JPH0312582B2 - - Google Patents

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JPH0312582B2
JPH0312582B2 JP60163653A JP16365385A JPH0312582B2 JP H0312582 B2 JPH0312582 B2 JP H0312582B2 JP 60163653 A JP60163653 A JP 60163653A JP 16365385 A JP16365385 A JP 16365385A JP H0312582 B2 JPH0312582 B2 JP H0312582B2
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vinyl chloride
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Seiji Kadomatsu
Kozo Misumi
Hiroshi Oomya
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Osaka Soda Co Ltd
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Daiso Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
(発明の技術分野) 本発明は耐衝撃性及び加工性の改善された後塩
素化塩化ビニル樹脂組成物に関する。 (従来の技術) 後塩素化塩化ビニル樹脂は耐熱塩化ビニル樹脂
とも称され、塩化ビニル樹脂を後塩素化すること
によつて製造される特異な性質を持つた樹脂であ
る。このものは高温時の引張強度、曲げ弾性率等
の機械的強度に優れ、熱変形温度が高く、高難燃
性、低発煙性のエンジニヤリングプラスチツクス
として期待される樹脂であるが、欠点としては従
来の塩化ビニル樹脂と同様に衝撃強度が小さいこ
と、成形温度が高いため熱分解を起こし易く、そ
のため成形温度調節を厳重にし、更には熱履歴は
出来る丈低く短かくせねばならないなど加工性に
難点をもつていることである。 後塩素化塩化ビニル樹脂の上記欠点の一つであ
る耐衝撃性を改善するために従来より改質剤を添
加することが行われてきた。例えば改質剤として
ジエン系グラフトポリマーを用いることが知られ
ているが、該改質剤は耐候性が悪くこれより得ら
れた成形物を単に放置しておくだけでその物性が
劣化するという難点があつた。 また耐衝撃性や加工性を改善する他の改質剤と
して塩素化ポリエチレンを使用することも知られ
ている(特公昭38−12175号公報及び特公昭44−
939号公報)。しかし、これらに記載されている塩
素化ポリエチレンを用いた場合、成形時に該塩素
化ポリエチレンが熱分解を起こしたり、又これを
避けるために成形温度を下げると後塩素化塩化ビ
ニル樹脂のゲル化が不十分となつて該樹脂本来の
優れた特性を十分に発揮しえなかつたりして耐衝
撃性改質効果も十分でないことが本発明者らの実
験により確められた。 (発明の目的) 本発明は後塩素化塩化ビニル樹脂の上記欠点で
ある耐衝撃性と加工性を同時に満足する樹脂組成
物を提供することを目的とする。 (発明の構成) 本発明は、後塩素化塩化ビニル樹脂100重量部
に対して重量平均分子量50×104以上のポリエチ
レンから製造された塩素含量30〜45重量%及び
DSC法結晶融解熱0.5cal/g以下の粉末状軟質塩
素化ポリエチレン1〜20重量部を混合したことを
特徴とする後塩素化塩化ビニル樹脂組成物であ
る。 本発明の後塩素化塩化ビニル樹脂とは、塩化ビ
ニル樹脂もしくは塩化ビニルモノマーを主成分と
してこれに酢酸ビニル、アクリル酸エステル等の
