JPH0313482Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はトランシーバ型フアクシミリ装置に関
するもので、詳しくは送信原稿と記録紙とを共用
の排出ローラを経てスタツカに収容する用紙搬送
機構を備えたトランシーバ型フアクシミリ装置の
排出ローラ駆動構造に関するものである。

〔考案の技術的背景〕

第１図はトランシーバ型フアクシミリ装置の従
来の用紙搬送機構を示したものである。この用紙
搬送機構では、原稿載置台１上の送信原稿２は、
自動給紙ローラ３によつて原稿載置台１から１枚
ずつ引出されて読取ヘツド４まで搬送され、該ヘ
ツドで読取られた原稿２は、移送ローラ５によつ
て排紙ローラ６まで搬送され、該ローラによつて
スタツカ７へ排出される。また、この用紙搬送機
構では、記録紙カセツト８内の記録紙９は、自動
給紙ローラ１０によつて記録紙カセツト８から１
枚ずつ引出されて補助ローラ１１に受渡され、該
補助ローラによつて記録ヘツド１２まで搬送さ
れ、該ヘツドで記録された記録紙９は、移送ロー
ラ１３によつて上記送信原稿２の排出にも使用さ
れる排紙ローラ６まで搬送され、該ローラによつ
てスタツカ７へ排出される。

〔背景技術の問題点〕

ところで、上記したトランシーバ型フアクシミ
リ装置では、原稿搬送用モータ１４の軸１５と、
自動給紙ローラ３の軸１６と、移送ローラ５の軸
１７とにそれぞれタイミングプーリ１８，１９，
２０を固着し、それらのプーリにタイミングベル
ト２１を巻掛け、また記録紙搬送用モータ２２の
軸２３と、自動給紙ローラ１０の軸２４と、補助
ローラ１１の一方のローラ１１ａの軸２５と、移
送ローラ１３の軸２６とにそれぞれタイミングプ
ーリ２７，２８，２９，３０を固着し、それらの
プーリにタイミングベルト３１を巻掛け、さらに
排紙ローラ駆動用モータ３２の軸３３と、排紙ロ
ーラ６の一方のローラ６ａの軸３４とにそれぞれ
タイミングプーリ３５，３６を固着し、それらの
プーリにタイミングベルト３７を巻掛けている。
なお、このフアクシミリ装置における用紙搬送機
構の排紙ローラ６は、第２図に示したように、タ
イミングベルト３７によつて駆動されるローラ６
ａと、該ローラに軽く当接するように配設された
遊動ローラ６ｂとからなつており、同様に補助ロ
ーラ１１もタイミングベルト３１によつて駆動さ
れるローラ１１ａと、該ローラに軽く当接するよ
うに配設された遊動ローラ１１ｂとからなつてい
る。

このように 上記トランシーバ型フアクシミリ
装置では、排紙ローラ６を送信原稿２の搬送と記
録紙９の搬送とに共用させるため、原稿搬送用モ
ータ１４および記録紙搬送用モータ２２とは別に
排紙ローラ駆動用モータ３２を配設している。即
ち、排紙ローラ駆動用モータ３２は、原稿２また
は記録紙９のいずれかが搬送される際には、必ず
駆動されていなければならないため、その駆動力
を原稿搬送用モータ１４および記録紙搬送用モー
タ２２とは独立した排紙ローラ駆動用モータ３２
から得ている。

したがつて、上記従来のトランシーバ型フアク
シミリ装置は、装置が大型化し、かつ排紙ローラ
駆動モータの制御回路も付設しなければならなか
つた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上記問題点に鑑みて、装置の
コンパクト化およびコストダウンを図ることので
きるトランシーバ型フアクシミリ装置を提供する
ことにある。

〔考案の概要〕

このような目的を達成するため本考案では、排
紙ローラの軸を原稿搬送用モータの軸と記録紙搬
送用モータの軸とにそれぞれ互いに独立した一方
向クラツチを介して接続し、原稿搬送用モータと
記録紙搬送用モータとのいずれか一方が駆動され
ている場合には必ず排紙ローラが駆動され、かつ
その際に該排紙ローラの回転力が原稿搬送用モー
タと記録紙搬送用モータとのいずれか他方の軸に
伝達されないようにし、もつて原稿と記録紙が同
時に搬送されることのないようにしている。

