JP2572133B2 - 貼付剤 - Google Patents

貼付剤

Info

Publication number
JP2572133B2
JP2572133B2 JP1250952A JP25095289A JP2572133B2 JP 2572133 B2 JP2572133 B2 JP 2572133B2 JP 1250952 A JP1250952 A JP 1250952A JP 25095289 A JP25095289 A JP 25095289A JP 2572133 B2 JP2572133 B2 JP 2572133B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
sensitive adhesive
adhesive layer
drug
patch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1250952A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03112557A (ja
Inventor
高司 岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP1250952A priority Critical patent/JP2572133B2/ja
Publication of JPH03112557A publication Critical patent/JPH03112557A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2572133B2 publication Critical patent/JP2572133B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、多量の薬剤が溶解され、そして薬剤の放出
性が高い粘着剤層が設けられた貼付剤に関する。この貼
付剤の粘着剤層は、皮膚への貼付性に優れ、粘着性およ
び凝集性のバランスが良好である。
(従来の技術) 薬剤を含有する粘着剤の粘着性を利用して皮膚に貼付
し、薬剤の薬効を発現させる貼付剤は、以前から多く提
案されている。この種の貼付剤は、一般に、裏打支持体
層と、粘着剤および薬剤を含有する粘着剤層とから構成
される。薬剤は、粘着剤層に、溶解状態、分散状態、マ
イクロカプセル化された分散状態、隔壁容器中に封入さ
れた状態などで存在する。このような貼付剤の例には、
抗炎症性コルチコステロイドおよび特定のアクリル系共
重合体を含有する接着層と基材とからなる皮膚疾患治療
貼付剤(特公昭52-18813号公報、帝人社)、抗炎症性ス
テロイドおよびアクリル系共重合体を含有する感圧接着
性材料を、不透過性支持体フィルム上に形成した接着テ
ープ(特公昭52-31405号公報、イーライ・リリー社)、
裏打部材および感圧接着剤層を有し、さらに薬剤貯蔵層
が設けられた医薬包帯(特公昭54-16566号公報、スチー
ブン・デビット・ゴールドビイ)、特定のアクリル酸エ
ステル共重合物を主体とする薬物含有貼着剤層と担持体
とを構成要素とする医薬部材(特開昭56-45412号、日東
電工社)、およびガラス転移温度(Tg)が−70℃〜−10
℃の重合物およびプロパチルニトレートを含む基剤を担
持体上に形成してなる医薬製剤(特開昭57-183714号公
報、日東電工社)が挙げられる。
しかしながら、これらの貼付剤で用いられている粘着
剤の物理的性質は、他の通常の粘着テープ(例えば、一
般の文具テープ、包装用テープ、絶縁ビニルなどのプラ
スチックテープ、工業用テープ)に用いられる粘着剤と
全く変わらない。例えば、この種の粘着剤のガラス転移
温度(Tg)は、ほぼ−70℃〜−15℃の範囲である。この
範囲をはずれるガラス転移温度(Tg)をもった粘着剤
は、粘着性や保持性などの点で、実用に供し得ないと考
えられている。しかし、この範囲のTgを有する粘着剤
は、一般に薬剤との相溶性が悪いため充分な量の薬剤を
含有し得ない。多量の薬剤を粘着剤中に含有させようと
試みても、この粘着剤は薬剤を充分に溶解し得ない。溶
解した少量の薬剤も粘着剤中に移行・拡散されにくい。
それゆえ、粘着剤層の薬剤放出性は低く、薬剤が皮膚面
に到達して皮膚に吸収される割合が小さい。従って、こ
のような粘着剤層を有する貼付剤を皮膚に適用しても、
充分な薬効が得られない。また、例えば、裏打支持体上
に形成された粘着剤層の表面に薬剤を塗布または噴霧す
る貼付剤製造工程を採用する場合、この粘着剤層が薬剤
を充分に吸収し得ない。それゆえ、粘着剤層の表面に貯
留された薬剤が、粘着剤の表面粘着性を低下させる。ま
た、得られた貼付剤を人体皮膚に貼付したとき、表面に
存在する大量の薬剤のために、異常な薬効を呈するおそ