極性モノマーやα−オレフイン等の不極性モノマ
ーを共重合させた塩化ビニル共重合樹脂を溶液系
もしくは不均一系で塩素化したものをいう。塩素
含量は特に制限はないが、通常55〜70重量%のも
のが好ましく用いられる。 本発明に使用される塩素化ポリエチレンは、原
料ポリエチレンとして重量平均分子量(w)が
50×104以上、特に好ましくは70×104〜200×104
のものを用いて各種塩素化方法によつて製造され
た塩素含量30〜45重量%の塩素化ポリエチレンで
あつてDSC法結晶融解熱0.5cal/g以下の軟質の
ものが用いられる。原料ポリエチレンとしては上
記分子量の他は特に制限はないが、得られた塩素
化ポリエチレンの後塩素化塩化ビニル樹脂との混
合性から微粒子状のものがよく、通常チーグラー
法によつて重合させた高密度ポリエチレンが好ま
しく用いられる。 本発明者らは塩素化ポリエチレンによる後塩素
化塩化ビニル樹脂の耐衝撃性及び加工性の改善を
目的とした研究の過程で下記の諸条件が上記目的
を達成する改質剤として必要な要件であるとの知
見を得るに至つたものであり、本発明は上記特定
の塩素化ポリエチレンがこのような要件を満足す
る改質剤であることを見出したことに基いてい
る。 即ち、上記要件とは、 (1) 塩素化ポリエチレンが軟質であること (2) 後塩素化塩化ビニル樹脂のゲル化を充分に生
ぜしめることのできる塩素化ポリエチレンであ
ること (3) 上記(2)の場合においても両者は完全に相溶せ
ず、塩素化ポリエチレンが一部後塩素化塩化ビ
ニル樹脂の中に細かい粒子として分散している
こと 等の要件である。 先に挙げた公知の塩素化ポリエチレンでは上記
(1)〜(3)の要件総てを満足せず、本発明の目的とす
る耐衝撃性に優れた組成物とはならない。即ち、
前記特公昭38−12175号公報の塩素化ポリエチレ
ンでは分子量が低くすぎ、本公報の記載による
と、原料ポリエチレンはメルトインデツクスMI
(ASTM D1238−57T)約0.05以上のもの、好ま
しくは0.05〜7のもので、これを均一に塩素化し
た塩素含量約5〜50重量%、好ましくは約30〜40
重量%の塩素化ポリエチレンを使用している。こ
のものは上記改質剤としての要件(1)を満足する軟
質ポリマーを含むものと考えられるが、一般に塩
素化ポリエチレンが軟質であればある程後塩素化
塩化ビニル樹脂との相溶性は大きくなる傾向にあ
り、上記公知の塩素化ポリエチレンの場合、後塩
素化塩化ビニル樹脂のゲル化温度での成形は該塩
素化ポリエチレンが低分子量のために後塩素化塩
化ビニル樹脂と完全に相溶してしまつて塩素化ポ
リエチレンが最早粒子状では存在しなくなり望み
通りの耐衝撃性は得られないのである。またこの
よな両者の完全相溶の状態では樹脂粘度が異常に
大きくなつて摩擦熱により樹脂温度が上昇し甚だ
しい場合には樹脂が熱分解を惹き起こすことにな
る。また上記塩素化ポリエチレンを粒子状のまま
で存在させるような低い温度条件では後塩素化塩
化ビニル樹脂は十分にゲル化せず該樹脂の本来有
する優れた機械的強度の成形物とはならない。 前記特公昭44−939号公報記載の塩素化ポリエ
チレンは、100℃以下で且つ光照射下で塩素化し
た塩素化の不均一な残結晶のあるポリマーに限定
しており、本発明の如く塩素化が均一になされた
軟質ポリマーは除外されている。従つてこのもの
では後塩素化塩化ビニル樹脂との相溶性に乏しく
成形条件下での後塩素化塩化ビニル樹脂の不完全
ゲル化の原因となる。 このように従来の塩素化ポリエチレンの配合さ
れた後塩素化塩化ビニル樹脂組成物では本発明の
目的とする効果は得られないものであり、前述し
た如く本発明においては超高分子量ポリエチレン
といわれる原料、即ち重量平均分子量が5×104
以上(前記ASTM D1238−57Tに規定されるメ
ルトインデツクスで表示すれば0.01以下)のポリ
