JPH03130230A - 記憶障害の改善・治療剤 - Google Patents

記憶障害の改善・治療剤

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JPH03130230A
JPH03130230A JP2202266A JP20226690A JPH03130230A JP H03130230 A JPH03130230 A JP H03130230A JP 2202266 A JP2202266 A JP 2202266A JP 20226690 A JP20226690 A JP 20226690A JP H03130230 A JPH03130230 A JP H03130230A
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JP
Japan
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fgf
protein
ngf
amino acid
amino acids
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Application number
JP2202266A
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English (en)
Inventor
Masahiro Hisano
壽野 正廣
Mitsuru Kakihana
垣花 満
Hiroaki Fukumoto
宏明 福元
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 意!f、17)4射■分齋 本発明は、線維芽細胞成長因子(本明細書において、F
GFと略称することもある。)蛋白質を含有するアルツ
ハイマー型記憶障害の改善・治療剤に関する。
従来の技術 塩基性線維芽細胞増殖因子(bF G F )はペプチ
ド性因子で、その全アミノ酸配列が明らかにされている
[Thoa+asら; Proc、 Natl、Aca
d、 Sci、 USA。
旦λ: 6409 (1985)]。
bFGFは、1974年にGosphodaraowi
czにより線維芽細胞増殖因子として発見された。その
後、中胚葉由来の全ての細胞に対して、増殖促進作用を
示し、その作用は多岐にわたっている。bFGFは脳組
織に多量に存在することから、中枢神経系において何ら
かの機能を果たしていると考えられているが、その機能
の詳細は殆ど明らかにされていない。最近、bFGFが
in vitroにおいて、神経細胞の生存延長作用を
有することが明らかにされた[MorrisonらPr
oc、 Natl、 Acad、 Sci。
tlsA、旦3 、7537 (198B)]。また、
in vivoにおいて、脳損傷時の神経細胞死を抑制
する作用が明らかにされている[Andersonら、
Nature、 322 、 360 (1988)]
。しかし何れもその作用の詳細は不明である。
天然に存在するヒ)bFGFは極めて微量であり、また
、これをヒトの組織から得る試みは種々の制約によって
極めて困難である。しかし、最近ヒ) bF G Fは
、遺伝子工学的手法を駆使して、高純度のものが多量に
、且つ、比較的安価に生産されるようになった(ヨーロ
ッパ特許出願公開第237966号公報参照)。
一方、神経成長因子(NGF)は1951年にLevi
−MontalchiniとFlumburgerによ
って神経細胞の神経突起伸長因子作用を有する因子とし
て発見された。当初、NGFの作用は末梢交換神経、感
覚神経に限られ、中枢神経には作用しないと考えられて
いたOHoggerとLeniorは、in vitr
o細胞培養系において、NGFがラット胎児の終脳神経
細胞に対して、コリンアセチルトランスフェラーゼ(C
AT)の活性を上昇させることを明らかにした[Dev
elop、  Brain Res、、  3. 22
9 (1982)]。
その後、種々のin vitro実験系でNGFの中枢
神経系における作用が検討され、神経細胞の生存の維持
、神経突起伸長作用、CATの活性の上昇とアセチルコ
リン量の上昇等の作用が明らかにされている。
また、最近、in vivoにおいて、ラットの前脳基
底部のコリン作動性神経細胞を人為的に破壊した後、N
GFを脳室内に注入すると、CAT活性が上昇し、神経
細胞の生存数が著明に増加することが見出されたrtl
erti、 J、 Neurosci、 、  6 +