れもある。さらに、この粘着剤層は軟らかさに乏しいた
め、得られた貼付剤は、皮膚への馴染みが少なく、付着
性が悪い。従って、この貼付剤を人体の皮膚に貼付する
と、貼付剤の周辺部にて浮き上がり現象(すなわち、剥
がれ)が生じる。この現象は、貼付剤の薬効低下につな
がる。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の問題点を解決するものであり、そ
の目的は、多量の薬剤が溶解され、そして薬剤の放出性
が高い粘着剤層を有する貼付剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、皮膚への馴染みが良好であり、付
着性に優れる貼付剤を提供することにある。本発明のさ
らに他の目的は、粘着性および凝集性のバランスが良好
な貼付剤を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、これまで使用されていなかったガラス転移
温度(Tg)が−71℃以下の粘着剤を用いることにより、
粘着剤と薬剤との相溶性が著しく向上しているため多量
の薬剤が粘着剤層に溶解され得る;粘着剤層に溶解され
た薬剤は、移行・拡散しやすいため高い放出性を有す
る;この粘着剤層は皮膚への馴染みが良好であり、粘着
性や付着性に優れる(例えば、皮膚を伸びちじみして
も、貼付剤がずれにくい);そして、電子線照射によっ
てこの粘着剤層を構成するポリマーの少なくとも一部に
架橋を施すことにより、Tgの低い粘着剤を用いる欠点が
改善され、粘着剤層の粘着性および凝集性のバランスが
維持される;との発明者の知見に基づいて完成された。
本発明の貼付剤は、粘着剤と薬剤とを含有する粘着剤
層が、裏打支持体上に設けられている貼付剤において、
該粘着剤は、(メタ)アクリル酸エステルポリマーから
主として構成され、該粘着剤層は電子線照射されて該ポ
リマーの少なくとも一部が架橋されており、架橋後の粘
着剤のガラス転移温度(Tg)が−71℃以下であり、該粘
着剤層の保持力値(H)および粘着力値(F)は以下の
a式およびb式の関係を満足し、そのことにより上記目
的が達成される。
H/F>0.3(秒/g) …a F>200(g) …b ただし、粘着剤層の保持力値(H)および粘着力値
(F)は、以下のようにして測定される。
保持力値(H) 次の条件を用いたこと以外は、JIS-Z-0237に従って、
粘着剤層の保持力値(H)を試験する。
試料の大きさ:幅25±0.5mm 試験板への試料の貼付面積:25mm×25mm 吊り下げ荷重:1000g 試験中の温度:30±1℃ 測定値:荷重を加えてから、試料の貼付部分が“ズレ”
によって外れ、そして荷重が落下するまでの時間(秒)
を保持力値(H)とする。
粘着力値(F) 次の条件を用いたこと以外は、JIS-Z-0237に従って、
粘着剤層の粘着力値(F)を試験する。
試料の大きさ:幅25±0.5mm 試験中の温度:23±2℃ 測定値:引きはがしがなされる荷重のg(グラム)で表
示する。
上記粘着剤は、(メタ)アクリル酸エステルポリマー
から主として構成される。貼付剤の粘着剤としては、一
般に、低刺激性または無刺激性、皮膚への粘着性、耐劣
化性、多くの薬剤との相溶性、成形容易性などに優れて
いるため、アクリル系化合物が最適と考えられている。
ガラス転移温度(Tg)が−71℃以下の粘着剤を得るに
は、Tgが−71℃以下の上記(メタ)アクリル酸アルキル
エステルポリマーを用いることがまず考えられる。しか
し、実際には、Tgが−71℃を越える上記(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルポリマーに、Tg低下効果を有する
軟化剤(Tg低下剤)などを添加することにより、Tgが−
71℃以下の粘着剤が調製される。得られる粘着剤の物性
を維持するべく、このTg低下剤の添加量を少なくするた
めに、Tgが−71℃以上であっても−71℃に近い(メタ)
アクリル酸アルキルエステルポリマーが用いられる。な
お、本発明で規定されるTgは、JISK-7121-1987に基づい
てDSC法により測定されたものである。
上記ポリマーの構成成分としては、(メタ)アクリル
酸エステルが用いられる。アクリル酸アルキルエステル
は、エステル残基として、炭素原子数が4〜9の直鎖状
アルキル基を有するエステル、および炭素原子数が6〜
9の非第3級の分枝鎖アルキル基を有するエステルなど
が適している。また、メタクリル酸アルキルエステルに
は、炭素原子数が10〜12の直鎖状アルキル基を有するエ
ステルが好ましい。これらのアクリル酸アルキルエステ
ルおよびメタクリル酸アルキルエステルは、ポリマー全
体の70重量%以上を構成するのが望ましい。また、この
アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキ
ルエステルのみから構成されるポリマーのTgは、少なく
とも−50℃以下であることが好ましい。
電子線照射の量は、照射前の粘着剤層の粘着剤のTgお
よび分子量、必要とされる粘着剤層の強度および柔軟
性、得られる貼付剤の使用状況(貼付面積、貼付部位、
貼付日数など)により広範囲で変えられ得るものの、通
常、1〜50メガラドの範囲とされる。照射量が1メガラ
ドを下まわると、粘着剤層を構成するポリマーの架橋が
充分になされない。そのために、粘着剤層の凝集力が不
足し、凝集破壊を起こしやすい。照射量が50メガラドを
上まわると、このポリマーの架橋密度が高くなり過ぎる
ため、粘着剤層のTgが上昇して、その粘着性が低下す
る。このような電子線の照射により、照射前には低分子
状態で流動性を有していたポリマーが、架橋により、凝
集力および強度を有するようになる。
粘着剤層への電子線照射は、使用される薬剤が電子線
に耐性がない場合には、薬剤を粘着剤層に噴霧または塗
布する前になされる。薬剤が電子線に耐性があれば、薬
剤は、粘着剤溶液にあらかじめ含有される。そして、こ
の溶液が裏打支持体上に塗布されて粘着剤層が形成され
た後、この粘着剤層に電子線が照射される。
粘着剤のTgを−71℃以下に調節するために添加される
Tg低下剤には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルポ
リマーと相溶性のある軟化剤(または樹脂性タツキファ
イヤー)、液状可塑剤などが用いられる。このTg低下剤
には、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレ
ートのようなフタル酸エステル系可塑剤;ジブチルセバ
ケートのようなセバチン酸エステル系可塑剤;ジオクチ
ルアジペートのようなアジピン酸エステル系可塑剤;ト
リブチルホスフェートのようなリン酸エステル系可塑
剤;オリーブ油、綿実油のような植物油;ミリスチン酸
イソプロピルやクエン酸トリエチルのようなエステル系
液状可塑剤などがある。また、(メタ)アクリル酸エス
テルオリゴマーのような液状ポリマーも、(メタ)アク
リル酸アルキルエステルポリマーのTgを低下させ得る。
また、粘着剤層には、必要に応じて、充填剤、薬剤移
行促進剤および吸収促進剤、界面活性剤、老化防止剤、
安定化剤、染料または顔料などが添加されてもよい。
充填剤は、粘着剤層の凝集力を向上させるために加え
られる。しかし、本発明では、粘着剤層の凝集力は、主
として電子線照射により高められ、充填剤の添加による
効果は副次的である。この他、粘着剤の増量や着色の目
的で充填剤が加えられる。この充填剤、特に、補強性充
填剤には、例えば、10μm以下の直径を有する繊維状充
填剤や1μm以下の微粉末の無水ケイ酸がある。
本発明で用いる粘着剤は、Tgが−71℃以下であるた
め、優れた薬剤移行効果および吸収効果を有するもの
の、この効果をさらに高めるために、薬剤移行および吸
収促進剤が加えられる。また、薬剤による皮膚の湿潤を
促進するために、界面活性剤が適量で用いられる。
老化防止剤や安定化剤は、粘着剤、薬剤や添加剤の老
化防止および安定化のために、適量で用いられる。
さらに、粘着剤層は(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルポリマーを主体とするものの、その物性を調整する
ために、全ポリマー成分の約30%以下の量で、このポリ
マーに他のポリマー(例えば、ゴム成分)が添加されて
もよい。粘着剤層に加えられる薬剤には、例えば、鎮痛
消炎剤、ステロイドホルモン剤、抗アレルギー剤、抗ヒ
スタミン剤、冠血管拡張剤、カルシウム拮抗剤、抗・殺
菌剤、抗生物質類、解毒剤、鎮咳剤、鎮痒剤、催眠剤、
精神活力剤、精神安定剤、血圧調整剤、利尿剤、抗ぜん
そく剤、抗てんかん剤、ホルモン分泌促進剤、抗潰瘍
剤、結石溶解剤、制癌剤、ビタミン剤、血行促進剤、麻
酔剤などが挙げられる。
裏打支持体層の支持体は、皮膚の伸びちじみに応じた
柔軟性や伸長性を有し、さらに貼付日数(通常、1〜3
日程度)に耐えるシート状物質とされる。これには、プ
ラスチックフィルムやスポンジシート、柔軟な織布、編
布、不織布、またはそれらの積層体が好ましい。支持体
の素材には、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体(EVA)、軟質ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、
ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、スチレン−ブ
タジエン−スチレン系熱可塑性・高弾性ブロック共重合
体などが用いられる。支持体の厚さは、フィルムでは0.
