JPH0313790B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 産業上の利用分野 本発明は、高精細テレビジヨン方式に使用され
る動き検出回路に関するものである。

従来の技術 最近、高精細（Extended−Defention）テレビ
ジヨン方式（EDTV）が研究されつつある。

この高精細テレビジヨン方式は、従来のNTSC
方式では送出していなかつた。4.2MHz以上の高
域輝度信号を色信号帯域に周波数変換し、これを
輝度信号の低域成分及び色信号との間の周波数間
そう（インターリイビング）により送出し、受像
機側のＹ／Ｃ分離回路で３者を分離しようとする
ものである。

この高精細テレビジヨン方式では、受像機側
に、フレーム間相関やライン間相関に基づく時空
間フイルタ（クシ型フイルタ）を用いた複数種類
のＹ／Ｃ分離回路と、これら分離回路の出力の合
成比をフレーム間相関の高低（画面内の動きの大
小）に応じて制御する合成回路とから成る動き適
応型Ｙ／Ｃ分離回路が設置される。送信側では、
輝度信号の高域成分や色信号と多重化する前の輝
度信号の低域成分から画面内の動きの大小が検出
され、これに応じた動き適応制御情報（モード情
報）が受像機に送出され、受像機側では上記モー
ド情報に従つて動き適応型Ｙ／Ｃ分離回路が制御
される。

発明が解決しようとする問題点 上記高精細テレビジヨン方式は、適応制御のた
めの動き検出を送信側で行い、この動き情報を映
像信号に多重化して受像機側に送出するものであ
るが、このような動き情報の多重化は放送周波数
帯域の制限から極めて困難である。

発明の構成 問題点を解決するための手段 本発明の動き検出回路は、受像機側で動き検出
を行うことにより、上記従来技術における放送周
波数帯域上の問題点を解決するように構成されて
いる。

すなわち、本発明の動き検出回路は、受像機側
に、高精細テレビジヨンの映像信号について２フ
レーム分の差信号を検出し、広げエツジ処理を含
む非線型処理と絶対値処理を行う回路と、１フレ
ーム分の差信号の低周波成分を検出し、広げエツ
ジ処理を含む非線型処理と絶対値処理を行う回路
と、これら処理された差信号を合成する合成回路
と、この合成回路の出力から弧立点を除去する弧
立点除去回路と、この弧立点除去回路の出力信号
並びにこれを262本の水平走査線分及び263本の水
平走査線分遅延させた信号を合成して動き適応型
Ｙ／Ｃ分離回路に制御信号として供給する動き合
成回路と、画面内の水平、垂直エツジを検出して
上記広げエツジ処理を行う処理回路に通知するエ
ツジ検出回路とを備えている。

以下、本発明の作用を実施例と共に詳細に説明
する。

実施例 第１図は、本発明の一実施例に係わる高精細テ
レビジヨン方式の受像機側に設置される動き検出
回路の構成を示すブロツク図である。

１と２は入力端子INに供給される高精細テレ
ビジヨン受信信号にそれぞれ１フレーム（525ラ
イン）分の遅延時間を与える遅延回路、３と４は
減算器、５は低域通過濾波回路、６と７は非線
型・絶対値回路、８は合成回路、９はエツジ検出
回路、１０は弧立点除去回路、１１と１２はそれ
ぞれ262ラインと１ライン分の遅延を与える遅延
回路、１３は動き合成回路、１４は動き伸張フイ
ルタである。

入力端子INに供給された映像信号は、遅延回
路１の入力端子と、演算器３の一方の入力端子に
供給される。減算器３の他方の入力端子には遅延
回路１と２を通過した２フレーム分前の信号が供
給される。画面が少なくとも２フレームにわたつ
て静止している状態では、減算器２の両入力端子
に供給される映像信号は等しい。従つて、減算器
３の出力、すなわち２フレーム分の時間差を有す
る映像信号間の差信号の大小は画面の動きの大小
を表示する。

同様に、減算器４の２個の入力端子のそれぞれ
には、遅延回路１と２から出力された１フレーム
分の時間差を有する映像信号が供給される。高精
細テレビジヨン信号においてもNTSCテレビジヨ
ン信号と同様に、フレーム間で色副搬送波の位相
が反転しているため、減算器４からは色信号の２
倍の振幅の信号成分と画面の動きの大小を表示す
る信号成分が出力される。低域通過濾波回路５
は、この減算器４の出力から色信号成分を除去し
つつ動きの大小に応じた輝度信号の差信号の低域
成分を抽出し、出力する。

非線型・絶対値回路６は、減算器３の出力に対
して広げエツジ処理を含む非線型処理と絶対値処
理を行う。同様に、非線型・絶対値回路７も低域
通過濾波回路７の出力に対して広げエツジ処理を
含む非線型処理と絶対値処理を行う。

非線型・絶対値処理回路６と７の処理は、第２
図の入出力特性図で示すように、正負両極性の入
力に対してその絶対値のみに依存する出力を発生
する絶対値処理と、入力が所定値以下の場合には
これに依存しない０を出力し、入力が所定値以上
の場合にもこれに依存しない所定値を出力し、こ
れらの中間においては入力に応じた値を出力する
非線型処理と、エツジの有無に応じて入出力比を
変更する広げエツジ処理を含んでいる。

エツジ検出回路９は、遅延回路１の出力から表
示画面内に出現する水平エツジと垂直エツジを検
出し、一方又は双方のエツジを検出すると、エツ
ジ検出信号を非線型・絶対値回路６と７に供給す
る。このエツジ検出信号を受けた非線型・絶対値
回路６と７は、第２図の入出力特性図に示すよう
に、入出力レベル比を低下させる。このような広
げエツジ処理により、カメラのぶれや同期系統の
ジツタなどによつて動きがないにも拘らずエツジ
部分で生じることのある偽の動き検出信号が抑圧
される。

