JPH03133457A - 医療用粘着剤及びそれを用いた医療用貼付剤 - Google Patents

医療用粘着剤及びそれを用いた医療用貼付剤

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JPH03133457A
JPH03133457A JP1273018A JP27301889A JPH03133457A JP H03133457 A JPH03133457 A JP H03133457A JP 1273018 A JP1273018 A JP 1273018A JP 27301889 A JP27301889 A JP 27301889A JP H03133457 A JPH03133457 A JP H03133457A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、皮膚への“なじみ”および付着性に優れ、粘
着性および凝集性のバランスが良好な医療用粘着剤とこ
の医療用粘着剤を用いた医療用貼付剤に関する。
(従来の技術) 医療用途をはじめ、文具、包装、工業用等、般に用いら
れている貼付剤、粘着シート、粘着テープ等のための粘
着剤乃至粘着剤用の粘着性基剤として、一般的に共通し
ている性質は、その二次転移温度(Tg)が−15℃〜
−73℃の範囲に入っていることである。
すなわち、二次転移温度が低いほど軟らかで粘着性に優
れた粘着剤(または粘着性基剤、以下粘着性基剤を含め
るものとする)が得られるがその反面凝集力が低下する
ので、その粘着性と凝集力とのバランスを考慮すると、
そのガラス転移温度が上記範囲内であり、この範囲をは
ずれる二次転移温度を有する粘着剤は、粘着性や保持性
などの点で、実用に供し得ないと考えられていたのであ
る。
従来の粘着剤の化学組成としては、広範囲な(共)重合
体があり、またそれに各種添加剤を加えることもなされ
ているが、とりわけ粘着性の強さ、耐老化性の良さ、性
質修正の可能性の幅広さ、及びコスト等のバランスの点
から(メタ)アクリル酸エステルを主体とした(共)重
合体が近年重要性を増し、さらにこの共重合体は毒性、
皮膚刺激等が皆無又は非常に少ないことから医療用途に
より好んで用いられるようになってきた。
一方、かかる(メタ)アクリル酸エステル系重合体にお
いて、 (メタ)アクリル酸エステル類だけからなる(
共)重合体は、一般に凝集力が不足(現象として、粘着
剤が糸引き状に伸びたり、凝集破壊現象による糊移行が
ある)する傾向が大きいので、この性質を補う目的で側
鎖に極性基を有する(メタ)アクリル酸エステル及び/
又は(メタ)アクリルアミド類を共重合することが行わ
れ、あるいは更にそれら導入された極性基の部分で後架
橋させることによって所定レベルにまで凝集力を高める
ことが必要であった。とりわけ、医療用途のように、皮
膚の激しい動きにもぴったり追従させるためには一層伸
び易くて軟らかい粘着剤が必要であり、そのガラス転移
温度としては上記の範囲中でもできるだけ低いものが好
ましいので、それだけ極性基の導入や後架橋等を行う必
要が高かったのである。
(発明が解決しようとする問題点) 粘着剤の凝集破壊現象に起因する欠点を補う目的で上述
のように極性基を重合体に導入することによって凝集力
を上げることも検討されたが、そのために再びガラス転
移温度が上昇し、粘着性が低下するという欠点があった
比較的低いガラス転移温度で柔軟性を保ち、かつ所定の
凝集力を保つ手段としてはポリマー中にカルボキシル基
(−COOH)を少しだけ導入しくすなわち、単なるカ
ルボキシル基の持つ極性効果だけでは凝集力回復ができ
ない程度の少ない量)、その部分を別な後架橋剤で後か
ら架橋するという考え方があり、そのためのカルボキシ
ル基成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が提案され、また
は用いられてきた。
その場合の架橋剤には、メラミン架橋、イソシアネート
架橋、多価金属イオン架橋、エポキシ架橋等があったが
、医療用途では皮膚刺激性の観点から多価金属イオン架
橋が重視されてきた。しかし、その場合も実際には必要
充分な所まで凝集力性を改善すると再び柔らかさ、ひい
ては粘着性や皮膚へのなじみ性が犠牲となることが避は
得なかった。
本発明は上記従来の問題点を解決するものであり、その
目的は、優れた粘着性と粘弾性的な柔らかさを有しなが
