JPH0313478Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 この考案は、複写機の給紙台における搬送され
る用紙の側面をガイドするための仕切板や排紙ト
レーにおける排紙された用紙の先端を当接させる
ための仕切板等のように載置台上で積載物を揃え
るために設けられる仕切板の位置調節機構に関す
る。

〈従来技術〉 第７図は、従来の複写機の給紙台の斜視図であ
る。

複写機に用紙を手差しするために設けられた給
紙台１における仕切板２は、用紙に沿わせる板部
６とその下方のスライド部５とからなり、給紙台
１の用紙載置面３に用紙搬送方向に対して直角方
向に穿設された長孔状のスライドガイド部４にス
ライド部５を支持されて板部６が摺動するように
なつている。ところが、従来の仕切板２は、スラ
イド部５が摺動子７と抜け止め部材８とに分離さ
れ、板部６に固着された摺動子７を上方からスラ
イドガイド部４に挿入し、この摺動子７に下方か
ら抜け止め部材８を張り合わせネジ９，９で固定
することにより給紙台１に組み付けられていた。
このため、従来の複写機の給紙台における仕切板
の位置調節機構は、給紙台１の部品点数が多くな
り、しかも、仕切板２の組み付け作業が面倒にな
り組み立て工程の省力化の妨げとなるので、複写
機のコストアツプの要因となつていた。

〈考案の目的〉 この考案は、このような事情に鑑みなされたも
のであつて、仕切板のスライド部と板部とを一体
形成するとともに、スライド部とスライドガイド
部とに係止部を設けることにより、仕切板の移動
を円滑にできるとともに、部品点数を削減し仕切
板組み立て工程の省力化を図ることができる仕切
板の位置調節機構を提供することを目的とする。

〈考案の構成および効果〉 この考案の仕切板の位置調節機構は、仕切板の
板部とスライド部とを板部の中央部で一体形成す
るとともに、スライドガイド部をスライド部の摺
動方向に形成された長孔で構成し、このスライド
ガイド部に弾性限界内の力を加えて変形させスラ
イド部を挿入すると前記摺動方向に直交する方向
に嵌まり込み、かつ、この力を取り去るとスライ
ドガイド部内におけるスライド部の前記摺動方向
に直交する方向の移動が規制されて係合し、スラ
イド部の脱落を防ぐことのできる一対の係止部を
スライドガイド部およびスライド部の摺動方向に
平行な側面のそれぞれに設けたことを特徴とす
る。

この考案の仕切板の位置調節機構を上記のよう
に構成すると、仕切板が一体ものとなるので部品
点数が削減される。しかも、組立作業時にはスラ
イドガイド部を弾性変形されてスライド部を挿入
し、スライド部を載置台に水平な方向に移動させ
ると、スライド部に形成された係止部がスライド
ガイド部に形成された係止部に係合し、この状態
で弾性変形させている力をスライドガイド部から
取り除くと、スライドガイド部内におけるスライ
ド部の移動は規制され、両者の係合状態が維持さ
れる。このため、組み付けの手間も軽減されるの
で、仕切板組み立て工程の省力化を図ることがで
きる。また、スライド部とスライドガイド部との
間のガタやバラツキが少なくなるので、摺動のた
めの精度がよくなり仕切板の動きがスムーズにな
る。

〈実施例〉 以下、この考案の仕切板の位置調節機構を複写
機の給紙台に実施した場合について説明する。

第１図は、この考案の実施例である複写機の給
紙台の斜視図、第２図および第３図は、それぞ
れ、同給紙台に仕切板を組み付けるための作業を
説明するための横断面図、第４図および第５図
は、それぞれ、同給紙台に仕切板を組み付けるた
めの他の方法による作業を説明するための横断面
図である。

この実施例の仕切板の位置調節機構は、仕切板
２の板部６とスライド部５とを一体形成し、か
つ、このスライド部５と給紙台１のスライドガイ
ド部４とに一対の係止部１０を設けることにより
構成される。仕切板２は、合成樹脂を一体成形す
ることにより、板部６とスライド部５とが一体形
成される。板部６は、給紙台１に積載された用紙
の側面に当接する用紙搬送方向に沿つた垂直で平
坦な用紙ガイド面１１を有し、用紙サイズに合わ
せてこの用紙ガイド面１１の用紙搬送方向に対し
て直角方向の位置が調節される。スライド部５
は、この板部６の下方に用紙ガイド面１１に対し
て直角方向に配置された角棒状である。このスラ
イド部５の係止部１０は、角棒状の一方の側面に
溝１２を形成することにより構成される。給紙台
１は、適度な弾性を有する合成樹脂で形成され、
用紙載置面３のほぼ中央部に用紙搬送方向に対し
て直角方向に長孔状のスライドガイド部４が穿設
されている。このスライドガイド部４の係止部１
０は、長孔状の一方の側端下部に庇状の突起１３
を設けることにより構成される。