エチレンより製造された塩素含量30〜45重量%及
びDSC法結晶融解熱0.5cal/g以下の塩素化ポリ
エチレンを用いて初めてなしえたものである。 ここにいうDSC法結晶融解熱は、示差熱量計
(Perkin Elmer社製「DSC−1B」)を用いて昇温
速度10℃/minで測定したDSCチヤートの全結晶
ピーク面積により計算したものを指し、0.5cal/
g以下とは塩素化ポリエチレン中に実質上残存結
晶がないことを示している。 また上記重量平均分子量(w)は、溶媒1,
2,4−トリクロロベンゼン中0.1重量%溶液に
ついて135℃のゲル透過クロマトグラフイにより
測定したポリスチレン基準の重量平均分子量であ
り、用いた検出器は示差屈折計である。 本発明の塩素化ポリエチレンの製造方法として
は、上記分子量のポリエチレンを塩素ガスに不活
性な溶媒、例えば四塩化炭素中で塩素化する方法
や水性懸濁下で塩素化する方法などがあり、前者
は使用した溶媒の回収工程や得られた塩素化ポリ
エチレンを粉砕機で粉末状にする工程が必要であ
り、経済的には後者の方法が一般的である。 本発明に使用される塩素化ポリエチレンは、後
塩素化塩化ビニル樹脂に混合する際均一に分散さ
せる必要があり、その為には塩素化ポリエチレン
は出来る丈細かい粒子のものが好ましい。水性懸
濁塩素化法によつて製造する場合には、原料ポリ
エチレンとしてはその粒径がタイラー標準篩で32
メツシユパスのものを用いることが好ましい。こ
のような粉末のポリエチレンは顆粒状もしくはペ
レツト状のものを粉砕することによつて得られる
が、適当なポリエチレンの重合方法、例えばチー
グラー法によつて得ることができる。 水性懸濁塩素化法によつて本発明のDSC法結
晶融解熱0.5cal/g以下の塩素化ポリエチレンを
得るためには、全塩素化の工程において原料ポリ
エチレンのDSC法結晶融点以上の温度で該ポリ
エチレンを基礎として1Kg当り少なくとも0.25Kg
の塩素を付加させる工程が必要である。ここにい
うDSC法結晶融点とは、先に示したDSC法結晶
融解熱測定の際の全結晶ピーク中の最高ピークを
示す温度をいう。該温度以上での塩素の付加量が
これより少ないと屡々得られた塩素化ポリエチレ
ンが固すぎて十分に軟質なポリマーとはならず本
発明の改質剤としての要件を欠くことになる。こ
のような高温域での塩素化はポリマー粒子のブロ
ツキングの原因となることが多いが適当な分散剤
を用いることによりこれを回避することができ
る。 上記の塩素化工程を含む方法で得られた塩素含
量30〜45重量%、DSC法結晶融解熱0.5cal/g以
下の塩素化ポリエチレンは軟質状であるが、本発
明においては特にその表面硬度(JISA)が50〜
70のものが好ましく用いられる。 本発明において、原料ポリエチレンの重量分子
量(w)が50×104より小さいものから得られ
た塩素化ポリエチレンは、後塩素化塩化ビニル樹
脂との成形条件下でたやすくゲル化するため後塩
素化塩化ビニル樹脂と相溶化してしまつて十分な
改質効果を得ることができない。又成形条件によ
つては相溶化した樹脂が短時間のうちに粘度の上
昇を来たし異常な摩擦熱の発生により成形中に熱
分解を惹き起こす原因となる。塩素含量が30重量
%未満の塩素化ポリエチレンは、これ自体が柔軟
性に欠けており、後塩素化塩化ビニル樹脂との相
溶性が乏しく成形条件下で該樹脂のゲル化を著し
く遅らせる原因となり不適当である。又塩素含量
が45重量%をこえるものは、これ自体が熱安定性
に欠けると共に後塩素化塩化ビニル樹脂との相溶
性が大になりゲル化を早めるので好ましくない。 本発明における塩素化ポリエチレンのDSC法
結晶融解熱が0.5cal/gより大きいもの、即ち残
存結晶が存在するものは柔軟性に欠け、後塩素化
塩化ビニル樹脂との相溶性が乏しくなつてゲル化