  2155 (1986) : Williams 
ら、Prac、  Natl、  Acad。
Sci、  IJsA、  83. 9231 (19
8B) ;  Kormer。
5cience、 235 + (1986)]。更に
、老齢ラットニNGFを4週間、脳室内に注入すると記
憶障害が改善されることが明らかにされた[ Fish
erらNature、  329 、 65 (198
7)]。
近年、高齢化社会に伴い、老人性疾患が急増している。
とりわけ、老人性痴呆(アルツハイマー型痴呆症(記憶
障害))は有効な治療法がなく、社会問題となりつつあ
る。アルツハイマー型痴呆症のような中枢退行性疾患に
おいては、前脳基底部(中隔野、ブロッカ一対角帯、お
よびマイ不ルト基底核)のコリン作動性神経細胞の変性
・脱落がおこり、そこで産生される神経伝達物質、アセ
チルコリン(ACh)の著明な低下が惹起される。この
Ach量の低下が、本疾病の記憶・学習障害の原因であ
るとされている[ WhiLeahouseら、5ci
ence、 215. 1237 (1982) HC
oyle ら、5cience、 219 、 118
4 (1983)]。実験的には、う71−の前脳基底
部のコリン作動性神経細胞を破壊すると、記憶障害が惹
起され、AChffiの低下が起こる[He1perら
、J、 Neurosci、、 5. 866(198
5)]。前述したように、NGFは前脳基底部のコリン
作動性神経細胞に作用して、CAT活性を上昇させ、A
Ch含量を上昇させることから、N G Fはアルツハ
イマー型痴呆症のような中枢退行性疾病に対して予防・
治療の作用を有することが示唆されている。
このようにNGFは、その作用機序が明確な唯一の神経
栄養因子である。NGFは116−118個のアミノ酸
からなるポリペプチドが2個結合した二重体で、マウス
顎下線、モルモット前立腺、ヘビ毒液などに多く含まれ
ている。これらの材料、特にマウス顎下線からNGFは
容易に精製できる。
最近、マウス、ウシ、ヒトなどのNGF遺伝子がクロー
ニングされ、それらの構造が明らかにされたC5cot
t ら、Nature、 302 、 538 (19
1113) ;υHrich ら、Nature、 3
03 、 821 (1983) ;Meier ら、
EMBOJ、 、 5 、  l 489 (1985
)]。
発明が解決しようとする課題 上記の状況において、アルツハイマー型記憶障害が改善
・治療される薬剤が望まれていた。
課題を解決するための手段 本発明者等は、FGFによる脳損傷の治療薬の応用開発
を行っている途上、FGFか脳アスログリア細胞に作用
して、N C,Fの分泌を誘導する作用のあること、ま
た、FGFが脳神経細胞に作用して、アセチルコリン量
を著明に上昇させる作用のあることを見出し、これに基
づいてさらに鋭意研究を行い本発明を完成した。
本発明は、FGF蛋白質を含有するアルツハイマー型記
憶障害の改善・治療剤である。
上記FGF蛋白質は、FGF活性、すなわち線維芽細胞
成長促進作用を有する物質であればいずれでもよい。F
GF蛋白質としては、天然由来のものでもよく、また遺
伝子工学的手法によって製造されたものでもよい。また
、これ等の関連物質やムティンでもよい。
FGF蛋白質としては、酸性のものく以下、aFGFと
略称することもある。)、塩基性のもの(以下、bFG
Fと略称することがある。)が挙げられる。特にbF 
G Fが好ましい。該哺乳動物のaFGFの例としては
、例えば、牛のaFGF[K、A。
Thomas ら、Proc、  Natl、  ^c
ad、 Set、  USA+  81: 357 (
19114)’l、ヒトのaF G F [G、 Gi
menezGallegoら、Biochem、  B
iophys、  Res、 Commun、。
138 : 611 (1986)]などが挙げられる
。該哺乳動物のbFGFの例としては、例えば、ウシの
bF G F [E、  Federick  ら、 
Proc、  Natl、  入cad、  Sci。
USA、:82+  6507(1985)]、ヒトの
bFGF[ヨーロッパ特許公開公報(以下、EPと略称
することもある。)第237,966号公報、EMBO
J。
: 5. 2523(19g&)、フエブス・レターズ
 第213巻、189−194頁(1987年)]など
が挙げられる。由来が、脳損傷の治療される動物の同じ
由来のものを用いるのが好ましい。
本明細書においては、リコンビナントヒト塩基性FGF
をrrhbFGFJ、と略称することもある。
本発明で用いられるFGF蛋白質としては、さらに、F
