JPH0315089B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、瞬間湯沸器の発停を制御するため
の発停装置に関する。

従来の瞬間湯沸器の発停装置は、瞬間湯沸器を
通して流れる水の流量（流水量）にもとづいて制
御されていたため、ある流水量（たとえば３／
mm）以下になると、加熱が必要であるにもかかわ
らず燃焼を停止してしまう。

近年、出湯温度を比例制御するようにした瞬間
湯沸器が普及してきたが、この形式のものでも、
流水量が減少した場合には、出湯温度が設定値以
下であつても燃焼は停止し、したがつて所望の温
度の湯は得られない。

この発明は、流水量あるいは入水温度が大きく
変化しても、出湯温度を所望の値に制御できるよ
うにした瞬間湯沸器の発停装置を提供することを
目的としている。

以下にこの発明の一実施例について図面を参照
して説明する。第１図において、符号１は瞬間湯
沸器のバーナ、２はこのバーナ１によつて加熱さ
れる熱交換器、３は熱交換器２に水を導入する供
給パイプ、４は熱交換器２で所望の出湯温度値に
加熱された湯を取出す給湯パイプ、５はこの給湯
パイプ４に設けられた給湯栓をそれぞれ示す。バ
ーナ１は、後で述べる動作信号が出されたとき
に、ときに着火され、図示しない燃焼制御装置に
よつて例えば燃焼量が制御される。

またセンサ６は、給水パイプ３を通つて熱交換
器２に供給される水の流量（流水量）および温度
（入水温度）を検出し、流量信号Ｆおよび温度信
号Qiを出力する機能を有する。演算回路７は、
この流量信号Ｆおよび温度信号Qiにもとづき、
入水温度および設定出湯温度の差と流水量との積
を求め、その値が所望の設定値よりも大きいとき
に動作信号を出力する動作を行う。

なお、この例では、流量信号Ｆは流水量に比例
した周波数のパルスとして、また温度信号Qiは
温度に比例した直流電圧として与えられるものと
する。

第２図に演算回路７の具体的な回路構成の一例
を示す。この例ではサーミスタで示す温度センサ
６ａは、定電流回路１１から一定電流ｉ１の供給
を受け、その抵抗値をRdとすれば、ｉ１Rdの電
圧を発生する。

また瞬間湯沸器の出湯温度を設定する温度設定
器Rsは、定電流回路１２から一定電流ｉ２の供
給を受け、その抵抗値Rdに応じた電圧iRsを発生
する。また抵抗Ｒ１〜Ｒ３およびオプアンプＵ１
で構成された偏差増幅器は、 ε＝i1Rd−i2Rs ……(1) を入力とし、増幅率Ａを Ａ＝R2／R1 ……(2) とすると、出力端に Aε＝R2／R1（i1Rd−i2Rs） ……(3) で表わされる電圧を出力する。

一方、オペアンプＵ１の出力側に設けられたト
ランジスタＱ１は、流量信号Ｆのパルスに応じて
オン・オフ動作するスイツチ回路を構成いてい
る。またオペアンプＵ１の出力側には、抵抗Ｒ
４，Ｒ５、ダイオードＤ１，Ｄ２およびコンデン
サＣ１からなるフイルタ回路が接続されている。
このフイルタ回路は、トランジスタＱ１がオフの
期間では抵抗Ｒ４およびダイオードＤ１を経て、
オペアンプＵ１の出力電流でコンデンサＣ１を充
電し、トランジスタＱ１がオンの期間ではコンデ
ンサＣ１の電荷をダイオードＤ２、抵抗Ｒ５およ
びトランジスタＱ１を通して放電するという動作
を行うことによつて、コンデンサＣ１の端子電圧
として、 Ef＝Aεts／tp＝Aεtsf∝εf ……(4) ただし ｆ：流量信号Ｆの周波数 tp：流量信号Ｆの周期 ts：流量信号Ｆのパルス幅 で表わされる出力信号の出力する。すなわち偏差
増幅器、スイツチ回路およびフイルタ回路は、 （入水温度と設定出湯温度との偏差）×（流水
量）に比例した電圧Efとして出力する熱量演算
回路として動作する。この出力電圧Efは、瞬間
湯沸器で水を所望の温度まで加熱するのに必要な
必要熱量を表わしており、この出力電圧Efは動
作信号出力回路としてのコンパレータＵ２で設定
熱量としての基準電圧Ｅと比較され、基準電圧Ｅ
よりも高いときにコンパレータＵ２から動作信号
が出力される。

なおセンサ６の温度検出素子としては、サーミ
スタのほかに熱電対等を使用することができ、ま
た出湯温度の設定手段および入水温度との偏差演
算器は、デイスクリート、マイクロコンピユータ
等でもよく、メカニカルな手段も利用できる。

以上のようにこの発明のよれば、瞬間湯沸器の
発停は、水を所望の設定出湯温度まで加熱するの
に必要な熱量が設定熱量よりも多いときに、バー
ナを着火させるための動作信号が出力される。し
たがつて流水量あるいは入水温度が変化しても、
出湯温度を所望の値に正確に制御でき、瞬間湯沸
器の能力を100％利用できる。

また従来の瞬間湯沸器は、入水温度が高く、加
熱を必要としない場合でも、流水量が設定値以上
であれば起動するものであつたために、ソーラ熱
源との結合は不可能であつたが、この発明の発停
装置では、入水温度が高ければ、流水量が多くて
もバーナの着火は行われず、夜間などの入水温度
の低いときだけ加熱が行われるので、ソーラ熱源
との結合が可能になり、また省エネルギ効果も得
られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の発停装置を適用した瞬間湯
沸器の構成を示すブロツク図、第２図は第１図の
瞬間湯沸器に用いられた演算回路の回路図であ
る。 １……バーナ、２……熱交換器、３……給水パ
イプ、４……給湯パイプ、５……給湯栓、６……
センサ、６ａ……サーミスタ、７……演算回路、
Rs……温度設定器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 熱交換器に導入する水の温度および流量を検
   出するセンサと、このセンサで検出された水の温
   度と予じめ温度設定器に設定された出湯温度との
   温度差を求める偏差増幅器と、前記求められた温
   度差と前記センサで検出された水の流量との積に
   もとづいて該水を設定出湯温度まで加熱するため
   の必要熱量を求める熱量演算回路と、前記必要熱
   量を設定熱量と比較し該必要熱量が該設定熱量よ
   り高いときのみ動作信号を出力する動作信号出力
   回路と、前記動作信号が出力されたときに着火さ
   れ、前記熱交換器を通る水を加熱するバーナとを
   具備した瞬間湯沸器の発停装置。