03〜0.3mm、スポンジシートや織布、編布、不織布で
は、0.3〜3mmとされる。
粘着剤層は裏打支持体上に設けられ、この粘着剤層の
表面に剥離性保護紙またはシートを付着させて本発明の
貼付剤が提供される。剥離性保護紙またはシートには滅
菌処理が施されている。
本発明の貼付剤を得るには、例えば、以下の2つの方
法がある。
(i)裏打支持体上に、粘着剤溶液(または、液状の粘
着剤)を塗布し乾燥して、粘着剤層を形成する。この場
合、この粘着剤層は、薬剤を含有していてもいなくても
よい。この粘着剤層に、電子線が照射された後、薬剤溶
液が噴霧または塗布される。再び粘着剤層を乾燥した
後、粘着剤層の表面に剥離性保護紙を付着させ、切断・
包装して使用に供される。但し、粘着剤溶液にあらかじ
め薬剤が含有されている場合には、薬剤溶液の噴霧また
は塗布と粘着剤層の再乾燥の工程は必要ではない。
(ii)剥離性保護紙の剥離性面上に、粘着剤溶液(また
は、液状の粘着剤)を塗布し乾燥して、粘着剤層を形成
する。この粘着剤層に、電子線が照射された後、薬剤溶
液が噴霧または塗布される。
再び粘着剤層を乾燥した後、粘着剤層の表面に裏打支
持体が積層され圧着されて、切断・包装して使用に供さ
れる。但し、粘着剤溶液にあらかじめ薬剤が含有されて
いる場合には、薬剤溶液の噴霧または塗布と粘着剤層の
再乾燥の工程は必要ではない。
このように得られた粘着剤層の保持力値(H)および
粘着力値(F)は、上述のように、以下のa式およびb
式の関係を有する: H/F>0.3(秒/g) …a F>200g …b ここで、条件aは、粘着剤層に凝集破壊が生じないこ
とを、そして条件bは、粘着剤層が充分な粘着力を有す
ることを示す。粘着剤層の保持力値(H)および粘着力
値(F)は、以下のようにして測定される: (a)保持力値(H) 次の条件を用いたこと以外は、JIS-Z-0237(保持力)
に従って、粘着剤層の保持力値(H)を試験した。
試料の大きさ:幅25±0.5mm 試験板への試料の貼付面積:25mm×25mm 吊り下げ荷重:1000g 試験中の温度:30±1℃(加温) 測定値:荷重を加えてから、試料の貼付部分が“ズレ”
によって外れ、そして荷重が落下するまでの時間(秒)
を保持力値(H)とする。但し、測定は、18000秒(5
時間)までとする。
(b)粘着力値(F) 次の条件を用いたこと以外は、JIS-Z-0237(180度引
きはがし法粘着力)に従って、粘着剤層の粘着力値
(F)を試験した。
試料の大きさ:幅25±0.5mm 試験中の温度:23±2℃(室温) 測定値:引きはがしがなされる荷重のg(グラム)で表
示する。
上記保持力値(H)および粘着力値(F)は、それぞ
れ、粘着剤層の凝集力および粘着力の基準となる。例え
ば、この保持力値(H)が低ければ、粘着剤層は凝集破
壊を起こし易くなり、粘着力値(F)が低ければ、粘着
剤は皮膚への貼付に必要かつ充分な粘着力を有しなくな
る。しかし、凝集力と粘着力とは互いに相関関係にある
ため、粘着剤層の保持力値(H)および粘着力値(F)
が一定以上の値を示しても、それが必ずしも実用に適す
るとは限らない。例えば、粘着剤層の保持力値(H)が
高い値を示しても、それがさらに高い粘着力値(F)を
有していれば、粘着剤は凝集破壊を起こす。逆に、粘着
剤層の保持力値(H)が低くても、粘着力値(F)も同
様に低ければ、粘着剤は凝集破壊を起こさない。このよ
うなことから、粘着剤層が一定の粘着力を有するべく、
上記の条件bを設定し、そして粘着剤が凝集破壊を起こ
さない程度に粘着剤層の粘着性および凝集性のバランス
を保つべく、上記の条件aを設定した。ここで、上記の
条件aおよびbの数値は、その値を境として貼付剤の物
性が著しく変わることを意味しない。しかし、少なくと
も上記の条件aおよびbに適合する貼付剤は充分な粘着
力を有し、かつ実用に耐えないような凝集破壊を起こさ
ない(すなわち、粘着性と凝集性のバランスに優れてい
る)。
また、本発明の貼付剤を貼付けした後、剥離したとき
に、粘着剤層に凝集破壊現象が生じるかどうかは、以下
のように判定される。
まず、前述のように貼付剤の粘着力値を測定する際
に、引き剥された試験面に、層状または部分的に粘着剤
が残留するかどうかを目視観察する。粘着剤の残留程度
により、粘着剤層の凝集破壊の程度を判定する。この方
法にて、粘着剤層の凝集破壊が判別できないときは、次
のようなチョーク粉試験を採用する。すなわち、貼付剤
を剥離した試験面上に、チョーク粉(特に、着色チョー
ク粉)をふりかけ、粉の付着状況を観察する。チョーク
粉が試験面に著しく付着する場合には、貼付剤の粘着剤
層が凝集破壊を起こしたと認められる。
このようにして得られた貼付剤において、上記電子線
照射後の粘着剤層に含まれる粘着剤は−71℃以下のガラ
ス転移温度(Tg)を有するため、粘着剤層は多量の薬剤
を溶解し得る。粘着剤層に溶解された薬剤は、移行・拡
散しやすいため、高い放出性も有する。これは、Tgの低
い粘着剤中では、薬剤分子が自由で活発に運動し得るた
めであると考えられる。このような低いTgの粘着剤を含
有する粘着剤層は、柔軟であるため皮膚への馴染みが良
好であり付着性に優れる。これは、この粘着剤を主とし
て構成するポリマー分子やその集団が、セグメント単位
