JPH03133558A - シリンダブロックの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ンリンダブロ、りの製造方法に関し、さらに
詳しくは鋳鉄製のシリンダライナが鋳くるみされたアル
ミニウム合金製のシリンダブロックを低圧鋳造法もしく
はｉｒｆ力鋳造法によって製造する方法に関する。

従来の技術 内燃機関用のシリンダブロックとして、シリンダボア部
を鋳鉄で形成するべく鋳鉄製のシリンダライナをアルミ
ニウム合金で鋳ぐるみした構造のものが知られている。

このンリンタブロ、りは一般に低圧鋳造法もしくは重力
鋳造法によって製造されるもので、寸法精度の確保とシ
リンダライナの抜は止め効果（相手側のアルミニウム金
倉との凹凸審査によるアンカー効果）を得るために、シ
リンダライナの外周面に、例えばねじ溝の如き円周方向
に沿う螺旋状の満を予め形成した一Ｌで鋳くるみするこ
とかある。

発明が解決しようとする課題 ｌ記のような製造方法においては、異材質である鋳鉄製
の７リンダライナとアルミニウム合金との密着度が重要
な要素となるのであるが、螺旋状の溝があるとかえって
製品部空間内の空気の排出と湯回りが悪く、シリンダラ
イナとアルミニウム合金との密着度の向上が望めない。

その結果、機関運転時にシリンダボア内からウォータジ
ャケット内の冷却水への伝熱効率が悪くなり、機関性能
の低下が危惧される。

ここで、上記の密着度不良の原因は次のように推測され
る。すなわち、低圧鋳造法もしくは重力鋳造法によるシ
リンダブロックの製造方法においては、シリンダライナ
を直立姿勢にて金型内にセットした上、シリンダブロッ
クのスカート部となるべき部位の下端に連設した湯口部
から上方に向けて製品部空間内にアルミニウム合金の溶
湯を充填することになるのであるが、その際、シリンダ
ライナの軸心と直交する方向の螺旋状の溝によって製品
部空間の下方から上方へ向かう溶湯の流れ（湯回り性）
が阻害され、同時にそれに伴って製品部空間内の空気の
完全排出が困難となることが原因と考えられる。

本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、とりわけシリンダライナの外
周に形成される溝の抜は止め効果を維持しつつ、溶湯の
湯回りの改善を図ったシリンダブロックの製造方法を提
供することにある。

課題を解決するための手段 本発明は、鋳鉄製のシリンダライナをアルミニウム合金
で鋳ぐるみしてなるシリンダブロックの装造方法におい
て、シリンダライナの外周面全周に円周方向の溝を形成
する工程と、溝加工が施されたシリンダライナの外周面
にショットピーニング処理を施す工程と、ショットピー
ニング処理が施されたシリンダライナを直立姿勢にて金
型内に位置決めした上、シリンダブロックのスカート部
となるべき部位の下端に連設した湯口部からアルミニウ
ム合金の溶湯を上方に向けて充填してシリンダライナを
鋳ぐるみする工程とを含んでいる。

上記のショットピーニング処理は、隣接する溝同士の間
に存在する凸部を局部的に窪ませてシリンダライナ外周
の長手方向における溶湯の湯回り通路を確保するために
なされるもので、ショツト材（鋼球）の径としては溝同
士のピッチと同等もしくはそれよりも大径のものを使用
する。

作用 上記の方法によると、溝加工が施されたシリンダライナ
の外周面にショットピーニング処理を施すことにより、
前述したように隣接する溝同士の間に存在する凸部が局
部的に潰されて窪みが形成される。

そして、ショットピーニング処理が施されたシリンダラ
イナを鋳ぐるみするべくシリンダライナを直立姿勢にて
金型内にセットした上、アルミニウム合金の溶湯を充填
すると、溶湯は窪みを通路としてスムーズに上昇し、湯
回りと製品部空間内の空気の排出とが良好に行われる。

その結果、いわゆるライナ鋳ぐるみタイプのシリンダブ
ロックにおいて重要な要素となるシリンダライナとアル
ミニウム合金との密着度が大幅に向トする。

実施例 第１図（Ａ）は本発明の一実施例を示す説明図で、シリ
ンダブロックを低圧鋳造法にて鋳造する場合の例を示し
ている。

同図に示すように下型１と上型２および水手方向に移動
可能な横型３，４とにより画成された金型Ｍの製品部空
間５内に予め鋳鉄製のシリンダライナ６とウォータジャ
ケット中子７とを直立姿勢にて位置決めした上、シリン
ダブロック１５のスカート部９となるべき部位の下端に
連設した湯口部ＩＯから上方の製品部空間５に向けてア
ルミニウム合金の溶湯を充填し、シリンダライナ６を鋳
くるみするべく鋳造を行う。１１は図示しない溶湯保持
炉から湯口部ｌＯに溶湯を導くためのフィーダである。