非線型・絶対値回路６と７の出力は、合成回路
８において重み付けされつつ合成される。この合
成方法の端的な一例は、大きい方に１の重み付け
を行うと共に小さな方に０の重み付けを行う、い
わゆる最大値選択の方法である。

弧立点除去回路１０は、合成回路８の出力中に
含まれる弧立点を、雑音によつて発生した偽の動
き検出信号と見做して除去する。すなわち、合成
回路８の出力が水平、垂直方向に所定回数連続し
て所定値を越えない場合には、雑音によるものと
見做されゼロにされる。

弧立点除去回路１０で雑音の影響が除去された
動き検出信号αは、動き合成回路１３と遅延回路
１１に供給される。遅延回路１１から出力された
262ライン分前の動き検出信号βは、動き合成回
路１３と遅延回路１２に供給される。遅延回路１
２から出力された253ライン分前の動き検出信号
γも動き合成回路１３に供給される。

高精細テレビジヨン方式では、動き検出信号α
がフレーム間の動きの大小を表示する。一方、動
き検出信号βとγは上記αで表示される動きに伴
い輝度信号と色信号間の相互漏れ行み量（漏話
量）の大小を表示する。

動き合成回路１３は、各動き検出信号α，β及
びγにそれぞれ係数k₁，k₂及びk₃を重み付けしつ
つ合成することにより、動き合成信号 Ｍ＝k₁α＋k₂β＋k₃γ を作成し、動き適応型制御Ｙ／Ｃ分離回路（図示
せず）に連なる出力端子Ｏ１に動き適応制御信号
として出力する。

動き伸張フイルタ１４は、動き合成回路１３か
ら出力される動き合成信号Ｍを空間的に鈍らした
ものを動き適応型走査線補間回路に連なる出力端
子Ｏ２に出力する。すなわち、動き合成回路１３
から出力される動き合成信号Ｍが第３図の波形図
に例示するような矩形状のものであれば、動き伸
張フイルタ１４は、これを水平／垂直方向の隣接
空間に伸張した波形ｍに変換して出力する。

この合成動き信号ｍを受ける動き適応型走査線
補間回路（図示せず）は、フイールド内のライン
間相関を利用する走査線補間回路と、フレーム間
相関を利用する走査線補間回路と、これら各走査
線補間回路の出力を制御信号に応じて制御される
重み付けのもとに合成する合成回路とから成る。
この合成回路における重み付けは、合成動き信号
ｍの増加につれてフレーム間相関を利用する走査
線補間回路の出力からフイールド内のライン間相
関を利用する走査線補間回路の出力へと移行す
る。

動き伸張フイルタ１４で隣接空間に伸張された
動き合成信号ｍが作成されることにより、静止と
動きの境界付近における重み付けの急激な変化に
伴う画質の劣化が有効に軽減される。

発明の効果 以上詳細に説明したように、本発明に係わる高
精細テレビジヨン方式の動き検出回路は、受像機
側に動き検出回路を備える構成であるから、放送
周波数帯域の制限を受けない実用的な高精細テレ
ビジヨン信号のＹ／Ｃ分離や走査線補間で実現で
きるという効果が奏される。

また、本発明の動き検出回路は262ラインと263
ライン分前の映像信号についても同時に動きを検
出する構成であるから、動きだけでなく動きに起
因する漏話量の大小をも考慮した極細かい動き適
応制御が可能になるという効果も奏される。

さらに、本発明の動き検出回路は、２フレーム
間と１フレーム間の差信号に対して広げエツジ処
理を含む非線型処理、合成処理、弧立点除去処理
などを行う構成であるから、エツジの存在や雑音
の混入に起因する偽の動き検出信号を有効に抑圧
できるという効果も奏される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係わる高精細テレ
ビジヨン方式の動き検出回路の構成を示すブロツ
ク図、第２図は第１図の非線型・絶対値回路６と
７の特性を例示する概念図、第３図は第１図の動
き伸張フイルタ１４の特性を例示する概念図であ
る。 １，２……１フレーム分の遅延回路、３，４…
…減算器、５……低域通過濾波回路、６，７……
非線型・絶対値回路、８……合成回路、９……エ
ツジ検出回路、１０……弧立点除去回路、１１…
…262ライン分の遅延回路、１２……１ライン分
の遅延回路、１３……動き合成回路、１４……動
き伸張フイルタ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 高精細テレビジヨン方式において、 受像機側に、２フレーム分の時間差を有する映
   像信号間の差信号を検出し、広げエツジ処理を含
   む非線型処理及び絶対値処理を行う回路と、 １フレーム分の時間差を有する映像信号間の差
   信号の低周波成分を検出し、広げエツジ処理を含
   む非線型処理及び絶対値処理を行う回路と、 これら処理された差信号を重み付けしつつ合成
   する合成回路と、 この合成回路の出力から弧立点を除去する弧立
   点除去回路と、 この弧立点除去回路の出力信号、並びにこれを
   262本の水平走査線分及び263本の水平走査線分遅
   延させた信号を合成して動き適応型Ｙ／Ｃ回路に
   制御信号として供給する動き合成回路と、 画面内の水平、垂直エツジを検出し、前記広げ
   エツジ処理を行う処理回路に通知するエツジ検出
   回路とを備えたことを特徴とする高精細テレビジ
   ヨン方式の動き検出回路。 ２ 前記動き合成回路から出力される制御信号を
   隣接表示空間に伸張して動き適応型走査線補間回
   路に供給する動き伸張フイルタを備えたことを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載の高精細テレ
   ビジヨン方式の動き検出回路。