で動き易くなるためであると推測される。それにより、
ポリマー分子の運動の自由度が大きくなり、薬剤分子と
の相溶性が高まるうえに、皮膚との馴染みが向上する。
さらに、Tgの低下に伴って粘着剤の凝集力が低下するた
め、凝集力を維持するべく、電子線照射により、この粘
着剤層を構成するポリマーの少なくとも一部に架橋が施
される。それにより、凝集力の低下により粘着剤層に発
生する種々の欠点(例えば、滲み出し、ずれ、糸引き、
粘着剤の皮膚への残留)が改善される。また、架橋が施
された箇所は、ポリマー全体の分子鎖の数に比べると、
極めて僅か(例えば、分子鎖数百〜数千に対し、架橋点
が1個)であるため、ポリマー分子の運動が妨げられる
ことはない。この架橋により、粘着剤のTgが著しく高く
なることもない。その結果、薬剤溶解性や放出性、皮膚
への馴染みなどを良好に保ちつつ、粘着性と凝集性のバ
ランスが維持された粘着剤層が得られる。さらに、粘着
剤および薬剤の組成や含有量と電子線照射量とを選択す
ることにより架橋密度を変えることができ、目的に応じ
た種々の異なる物性を有する貼付剤が提供される。
(実施例) 以下に本発明の実施例を示す。
実施例1 (1−1)粘着剤の調製 アクリル酸−n−オクチル 92重量部 メタクリル酸−n−デシル 106重量部 酢酸エチル 100重量部 n−ヘキサン 20重量部 上記処方を、攪拌式・還流式反応容器に仕込み、N2
流中にて、60℃で8時間、70℃で8時間、そして系の還
流温度(約75℃)で8時間にわたり、各反応物を攪拌し
重合させた。反応容器には、重合触媒として、上記モノ
マーの全量の0.25モル%の過酸化ベンゾイルを、18時間
以内に8回に分けて加えた。全反応時間24時間のうち、
最後の6時間で攪拌および還流を行い、触媒を充分に分
解させて、反応を完結させた。重合反応後、粘稠なポリ
マーが得られた。このポリマーの極限粘度(30℃、トル
エン溶媒系)は1.661であった。得られたポリマーのガ
ラス転移温度(Tg)は、DSC法により、約−67℃であっ
た。
得られたポリマー溶液に、追加の酢酸エチルを加え
て、50%酢酸エチル溶液とした。この溶液100重量部あ
たり、Tg低下剤としてセバチン酸ジオクチル18重量部を
添加して、粘着剤溶液を調製した。この粘着剤塊のTg
は、−89℃であった。
この粘着剤層を剥離紙上に流延し乾燥して得られる粘
着剤層は、非常に軟らかいため、指触圧着再剥離試験に
よれば、粘着剤が糸引き状態で指先に付着した。従っ
て、このままの状態では、この粘着剤は使用に供し得な
い。
(1−2)粘着剤層の形成 表面にシリコーン剥離処理がなされた剥離紙の剥離性
表面に、(1−1)で得られた粘着剤溶液を、乾燥後の
厚さが約60μmとなるように塗布し乾燥して、粘着剤層
を形成した。次いで、塗布面に対し、電子線照射機を用
いて、8メガラドの電子線を照射した。電子線照射後の
粘着剤層から得られる粘着剤塊のTgは、−88℃であっ
た。
(1−3)粘着シートの作製 裏打支持体として、厚さ60μmの軟質塩化ビニルフィ
ルム(エスメディカV;積水化学社製)を使用した。(1
−2)で得られた粘着剤層に、この裏打支持体を接触さ
せて積層し、押圧ロールにより、1cm幅あたり約2kg以上
の加圧を行って、粘着シートを作製した。この粘着シー
トの剥離紙を剥した後、粘着剤層上に薬剤溶液を塗布ま
たは噴霧すれば、貼付剤として供し得る。得られた粘着
シートの粘着剤層は、粘着性が高いうえに、凝集破壊を
起こすことがなく、凝集性に優れていた。
(1−4)粘着剤層の貼付性試験 (1−3)で作製された粘着シートから、1cm×1cmの
正方形の試験片を10枚切り取り、各試料を人体の両上腕
の外側および内側、左右胸部、左右腹部、両大腿外側の
計10箇所に貼付した。2日間(48時間)後の粘着シート
の貼付状態および糊残り現象を、以下のようにして評価
した。この結果を表1に示す。
〈貼付状態〉 A:貼付剤は、剥がれまたはその兆候が全く見られず、人
体によく付着している。
B:約40cm離れた距離から観察して、貼付剤の少なくとも
一部分に、剥がれまたは浮きが生じている。
C:貼付剤は、完全に剥がれて脱落しているか、位置ずれ
を生じている。
〈糊残り現象〉 A:糊残り現象が全く見られない。
B:貼付剤の周辺部分(少なくとも一部)にのみ、粘着剤
のはみ出しや糊残り現象が認められるものの、その中央
部分には認められない。
C:貼付剤の周辺部分だけでなく、中央部分にも糊残り現
象が認められる。
(1−5)粘着剤層の薬剤放出性試験 (1−3)で得られた粘着シートのシリコーン剥離紙
を剥離し、薬剤としてフルオシノロンアセトニドの1%
テトラヒドロフラン溶液を、薬剤量として1.2mg/100cm2
となるように、粘着シートの粘着剤層に塗布し乾燥し
て、貼付剤を作製した。この貼付剤から、直径30mmφの
円形試験片を打ち抜き、水−メチルアルコール混合溶媒
(重量比;50:50)100ml中に、35℃で2時間静置し浸せ
きさせた。その後、試験片を混合溶媒から取り出し、液
体クロマトグラフィー法により、溶媒中に抽出された薬
剤量を定量した。試験片に含有されていると計算される
薬剤量に対する、放出された薬剤量の割合(%)を、粘
着剤の薬剤放出性の評価とした。放出された薬剤量の割
