JPH0313857B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は飲料、特に粉末形の飲料組成物に関す
る。本発明に係る組成物は液体、例えば熱水およ
び可溶性コーヒー、又は１種の「カプシノ
（cappnccino）」を得るために熱液体コーヒー、
又はココア−フレーバ付与飲料と混合して表面に
気泡の多い飲料を製造するものである。

粉乳からほとんど脂肪および／又は乳タン白を
含まない製品までコーヒーを白くするための粉末
製品がいくつかある。

米国特許第4438147号明細書は特に非乳脂、非
乳炭水化物およびカゼイン ナトリウムのような
タン白を含む気泡安定剤から成る粉末形組成物の
製造方法を記載する。

この種の製品の製造には液体との十分な混合を
確保するために特別の注意を払う必要がある。特
に微酸性の熱コーヒーの存在で凝集しないように
加熱するためにすぐれた濡れ性、高い溶解性およ
び高い安定性を示さねばならない。

本発明は主成分が0.2〜28％の脂肪、５〜16％
のタン白、16〜62％の乳糖および任意には60％ま
で他の炭水化物である粉末形組成物は１：3.5〜
１：５のタン白対乳糖の重量比を有する場合、こ
れらの要件を十分に満足するという驚くべき知見
に基づく。

比較のため、この比率は牛乳に対しては１：
1.4のオーダーの比率である。

熱安定性の見地から乳組成物のタン白：乳糖比
が１：４から余り離れすぎていると利点のないこ
とが経験から分つた。一方非乳成分をいくらか含
む組成物は熱感受性が低い。

必要の場合、組成物の粒子は小空洞を有しても
よく、この空洞のガスは液体と混合中に放出さ
れ、気泡を生成することを意図するものである。

１：3.5〜１：５の特徴的タン白：乳糖比を粉
末形生成物で得るならば、本発明組成物の製造法
は文献に反復記載される粉乳、又は米国特許第
4438147号明細書に記載のコーヒー ホワイトナ
ーの製造に使用される方法と原理的に異る所はな
い。タン白（乳、カゼイネート）の溶液に安定化
作用を有する塩、必要の場合、乳糖、スイート
ホエイ（レンネツトでカゼインを凝固する）、乳
脂および／又は植物脂肪、炭水化物、例えば蔗
糖、澱粉シラツプ、および必要の場合フレーバ付
与剤を添加する。

水性溶液では、安定化作用を有する塩は水性媒
体中で生成物の溶解中コーヒーの温和な酸度を中
和し、タン白の凝集を阻止する方向に寄与するバ
ツフアーを形成する。安定化作用を有する塩は例
えばクエン酸塩又はリン酸塩、好ましくはリン酸
−水素二ナトリウム（Na₂HPO₄）であり、例え
ばクエン酸塩の場合には乾物基準で0.6〜１重量
％の量で、又はリン酸−水素二ナトリウムの場合
には乾物規準で好ましくは0.3〜0.5重量％の量で
水性溶液に添加する。

16〜20重量％の固形含量を有する生成水性組成
物を予熱し、次にプレート熱交換器で、又は滞留
期間を有する蒸気注入により加熱し、46〜60％の
固形含量まで蒸発濃縮する。この濃縮工程後滞留
期間を有する別の加熱工程を行なう。

最後に、濃縮液は例えば塔で噴霧乾燥し、流動
層で後−乾燥する。

気泡の多い飲料を製造するための組成物を得る
ことが望ましい場合には、窒素のような不活性ガ
スを濃縮物に注入するのが望ましく、その後濃縮
物を噴霧乾燥し、粒子中に小空洞を形成する。

ガスは低圧、例えば３〜４バールで混合ポンプ
のすぐ前方で濃縮液に注入するのが好ましく、濃
縮液／ガス混合物は混合ポンプの近くに位置する
高圧ポンプにより取り、好ましくは40〜80バール
圧で噴霧乾燥塔のノズルにガスを含む濃縮液を送
る。

乾燥処理の初期段階で粒子に形成された小空洞
の早期破裂を避けるために、乾燥塔の熱風流が強
過ぎないようにすることが重要である。空気圧は
濃縮液に対し噴霧ノズルで約半分だけ減少するよ
うに乾燥塔の上部の空気供給パイプの端に固定さ
れた適当な装置、例えばスクリーン又は格子によ
りジエツト変流装置の方法で分散させることが好
ましい。こうして初めの烈しい空気流は多数の二
次小乱流に変換される。