上記のように構成されたこの実施例の仕切板の
位置調節機構は、仕切板２がスライド部５を給紙
台１のスライドガイド部４に支持されて摺動自在
となることにより、用紙ガイド面１１の位置を調
節する。この仕切板２の給紙台１への組み付け
は、まず、第２図に示すように、給紙台１のスラ
イドガイド部４の他方の側端に力を加え下方に押
し付けておき、仕切板２のスライド部５の溝１２
にスライドガイド部４の突起１３を嵌め込む。そ
して、押し付ける力を取り去ると、給紙台１が適
度な弾性を有し、かつ、力がこの弾性限界内の強
さに制御されることから、第３図に示すように、
スライドガイド部４の他方の側端が元の位置に復
帰し、仕切板２のスライド部５が脱落することが
ないように係止され、組み付けが完了する。ま
た、給紙台１のスライドガイド部４に加える力
は、第２図に示すような下向きの力に限らず、第
４図に示すように外向きの力を加え、スライドガ
イド部４の長孔状の幅を広げることにより仕切板
２のスライド部５を挿入するようにしてもよい。
この場合も、力を取り去ると、第５図に示すよう
に、スライドガイド部４の他方の側端が元に位置
に復帰し、仕切板２のスライド部５が脱落するこ
とがないように係止される。

以上説明したように、この実施例の仕切板の位
置調節機構は、仕切板２が一体ものとなるので、
給紙台１の部品点数が削減され、しかも、給紙台
１への仕切板２の組み付けが僅かな力を加えるだ
けで簡単にできるので、組み付けの手間が軽減さ
れ仕切板２組み立て工程の省力化を図ることがで
きる。このため、複写機のコストダウンに貢献す
ることができる。また、スライド部５とスライド
ガイド部４との嵌合の精度が容易に制御できるよ
うになるので、仕切板２摺動の際のガタやバラツ
キが少なくなり動きがスムーズになつて、仕切板
２の位置調節の際の操作性を向上させることがで
きる。

第６図は、この考案の他の実施例である複写機
の排紙トレーの斜視図である。

複写機の排紙トレー１４は、排紙された用紙の
先端を当接させて揃えるための仕切板２が、用紙
のサイズに合わせて用紙搬送方向に位置調節でき
るようになつている。このため、この排紙トレー
１４の仕切板２にこの考案の仕切板の位置調節機
構を実施した場合にも同様の効果を得ることがで
き、その他、載置台上で積載物を揃えるために位
置調節自在に設けられた仕切板であればどのよう
なものに実施することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例である複写機の給
紙台の斜視図、第２図および第３図は、それぞ
れ、同給紙台に仕切板を組み付けるための作業を
説明するための横断面図、第４図および第５図
は、それぞれ、同給紙台に仕切板を組み付けるた
めの他の方法による作業を説明するための横断面
図、第６図は、この考案の他の実施例である複写
機の排紙トレーの斜視図、第７図は、従来の複写
機の給紙台の斜視図である。 １……給紙台（載置台）、２……仕切板、４…
…スライドガイド部、５……スライド部、６……
板部、１０……係止部、１２……溝（スライド部
の係止部）、１３……突起（スライドガイド部の
係止部）、１４……排紙トレー（載置台）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 載置台のスライドガイド部にスライド部を支持
   されて摺動自在となり、板部でこの載置台上の積
   載物を揃える仕切板において、 仕切板の板部とスライド部とを板部の中央部で
   一体形成するとともに、スライドガイド部をスラ
   イド部の摺動方向に形成された長孔部で構成し、
   このスライドガイド部に弾性限界内の力を加えて
   変形させスライド部を挿入すると前記摺動方向に
   直交する方向に嵌まり込み、かつ、この力を取り
   去るとスライドガイド部内におけるスライド部の
   前記摺動方向に直交する方向の移動が規制されて
   係合し、スライド部の脱落を防ぐことのできる一
   対の係止部をスライドガイド部およびスライド部
   の摺動方向に平行な側面のそれぞれに設けたこと
   を特徴とする仕切板の位置調節機構。