合は、89%であった。この結果を表2に示す。
(1−6)粘着剤層の保持力試験 (1−3)で得られた粘着シートから、幅25mmの試料
を切り出し、次の条件を用いたこと以外は、JIS-Z-0237
(保持力)に従って、粘着剤層の保持力値(H)を試験
した。
試験板への試料の貼付面積:25mm×25mm 吊り下げ荷重:1000g 試験中の温度:30±1℃(加温) 測定値:荷重を加えてから、試料の貼付部分が“ズレ”
によって外れ、そして荷重が落下するまでの時間(秒)
を保持力値(H)とする。保持力値は1180(秒)であっ
た。この結果を表3に示す。
(1−7)粘着剤層の粘着力試験 (1−3)で得られた粘着シートから、幅25mmの試料
を切り出し、次の条件を用いたこと以外は、JIS-Z-0237
(180度引きはがし法粘着力)に従って、粘着剤層の粘
着力値(F)を試験した。
試験中の温度:23±2℃(室温) 測定値:引きはがしがなされる荷重のg(グラム)で表
示する。粘着力値は、551(g/25mm)であった。
(1−6)の保持力試験およびこの粘着力試験でそれ
ぞれ得られた保持力値(H)および粘着力値(F)に基
づいて、H/Fの値を算出した。H/Fは2.14であった。ま
た、この粘着力試験で引きはがしがなされた後の粘着剤
の凝集破壊状況について目視観察したところ、粘着剤の
凝集破壊は認められなかった。これらの結果を表3に示
す。
実施例2 (2−1)粘着剤の調製 アクリル酸−2−エチルヘキシル 100重量部 アクリル酸ブチル 100重量部 メタクリル酸−n−ドデシル 100重量部 ラウリルアルコール 50重量部 ラウリルメルカプタン 0.01重量部 上記処方を、攪拌式・還流式反応容器に仕込み、N2
流中にて、50℃で20時間、そして60℃で20時間にわた
り、各反応物を攪拌し重合させた。反応容器には、重合
触媒として、0.6重量部の過酸化ラウロイルをトルエン3
0重量部に溶解させた溶液を、1/10量ずつ3時間間隔で
投入した。重合反応後、粘稠な液状ポリマーが得られ
た。このポリマーの粘度は、約12万センチポイズであ
り、そして分子量は、平均して、約4万であった。この
ポリマーは、分子量からしてオリゴマーの領域に入り、
液体として挙動するため、そのままでは粘着剤として使
用できない。
(2−2)粘着剤層の形成 表面にシリコーン剥離処理がなされた剥離紙の剥離性
表面に、(2−1)で得られた粘着剤溶液を、乾燥後の
厚さが約80μm(±10μm)となるように塗布し乾燥し
て、粘着剤層を形成した。次いで、塗布面に対し、電子
線照射機を用いて、12メガラドの電子線を照射した。電
子線照射後の粘着剤層から得られる粘着剤塊のTgは、−
78℃であった。電子線照射後には、粘着剤層の流動性は
完全に失われた。粘着剤層を、親指と人差指の間に挟ん
で圧力をかけた後、剥離する際には、粘着剤層は一旦引
き伸ばされるものの、徐々に弾性力を増し、そして、い
ずれかの指に粘着剤層の全てが移行した。粘着剤層が糸
状になって凝集破壊を起こすことはなかった。また、こ
の粘着剤塊は、シクロヘキサンのような有機溶媒に難溶
であった。これは、粘着剤層を構成するポリマーが、電
子線照射により架橋反応を起こして分子量が増大したと
考えられる。
(2−3)粘着シートの作製 裏打支持体として、厚さ90μmのエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体フィルム(EVA、酢酸ビニル:エチレン=30:
70、一方の表面にコロナ放電処理を施した)を使用し、
このコロナ放電処理面と(2−2)で得られた粘着剤層
とを接触させたこと以外は、実施例1の(1−3)と同
様の方法により、粘着シートを作製した。この粘着シー
トの剥離紙を剥した後、粘着剤層上に薬剤溶液を塗布ま
たは噴霧すれば、貼付剤として供し得る。
(2−4)粘着剤層の貼付性試験 (2−3)で得られた粘着シートを用いたこと以外
は、実施例1の(1−4)と同様の方法により、粘着剤
層の貼付性を試験した。この結果を表1に示す。
(2−5)粘着剤層の薬剤放出性試験 (2−3)で得られた粘着シートを用いたこと以外
は、実施例1の(1−5)と同様の方法により、貼付剤
を作製しそして粘着剤層の薬剤放出性試験を行った。そ
の結果、放出された薬剤量の割合は、79%であった。こ
の結果を表2に示す。
(2−6)粘着剤の保持力試験 (2−3)で得られた粘着シートを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして、粘着剤層の保持力値(H)
を測定した。保持力値は1255(秒)であった。この結果
を表3に示す。
(2−7)粘着剤の粘着力試験 (2−3)で得られた粘着シートを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして、粘着剤層の粘着力値(H)
を測定した。粘着力値671(g/25mm)であった。
(2−6)の保持力試験およびこの粘着力試験でそれ
ぞれ得られた保持力値(H)および粘着力値(F)に基
づいて、H/Fの値を算出した。H/Fは1.87であった。ま
た、この粘着力試験で引きはがしがなされた後の粘着剤
の凝集破壊状況について目視観察したところ、粘着剤の