を遅らせることになり適当ではない。用いられる
塩素化ポリエチレンは表面硬度(JISA)が50〜
70のものが特に好適であるが、硬度が50より小さ
いものは後塩素化塩化ビニル樹脂のゲル化を早め
る原因となり、又70をこえるものは逆にゲル化を
遅らせる原因となつて改質効果を十分に発揮しえ
ない場合が生ずる。 本発明組成物における塩素化ポリエチレンの配
合量は、後塩素化塩化ビニル樹脂100重量部に対
して1〜20重量部の範囲が適当である。配合量が
1重量部未満で改質効果が小さく、又20重量部を
こえると後塩素化塩化ビニル樹脂自体の優れた性
質が低下すると共に加熱成形の際に塩素化ポリエ
チレン自体がゲル化を起こしやすくなり、これに
よつて後塩素化塩化ビニル樹脂のゲル化を早める
結果となり加工性を悪化させる。 本発明組成物には、通常の塩化ビニル樹脂組成
物に加えられる各種配合剤、例えば安定剤、滑
剤、着色剤等が必要に応じて配合できる。 本発明組成物の混合方法としては、通常のポリ
マー加工分野において使用されるミキシングロー
ル、バンバリーミキサ等で混練する方法やヘンシ
エルミキサーで粉末をドライブレンドする方法が
採用できる。 上記混合した組成物を成形する方法としては、
圧縮成形法、押出成形法、射出成形法等があり、
特にドライブレンドした粉末組成物はこれを直接
押出成形や射出成形に供給することが可能であ
り、工程の簡略化ができると共に熱履歴を少なく
することができるので好都合である。 成形条件は用いられる後塩素化塩化ビニル樹脂
によつて異なるが、通常170〜210℃の範囲で行う
ことによつて本発明の目的とする耐衝撃性に非常
に優れた成形物とすることができる。 (発明の効果) 本発明組成物は、改質剤として特定の超高分子
量塩素化ポリエチレンを用いているので成形時の
熱分解がないし、後塩素化塩化ビニル樹脂の本来
有する高温時の優れた機械的特性等を何ら低下さ
せることなく耐衝撃性を改善することができ、更
に加工性にも優れているので耐熱性、難燃性等の
要求されるエンジニヤリング成形材料として非常
に優れたものである。 (実施例) <塩素化ポリエチレンの製造> 製造例 1 重量平均分子量(w)100×104、MI
(ASTM D1238−57Tによるメルトインデツク
ス、以下の例において同じ)0.01以下、密度
0.940、DSC法結晶融点137℃、粒度32メツシユパ
スのポリエチレン5Kgを100のガラスライニン
グオートクレーブに水60、湿潤剤2g、分散剤
100gと共に仕込み、125℃に昇温させた後塩素の
導入を開始した。塩素導入量2.5Kg(ポリマーへ
の付加量1.25Kg)までは同温度に維持した後、
140℃迄昇温し同温度で2.6Kg(ポリマーへの付加
量1.3Kg)の塩素を導入した後、130℃に降温させ
て更に1.7Kg(ポリマーへの付加量0.85Kg)の塩
素を導入し最終塩素含量40重量%の塩素化ポリエ
チレン粉末を得た。 製造例 2 製造例1と同じ原料を用い、塩素の最終工程の
導入量を0.3Kgとした以外は製造例1と同様にし
て最終塩素含量35重量%の塩素化ポリエチレン粉
末を得た。 製造例 3 w200×104、MI0.01以下、密度0.940、DSC
法結晶融点137℃、粒度32メツシユパスのポリエ
チレン5Kgを用い、140℃での塩素導入量を3.0Kg
とした以外は製造例1と同様にして最終塩素含量
42重量%の塩素化ポリエチレン粉末を得た。 製造例 4 w30×104、MI0.03、密度0.955、DSC法結晶
融点132℃、粒度32メツシユパスのポリエチレン
5Kgを用い、製造例1と同じ反応容器、湿潤剤、
分散剤を用いて110℃から130℃に昇温させながら
塩素を導入し最終塩素含量が35重量%になるよう
に塩素化して粉末塩素化ポリエチレンを得た。 製造例 5 製造例1において、第二段の140℃での塩素化
