JPH0313234Y2

JPH0313234Y2 -

Info

Publication number: JPH0313234Y2
Application number: JP1985080995U
Authority: JP
Priority date: 1985-05-31
Filing date: 1985-05-31
Publication date: 1991-03-27
Also published as: JPS61196651U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、映画館や劇場あるいは競技場の観覧
席等に使用される肘掛け付連設椅子に関するもの
である。

（従来の技術）着席時には背板がやや後傾し、席を立つて座板
を垂直に跳ね上げると、これを連動して、背板が
下降しつつ垂直となつて座板と重合し、前列との
間に人の通路を形成するようにした、劇場等の観
覧席用として効果的な連設椅子は、たとえば実公
昭56−44424号公報に記載されているように公知
である。

（考案が解決しようとする問題点）従来のこの種の椅子は、座板と背板を、両側に
設けたリンク機構で連係していたので、背板を座
板と円滑に連動させるためには、リンク機構の寸
法とその取付けに高い精度が要求され、また各リ
ンクの枢着部の負担が大きくて、破損し易い。

また、着席中は、常に背板が後傾しているの
で、後列との間の通路を狭くし、通路を広げるた
めには前列の着席者が立ち上つて、座板を起立さ
せねばならなかつた。

さらに、肘掛けを水平に保つたり、折りたたん
だりするのに、格別の操作を必要とし、その構造
も複雑であつた。

（問題点を解決するための手段）本考案は、ほぼ直立する脚柱と、後端よりやや前部が、左右軸をもつて脚柱に枢
着され、かつ後端部に押上片を備える座板と、脚柱に昇降可能に取付けられ、かつ座板が前向
回動したとき、前記押上片が下端面に当接するこ
とにより上昇させられるようになつている昇降杆
と、若干後傾しうるように、弾性力を付与して、昇
降杆に枢着された背板と、脚柱の上部に、左右方向を向くピンをもつて枢
着された肘掛けと、前記ピンにかなめ部が枢着された扇形カムと、扇形カムの弧状部と昇降杆を連結する連杆とを
備え、座板がほぼ水平に前向回動したとき、扇形カム
は、昇降杆および連杆を介して押されて、前向回
動することにより、肘掛けと係合して、肘掛けを
前向回動させ、かつ前向回動して水平となつている座板を後向回動
させると、前記押上片は昇降杆より離れて、昇降
杆は背板とともに下降し、かつ連杆を介して扇形
カムは後向回動させられて、肘掛けとの係合を解
除しうるように、扇形カムの形状を定めたことに
より、上述の問題点の解決を図つたものである。

（作用）本考案の連設椅子は、座板をほぼ水平とする
と、その後端により、昇降杆と背板とは一体的に
押し上げられる。

着席者が背板にもたれ掛かれば背板は後傾し、
着席者が立ち上つて、座板を垂直に跳ね上げれ
ば、座板の後端は昇降杆の下方から離れるので、
背板は自重により下降して、座板と重合する。

肘掛けは、座板とともに、前向回動し、かつ自
由に後向回動して折りたたむことができる。

（実施例）第４図は、本考案の連設椅子を示す正面図で、
左端の椅子は空席時、その他の椅子は着席時とな
つており、１は脚柱、２は座板、３は背板、４は
肘掛けである。

第１図は、着席時の椅子の要部を示すもので、
ほぼ直立し、かつ横断面Ｈ字形をなす脚柱１の中
央片１ａの前部要所に貫設した左右方向を向く枢
支筒５には、ほぼ水平をなす座板２の後部両側に
おける支持板６の後端よりやや前部において、外
側方に向けて突設したピン７が枢支されている。

支持板６の後部上端外側面には、押圧片８が突
設されている。

脚柱１の中央片１ａにおける押上片８の上方に
は、上下方向を向くコ字形案内レール９が固着さ
れ、その上端はストツパ１０をもつて閉塞され、
かつ内側には、角杆状の昇降杆１１が、昇降自在
に嵌合されている。

昇降杆１１の中央には、方形の支持孔１３が穿
設され、かつ昇降杆１１の下端に固着した当板１
２は、押上片８の上面に当接している。

支持孔１３には、背板３の両側下端より外向突
出する短寸角杆状の支持杆１４が、回動自在に嵌
合され、支持杆１４の各辺と支持孔１３の角部と
の間の空所には、ゴム等の弾性材１５が、弛みな
く詰め込まれている。

背板３は、弾性材１５により、常時直立状態に
保持され、着席者がもたれ掛かれば、その荷重に
より、若干後傾しうる。

肘掛け４は、下向Ｕ字形の縦断面を有してお
り、その両側片４ａの後下部は、脚柱１の中央片
１ａの上部に、ピン１６をもつて枢支されてい
る。

肘掛け４の上片４ｂにおけるピン１６より後方
は、後方へ行くほどピン１６より遠ざかる弧状の
湾曲部４ｃとなつており、その後端は、脚柱１の
後片１ｂより若干前方に位置している。また上片
４ｂには、その後端より前方を向き、かつ途中に
おける内向段部１７ａを介して小幅となる切込溝
１７が切設されている。