GFムティンが挙げられる。
該FGFのムティンとしては、たとえばバイオケミカル
・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミx−1−
ケーションズ(Biochemical  andBi
ophyscal Re5earch Communi
cations )第151巻第701〜708頁(1
988年)、EP第281.822A2公報9日本特許
出願平成1年第15662号明細書に記載のムティンが
挙げられる。
上記FGFのムティンは、ちとのペプチドあるいは蛋白
質のアミノ酸配列が変異したものであり、従って該変異
としては、アミノ酸の付加、構成アミノ酸の欠損、他の
アミノ酸への置換が挙げられる。
該アミノ酸の付加としては、少なくとも1個のアミノ酸
が付加しているものが挙げられる。
該構成アミノ酸の欠損としては、少なくとも1個のFG
F構成アミノ酸が欠損しているものが挙げられる。
該他のアミノ酸への置換としては、少なくとも1個(7
)FGF構成アミノ酸が別のアミノ酸に置換されている
ものが挙げられる。
FGFに少なくとも1個のアミノ酸が付加しているムテ
ィンにおけるアミノ酸としては、ペプチドを発現する際
に用いられる開始コドンに基因するメチオニンやシグナ
ルペプチドは含まれないものとする。
付加されているアミノ酸の数としては、少なくとも1個
であるが、FGFの特徴を失わない限り何個でもよい。
好ましくは、FGFと相同性が認められて、且つ、同様
の活性を示す蛋白質のアミノ酸配列の一部、あるいは全
てが挙げられる。
FGFの少なくとも1個のFGF構成アミノ酸が欠損し
ているムティンにおける欠損アミノ酸の数としては、F
GFの有する特徴を失わない限り何個でもよい。
FGFの少なくとも1個のFGF構成アミノ酸が別のア
ミノ酸で置換されているムティンにおける、置換される
前の少なくとも1個のFGF構成アミノ酸としては、F
GFの特徴を失わない限り何個でもよい。
置換される前の構成アミノ酸の例としては、システィン
、システィン以外のものが挙げられる。
システィンが特に好ましい。置換される前の構成アミノ
酸としては、システィン以外のものとしては、アスパラ
ギン酸、アルギニン、グリシン、バリンなどが挙げられ
る。
置換される前の構成アミノ酸がシスティンである場合に
は、置換された後のアミノ酸としては、中性アミノ酸が
好ましい。該中性アミノ酸の具体例としては、たとえば
、グリシン、バリン、アラニン、ロイシン、インロイシ
ン、チロシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、トリプ
トファン、セリン、スレオニン、メチオニンなどが挙;
ずられる。
特にセリン、スレオニンが好ましい。
置換される前の構成アミノ酸がシスティン以外のもので
ある場合には、置換された後のアミノ酸としては、たと
えば、該アミノ酸の親水性、疎水性あるいは電荷の点で
、置換される前のアミノ酸と異なる性質と持つものを選
ぶ。具体的には、置換される前のアミノ酸がアスパラギ
ン酸である場合には、置換された後のアミノ酸としては
アスパラギン、スレオニン、バリン、フェニルアラニン
、アルギニンなどが挙げられる。特に、アスパラギン、
アルギニンが好ましい。
置換される前の構成アミノ酸がアルギニンの場合には、
置換された後のアミノ酸としては、グルタミン、スレオ
ニン、ロイシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸な
どが挙げられる。
置換される前の構成アミノ酸がグリシンである場合には
、置換された後のアミノ酸としては、スレオニン、ロイ
シン、フェニルアラニン、セリン、グルタミン酸、アル
ギニンなどが挙げられる。特にスレオニンが好ましい。
置換される前の構成アミノ酸がセリンである場合には、
置換された後のアミノ酸としては、メチオニン、アラニ
ン、ロイシン、システィン、グルタミン、アルギニン、
アスパラギン酸などが挙げられる。特にメチオニンが好
ましい。
置換される前の構成アミノ酸がバリンである場合には、
置換された後のアミノ酸としては、セリン、ロイシン、
プロリン、グリシン、リジン、アスパラギン酸などが挙
げられる。特にセリンが好ましい。
置換される前の元の構成アミノ酸としては、アスパラギ
ン酸、アルギニン、グリシン、セリン、バリンなどが好
ましい。また、置換された後の構成アミノ酸としては、
アスパラギン、グルタミン、アルギニン、スレオニン、
メチオニン、セリン、ロイシンなどが好ましい。
置換されたムティンの最も好ましいものとしては、構成