このような鋳ぐるみ鋳造に先立ち、シリンダライナ６の
外周面全周に第２図および第３図に示すように予め円周
方向の溝１２を形成し、ざらに溝加工に続いてその溝加
工が施されたシリンダライナ６の外周面にショットピー
ニング処理を行う。

溝加工は、例えばターニングにより／リンダライナ６の
一端外周面から他端外周面に向けてねし溝の如き螺旋状
の溝１２を形成する。ただし、溝１２は必ずしもねじ溝
のように連続している必要はない。

ショットピーニング処理は、先に加工された溝１２．１
２同士の間に位置する凸部１３を局部的に窪ませること
を目的として行うもので、溝１２１２同士のピッチＰと
同等もしくはそれよりも大きな直径のショツト材（鋼球
）を用いて処理を行う。この場合、ショツト材の直径ｄ
が大きすぎると凸部１３が漬れすぎて溝加工を施した効
果が著しく低下することになるので、下記の条件でショ
ットピーニング処理を行うものとする。

ショットピーニング処理Ｖ ・／ヨツト材直径（ｄ）：　１．ＯＰ≦ｄ≦２．５Ｐ（
ただし、Ｐは溝１２のピッチ） ・投射速度　＝５０〜７０１／秒 ・投射密度　＝３００〜５００　ｋｇ／Ｉ・分ショット
ピーニング処理を施すことにより第１図（Ｂ）に示すよ
うに溝１２，１．２同士の間の凸部１３が局部的に潰さ
れて窪み１４が形成され、この窪み１４があるためにシ
リンダライナ６の円周方向に延びる溝１２．１２同士が
シリンダライナ６の長平方向にも相互に連通ずることに
なる。

このような溝加工およびショットピーニング処理が施さ
れたシリンダライナ６を用いて第１図（Ａ）のように鋳
ぐるみ鋳造を行うと、窪み１４が、スカート部９からシ
リンダボア部の上端に向かう溶湯の流れを助長する長平
方向の通路として機能するために、溶湯充填に伴う製品
部空間５内の空気の排出がスムーズに行われるとともに
、湯回りが大幅に改善される。そして、空気ＦＪ１出お
よび湯回りの円滑さにより鋳造後のシリンダライナ６と
アルミニウム合金との密着度が大幅に向上する。

本発明者は、上記のように予めショットピーニング処理
が施されたシリンダライナ６を鋳ぐるみしたンリンダブ
ロック１５を切断し、第４図および第５図に示すように
隙間１６（ただし、第５図では誇張して描いである）の
発生を伴うことなくシリンダライナ６とアルミニウム合
金１７とが完全に密着している部分の面積（第４図にク
ロスハツチングＣで示す部分）を求めるとともに、シリ
ンダボアの全内周面積に対する」１記密着面積の割合を
密着ｒ２（％）として求めた。そして、この密着度につ
いて第６図に示すように比較例１，２゜３と比較した。

比較例１はシリンダライナ６に溝加工のみを施したもの
、比較例２は溝加工の後にショットピーニング処理に代
えてサンドペーパーによる研磨処理を施したもの、比較
例３は同じく溝加工の後にンヨノ）・ピーニング処理に
代えてサンドショット処理を施したものである。

その結果、第６図に示すようにシリンダライナ６とアル
ミニウム合金１７との密着度を向」ユさせる」〕でショ
ットピーニング処理が最も有効であることがわかる。

第７図〜第１０図は本発明と各比較例１２３における／
リンダライナ６の表面状態の顕微鏡写真であって、第７
図の比較例Ｉでは溝１２とそれらの溝１２．１２同士の
間の凸部１３が明確に表われ、また第８図の比較例２お
よび第９図の比較例３では溝１２と凸部１３とか一様に
研磨されてしまうために、いずれの場合にも溶湯充填時
の空気排出および湯回りが改善されず密着度の向−１−
に大きく寄与していないものと理解される。