ら、かつその凝集力性が充分保たれているため凝集破壊
に基づく粘着剤の糸引き現象や移行現象が発生しない医
療用の粘着剤と、その粘着剤を用いて作製される医療用
の貼付剤を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の医療用粘着剤は、(A)2−アクリロイルオキ
シエチルコハク酸と、(B)(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルと、を共重合して得られ、その二次転移温度
が−15℃〜−73℃である共重合体を含有することを
特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
また、本発明のする医療用貼付剤は、上記医療用粘着剤
を主成分とする粘着剤層が、柔軟な裏打支持体の表面に
設けられてなり、そのことにより上記目的が達成される
以下本発明の詳細な説明する。
■本発明の必須的構成 本発明の医療用粘着剤(医療目的のための粘着性基剤を
含む)は、次の(A)成分と(B)成分を必須成分とし
て共重合させて得られた重合体を含有する。この重合体
の二次転移温度(Tg)は、DSC法(JIS−に−7
121−1987)に準じて測定したときの値が、−1
5℃〜−73℃の範囲である。
(A)成分: 2−アクリロイル−オキシエチル−コハ
ク酸 (B)成分ニアクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ルまたはこれらの混合物(以下は(メタ)アクツル酸エ
ステルとg己す) ■(A)、(B)両成分の好ましい量的比率範囲(A)
成分対(B)成分は、重量比において0.5対99゜S
〜20対80の範囲内にあることが好ましい。
■重合体の好ましい重ff1(又は数)平均分子量GP
C法テ法定測定場合において、重合体の重量平均分子量
は、20万以上(又は数平均分子量で5万以上)が好ま
しい。
■発明に至る動機 本発明の目的とする所を、従来技術範囲内で実現しよう
とするならば、できる限り低いTgのポリーマーを与え
る(メタ)アクリル酸エステルを主成分としてこれに若
干量のアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、(無水
)マレイン酸等を共重合し、そのカルボキシル基の所を
、多官能(2官能以上)の架橋剤で架橋させることによ
り、不足する凝集力を回復するという手段がこれまでの
最適の手段であり、又その中でもカルボキシル基含有成
分としては、 (メタ)アクリル酸が最善のポリマーを
与えるということが、本発明者の研究体験である。
しかしそれでも尚且、満足ではなかった原因を本発明者
は分析した結果、(メタ)アクリル酸は(その他でも同
じ)、共重合されてポリマー中に組み込まれた状態では
その−Coo1間の架橋では明かに次の欠点が生じると
推察した。
(i)カルボキシル基に隣接するエステル残基である側
鎖(例えば、C4〜C12のアルキル基)の立体障害に
よりカルボキシル基はちょうどピルの谷間に存在するご
とく、後からの架橋剤が、その反応相手であるカルボキ
シル基と反応し得る至近距離まで接近できる確率は非常
に低く、かりに反応するものがあるとしてもそれは定量
的にではなく、組み込まれているカルボキシル基の数及
び/又は添加した架橋剤の中の何%までしか、反応に寄
与しない結果となる。
(ii)主鎖にカルボキシル基が結合しているためカル
ボキシル基のフレキシビリティ−(=屈曲容易性)が得
られず、このことも上述のカルボキシル基の反応確率の
低下(=反応性の低下)をより助長する方向に作用する
(iii)従って、必要なレベルの架橋剤を得るために
は、理論量よりもはるかに多い量のカルボキシル基又は
/及び架橋剤を添加することが必要となる。そのため、
例えば、カルボキシル基の量が多(なるとそれだけで柔
軟性の低下、Tgの上昇を来し、又大過剰の架橋剤量に
よって別な影響が現れる。
(iy)たまたま架橋が実現した部分を捕らえても、例
えば架橋剤が多価金属イオンである場合、架橋部分にフ
レキシビリティ−を与えるのに十分な長さは得られず、
従ってその架橋点はリジッドな構造となってしまい、ひ
いては粘着剤層の柔軟性、粘着性を低下させる方向に働
(。
以上、(i)〜(iv)を洞察した結果、従来の欠点を
改善するには、カルボキシル基(−COOH)は主鎖ニ