凝集破壊は認められなかった。この結果を表3に示す。
比較例 (1′−1)粘着剤の調製 アクリル酸−2−エチルヘキシル 152重量部 メタクリル酸ブチル 60重量部 酢酸ビニル 20重量部 メタクリル酸 8重量部 上記処方を、酢酸エチルによって40%となるようにし
て攪拌式・還流式反応容器に仕込み、N2気流中にて、60
℃で6時間、70℃で10時間、そして系の沸点(約77℃)
で14時間にわたり、各反応物を攪拌し重合させた。反応
容器には、重合触媒として、上記モノマーの全量の0.4
モル%の過酸化ラウロイルを使用し、0.04モル%ずつ3
時間ごとに5回、そして0.05モル%ずつ3時間ごとに4
回に分けて加えた。重合反応後、粘稠な(約4,400cps)
ポリマーが得られた。このポリマーの極限粘度(30℃、
トルエン溶媒系)は、1.577であった。得られたポリマ
ーのガラス転移温度(Tg)は、DSC法により、−38℃で
あった。
(1′−2)粘着剤層の形成 (1′−1)で得られた粘着剤溶液を用い、電子線照
射を施さなかったこと以外は、実施例1の(1−2)と
同様の方法により、シリコーン剥離紙上に粘着剤層を形
成した。
(1′−3)粘着シートの作製 (1′−2)で得られた粘着剤層を用いたこと以外
は、実施例1の(1−3)と同様の方法より、粘着シー
トを作製した。この粘着シートの剥離紙を剥した後、粘
着剤層上に薬剤溶液を塗布または噴霧すれば、貼付剤と
して供し得る。
(1′−4)粘着剤層の貼付性試験 (1′−3)で得られた粘着シートを用いたこと以外
は、実施例1の(1−4)と同様の方法により、粘着剤
層の貼付性試験を行った。この結果を表1に示す。
(1′−5)粘着剤層の薬剤放出性試験 (1′−3)で得られた粘着シートを用いたこと以外
は、実施例1の(1−5)と同様の方法により、貼付剤
を作製しそして粘着剤層の薬剤放出性試験を行った。そ
の結果、放出された薬剤量の割合は、53%であった。こ
の結果を表2に示す。
(1′−6)粘着剤の保持力試験 (1′−3)で得られた粘着シートを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして、粘着剤の保持力値(H)を
測定した。保持力値は277(秒)であった。この結果を
表3に示す。
(1′−7)粘着剤の粘着力試験 (1′−3)で得られた粘着シートを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして、粘着力値(H)を測定し
た。粘着力値264(g/25mm)であった。
(1′−6)の保持力試験およびこの粘着力試験でそ
れぞれ得られた保持力値(H)および粘着力値(F)に
基づいて、H/Fの値を算出した。H/Fは1.05であった。ま
た、この粘着力試験で引きはがしがなされた後の粘着剤
の凝集破壊状況について目視観察したところ、粘着剤の
凝集破壊は認められなかった。この結果を表3に示す。
実施例および比較例から明らかなように、本実施例の
粘着剤層は、−71℃以下のガラス転移温度(Tg)を有す
るため、柔軟で皮膚の動きに追随しやすく、粘着性に優
れている。この粘着剤層を有する粘着シートを、人体の
皮膚に貼付しても、粘着剤層の皮膚への馴染みおよび付
着性に優れるため、シートの剥離や位置ずれ、糸引き、
粘着剤の滲み出しは全く見られない。この粘着シートを
剥離後に、粘着剤が皮膚に残留することもほとんどな
い。この粘着剤層は、薬剤を多量に含有し得、しかも薬
剤放出性が高い。また、この粘着剤層は、電子線照射に
よりポリマー分子間に架橋が施されているため、粘着性
と凝集性のバランスに優れている。このことは、この粘
着剤を含有する粘着剤層の粘着力値(F)が200g以上で
あると共に、保持力値(H)と粘着力値(F)の比:H/F
>0.3であることから、証明される。従って、この粘着
剤層から得られる粘着シートを人体の皮膚に貼付して
も、粘着シートが剥がれることはない。粘着シートの剥
離後に、人体の皮膚に粘着剤が残留することもない。
ガラス転移温度(Tg)が−71℃より高くポリマー分子
間に架橋をしない粘着剤層は、皮膚への付着性や粘着性
に欠ける。この粘着剤層から得られる粘着シートを、人
体の皮膚に貼付すると、皮膚との馴染みが悪いため、シ
ートの剥がれや位置ずれが起こりやすい。この粘着剤
は、薬剤の溶解性が低く、また薬剤放出性にも劣る。ま
た、この粘着剤層は、粘着性と凝集性のバランスも悪
い。
(発明の効果) 本発明は、このように粘着剤のガラス転移温度(Tg)
が−71℃以下であり、かつ粘着剤層を構成するポリマー
分子間に電子線照射により架橋が施されているため、皮
膚との馴染みが良好であり、付着性や粘着性に優れる。
この粘着剤層は、Tgが低いにもかかわらず、ポリマー分
子間の架橋のために、粘着性と凝集性のバランスにも優
れている。また、この粘着剤層は、多量の薬剤を溶解し
得、そして薬剤の放出性も高い。従って、この粘着剤層
から得られる貼付剤を人体の皮膚に貼付しても、粘着剤
層の剥離や位置ずれが少ない。貼付剤の剥離後に、粘着
剤が皮膚に残留することもない。従って、この貼付剤に
よれば、患者は、痛みや不快感を感じることがなくな
る。粘着剤層のTg値と、電子線照射量とを組合せること