で0.8Kgの塩素を導入した後塩素化を中止した以
外は同様にして最終塩素含量25重量%の粉末塩素
化ポリエチレンを得た。 製造例 6 製造例1において、第三段の130℃での塩素化
で4.9℃の塩素を導入した以外は同様にして最終
塩素含量50重量%の粉末塩素化ポリエチレンを得
た。 製造例 7 製造例1において、塩素化を125℃のみで行い
6.8Kgの塩素を導入した以外は同様にし最終塩素
含量40重量%の粉末塩素化ポリエチレンを得た。 上記製造例1〜7によつて得られた塩素化ポリ
エチレンの性状を表1に示した。
【表】 実施例1〜3、比較例1〜5 上記製造例1〜7によつて得られた塩素化ポリ
エチレンを用い、これらと後塩素化塩化ビニル樹
脂(鐘淵化学工業社製「耐熱カネビニールH−
727」)との相溶性を調べるために下記の配合物に
よるブラベンダープラストグラフを求めた。 配 合 重量部 後塩素化塩化ビニル樹脂 100 塩素化ポリエチレン 5 三塩基性硫酸鉛 4 ステアリン酸鉛 1.5 ステアリン酸バリウム 1 上記配合のうち、塩素化ポリエチレンを除く配
合物をヘンシエルミキサーによつて120℃昇温ま
で混合しこれを基本混合物として、これに上記製
造例1〜3の塩素化ポリエチレンを混合したもの
(それぞれ実施例1〜3とする)及び製造例4〜
7の塩素化ポリエチレンを混合したもの(それぞ
れ比較例1〜4とする)をブラベンダー測定機
(ブラブンダー社製)によつて測定温度190℃、ロ
ーター回転数30rpm及び樹脂量35gの条件で測定
した。なお、比較例5として上記基本配合物のみ
についても行つた。 これらの測定結果を時間に対する樹脂温度及び
トルクの関係図として第1図に示した。 第1図のトルク曲線は各配合物のゲル化対応曲
線を示すものである。この図から明らかなよう
に、本発明より低分子量の塩素化ポリエチレンを
用いた比較例1及び分子量は本発明内にあるが塩
素含量の多い比較例3では、試験開始後すぐにゲ
ル化が起こり、塩素化ポリエチレンが直ちに混練
されて塩素化ポリエチレンマトリツクスの状態あ
るいは後塩素化塩化ビニル樹脂と完全相溶状態を
短時間のうちに形成していることが判る。この間
の樹脂の温度変化は同図下段に示されるが、樹脂
温度の上昇が同様に短時間のうちに起こつてい
る。このことは成形中に樹脂の急激な温度上昇が
あることを意味し実際上成形作業が不可能なこと
を示している。又測定後の試料は著しく着色して
いた。 これに対して実施例1〜3では適当な時間の経
過後にゲル化と樹脂温度の上昇が起こつており、
このことは成形時間をこの範囲でコントロールす
ることにより成形が正常に行い得ることを示して
いる。 DSC法結晶融解熱が0.5cal/gをこえる塩素化
ポリエチレンを用いた比較例2、4では、190℃
の混練条件下において樹脂がゲル化していない。 次に上記実施例1〜3と比較例1〜5と同じ配
合物をヘンシエルミキサーで120℃昇温まで混合
した。これを押出成形用コンパウンドとして用
い、40mmφ単軸押出機にて以下の条件下で10×5
×100mmの角棒を押出成形した。 加熱部位 C1:140℃ C2:160℃ C3:190℃ AD:195℃ Die:195℃ スクリユー回転数 50rpm 得られた成形品について、JIS K−6745に基づ
く破断時強度、破断時伸び、ASTM D−256に
基づくアイゾツト衝撃強度、ISO R−306(5Kg
荷重)に基づくビカツト軟化点を測定した。結果
を表2に示した。 なお、低分子量塩素化ポリエチレンを用いた比
較例1と塩素含量の多い塩素化ポリエチレンを用
いた比較例3は押出機内でのゲル化が著しいため
連続押出ができずコンパウンドは著しく着色して
いた。又DSC法結晶融解熱が0.5cal/gをこえる
塩素化ポリエチレンを用いた比較例2、4はこの
ような押出条件下ではゲル化せず正常な成形品が