直結した型ではなく、主鎖から何セグメント分かつき出
た枝の先端に結合された形でなければならないと想定す
るに至った。その突出の度合、即ち途中のセグメント数
は、かかる思想から言えば長いほど良いが、推定として
は、直鎖アルキル基鎖長にしてC4又はそれ以上に匹敵
するものであればよいのではないかと考えられた。
以上の動機及び改良の思想から上述(必須構成)のごと
く、本発明を完成するに至った。
即ち本発明においては、かかる条件を満たす−っのカル
ボキシル基含有モノマーとして、上述(A)成分である
2−7クリロイルーオキシエチルーコハク酸を使用する
ものであり、又そのことによって目的が達成できること
を発見したのである。
■作用機序 (i)中心となる作用機序 その理想は動機の項で記述した通りである。ここにおい
て、(A)成分はエステル結合(−COO−)と末端カ
ルボキシル基(−COOH)との間に、炭素原子と酸素
原子との合計で6個が直列状に並んでおり、その長さの
故に十分なフレキシビリティ−を獲得せしめている。そ
して、そのことにより以下の効果をもたらしている。
(イ)カルボキシル基(−COOH)の反応性が、従来
主流であったごとき(メタ)アクリル酸の場合よりも、
大幅に向上することによって、カルボキシル基(−CO
OH)の数にしてより少なくなる(A)成分量、及び/
またはより少ない架橋剤量で同じ度合の架橋点密度を与
える。従って、ポリマー全体の極性を下げることが可能
となり、それによってより低いTgl ひいてはより粘
弾性的にエラスチックな性質となるので皮膚へのなじみ
、密着性が向上する。
(0)同じ架橋点密度でも、主鎖間がより長い架橋セグ
メントによって結ばれるので、架橋部分のフレキシビリ
ティ−が従来よりも向上し、そのことの故に又皮膚への
なじみ、密着性が向上する。
(八)同じ架橋密度を得るのに、より少ないカルボキシ
ル基(−COO)I)の量及び/又はより少ない架橋剤
量でよいのでその分だけ不活性な粘着剤となり、皮膚へ
の刺激性もより一層低下する。
(=)配合される薬効成分が、カルボキシル基(−CO
OH)と、或は架橋剤等と反応し、またはこれによって
変質させられ易い成分などが共存する膏剤系においても
、それだけ変質や劣化の度合が減少する。
(if)その他の作用機序 (1)  (A)成分が(A)対(B)の重量比におい
て0.5以下になると、実質的な効果がなくなってしま
う。
又20以上になることは(イ)その必要性がないこと(
即ち20以下で十分な効果が出るので)、(ロ)全体の
分子量として低いものしか得られなくなる、等の理由に
より好適範囲が決められる。
(2)  (A)成分対(B)成分の重量比が同じであ
っても、(B)成分の組成を何にするかにより、その性
質を大幅に目的に合わせて変化・修正することができる
。一般論的には粘着性はそのポリマーのTgが低くなる
につれ同上するので、(B)成分として目的に合わせた
Tg値をもたらす成分を選ぶことができ、又選んだ(B
)成分(単独又は混合)がもたらす所のTgに応じて、
(A)対(B)の成分比率及び/又は(A)成分と架橋
剤との成分比率等が、その用途・目的などに合わせて基
本的には決定される。
(3)架橋の度合の調製法: (イ)(A)成分対(B)成分の比率 (11)  (A)成分と架橋剤との比率などによって
調製される。
(A)成分が増すほど、架橋度は増す方向に向かうこと
はもちろんであるが、同じ架橋度(ひいては凝集力性)
を出現するとしても、(A)成分を過剰に用いるか、架
橋剤を過剰に用いるか、或は両者バランスのとれた所で
行うか等、目的、性能及び共存する添加・配合成分(薬
効成分を含む)等の影響も考えてケースバイケースに応
じて最善に決めることが望ましい。
例えば、ポリマー以外に可塑性を増す液状軟化剤または
これと同効配合剤が添加されるときは、その分凝集力が
低下するので、予め架橋度としては上る方向に調製され
る。また、例えば、酸性に弱い薬剤が添加される場合は
、架橋剤を大過剰にしておくことによって薬剤劣化が防
止される。
■可能な成分例 (i)  (B)成分としての例 アクリル酸エステル残基としてのアルキル基は、n−プ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、n−
ヘキシル、n−へブチル、n−オクチル、イソ−オクチ
ル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、イソ−ノニル、
デシル、ドデシル等があげられ、メタクリル酸エステル
のエステル残基としてのアルキル基は、n−オクチル、
2−エチルヘキシル、n−デシル、n−ドデシル等があ
げられる。
(if)必須成分以外(即ち(A)、(B)両成分以外
)の共重合成分: ポリマー全体中の40重量%以下の範囲内で別系統のモ
ノマーを共重合成分として加えることも、単なる増量目
的もしくは特殊な性質を付加し、または修正するという
目的において可能である。そのようなモノマーの例とし
ては、例えば:酢酸ビニル、プロオン酸ビニル、ラウリ
ン酸ビニル等ヒニルアルコールの脂肪酸エステル類、ジ
アルキルアクリルアミド、ブトキシエチル(メタ)アク
リレート等のようなアルコキシアルキル(メタ)アクリ
レート類、ジアセトンアクリルアミド、ビニルピロリド
ン等がある。
(iii)架橋剤 組成と用途によっては必ずしも架橋せずとも使用できる
が、架橋することによって一層凝集力性が向上する。基
本的にはカルボキシル基と反応・結合し得る官能基を2
以上もつ架橋剤であればよい。官能基としては例えば:
多価金属イオン放出物質(多価金属塩等)、アルキロー
ル基、インシアネート基、グリシジル基、アミノ基、等
がある。
医用目的にはとりわけ、未反応物でも皮膚に刺激性をも
たらさない金属イオン架橋が好ましい。
金属イオン架橋剤としては、例えばMg4−4−1Ca
l14zn++、7i++、Sn−等の有機カルボン酸
塩が好ましく、具体的にはオクチル酸カルシウム、ラウ
リン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン
酸亜鉛、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸亜鉛、樹
脂酸(又はロジン酸)亜鉛、樹脂酸カルシウム等がある
(iv)軟化剤 ポリマーは、単独としてだけでなく、軟化剤(及び以下
に記載のごとき添加剤)等を加えて、その性質を必要に
応じてきめ細かく修正できる。その例としてはニジオク
チルフタレート、ジブチルフタレート、ジブチルセバケ
ート、ジオクチルアジペート、トリブチルホスフェート
、ミリスチン酸イソプロピル、クエン酸トリエチル、オ
リーブ油、流動パラフィン等がある。又その他としては
、(メタ)アクリル酸エステルの液状(低分子量)ポリ
マー等も可能である。
(v)その他添加剤 系に対して、不溶解性であるところの無機又は有機充填
剤、薬剤、海面活性剤、その他薬剤の湿潤・移行・吸収
助剤、着色剤、安定化剤、香料等が適宜用いられる。
■可能な重合方法 一般にアクリル粘着剤を重合するときに用いられる重合
方法がそのまま用いられる。
化学形式としてはラジカル重合が最適であり。
又その形態としては溶液重合法、塊状重合法、エマルジ
目ン重合法、懸濁重合法等どの方法を採用しても良いが
、重合反応の精度、コントロール性、経済性、生成物の
品質、重合後の後工程の移行の容易さ、等多くの観点か
ら溶液重合法が本発明の適用において最も適している。
■目的、用途 基本的には医療用途を対象としている。しかして、同用
途分野に関する限りは、より下位の、個々の目的に拘る
ものではなく、皮膚に貼付される粘着性部材のための粘
着剤として、又は粘着剤又は粘着性膏剤等のための粘着
性基剤として広く用い得る。
具体的な製品群としては、柔軟な裏打支持体の表面に上
記粘着剤を主成分として含有する粘着剤層が設けられた
ものであり、例えば:絆創膏(この場合及び以下の場合
も含めて裏打支持体材質に対しては特別な適、不適を選
ぶものではない)類及びこれに類する粘着トレシング類
、広幅シート状である粘着ドレープ類、ハツカゴム膏等
のごとき消炎・鎮痛用の粘着プラスター類、及び各種・
各様な薬効成分を含有す薬効性貼付側類等がある。
(実施例) 以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
X1皿上 重合組成 2−アクリロイルオキシエチルコハク酸(A成分)15
重量部 アクリル酸ブチル(B成分)85重量部酢酸エチル(重
合用溶媒)100重量部上記比率の組成を反応容器に仕
込み、N2気流中にて、60℃で8時間、70℃に昇温
しで8時間、そして系が示す還流点く77〜74℃)で
10時間にわたり、合計26時間重合を行った。反応容
器には、重合触媒として、上記全モノマーの全量の1.
