本願帯電防止用カバーを装着して使用する
場合であつてもよい。 第2実施例は、前述の第1実施例が編針を1本
毎に1本の針抜きし、かつ交互編みした場合であ
るのに対し、編針を2本毎に針抜きし、かつ、交
互編みした場合(第5図)である。 また、第3実施例は、編針を2本毎に1本の針
抜きし、かつ、交互編みした場合(第7図)であ
る。 なお、本考案にかかる帯電防止用カバーは必ず
しも前記実施例に限らず、編針を3本毎に3本の
針抜きをした場合でもよく、パイル糸は必ずしも
必要でないことは勿論である。また、パイル糸を
使用する場合でも、本願カバーの端部に位置する
パイル糸に熱接着性繊維(例えば、商品名 東レ
エルダー)を使用し、本願カバーをグリツプ等
に装着後、前記パイル糸を加熱溶融して固化すれ
ば、フイルム状となり、グリツプ等からの脱落や
編組識のほつれを防止できる。さらに、装着方法
としては給水に限らず、加熱する方法であつても
よく、軸糸に導電性繊維を使用する場合には、ア
ースしておくことが好しい。 (ヘ) 考案の効果 以上の説明から明らかなように、本考案にかか
る帯電防止用カバーは軸糸に制電性繊維又は導電
性繊維を使用しているので、静電気を効率的に除
去でき、優れた制電性を有する。 しかも、本考案にかかる帯電防止用カバーは、
少なくとも水又は熱に対して収縮率の大きい繊維
からなる軸糸を、適宜、編針を針抜きしてシンカ
ーループ長を長く、かつ、高さの異なる編針で交
互編みしてなる編組識を有するので、径方向に大
きく伸びて装着しやすいうえに、水又は熱に対す
る径方向の収縮率が大きいため、給水又は加熱す
ることによつて段部を有するローラ等であつても
大なる力で締め付けて密着し、ゆるみにくいとい
う優れた装着性を有する。 さらに、本願帯電防止用カバーによれば、巻回
固定に接着剤等を使用していないので、接着剤等
の劣化によつてゆるむということがなく、優れた
経時特性を有する。 また、従来例の如く帯状の布地に制電性繊維を
植毛するのではなく編み込んであるので、抜け落
ちにくくなり、抜け落ちた制電性繊維が堆積して
火災発生の原因になるということがなく、安全で
ある。
繊したサンプルA,Bおよび比較品Cには、炭素
繊維を含まない軸糸にアクリル繊維のみからなる
パイル糸を組合わせた比較品Dと比較して著しい
制電効果が認められる。 実験例 2 本実験例は本考案にかかる帯電防止用カバーの
装着性、制電性に関するものである。 本実験例にかかる帯電防止用カバーは、未アセ
タール化のPVA繊維(商品名ビニロン、単繊維
での水に対する収縮率25%、650デニール)1本
と炭素繊維(商品名東レSA−7,150デニール)
2本とからなる軸糸に、150デニールの着色した
ウーリーナイロンからなるパイル糸を組合わせ、
2箇所の給糸口を備え、1本毎に1本の針抜きし
てなるシリンダーメリヤス筒編機により、混繊編
みした折畳み巾65mm(直径約41.4mm)のものをサ
ンプルとした。 そして、この帯電防止用カバー1を、厚さ30mm
の木製ドア2の両側面に対向するように取付けた
金属製ノブ3a,3bのうちの1つであるノブ3
aに装着した(第2図)。 装着方法としては、例えば、ノブ3aの端面か
ら帯電防止用カバー1の一端部を少し突出するよ
うに装着して水に濡らすと、帯電防止用カバー1
の一端部がカールしてノブ3aの端面を被覆する
とともに、帯電防止用カバー1が径方向に収縮し
てノブ3aを大なる力で締め付けて密着するの
で、便利である。 次に、ノブ3bを静電気発生装置で約10KVに
帯電させた後、ノブ3bに金属棒を近づけると火
花放電を生じたのに対し、帯電防止用カバー1を
装着したノブ3aには何の反応も見受けられなか
つた。そして、帯電圧測定機で測定したノブ3a
の帯電圧は約0.5KVで、手で触れても電気的衝撃
もなく、不快感もなかつた。 したがつて、本実験結果より、本考案にかかる
帯電防止用カバーは、軸糸のシンカループ長さを
通常の編物のそれより長くしてあるので、装着の
際に径方向の伸びが大きいうえに、軸糸に水に対
して収縮率の大きい繊維を使用することにより、
給水した場合の径方向に対する収縮率を大きくし
てあるので、複雑な曲面形状を有するものであつ
ても密着して取付けることができ、優れた装着性
を有することが判明した。 しかも、本考案にかかる帯電防止用カバーは、
火花放電を発生させず、炭素繊維によるコロナ放
電によつて静電気を除去し、優れた制電特性を有
することが判明した。 さらに、パイル糸に染色した繊維を使用してい
るので、カラフルとなり、カーペツト等との配色
によつて優れたインテリアになるという利点があ
る。 なお、帯電防止用カバー1の一端部を袋つづり
しておけば、位置決めが容易となり、かつ、美観
が優れたものとなる。 また、本考案にかかる帯電防止用カバー1の使
用例は前述の実験例に限らず、例えば、ゴムリン
グ4を備えた複写機用給紙ローラ5(第3図)、
ゴムローラである複写機用排紙ローラ6(第4
図)に本願帯電防止用カバーを装着して使用する
場合であつてもよい。 第2実施例は、前述の第1実施例が編針を1本
毎に1本の針抜きし、かつ交互編みした場合であ
るのに対し、編針を2本毎に針抜きし、かつ、交
互編みした場合(第5図)である。 また、第3実施例は、編針を2本毎に1本の針
抜きし、かつ、交互編みした場合(第7図)であ
る。 なお、本考案にかかる帯電防止用カバーは必ず
しも前記実施例に限らず、編針を3本毎に3本の
針抜きをした場合でもよく、パイル糸は必ずしも
必要でないことは勿論である。また、パイル糸を
使用する場合でも、本願カバーの端部に位置する
パイル糸に熱接着性繊維(例えば、商品名 東レ
エルダー)を使用し、本願カバーをグリツプ等
に装着後、前記パイル糸を加熱溶融して固化すれ
ば、フイルム状となり、グリツプ等からの脱落や
編組識のほつれを防止できる。さらに、装着方法
としては給水に限らず、加熱する方法であつても
よく、軸糸に導電性繊維を使用する場合には、ア
ースしておくことが好しい。 (ヘ) 考案の効果 以上の説明から明らかなように、本考案にかか
る帯電防止用カバーは軸糸に制電性繊維又は導電
性繊維を使用しているので、静電気を効率的に除