〔考案の実施例〕

以下図面に示した実施例を参照しながら本考案
を説明する。第３図は本考案に係るトランシーバ
型フアクシミリ装置の用紙搬送機構を示したもの
である。この用紙搬送機構では、原稿搬送用モー
タ４１の軸４２と、自動給紙ローラ４３の軸４４
と、移送ローラ４５の軸４６とにそれぞれタイミ
ングプーリ４７，４８，４９を固着するととも
に、第４図に示したように排紙ローラ５０の一方
のローラ５０ａの軸５１ａに一方向クラツチ５２
を介してタイミングプーリ５３を装着し、上記各
タイミングプーリ４７，４８，４９，５３にタイ
ミングベルト５４を巻掛けている。また、この用
紙搬送機構では、さらに記録紙搬送用モータ５５
の軸５６と、自動給紙ローラ５７の軸５８と、補
助ローラ５９の一方のローラ５９ａの軸６０と、
移送ローラ６１の軸６２とにそれぞれタイミング
プーリ６３，６４，６５，６６を固着するととも
に、第４図に示したように排紙ローラ５０の他方
のローラ５０ｂの軸５１ｂに一方向クラツチ６７
を介してタイミングプーリ６８を装着し、上記各
タイミングプーリ６３，６４，６５，６６，６８
にタイミングベルト６９を巻掛けている。なお、
第３図において、符号７０は原稿載置台、７１は
送信原稿、７２は読取ヘツド、７３はスタツカ、
７４は記録紙カセツト、７５は記録紙、７６は記
録ヘツドである。

以下に上記実施例の作用を説明し、併せて構成
をより詳細に説明する。このフアクシミリ装置で
は、送信を行なうに当つて原稿搬送用モータ４１
を駆動させると、その動力は軸４２からタイミン
グプーリ４７を介してタイミングベルト５４に伝
達され、該ベルトを矢印Ａ方向に移動させる。タ
イミングベルト５４の移動に伴い、該ベルトによ
つてタイミングプーリ４８，４９，５３が駆動さ
れ、軸４４，４６を介して自動給紙ローラ４３お
よび移送ローラ４５がそれぞれ回転され、また一
方向クラツチ５２、軸５１ａを介して排紙ローラ
５０ａが回転される。したがつて、原稿載置台７
０上の送信原稿７１は、自動給紙ローラ４３によ
つて原稿載置台７０から１枚ずつ引出されて読取
ヘツド７２まで搬送され、該ヘツドで読取られた
原稿７１は、移送ローラ４５によつて排紙ローラ
５０まで搬送され、該排紙ローラの一方のローラ
５０ａによつてスタツカ７３へ排出される。な
お、その際に、排紙ローラ５０の一方のローラ５
０ａの回転力は、他方のローラ５０ｂに伝達さ
れ、その軸５１ｂと共にローラ５０ｂを回転させ
るが、その回転力は一方向クラツチ６７が空転す
るためのタイミングプーリ６８には伝達されず、
したがつてタイミングベルト６９は移動せず、記
録紙搬送系の各ローラ５７，５７ａ，６１が回転
されることはない。

また、受信に当り、記録紙搬送用モータ５５が
駆動されると、その動力は軸５６からタイミング
プーリ６３を介してタイミングベルト６９に伝達
され、該ベルトを矢印Ｂ方向に移動させる。タイ
ミングベルト６９の移動に伴い、該ベルトによつ
てタイミングプーリ６４，６５，６６，６８が駆
動され、軸５８，６０，６２を介して自動給紙ロ
ーラ５７、補助ローラ５９ａおよび移送ローラ６
１がそれぞれ回転され、また一方向クラツチ６
７、軸５１ｂを介して排紙ローラ５０ｂが回転さ
れる。したがつて、記録紙カセツト７４内に記録
紙７５は、自動給紙ローラ５７によつて記録紙カ
セツト７４から１矢ずつ引出されて補助ローラ５
９ａに受渡され、該補助ローラによつて記録ヘツ
ド７６まで搬送され、該ヘツドで記録された記録
紙７５は、移送ローラ６１によつて排紙ローラ５
０まで搬送され、該排紙ローラの他方のローラ５
０ｂによつてスタツカ７３へ排出される。なお、
その際に、排紙ローラ５０の他方のローラ５０ｂ
の回転力は、一方のローラ５０ａに伝達され、そ
の軸５１ａと共にローラ５０ａを回転させるが、
その回転力は一方向クラツチ５２が空転するため
タイミングプーリ５３には伝達されず、したがつ
てタイミングベルト５４は移動せず、原稿搬送系
の各ローラ４３，４５が回転されることはない。

第５図は、排紙ローラ５０の駆動態様の変形例
を示したものである。この排紙ローラ５０では、
一方のローラ５０ａを遊動ローラとして他方のロ
ーラ５０ｂに軽く当接するように配設し、第３図
における原稿搬送系のタイミングベルト５４をタ
イミングプーリ４７，４９に掛け渡し、この搬送
系から例えばギヤーによる逆転機構を介してタイ
ミングベルト５４ａをタイミングプーリ５３に巻
掛け、一方向クラツチ５２を介して軸５１ｂに接
続させている。したがつて、この排紙ローラ５０
では、原稿搬送用モータ４１か記録紙搬送用モー
タ５５のいずれかが駆動されると、常に他方のロ
ーラ５０ｂが駆動され、原稿７１または記録紙７
５がスタツカ７３へ排出されることとなる。勿
論、その際には一方向クラツチ５２，６７のうち
のどちらかは空転している。