前記ピン１６には、扇形カム１８のかなめ部が
枢着され、かつ扇形カム１８の弧状部１８ａは連
杆１９を介して、上記昇降杆１１の上端と連係さ
れている。

扇形カム１８は、座板２が水平の時は、上昇し
た昇降杆１１により、連係杆１９を介して前向回
動され、その弧状部１８ａは、水平となつた肘掛
け４の湾曲部４ｃの内面前部を支持する。

両側端に位置する脚柱１には、肘掛け４が装着
されているが、その外側面における上記各部材は
省略されている。その他の脚柱１には、上記各部
材が、左右対称的に取り付けられている。

上述の椅子において、第２図に示すように、座
板２を跳ね上げると、座板２は、垂直をなす背板
３の前面に重合するとともに、支持板６も回動
し、その押上片８は、昇降杆１１の下端より離れ
て、前下方へ移動する。

そのため、昇降杆１１は、自重により背板３と
ともに下降し、それと同時に、連杆１９を介して
連係された扇形カム１８は、肘掛け４の湾曲部４
ｃの内面に沿つて、後方へ向かつて回動する。

そして、扇形カム１８の後縁が、脚柱１の中央
片１ａの要所に突設したストツパ２０に当接し
て、扇形カム１８が停止すると、連杆１９を介し
て、昇降杆１１および背板３の下降は停止する。

この際、肘掛け４を水平に保持していた扇形カ
ム１８の弧状部１８ａは、肘掛け４の湾曲部４ｃ
の内面よりやや離れるので肘掛け４を切込溝１７
の段部１７ａが、連杆１９に当接するまで、人手
またはばね（図示省略）により回動させて、垂直
とすることができる。

しかし、隣りの椅子側の肘掛け４は、隣席が着
席中は、着席側の扇形カム１８により、水平に固
定されているので回動せず、隣りの着席者に迷惑
がかかるようなことはない。

第２図に示すように垂直にたたまれている座板
２を前下方に倒せば、それとともに回動する支持
板６における押上片８が、昇降杆１１の下端の当
板１２を押し上げて、背板３を押し上げるととも
に、肘掛け４を前向回動させて水平とする。昇降
杆１１の上昇限度は、案内レール９の上端のスト
ツパ１０によつて規制される。

押し上げられて垂直となつている背板３は、着
座してもたれることにより、上述のように若干後
傾する。

なお、背板３を後傾しうるようにするには、背
板３の下端を、脚柱１に枢着するとともに、たと
えば板ばね等をもつて背板３を前方に付勢し、か
つ脚柱１の適所に、背板３が垂直となつた時に、
背板３の前方回動を阻止するストツパを設けても
よい。（（考案の効果）本考案の連設椅子は、上述のように座板と背板
を連係するのに、案内レールと座板により押し上
げられる昇降杆を使用しているので、部材の寸法
や取付けに高い精度を必要とせず、また長期使用
しても破損する恐れがなく、かつ若干摩耗して
も、支障なく動作することができる。

背板は、着席者の好みに応じて後傾させること
ができるとともに、着席したまま、背板より背を
離せば、自動的に背板が垂直となるので、必要に
応じて、簡便に、後列との間の通路を広げること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の連設椅子の着席時における
要部を内側方より見た側面図、第２図は、同じく
空席時における側面図、第３図は、肘掛けの後方
斜視図、第４図は、本考案の連設椅子の正面図で
ある。１……脚柱、１ａ……中央片、１ｂ……後片、
２……座板、３……背板、４……肘掛け三４ａ…
…側片、４ｂ……上片、４ｃ……湾曲部、５……
枢支筒、６……支持板、７……ピン、８……押上
片、９……案内レール、１０……ストツパ、１１
……昇降杆、１２……当板、１３……支持孔、１
４……支持杆、１５……弾性材、１６……ピン、
１７……切込溝、１７ａ……内向段部、１８……
扇形カム、１８ａ……弧状部、１９……連杆、２
０……ストツパ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】ほぼ直立する脚柱と、後端よりやや前部が、左右軸をもつて脚柱に枢
着され、かつ後端部に押上片を備える座板と、脚柱に昇降可能に取付けられ、かつ座板が前向
回動したとき、前記押上片が下端面に当接するこ
とにより上昇させられるようになつている昇降杆
と、若干後傾しうるように、弾性力を付与して、昇
降杆に枢着された背板と、脚柱の上部に左右方向を向くピンをもつて枢着
された肘掛けと、前記ピンにかなめ部が枢着された扇形カムと、扇形カムの弧状部と昇降杆を連結する連杆とを
備え、座板がほぼ水平に前向回動したとき、扇形カム
は、昇降杆および連杆を介して押されて、前向回
動することにより、肘掛けと係合して、肘掛けを
前向回動させ、かつ前向回動して水平となつている座板を後向回動
させると、前記押上片は昇降杆より離れて、昇降
杆は背板とともに下降し、かつ連杆を介して扇形
カムは後向回動させられて、肘掛けとの係合を解
除しうるように、扇形カムの形状を定めてなる連
設椅子。