去でき、優れた制電性を有する。 しかも、本考案にかかる帯電防止用カバーは、
少なくとも水又は熱に対して収縮率の大きい繊維
からなる軸糸を、適宜、編針を針抜きしてシンカ
ーループ長を長く、かつ、高さの異なる編針で交
互編みしてなる編組識を有するので、径方向に大
きく伸びて装着しやすいうえに、水又は熱に対す
る径方向の収縮率が大きいため、給水又は加熱す
ることによつて段部を有するローラ等であつても
大なる力で締め付けて密着し、ゆるみにくいとい
う優れた装着性を有する。 さらに、本願帯電防止用カバーによれば、巻回
固定に接着剤等を使用していないので、接着剤等
の劣化によつてゆるむということがなく、優れた
経時特性を有する。 また、従来例の如く帯状の布地に制電性繊維を
植毛するのではなく編み込んであるので、抜け落
ちにくくなり、抜け落ちた制電性繊維が堆積して
火災発生の原因になるということがなく、安全で
ある。
第1図は本考案にかかる第1実施例の編組織を
示す説明図、第2図は本考案にかかる第1実施例
の実験例2を示す断面図、第3図、第4図は本考
案にかかる第1実施例の他の使用例を示す断面
図、第5図は本考案にかかる第2実施例の編組織
を示す説明図、第6図は第1図の詳細な斜視図、
第7図は本考案にかかる第3実施例の編組織を示
す斜視図である。 1……帯電防止用カバー、a,b……軸糸、
……シンカーループ長。
示す説明図、第2図は本考案にかかる第1実施例
の実験例2を示す断面図、第3図、第4図は本考
案にかかる第1実施例の他の使用例を示す断面
図、第5図は本考案にかかる第2実施例の編組織
を示す説明図、第6図は第1図の詳細な斜視図、
第7図は本考案にかかる第3実施例の編組織を示
す斜視図である。 1……帯電防止用カバー、a,b……軸糸、
……シンカーループ長。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 少なくとも水又は熱に対して収縮率の大きい
繊維からなる軸糸を、適宜、編針を針抜きして
シンカーループ長を長く、かつ、高さの異なる
編針で交互編みしてなる編組織を有する円筒形
状の帯電防止用カバーにおいて、前記軸糸に制
電性繊維又は導電性繊維を配することを特徴と
する帯電防止用カバー。 (2) 前記編針を、1本毎に1本の針抜きして構成
したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
第(1)項記載の帯電防止用カバー。 (3) 前記編針を、2本毎に2本の針抜きして構成
したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
第(1)項記載の帯電防止用カバー。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1984185646U JPH0315586Y2 (ja) | 1984-12-06 | 1984-12-06 | |
US06/806,231 US4672825A (en) | 1984-12-06 | 1985-12-06 | Antistatic cover |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1984185646U JPH0315586Y2 (ja) | 1984-12-06 | 1984-12-06 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61100000U JPS61100000U (ja) | 1986-06-26 |
JPH0315586Y2 true JPH0315586Y2 (ja) | 1991-04-04 |
Family
ID=30743112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1984185646U Expired JPH0315586Y2 (ja) | 1984-12-06 | 1984-12-06 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0315586Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102103235B1 (ko) * | 2012-12-20 | 2020-04-22 | 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 | 정전기 감소 롤러 및 웨브 상의 정전기를 감소시키는 방법 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57205999A (en) * | 1981-06-11 | 1982-12-17 | Katsuji Yamaguchi | Static eliminator for human body for door knob |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59169387U (ja) * | 1983-04-26 | 1984-11-13 | 株式会社 田内商店 | 帯電防止メリヤス生地 |
-
1984
- 1984-12-06 JP JP1984185646U patent/JPH0315586Y2/ja not_active Expired
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57205999A (en) * | 1981-06-11 | 1982-12-17 | Katsuji Yamaguchi | Static eliminator for human body for door knob |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61100000U (ja) | 1986-06-26 |
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