アミノ酸であるシスティンがセリンに置換されたもので
ある。
上記の置換においては、2個以上の置換を同時に行って
もよい。特に、2または3個の構成アミノ酸が置換され
たものが好ましい。
本発明のムティンは、上記した付加、欠損、置換のうち
、2または3つが組合わさったものでもよい。
該ムティンとしては、少なくとも1個のヒト塩基性FG
F構成アミノ酸が別のアミノ酸で置換されているムティ
ンが好ましい。特にヒトbFGFの70位および88位
のCysがそれぞれSetに置換されたrhbF G 
Fムティンcs23が好ましい。
該ムティンを製造するためには、特定部位指向性変異誘
発技術が採用される。該技術は周知であり、たとえば、
R,F、 Lather  and  L、 P、 L
ecoq: Genetic  Engineerin
g(Academic  Press社)。
pp31−50 (1983)に示されている。また、
オリゴヌクレオチドに指示された変異誘発はM、 Sm
1thand  S、 Gillam、 Geneti
c  Engineering :原理と方法(プレナ
ムプレス社)、 pp 1−32 (1981)に示さ
れている。
該ムティンをコードする構造遺伝子を製造するためには
、たとえば、 (a)先ず、FGFの構造遺伝子の1本鎖からなるDN
Aを突然変異株オリゴヌクレオチド・プライマーと雑種
形成させる(この1本鎖DNA内の代替えすべきシステ
ィン用コドン、または、場合によりこのコドンと対合を
作るアンチセンス・トリプレットを包含する領域に対し
て上記プライマーは相捕的なものである。ただし、当該
コドンの他のアミノ酸暗号用コドン、または場合により
アンチセンス・トリプレットとの不一致はこの限りでは
ない。)、 (b)I)NAポリメラーゼによりプライマーを伸長さ
せ、突然変異性へテロ二1体を形成させる、および (c)この突然変異性へテロニ量体を複製する。
次に、突然変異化された遺伝子を運搬するファージDN
Aを単離し、プラスミドへ組み込む。
このようにして得られたプラスミドで適当な宿主を形質
転換し、得られた形質転換体を培地に培養することによ
り、ムティンを製造することができる。
本発明におけるFGF蛋白質を含有する記憶障害の改善
・治療剤(以下、本発明の製剤と略称することもある。
)は低毒性であるので、安全に使用することができる。
上記した如く、本発明の製剤は神経栄養因子としてその
作用が明確なNGFの分泌を促進する作用を有し、また
、中枢神経細胞に作用して、アセチルコリン量を上昇さ
せる作用を有する。すなわち、本発明の製剤は、脳アス
トログリア細胞に作用して、NGFを分泌誘導させる。
このようにして分泌誘導されたNGFは、該細胞中のア
セチルコリン含量を上昇させ、アルツハイマー型記憶障
害の改善・治療を行なうものである[Trends  
1nNeuroSciences(T I N S )
、旦、570−573 (1986) ; Natur
e、  329 、 65−68 (19g?)]。
また、本発明の製剤は、脳の神経細胞に作用して該細胞
中のアセチルコリン含量を上昇させる。
このようにして脳の神経細胞中のアセチルコリン含量を
上昇させることによって、アルツハイマー型記憶障害の
改善・治療を行なうものである[5cience、 2
15.1237−1239(1982);5cienc
e、 217. 408 417 (1982)]。し
たがって、本発明の製剤はアルツハイマー型記憶障害の
改善・治療剤として用いることができる。
本発明の記憶障害の改善・治療剤は動物脳組織に投与す
ることによりアルツハイマー型記憶障害の改善・治療を
促進させる。該投与法としては、非経口的に行われ、た
とえば本発明のFGFを静脈内注射、あるいは脳組織内
に直接注入することによって行われる。
該動物としては、温血哺乳動物が挙げられ、その例とし
てはたとえばマウス、ネコ、犬、牛、羊。
ヤギ、ブタ、ウサギ、ヒトなどが挙げられる。
本発明の製剤の使用量は、注射投与として用いる場合に
は、たとえば、FGFのタンパク質量として、−日量約
0,02μs / kg〜0.02+l1g/kg、さ
らに好ましくは約0.2μg / kg〜0.02mg
/kgとなる量を投与する。
本発明の製剤は、公知の製剤学的製造法に準じ、所望に
より製剤学的に許容される担体(希釈剤、賦形剤を含む
)などを用いて製造することができる。
本発明の製剤を注射用とする場合には、該製剤は、水溶
性剤(例、蒸留水)、水溶性溶剤 (例、生理的食塩水
、リンゲル液)、油性溶剤(例、ゴマ油、オリーブ油)
等の溶剤、または所望により溶解補助剤(例、サリチル