凝固の危険があるので、すべての乳タン白およ
びコーヒーを噴霧乾燥することは困難である。そ
れらの粉末形混合物を得るために、液体コーヒー
中の酸は乳と混合および乾燥前に中和するか、又
は別法では乳およびコーヒーの双方共粉末形で混
合せねばならない。同じ注意は本発明の組成物に
ついて乳についてと同様に払わねばならない。工
業規模でコーヒーを含有する混合組成物を製造す
ることが望ましい場合、粉末形又は顆粒形のイン
スタントコーヒーを噴霧乾燥塔に導入して本発明
による粉末形組成物と混合使用することが好まし
い。好ましい一方法では、インスタントコーヒー
は、例えばサイクロンにより回収される微細粒子
を塔に返還するパイプを通して導入する。インス
タントコーヒーの重量割合は全体の18〜30％であ
ることが好ましい。成分を粉末形で混合する場
合、例えば粉末形混合物に一層均一の色調を与え
るために本発明組成物をコーヒーにより着色する
ことが有利である。

本発明による粉末形組成物は、各３ｇの３杯の
スプーンが140mlカツプの飲料を作るのに適する
ように１につき300ｇの密度を有することが好
ましい。１スプーンのインスタントコーヒーを添
加して、ホワイトコーヒーとして知られる１カツ
プのライトコーヒーを得ることができる。粉末形
組成物が小空洞を有する場合、インスタントコー
ヒーおよび必要の場合少量のココアの添加によ
り、８〜15mm厚さの気泡の層でおおわれた「カプ
シノ」タイプの飲料を供し、この気泡層は熱を保
有し、口内にクリーム感覚を与える。

％は重量による次例はいくつかの適当な方法お
よび可能な組成物を記載する。

例 １ （乳組成物） 100Kgの最終生成物を得るために、17.3Kgの乳
脂および40.28Kgの無脂固形を含む460Kgの標準化
乳を使用する。10％水性溶液形のNa₂HPO₄0.4Kg
をこれと混合し、次いて150Kgの微温水に溶解し
た39.7Kgの乳糖を添加する。全体をプレート熱交
換器で80℃に予熱し、次に５秒間蒸気注入により
115℃に加熱し、固形含量51％まで蒸気濃縮する。
43℃で約10分の滞留時間後、蒸気を注入して濃縮
液を75℃に再加熱し、約５分間そのままおく。50
％固形濃縮液の生産量は670／時間である。次
に約３バール圧で４／分の窒素を濃縮液に注入
し、次に68バール圧で噴霧乾燥塔のノズルにポン
プで送り、そこで15.7KPaの入口圧（1600mmの
水）で330℃の空気により噴霧乾燥する。最初の
空気流は噴霧ノズルで濃縮液に対するスクリーン
により約7.9KPaの圧（800mmの水）で小さな二次
乱流に分散させる。

サイクロンにより回収される微細粒子を塔に返
還するパイプを通して112Kg／時間の顆粒可溶性
コーヒーを導入し、その後塔から出る生成物を流
動層で乾燥する。

可溶性コーヒーを除いた本発明による粉末形組
成物の分析は次のとおりである： 重量％ 乳 脂 17.3 タン白 15.3 乳 糖 61.2 ミネラル 3.7 水 分 2.5 タン白：乳糖比は１：４である。

例 ２ （脱脂乳に基づく組成物） 100Kgの最終生成物を得るために、0.4Kgの乳脂
および40.2Kgの無脂固形を含む451.5Kgの脱脂乳
を使用する。10％水性溶液形の0.4KgのNa₂HPO₄
および次に150Kgの微温湯に溶解した39.7Kgの乳
糖を脱脂乳と混合する。次に混合物は80℃に予熱
し、16.9Kgのココナツ脂肪を連続的にそこに注入
する。残りの処理は例１におけるものと同じであ
る（５秒間蒸気の注入により115℃に加熱、濃縮
など）分析組成は、ココナツ脂肪を混合物の16.9
％について乳脂と置き換えることを除いて例１に
おけるものと同じである。

例 ３ （非−乳組成物） 100Kgの最終生成物を得るために、10％水性溶
液形の0.4KgNa₂HPO₄および次に12.8Kgの粉末カ
ゼイン ナトリウム、47.1Kgの粉末乳糖および
10.0Kgの蔗糖を50℃の水50Kgに添加する。次に混
合物はコロイドミルに導入し、そこで60℃の別の
水30Kgを添加する。70℃に予熱後、27.5Kgのココ
ナツ脂肪を連続的に注入し、その後混合物は５秒
間蒸気の注入により115℃に加熱し、フラツシユ
し、次に２工程（200および次に50バール）で均
質化する。滞留期間では30℃に冷却後、混合物は
蒸気の注入により75℃に再加熱する。５分の別の
滞留期間後、残りの処理は例１におけるものと同
じである（窒素の注入、噴霧乾燥、など）。

コーヒーを険く生成物の分析組成は次のとおり
である： 重量％ 脂 肪 27.6 タン白 11.6 乳 糖 46.9 蔗 糖 10.0 ミネラル 0.9 水 分 3.0 タン白：乳糖比は１：４である。