得られなかつた。そこで押出機の各部位の温度を
それぞれ20℃上げて行つたところ押出機内でのゲ
ル化と着色が著しく連続押出ができなかつた。
【表】 * 比較例5は塩素化ポリエチレン無添加
実施例4〜5 比較例6〜7 製造例1の塩素化ポリエチレンを用い、下記の
基本配合のうち塩素化ポリエチレンを配合量を変
えて実施例1〜3と同様にしてブラベンダープラ
ストグラフを求めた。 配 合 重量部 後塩素化塩化ビニル樹脂* 100 塩素化ポリエチレン 変量 三塩基性硫酸鉛 4 ステアリン酸鉛 1.5 ステアリン酸バリウム 1 *実施例1〜3で用いたものと同じ 上記配合物中塩素化ポリエチレンの配合量を0
重量部(前記比較例5)、5重量部(前記実施例
1)、10重量部(実施例4)、15重量部(実施例
5)及び25重量部(比較例6)としたものについ
てそれぞれ行つた。また製造例4の塩素化ポリエ
チレンを10重量部配合したもの(比較例7)につ
いても同様に行つた。 これらの測定結果を時間に対する樹脂温度及び
トルクの関係図として第2図に示した。 第2図から明らかなように、実施例1、4、5
では、適当な時間の経過後に順調に樹脂のゲル化
が起こつており加工性に全く問題がないことが判
る。これに対して配合量が本発明の範囲をこえる
比較例6では、試験開始後すぐにゲル化が起こつ
ており加工性に問題がある。また塩素化ポリエチ
レンとして分子量の低いものを用いた比較例7も
同様に試験開始後すぐにゲル化が起つており、こ
のものは樹脂温度の上昇も急激であり試料の変色
も著しいものであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1、2、3及び比較例1、2、
3、4、5の各組成物のブラベンダープラストグ
ラフによるトルク変化と樹脂温度変化を示す曲線
である。第2図は実施例1、4、5及び比較例
5、6、7の各組成物のブラベンダープラストグ
ラフによるトルク変化と樹脂温度変化を示す曲線
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 後塩素化塩化ビニル樹脂100重量部に対して
    重量平均分子量50×104以上のポリエチレンから
    製造された塩素含量30〜45重量%及びDSC法結
    晶融解熱0.5cal/g以下の粉末状軟質塩素化ポリ
    エチレン1〜20重量部を混合したことを特徴とす
    る後塩素化塩化ビニル樹脂組成物。
JP16365385A 1985-07-24 1985-07-24 後塩素化塩化ビニル樹脂組成物 Granted JPS6225147A (ja)

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JPS6225147A JPS6225147A (ja) 1987-02-03
JPH0312582B2 true JPH0312582B2 (ja) 1991-02-20

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5293459A (en) * 1976-02-02 1977-08-05 Mitsubishi Plastics Ind Ltd Polyvinyl chloride composition
JPS58141837A (ja) * 1982-02-15 1983-08-23 Matsushita Electric Works Ltd 非晶質金属製造装置
JPS59108055A (ja) * 1982-12-13 1984-06-22 Nippon Carbide Ind Co Ltd 後塩素化塩化ビニル系成形用樹脂組成物

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