剤ナトリウム、酢酸ナトリウム)、緩衝剤(例、ぶどう
糖、転化糖)、安定剤(例、ヒト血清アルブミン、ポリ
エチレングリコール)、保存剤(例、ベンジルアルコー
ル、フエ/−ル)、m癌化剤(例、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロ力イン)等の添加剤を用いて、通常の手段
により製造される。
該水溶液の液性は、pH3〜pH8に、好ましくはpH
5〜pH7に調整される。上記pH範囲に液性を調整す
るためには、たとえば稀塩酸や稀アルカリ(例、種水酸
化ナトリウム、稀炭酸水素ナトリウム)等を添加するこ
とにより行われる。
FGF蛋白質の製剤化にあたって、FGFを含有する水
溶液に、さらにヒト血清アルブミン(ISA)を配合し
、液性をpH3〜pH8になるように調整すると、保存
中のFGFの活性の低下が少、な(好都合である。
HS Aとしては、いかなるものでもよいが、本組成物
を臨床に適用するためには、非経口投与に用いられる程
度の品質のものが好ましい。たとえば、健康人血漿を材
料としてCohnのエタノール分画第6法によって分画
精製したものが用いられる。
また、安定化剤として、アセチルトリプトファン・ナト
リウム、カプリル酸ナトリウムを含有するものであって
もよい。
ISAは、水溶液とした場合、水溶液1d当たり約0.
1mg”−50mg、とりわけ0.5mg 〜20a+
g含有させることが好ましい。
本発明の脳損傷治療剤の製剤化にあたっては、上記H3
Aに加えるに、さらにグリシン、グルタミン酸、アスパ
ラギン酸、アラニン、プロリンなどのアミノ酸、特にモ
ノアミノ脂肪族アミノ酸、もしくは環状アミノ酸、ブド
ウ糖、マンノースなどの単糖類、ソルビット、マンニッ
ト等の糖アルコール類、およびこれらの生理学的に許容
される配合できる塩もしくは誘導体の1種、または2種
以上を配合してもよい。
上記配合剤は、各成分を水溶液とした場合、水溶液1d
当たり、単糖類または糖アルコール類に関しては約10
=loomg、アミノ酸に関しては約5〜50n+g配
合することが好ましい。
本発明の脳損傷治療剤を製剤化したもの(H3Aを配合
したもの)を溶液状態でpH5〜7になるように調整す
るために、グルタミン酸などの酸性アミノ酸を配合する
場合には、該物質を上記所定置棚えることにより所定の
液性に調整でき、また、所望により、上記酸性アミノ酸
を配合しない場合には、塩酸、りん酸等の鉱酸、もしく
はコハク酸、酒石酸、クエン酸等の緩衝剤で所定の液性
に調整する。
上記の本発明の製剤を製造するに当たっては、通常の製
剤法が採用される。
後述の実施例において用いられたりコンビナンドヒト塩
基性FGF(以下、rhbF G Fと略称することも
ある。)は、EP第237,966号公報に記載の方法
で製造される。すなわち、該rhbF GFは、形質転
換体エシェリヒア・コリ (Escherichia  coli)K12   
MM294/pTB669(IFO14532,FER
M   BP−1281)を用いて、EP公開第237
,966号公報の実施例1.3および6または8に記載
された方法で製造、精製されたものである。
また、後述の実施例において用いられたりコンビナンド
ヒト塩基性FGFムティンC323(以下、rhbF 
G FムティンC323と略称することもある。)は、
日本特許出願第63−50249号明細書、EP第28
1,822A2号公報、バイオケミカル・アンド・バイ
オフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ第15
1巻第701〜708頁(1988年)に記載の方法で
製造される。
すなわち、該rhbF G FムティンC323は、形
質軸m 体エシェリヒア・コリ MM294/pTB7
62(IFO14613,FERM  BP−1645
)を用いて、EP−281,822A2の実施例1,6
.7および24に記載の方法で製造。
精製されたものである。
上述の形質転換体E、 coli K 12  MM2
94/pTB669およびE、 coli MM 29
4 / pT B4C3は、財団法人発酵研究所(IF
O)および通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所
(FRl)に寄託されている。それらの受託番号および
受託臼を次の表1に示す。なお、FRIへの寄託につい
ては、当初国内寄託がなされFERMP番号で示される
受託番号が付され、該寄託はブダペスト条約に基づく寄
託に切換えられて、FERM  BP層番号示される受
託番号が付され、同研究所(FRI)に保管されている
(以 下 余 白) 聚皇桝 以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1  (bFGFによる前脳基底部および海馬神
経細胞におけるアセチルコリン量の 上昇) 妊娠ラッ)(SD系ラット)を断頭、開腹後、胎仔脳を
とりだし、実体顕微鏡下で目的とする部位を採取した。
中隔野および前脳基底部の神経細胞は胎生177日目、
また、海馬神経細胞は199日目妊娠ラットより採取し
た。脳組織を細断後、0.25%のトリプシンで処理し
て細胞を分散し、細胞浮遊液を得た。無血清完全合成培
養液(DME/F12/N2)に浮遊させた神経細胞(
約106細胞/cmりを、ポリーL−オルニチン(10
0μg/j112)であらかじめコートしたプレートに
まき、炭酸ガス−培養器(5%炭酸ガス−95%空気)
で37°Cで培養した。培養開始後、4時間目に緩衝液
(0,1%ova1min/ P B S )で希釈し
たFGFを添加し、更に4日間培養した。培養液を吸引
除去後、0.3N過塩素酸0.5dを添加してアセチル
コリンを抽出し、内標のエチルホモコリン(20pso
1g/ 20μg)を添加の後、高速液体クロマトグラ
フィーにより、アセチルコリンを定量した。
同時に、抽出液の蛋白質量を測定し、ミリグラム蛋白質
量たりにアセチルコリン量を算出した。統計処理は5t
udentのt検定により行った。結果を第2表に示す
第2表 第2表から明らかなように、中隔野−前脳基底部神経細
胞および海馬神経細胞、いずれに於いても、rhbF 
G Fはアセチルコリン量を上昇させた。
実施例2  (rhbF G Fによるアストログリア
細胞におけるNGFの分泌誘導作用) 生後2日目の新生ラット(SD系ラット)を断頭後、実
体顕微鏡下に於いて大脳皮質を採取した。
脳組織を細断後、0.125%トリプシンで処理して細
胞浮遊液を得た。10%の血清を含む培養液(DME/
F 12)に浮遊させた細胞(5XIO’細胞/cmり
を培養瓶にまき、10日間培養した(この培養によりア
ストログリア細胞のみが生き残り、神経細胞は死滅する
)。0.25%トリプシン処理により、同アストログリ
ア細胞をはがし、先と同様に細胞浮遊液を作成した。ポ
リーL−オルニチン(100μs/d)であらかじめコ
ートしたプレートに細胞(5X10’細胞/皿)をまい
た後、炭酸ガス−培養器(5%炭酸ガス−95%空気)
で、37℃で3日間培養した。培養液を除去し、無血清
培地(0,5%BSAを含む、DME/F l 2培地
)で洗浄の後、同培地で溶解した種々の濃度の「hbF
GF(500μe)またはrhbF G FムティンC
823(500μQ)(以下、cs23と略称すること
もある。)を添加した。更に24時間培養の後、培養上
清を採取し、同培養土清中に含有するNGFを酵素免疫
測定法により測定した。蛋白質量はINのNaOHを添
加して細胞を可溶化したのちに定量した。NGF量は、
ミリグラム蛋白質あたりで表現した。結果を第3表に示
す。
第3表 第3表に見られるように、rhbF G Fまたはrh
bFGFムティンC323をアストログリア細胞に添加
すると、rhbF G FまたはrhbF G Fムテ
ィンC323の濃度に依存して、培養土清中にNGF量
の増加が認められた。即ち、rhbF GFまたは「h
bi?GFムティンC323はアストログリア細胞に作
用して、NGFの分泌を促進した。
実施例3 (中隔野−海馬間・神経線維切断ラットにお
けるアセチルコリン(Δch)神経細胞の減少に対する
C323および NGFの作用) Kffi250〜300gの雄性ウィスターラットをベ
ンドパルビタール麻酔下(55mg/ kg ip)ニ
脳定位固定装置に固定し、頭蓋骨に長方形の穴を開けた
(ブレグマより尾側へ0.5 5ml11、正中線より
外側へ0.3−3mm)。大脳皮質部分を吸引除去後、
海馬吻側部を含む中隔野−海馬・神経線維を吸引除去し
た。この吸引除去部分に、C323またはNGFを染み
込ませたスポンジゲル(3×5 X 5 mm)を封入
した。表皮を瞬合し、2週間、個別ケージにて飼育した
。C323およびNGFは、0.1%オバルブミン/P
BS溶液に溶解し、その30μQをスポンジゲルに染み
込ませて投与した。2週間後、生理食塩水に溶解したメ
チルアトロビン(5n+g/ kg)を腹腔的投与し、
15分後にピーナツオイルに溶解したジイソプロピルフ
ルオロホスフェイト(DF P、 1.4mg/kg:
不可逆的なアセチルコリンエステラーゼ阻害剤)を左後
肢筋肉内に投与した。D FP投与後、3−4時間目に