例 ４ （フレーバ付与乳組成物） 少量のシナモン粉末およびバニラ−フレーバ付
与糖を添加することを除いて、処理は例１におけ
るものと同じである。

この添加は３方法で行なう： １ 乾燥前の濃縮液に、 ２ 微細物を返還するためのパイプを通して可溶
性コーヒーと共に、 ３ 塔後の流動層に、 例 ５ （ホエイ粉末を有する乳組成物） 100Kgの最終生成物に対し、17.3Kgの脂肪およ
び23.8Kgの非脂固形を含む283Kgの標準化乳を使
用する。10％水性溶液形の0.4KgNa₂HPO₄を乳に
添加する。23.8Kgのスイートホエイ粉末（少なく
とも6.2のPH）、15.3Kgの乳糖および17.0Kgの蔗糖
を60℃の熱水120Kgに溶解する。混合物が塊りを
含まない場合、混合物は標準化乳に添加する。残
りの方法は例１記載のとおりである。コーヒーを
除いた生成物の分析組成は次のとおりである： 重量％ 脂 肪 17.5 タン白 11.9 乳 糖 46.8 蔗 糖 17.0 ミネラル 4.3 水 分 2.5 タン白：乳糖比は１：3.9である。

例 ６ （植物脂肪およびホエイ粉末を有する組成物） 100Kgの最終生成物を得るために、0.2Kgの脂肪
および23.8Kgの無脂固形を含む264Kgの脱脂乳を
使用する。10％水性溶液形の0.4KgNa₂HPO₄を脱
脂乳に添加する。23.8Kgの粉末スイート ホエイ
（少なくとも6.2のPH）、15.3Kgの乳糖および17.0Kg
の蔗糖を60℃の熱水120Kgに溶解する。混合物が
塊りを含まない場合、混合物を標準化乳に添加す
る。次に予め60℃に加熱した17.3Kgのココナツ脂
肪を全体を80℃に予熱する直前に混合物に連続的
に注入する。残りの処理は例１におけるものと同
じである。コーヒーを除いた生成物の分析組成は
次のとおりである： 重量％ 脂 肪 17.5 タン白 11.9 乳 糖 46.8 蔗 糖 17.0 ミネラル 4.3 水 分 2.5 タン白：乳糖比は１：3.9である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 本質的に脂肪、タン白、乳糖および他の炭水
   化物を含む飲料用粉末形組成物であつて、乾物基
   準で0.3〜１重量％の安定化作用を有する塩を含
   み、そしてタン白対乳糖の重量比は１：3.5〜
   １：５であることを特徴とする、上記組成物。 ２ 0.2〜28重量％の脂肪、５〜16重量％のタン
   白、16〜62重量％の乳糖および60重量％までの他
   の炭水化物を含む、請求項１記載の組成物。 ３ 可溶性コーヒーを添加する、請求項１記載の
   組成物。 ４ 可溶性コーヒー代替物を添加する、請求項１
   記載の組成物。 ５ 飲料を得るために再構成した時、飲料の表面
   に発泡する、気体含有孔を有する、請求項１記載
   の組成物。 ６ 脂肪、タン白、乳糖、その他の炭水化物およ
   び安定化塩を本質的に含む飲料用粉末組成物の製
   造方法であつて、サスペンジヨンまたは溶液状の
   脂肪、タン白、乳糖その他の成分を予備加熱また
   は加熱し、このサスペンジヨンまたは溶液を46〜
   60重量％の固形含量まで蒸発濃縮し、濃縮体に不
   活性ガスを低圧下注入し、ガスを濃縮体と混合
   し、ガス混入濃縮体の圧力を40〜80バールに上げ
   て、ノズルに注入し、この濃縮体を塔にて噴霧乾
   燥しついで後乾燥し、最終組成物中のタン白対乳
   糖の重量比は１：3.5〜１：５である、上記組成
   物の製造法。 ７ 最終組成物は0.2〜28％の脂肪、５〜16％の
   タン白、16〜62％の乳糖および60％までのその他
   の炭水化物を乾燥重量基準で含有するような比率
   で成分を混合する請求項６記載の方法。 ８ 噴霧乾燥する前に、液状混合物に安定化塩の
   水溶液を乾燥基準で0.3〜１重量％添加する、請
   求項６記載の方法。 ９ 低圧下不活性ガスを濃縮体に添加し、ガスと
   濃縮体を混合し、ガス化濃縮体を強く圧縮しつい
   でそれをノズルを通して噴霧乾燥塔に注入し、そ
   の塔にて複数の乱流成分流からなる熱風流に噴霧
   して乾燥する、請求項６〜８のいずれか１項記載
   の方法。 １０ 強い第一次流をジエツト変流装置の方式で
   ブレーキをかけ、ガスを含む濃縮体を噴霧するノ
   ズルで複数の第二次小乱流として、強い第一次流
   から熱風流を形成する、請求項９記載の方法。 １１ 可溶性コーヒーまたは可溶性コーヒー代替
   物を、組成物の乾燥中に回収される微粒子と混合
   し、その混合物を乾燥塔に導入しついで混合物を
   流動床にて後乾燥する、請求項６〜１０のいずれ
   か１項記載の方法。