2重量%の過酸化ラウロイルを10回に分けて、スター
ト時を含めて22時間までに全量を分割投入した。
尚、重合の進行に伴って粘度が上昇し攪拌が困難になる
ので、容器内を観察し、必要に応じて若干量の酢酸エチ
ルを追加した。酢酸エチルの追加量は88重量部であっ
た。重合が終了した後、非常に粘稠な溶液が得られた。
得られたポリマー溶液中の残存モノマー濃度をガスクロ
マトグラフィーによって測定し、それから計算した仕込
組成からの重合率は約98.7%であった。得られた溶
液から乾燥した純ポリマー成分としての重量平均分子量
(これは、 GPC法により測定された)は約48万で
あり、同じく純粋なポリマーの二次転移温度(Tg)は
、DSC法により約−51℃であった。また、ポリマー
中のカルボキシル基(−COOH)の含有重量比率は約
3.1%である。
大m 重合組成 2−アクリロイルオキシエチルコハク酸(A成分)4重
量部 アクリル酸−ドデシル(B成分−1)   58itf
fi部メタクリルn−ブチル(B成分−2)38重量部
酢酸エチル(溶媒)60重量部 上記比率の組成を反応容器に仕込み、実施例1と同じ重
合方法及び条件によって重合し、終了までにさらに20
重量部の溶媒を追加し、粘稠なポリマー溶液を得た。そ
のポリマーの重合率は約99.6%、ポリマーの重量平
均分子量は約64万、ポリマーの二次転移温度(Tg)
はDSC法により約−38℃であった。また、ポリマー
中のカルボキシル基の含有重量比率は約0.8%である
支宜匠主 重合組成 2−アクリロイルオキシエチルコハク酸(A成分)10
重量部 アクリル酸−オクチル(B成分)65重量部ビニルピロ
リドン(その他の成分)25重量部酢酸エチル(溶媒)
70重量部 上記比率の組成を反応容器に仕込み、実施例1と同じ重
合方法及び条件によって重合し、終了までにさらに30
重量部の溶媒を追加し、粘稠なポリマー溶液を得た。そ
のポリマーの重合率は約99.3%、ポリマーの重量平
均分子量は約59万、ポリマーの二次転移温度(Tg)
はDSC法により約−43℃であった。また、ポリマー
中のカルボキシル基の含有Mffi比率は約2.1%で
ある。
なお、実施例1〜3で得られたポリマーは、これに軟化
剤を配合しない限りにおいては、そのままでも実用的な
粘着剤として使用できる最低限の凝集力を有してはいる
が、その場合は糊厚をそれほど厚く(例えば、30μ−
以上)はできない。軟化剤、吸収助剤等を加え、しかも
バランスのとれた粘着剤または粘着性膏剤を得るために
は、例えば、金属イオン架橋剤等を添加して少なくとも
その含有カルボキシル基の一部の架橋が計られた組成と
することが望まれる。
ルμlレー 重合組成 アクリル酸ブチル        98.7重量部アク
リル酸           1.3重量部酢酸エチル
(溶媒)       loo、 o重n部上記比率の
組成を反応容器に仕込み、実施例1と同じ重合方法及び
条件によって重合して粘稠なポリマー溶液を得た。その
ポリマーの重合率は約98.1%、ポリマーの重量平均
分子量は約29万、ポリマーの二次転移温度(Tg)は
DSC法により約−52℃であった。また、ポリマー中
のカルボキシル基の含有重量比率は約0.8%である。
匿投五主 重合組成 アクリル酸2−エチルヘキシル  95. offif
fi 部アクリル酸           50重量部
酢酸エチル(溶媒)       100.0重量部上
記比率の組成を反応容器に仕込み、実施例1と同じ重合
方法及び条件によって重合して粘稠なポリマー溶液を得
た。そのポリマーの重合率は約98.4%、ポリマーの
重量平均分子量は約32万、ポリマーの二次転移温度(
Tg)はDSC法により約−48℃であった。また、ポ
リマー中のカルボキシル基の含有重量比率は約3.1%
である。
〈比較試験〉 比較試験−1 実施例及び比較例で得られたポリマーを架橋剤等の添加
剤を加えないでそのまま粘着剤として用いた場合の比較
を行った。
厚さ35μmのポリエーテル系ポリウレタンフィルム(