により、粘着剤の素材として用いられる物質の選択範囲
も広げられる。また、この粘着剤層は薬剤放出性が高い
ため、この粘着剤層を有する貼付剤を用いれば、薬効が
高まり薬剤の利用効率が増大する。1つの粘着剤層に多
量の薬剤が含有され得るため、経済的でもある。粘着剤
層のTg値と、ポリマーの架橋密度とを組合せることによ
り、粘着剤の素材として用いられる物質の選択範囲も広
げられる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘着剤と薬剤とを含有する粘着剤層が、裏
    打支持体上に設けられている貼付剤において、 該粘着剤は、(メタ)アクリル酸エステルポリマーから
    主として構成され、該粘着剤層は電子線照射されて該ポ
    リマーの少なくとも一部が架橋されており、架橋後の粘
    着剤のガラス転移温度(Tg)が−71℃以下であり、 該粘着剤層の保持力値(H)および粘着力値(F)は以
    下のa式およびb式の関係を満足する貼付剤。 H/F>0.3(秒/g) …a F>200(g) …b
JP1250952A 1989-09-27 1989-09-27 貼付剤 Expired - Fee Related JP2572133B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1250952A JP2572133B2 (ja) 1989-09-27 1989-09-27 貼付剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1250952A JP2572133B2 (ja) 1989-09-27 1989-09-27 貼付剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03112557A JPH03112557A (ja) 1991-05-14
JP2572133B2 true JP2572133B2 (ja) 1997-01-16

Family

ID=17215452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1250952A Expired - Fee Related JP2572133B2 (ja) 1989-09-27 1989-09-27 貼付剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2572133B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4727839B2 (ja) * 2001-04-16 2011-07-20 日東電工株式会社 医療衛生用粘着剤組成物および該組成物を用いてなる粘着テープもしくはシート
JP5583366B2 (ja) * 2009-07-01 2014-09-03 大日本スクリーン製造株式会社 貼付剤の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03112557A (ja) 1991-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7063859B1 (en) Barrier film lined backing layer composition and method for topical administration of active agents
JP5068003B2 (ja) 室温で液体である低分子量薬を含む経皮組成物
JP3717952B2 (ja) 医療用粘着剤及びこれを有する医療用ドレッシング材
KR101017882B1 (ko) 가교형 피부용 점착제
CA2117546A1 (en) Medical adhesive sheet
JPH03223212A (ja) 経皮吸収ゲル製剤
JP2512565B2 (ja) 貼付剤
EP0450986B1 (en) A percutaneous-administration-type pharmaceutical preparation of nitroglycerin
JP2572133B2 (ja) 貼付剤
JP2005089438A (ja) 皮膚用粘着剤組成物及び皮膚用粘着テープまたはシート
JPS6258334B2 (ja)
JP2554752B2 (ja) 貼付剤
JP2692985B2 (ja) 粘着剤
JP2554751B2 (ja) 貼付剤
JP2512563B2 (ja) 貼付剤
JPH0672879A (ja) アスピリン含有経皮吸収製剤
JP3171935B2 (ja) 貼付性に優れた貼付剤
JP5226230B2 (ja) 貼付剤用粘着剤組成物及びその用途
JP2512564B2 (ja) 貼付剤
JPH0278614A (ja) 医療用貼付剤
JPH0229652B2 (ja)
JPH0665073A (ja) 貼付剤
JPH01299214A (ja) 貼付剤
JPH0278616A (ja) 貼付剤
JPH06239753A (ja) 抗血栓経皮吸収製剤

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees