JPH0312547Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 技術分野 本考案は、８mm以下の非常に薄束（薄肉）な本
に最適な挿込口が堅牢で変形しにくい極薄本用ブ
ツクケースに関するものである。

(ロ) 背景技術 従来のブツクケースは、通常背面部の左右両側
に形成される側面部の上下にそれぞれ本の肉厚に
相当する幅の天地部分となる折曲片を連設し、こ
の折曲片をそれぞれ左右互いに重合して綴金で止
着するか接着剤で接着する方法が採られている。

しかしながら、この方法では束幅（本の厚さ）
が８mm以下の非常に薄束な本のケースを製作する
場合、上記の天地重合部分に綴金を使用するのは
綴金機械の機構上不可能であり、また接着剤を使
用するとしても接着作業が困難となり、しかも該
重合部分が細幅であるので剥離しやすく体裁も良
好でない。

さらにそれにも増して、製作されたケースの挿
込口部分左右が１枚紙の上記側面部端縁であるた
めに、非常に弱いものとなるばかりか、最初から
挿込口が広がつてしまつて、本を収納した状態で
の体裁も甚だ悪いものとなつていた。

(ハ) 考案の開示 本考案は上記のような従来の欠点を解決し、８
mm以下のいかに極薄な本であつても表、裏表紙に
密着させることができ、挿込口が堅牢で変形しに
くい極薄本用ブツクケースを提供するものであ
る。

即ち、本考案は極薄本の束幅に相当する背面部
の左右両側に折曲形成された側面部の両外側にそ
れぞれ上下両端外側角部を斜めに切欠した折返側
片が連設され、一方の上記側面部の上下に折曲形
成された天地部のさらに外側には連接片を連接
し、該連接片基部には内側へ折曲したときに上記
他方側面部の折返側片両側に切欠形成された傾斜
部分と突合せ接合される傾斜切除部が形成され、
更に上記連設片は内側へ折曲したときに上記他方
側面部の折曲側片の側辺にも突合せ接合されるよ
うに構成した極薄本用ブツクケースに関するもの
である。

以下、本考案の実施例を図により説明する。

(ニ) 実施例 １は８mm以下の本の束幅に相当する背面部２の
左右両側に折目線３，３を介して形成された本の
表、裏表紙と接する板紙よりなる側面部であり、
該両側面部１ａ，１ｂの外側にはさらに折目線
４，４を介してそれぞれ上下両端外側角部を大き
く斜めに切欠した折返側片５ａ，５ｂが連設され
ている。

一方の側面部１ａの上下に折目線６を介して形
成されたケースの上底、下底となる天地部７のさ
らに外側には、折目線８を介して連接片９がそれ
ぞれ連接してある。この連接片９は他方の側面部
１ｂ側と反対側がその基部から該他方側面部１ｂ
の折返側片５ｂ上下両側に上記のように切欠形成
された傾斜部分５′と内側に向けて同角度（α）
にかつ同じ長さ分だけ斜めに切込み９′し、そし
てさらに該他方の折返側片５ｂの側辺と平行に切
込９″して切除してなり、該他方折返側片５ｂの
上記傾斜部分５′から側辺に至る部分と合致する
ようになつている。

しかして、板紙を打抜いて上記のように構成さ
れた型紙からブツクケースを製作する場合には、
まず左右両折返側片５ａ，５ｂをそれぞれ内側に
折返して接着剤により各側面部１ａ，１ｂに接着
し、次に収納すべき本と同形のモデルを一方の側
面部１ａ内面に載置して天地部７を内側に折曲起
立させると共に、連接片９を更に内側に折曲す
る。次いで、第２図に示すようにこの折曲された
連接片９外面に接着剤を塗付してから、背面部２
を折曲起立させると共に他方の側面部１ｂを内側
に折曲し、各連接片９の前記切除部分９′，９″に
該他方の折返側片５ｂの傾斜部分５′ならびに側
辺を互いに突合せて（即ち９′と５′、９″と５ｂ
側辺）接着するのである。

これにより、製作されたブツクケースの挿込口
部分は第３図の如く二重となつて堅牢であるばか
りか、一方の折返側片１ａに設けられた連接片９
が他方の折返側片１ｂと突合せ接合されているた
め、三重となる部分が存在せず、８mm以下の非常
に薄束の本の抜挿が容易となり、しかも連接片９
と他方の側面部１ｂとを接着して天地部分を重合
接着するものでないので、天地部分の体裁も良好
で従来のような剥離を心配することもない。

なお、連接片９の長さ（即ち折目線８からの距
離）は、上記傾斜切込部９′までにして前記他方
の折返側片５ｂの側辺にまで突合せなくともよ
く、またこれとは逆に更に延長して該側片５ｂの
側辺全長にわたつて突合せると共に両連接片９ど
うしも互いに突合せるようにしてブツクケースの
強度を一層増加させることもできる。

(ホ) 考案の効果 本考案のブツクケースは以上のように構成され
ているから本の挿込口が堅牢であり、背面部を８
mm以下の細幅に形成しても従来のように拡開する
などの変形が生じることがないので、８mm以下の
極薄本の抜挿が容易であつて、しかも天地部分を
重合接着するものでないから体裁良好なブツクケ
ースを提供することができる等製作容易にして
種々の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るブツクケースの展開図、
第２図は製作の一過程を示す斜視図、第３図は完
成状態の断面図である。 符号説明、１……側面部、２……背面部、３，
４……折目線、５……折返側片、６，８……折目
線、７……天地部、９……連接片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 極薄本の束幅に相当する背面部の左右両側に折
   曲形成された側面部の両外側にそれぞれ上下両端
   外側角部を斜めに切欠した折返側片が連設され、
   一方の上記側面部の上下に折曲形成された天地部
   のさらに外側には連接片を連接し、該連接片基部
   には内側へ折曲したときに上記他方側面部の折返
   側片両側に切欠形成された傾斜部分と突合せ接合
   される傾斜切除部が形成され、更に上記連設片は
   内側へ折曲したときに上記他方側面部の折返側片
   の側辺にも突合せ接合されるように構成したこと
   を特徴とする極薄本用ブツクケース。