破断時の伸び率300%以上の伸び性を有する)の片面
に、実施例1〜3、比較例1.2の各ポリマー粘着剤溶
液を、乾燥後の厚さが15±3μmの範囲に入るように
転写塗工法によって塗工し、その粘着剤層表面に剥離性
保護紙が結果的に当てかわれた状態の粘着性ドレープと
いう形態の各比較用サンプルを作製した。
各サンプルから5emX5c+gの貼付用試験片を作製
し、これを人体上腕部に貼付し、1日後に剥してその時
点までの剥がれの有無及び剥がす時の感じによる実用的
な粘着性の良否、周辺への粘着剤の広がり方及び剥がす
際の粘着剤層の凝集破壊現象の有無等による粘着剤の凝
集力性等を判定した。
結果は以下の通りであり、比較例によるもの(2例)は
いずれも粘着性の点では充分であったが、凝集力性の点
からは実用性のレベルに達していないことが明確に表れ
た。実施PIのものは3例とも実用レベルに達していた
実施例の結果 粘着性: 実施例1.2.3共に貼付初期から終了(1日後)時に
至るまで、その途中で剥がれの現象やその兆候は全(観
察されなかった。
剥がすときには、痛みは与えないが、皮膚を確実に引っ
張る感じの接着力感を与え、充分高い粘着力であること
を示した(数値換算で200〜250g/cII+に相
当した)。
凝集力性: 実施例1,2.3共に貼付終了時での周辺への粘着剤は
み出しはO〜2重冒の範囲に納まっていた。
剥していく状態では局部的な糸引き現象が見られたが、
糸引き部分は最終的には皮膚面との界面で剥離して元の
粘着シート側の方に粘弾性的に復元していき、剥離した
後の皮膚面には粘着剤の残留はほとんど観察されなかっ
た(チテーク試験での白色化乃至着色せず)。
このことから、実施例1.2.3共に少なくともドレー
プ用としての実用性は有していた。
比較例の結果 粘着性: 比較例1.2共に貼付終了時まで、剥がれの現象は全(
観察されなかった。
剥がすときの粘着感は、実施例1〜3に比べていずれも
弱い感じであった(数値換算で150〜200g/ca
lこ相当した)。
凝集力性: 比較例1においては、貼付終了時の周辺への粘着剤のは
み出しは2〜5I11であり、比較例2では1〜41で
あり、実施例に比して流動性を有していることを示した
剥していく過程では、粘着剤は小さい糸引き現象を生じ
、それが大部分凝集破壊現象によって皮膚上にも残留す
る結果となった。この現象は比較例1.2共に見られた
が、両者を比較すると比較例1>2であり、このことは
チ目−り着色試験でも比較的鮮明に表れた。
比較試験−2 薬効成分が配合された貼付製剤−と同じ条件を想定し、
架橋剤及び皮膚吸収助剤等を以下のようにそれぞれの好
適と考えられる組成及び一部比較のための同−架橋剤型
組成を作製して、これを厚さ110μmの軟質ポリ塩化
ビニルフィルム(原料樹脂;ニスメディカルV/積水化
学)に、乾燥後の厚さが80μmとなるように転写方法
によって塗工し、試験用サンプルとしてはこれを40m
+ax 40mmの正方形の貼付試験用及び1!vmX
 10hm (以上)の測定試験用のものとに分けて作
製した。
(架橋剤) オレイン酸マグネシウムを金属イオン架橋のための架橋
剤として採用し、これを5%の酢酸エチル溶液として使
用した。
(薬剤経皮吸収促進助剤) オリーブ油とミリスチン酸イソプロピルの1対1重量比
混合物を用いた。
(配合) 第1表に示すように、個々の好適組成をA−E。
また一部比較のための組成をF、Gとした。ただし、各
組成はそれぞれのポリマー成分100重量部当りの重量
部比である。
テープ状に作製された測定サンプルについて普通に粘着
テープの180°剥離力、ボールタック及び保持力につ
いて測定した。ただし、試験方法は以下に準じた。
粘着カニ JIS−Z−1522r引き剥し法帖着力」
タック: JIS−Z−0237r転球法タック値」保
持カニ JIS−Z−15211r保持力試験法」組成
と結果を第1表及び第2表に示す。
比較試験−3 表2で作製した模擬貼付剤(4cmX 4 cm)を左
右上胸部に貼付し、24時間経過(終了)した後の状態
、剥した後の皮膚の状態等を観察した。結果を第3表に
示す。
(以下余白) 表1 (備考) (i)()内は架橋剤/C0OH基のモル数比である。
(ii)比較組成(F、G )は架橋剤/C0OH基の
モル数比を実施例1〜3での好適組成と同一にして行っ
た場合である。
(iff)配合に当っては個々の組成(NαA−G)毎
にその示す粘度に応じて酢酸エチルによって希釈し、塗
布に通した粘度になるよう調節した。
表2 表3 (註) ($−1) :所々試験板上に粘着剤成分が残留すると
言う、局部的凝集破壊現象を生し、それによってバラツ
キが見られた。
(−2) :略全面に亘っての凝集破壊現象が見られ数
値としては出すことに意義が認められなかった。
〈発明の効果) 本発明の医療用粘着剤と医療用貼付剤は上記のように構
成されているので、以下の効果を有する。
■同じカルボキシル基含量でも(A)成分を用いること
により、従来よりもその反応性が高まるので、架橋効果
が上がり、より凝集力性の大なるものが得られる。
■同じ凝集力を得るには、必要なカルボキシル基含有率
又は添加架橋剤量が従来よりも少なくて済むので、それ
だけ組成・配合にいろいろ修正できる余裕ができ、Tg
としてはより低く、又粘着性的には伸縮性のより優れた
粘着剤又は粘着性効剤を与える。
■架橋されている部分のフレキシビリティ−が太き(向
上するので、同じ架橋度(凝集力性)でも、よりソフト
感を有するものとなり、皮膚のなじみも向上する。
上記■、■、■の複合により、更に以下のような相乗的
効が生じる。
■同じカルボキシル基含有率の場合、従来組成(例:(
A)成分の代わりに単なるアクリル酸)において必要と
するよりも少ない架橋剤量で同等の凝集力性に達するの
で、(A)成分セグメントの未反応部分は、余剰のカル
ボキシル基保有側鎖となるが、このカルボキシル基は、
その側鎖長分に由来するフレキシビリティ−を有するの
で、非常に大きな接着力向上効果をもたらす。
それに対して、従来のごとき、単なる(メタ)アクリル
酸、無水マレイン酸、等では、かりに余剰カルボキシル
基として残留させても、(A)成分はどの接着力増進効
果は与えない。
■非架橋系においても、本発明組成が従来技術よりも優
れる。これをまづ、同じカルボキシル基含量の場合で比
較すると、本発明の方が、カルボキシル基に負うところ
の接着力向上効果がより大きくなると同時にTgがより
低(、柔軟な粘着剤を与える。従って、「非架橋である
ことによる凝集力の低さをA成分で補ったときはなおさ
ら柔軟でTgも低く、高い粘着性を示す」ので、十分な
実用性を残しているが、これを(メタ)アクリル酸等で
補ったときは、すでにTgはかなり上昇した所にきてし
まっており、柔軟性に欠けしかもそのカルボキシル基に
由来する所の接着力向上効果も(A)成分の場合よりも
低い。
■より一層皮膚の刺激性等も少ない粘着剤を与える。例
えば、同じ(B)成分に対して、(メタ)アクリル酸や
無水マレイン酸等を共重合するよりも、(A)成分との
法がより重合率が向上し、また仮に未反応成分として同
量残留しても(A)成分の方が遥かにその毒性、刺激性
等が少ない。
■より大なる分子量のポリマーを与えるので、種々性能
の優れた医療用粘着剤及び貼付剤が得られる。
以上

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、(A)2−アクリロイルオキシエチルコハク酸と、 (B)(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、を共重
    合して得られ、その二次転移温度が−15℃〜−73℃
    である共重合体を含有することを特徴とする医療用粘着
    剤。 2、請求項1記載の医療用粘着剤を主成分とする粘着剤
    層が、柔軟な裏打支持体の表面に設けられてなる医療用
    貼付剤。
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