第６図は本考案に係るフアクシミリ装置におけ
る用紙搬送機構の他の実施例を示したものであ
る。この実施例では、タイミングベルト５４ｂを
原稿搬送用モータ４１のタイミングプーリ４７
と、自動給紙ローラ４３のタイミングプーリ４８
と、移送ローラ４５のタイミングプーリ４９とに
巻掛けるとともに、タイミングベルト５４ｃを原
稿搬送用モータ４１の軸４２に一方向クラツチ５
２′を介して配設したタイミングプーリ７７と、
排紙ローラ５０の一方のローラ５０ａの軸５１ａ
に固着したタイミングプーリ５３′とに巻掛けて
おり、またタイミングベルト６３ａを記録紙搬送
用モータ５５のタイミングプーリ６３と、自動給
紙ローラ５７のタイミングプーリ６４と、補助ロ
ーラ５９の一方のローラ５９ａのタイミングプー
リ６５と、移送ローラ６１のタイミングプーリ６
６とに巻掛けるとともに、タイミングベルト６９
ｂを記録紙搬送用モータ５５の軸５６に一方向ク
ラツチ６７′を介した配設したタイミングプーリ
７８と、排紙ローラ５０の他方のローラ５０ｂの
軸５１ｂに固着したタイミングプーリ６８′とに
巻掛けている。

したがつて、このような用紙搬送機構では、排
紙ローラ５０の両ローラ５０ａ，５０ｂの回転に
伴つて、それらのタイミングプーリ５３′，６
８′を介して両タイミングベルト５４ｃ，６９ｂ
が移動するが、その動力は一方向クラツチ５２′，
６７′によつて駆動されていない方の原稿搬送用
モータ４１または記録紙搬送用モータ５５へは伝
達されないので、原稿搬送系または記録紙搬送系
のいずれか一方が停止状態を維持される。

なお、上記した実施例では、フアクシミリ装置
の送信、受信に際しての動作を説明したが、この
フアクシミリ装置を複写機としても利用させる場
合、即ち原稿７１の内容を読取ヘツド７２で読取
り、それを記録紙７５に記録ヘツド７６によつて
再現させる場合には、原稿搬送用モータ４１およ
び記録紙搬送用モータ５５を共に駆動させればよ
い。

〔考案の効果〕

上記したように、本考案に係るトランシーバ型
フアクシミリ装置は、その用紙搬送機構に排紙ロ
ーラ駆動のための専用のモータおよびその制御回
路を必要としないので、コンパクト化が図れ、か
つコストダウンができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のトランシーバ型フアクシミリ装
置における用紙搬送機構を概念的に示した正面
図、第２図はその排紙ローラを拡大して示した断
面側面図、第３図は本考案に係るトランシーバ型
フアクシミリ装置における用紙搬送機構を概念的
に示した正面図、第４図はその排紙ローラを拡大
して示した断面側面図、第５図はその排紙ローラ
の変形例を示した断面側面図、第６図は本考案に
係るトランシーバ型フアクシミリ装置における用
紙搬送機構の他の実施例を概念的に示した正面図
である。 ４１……原稿搬送用モータ、４２……軸、４３
……自動給紙ローラ、４４……軸、４５……移送
ローラ、４６……軸、４７，４８，４９……タイ
ミングプーリ、５０……排紙ローラ、５０ａ……
一方のローラ、５０ｂ……他方のローラ、５１
ａ，５１ｂ……軸、５２，５２′……一方向クラ
ツチ、５３，５３′……タイミングプーリ、５４，
５４ａ，５４ｂ，５４ｃ……タイミングベルト、
５５……記録紙搬送用モータ、５６……軸、５７
……自動給紙ローラ、５８……軸、５９……補助
ローラ、５９ａ……一方のローラ、６０……軸、
６１……移送ローラ、６２……軸、６３，６４，
６５，６６……タイミングプーリ、６７，６７′
……一方向クラツチ、６８，６８′……タイミン
グプーリ、６９，６９ａ，６９ｂ……タイミング
ベルト、７０……原稿載置台、７１……送信原
稿、７２……読取ヘツド、７３……スタツカ、７
４……記録紙カセツト、７５……記録紙、７６…
…記録ヘツド、７７，７８……タイミングプー
リ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. それぞれ異なる搬送路を介して搬送される送信
   原稿と記録紙とを共用の排紙ローラへ導き、この
   共用の排紙ローラを経てスタツカに収容されるよ
   うにしたトランシーバ型フアクシミリ装置におい
   て、上記排紙ローラの軸を原稿搬送用モータの軸
   と記録紙搬送用モータの軸とにそれぞれ互いに独
   立した一方向クラツチを介して接続し、上記一方
   のモータによつて上記排紙ローラが駆動されてい
   る際には、その排紙ローラの動力が上記他方のモ
   ータの軸に伝達されないようにしたことを特徴と
   するトランシーバ型フアクシミリ装置。