これに対し第１０図に示した本発明の場合には、ショッ
トピーニング処理によって溝＋２．１．２同士の間の凸
部１３が局部的に潰されて窪み（ノーＪノド材の打痕）
１４が形成されていることが明確に表われている。そし
て、この窪み１４が溶湯充填時におけるシリンダライナ
６の長平方向の通路として機能することによって空気排
出と湯回りとが改善され、シリンダライナ６とアルミニ
ラ１．　Ａ≦〉１７との密着度の向上に大きく寄！Ｊ″
しているものと理解される。

また、ショットピーニング処理でも使用するンヨノト材
（鋼球）の直径と密着度との間に大きな相関があり、本
発明者が実験した結果では、溝１２，１２同士のピッチ
Ｐが０．６ｘｘの場合には第１１図に示すように直径が
０．６Ｊ１１１もしくは１．４ｘｘのショツト材を使用
することが密着度の向上の」−で最も有効であることが
判明した。

発明の効果 以」−のように本発明によれば、シリンダライナの外周
面全周に円周方向の溝を形成した上でショットピーニン
グ処理を施して鋳ぐるみするようにしたことにより、シ
ョットピーニング処理によってｔ＋ｎ同士の間の凸部が
局部的に潰されて窪みが形成され、この窪みが溶湯充填
時にシリンダライナの長手方向の溶湯通路として機能す
ることから、製品部空間内の空気の排出と湯回りが大幅
に改善される。その結果、シリンダライナの外周に溝を
形成したことによる抜は止め効果を維持しつつシリンダ
ライナとアルミニウム合金との密着度を向−４−させる
ことができるので、伝熱効率の向上と併せて機関の性能
向上に大きく寄与できる。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）は本発明方法を説明するための金型の断面
図、第１図（Ｂ）はショットピーニング処理後のシリン
ダライナの要部拡大図、第２図はシリンダライナの全体
形状を示す斜視図、第３図はショットピーニング処理前
のシリンダライナの要部拡大図、第４図は鋳造後のシリ
ンダブロックの断面図、第５図は第４図の■−■線に沿
う拡大断面図、第６図はシリンダライナとアルミニウム
合金間の密着度について、表面処理法が異なる本発明と
比較例１，２．３とを比較した図、第７図。 第８図、第９図および第１０図は本発明と比較例１、　
２．　３の各表面処理を施したシリンダライナ表面の顕
微鏡写真、第１Ｉ図は上記の密ａ度とンヨノト材の直径
との関係を示す図である。 ５・・・製品部空間、６・・・シリンダライナ、９・・
スカート部、１０・・・湯口部、１２・・・溝、１３・
・・凸部、１４・・・窪み、１５・・・シリンダブロッ
ク、１７・・・アルミニウム合金、Ｍ・・・金型。 第１図ＣＢ） ゲ１１ングライプ ５−〜−−報、−郭墾聞 ６−一−−シ１１ンダワイｆ ９−−−−スｎ−トξｐ ＋０−一−−県四郡 第４図 第５図 鴫込・々・５・、８　（・ン、１ 第８図 寸　、　・・　〆＼　　　′８　　　　お−傘ミ色　５
２手続補正書坊式） 平成　２年　３月１２日 事件の表示 平成１年特許願第２７２５６３号 発明の名称 シリンダブロックの製造方法 ７、補正の内容 （１）明細書第１２頁第１２行目から同第１３行目にか
けて「シリンダライナ表面の顕微鏡写真、」とあるのを
「／リンダライナの表面状態を示す拡大図、」に補正す
る。 （２）図面の第７図、第８図、第９図および第１０図を
別紙のとおり補正する。 以　　」ニ 補正をする者 事件との関係　　出願人 （３９９）　　日産自動車株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）鋳鉄製のシリンダライナをアルミニウム合金で鋳
   ぐるみしてなるシリンダブロックの製造方法において、 シリンダライナの外周面全周に円周方向の溝を形成する
   工程と、 溝加工が施されたシリンダライナの外周面にショットピ
   ーニング処理を施す工程と、 ショットピーニング処理が施されたシリンダライナを直
   立姿勢にて金型内に位置決めした上、シリンダブロック
   のスカート部となるべき部位の下端に連設した湯口部か
   らアルミニウム合金の溶湯を上方に向けて充填してシリ
   ンダライナを鋳ぐるみする工程、 とを含むことを特徴とするシリンダブロックの製造方法
   。