ラットをベンドパルビタール麻酔下に開腹、開胸し、左
心室から頭部方向の大動脈にカニユーレを挿入した。両
総頚動脈を切断して放血させると同時にカニユーレを通
して冷生理食塩水(50,d)を注入して脱血させ、続
いて固定液(4%パラフォルムアルデヒド/PBS溶液
、約50d)を注入して脳組織を固定した。話頭後、脳
組織を取り出し、−20°Cで凍結し、ミクロトームで
30μmの脳組織切片を作製した(第1図参照)。第1
図は、脳組織切片についての脳組織の断面図を示し、A
は中隔野を、Bはブロー力の対角帯垂直部を、Cはブロ
ー力の対角帯水平部をそれぞれ示す。
脳組織切片は、脳の吻側部(はぼブロー力対角帯垂直部
のアセチルコリン神経細胞が出現する部位)から尾側部
方向に60μmおきに計24枚を切り出し、アセチルコ
リン神経細胞をアセチルコリンエステラーゼ活性を利用
して染色した。結果は、神経線維を切断していない側(
対側の非損傷側)のアセチルコリン神経細胞の数をlO
Oとした時の切断側の細胞数の割合で表現し、第1図に
示すように、A(中隔野)、B(ブロー力の対角帯垂直
部)、C(ブロー力の対角帯水平部)の3領域に分けそ
れぞれ非損傷側と比較した。結果を第2図に示す。
第2図において、■■■はC823(3μg)投与の、
函ニーはNGF(30μg)投与の、ロニコは無処理の
結果をそれぞれ示す。
* また、第2図において、*および*は、*p< Q 。
* 05、* p<0.01をそれぞれ示し、無処理群と比
較した(n= 7 )を示す。
第2図に示す結果から明らかなように、Δ領域において
は、神経線維切断側のアセチルコリン神経細胞数は、非
切断側(非損傷側)の20%に低下した。C523投与
群ではこの減少を有意に回復させた。NGFも回復傾向
を示した。B領域、C領域においても同様の回復が認め
られた。
発明の効果 本発明の製剤は、アルツハイマー型記憶障害の改善・治
療作用を有するので、アルツハイマー型記憶障害の改善
・治療剤として有利に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例2で得られた、脳組織切片についての
脳組織の断面図を示す。 第2図は、実施例2で得られた、中隔野−海馬間の神経
線維切断ラットにおける神経細胞減少に及ぼすC323
およびNGFの影響を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)、FGF蛋白質を含有するアルツハイマー型記憶
    障害の改善・治療剤。
  2. (2)、FGF蛋白質がヒト塩基性FGF蛋白である請
    求項1記載の改善・治療剤。
JP2202266A 1989-07-31 1990-07-30 記憶障害の改善・治療剤 Pending JPH03130230A (ja)

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JP19991489 1989-07-31
JP1-199914 1989-07-31

Publications (1)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1993015753A1 (fr) * 1992-02-14 1993-08-19 Kaken Pharmaceutical Co., Ltd. Medicament contre les maladies des voies aeriennes
JP2009537622A (ja) * 2006-05-25 2009-10-29 ザ ユニバーシティ オブ リバプール 神経変性疾患の予防及び/又は治療

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WO1993015753A1 (fr) * 1992-02-14 1993-08-19 Kaken Pharmaceutical Co., Ltd. Medicament contre les maladies des voies aeriennes
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US8673880B2 (en) 2006-05-25 2014-03-18 The University Of Liverpool Prevention and/or treatment of neurodegenerative disorders

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