JPH0121826Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はポケツトまたはバンド付手帳の改良に
関する。

第１図は一般的なポケツト付手帳の概要につき
示したもので、第２図、第３図は従来のポケツト
付手帳のＡ−Ａ断面図である。

従来のポケツト付手帳は、第２図に示すごと
く、表紙２の裏面にポケツト３を溶着あるいは接
着したものに見返し１を挿入接着したものか、あ
るいは、第３図に示すごとく、表紙２と見返し１
を接着した後に袋状をしたポケツト３を見返し１
に接着したものであつた。しかし、従来の構造の
ポケツト付手帳を製造するには、例えば第２図に
示す構造のものにおいては、表紙２とポケツト３
の間に、外側に接着材を塗布した見返し１を挿入
し、位置を合わせて接着するという工程を経るこ
とが必要であり、そのため、接着位置にずれが生
じ易く、また、作業は人手に頼る外なく、熟練を
要し、しかも時間がかかるという欠点があつた。
また、第３図に示す構造のものにおいても、表紙
２、見返し１に対してポケツト３の位置を合わせ
る作業が難しく、やはり接着位置のずれが生じ易
く、機械化が困難で、人手作業に頼らざるを得な
いものである。さらに、この構造のものでは、袋
状のポケツト３の見返し１と接着する側のシート
が見返し１表面に位置するため、接着境界８が見
えるという外観上の難点があり、また、名刺等を
ポケツトに収納する際引つかかり易く不便であつ
た。

以上のような欠点は帯付手帳についても同様に
存するものである。

本考案は、上記のような実情に鑑みてなされた
ものであり、製造が容易であり、機械化の促進が
でき、その上、正確な接着位置が得られ、外観も
優れたポケツトまたはバンド付手帳を提供するも
のであり、その要旨とするところは二重シートに
より形成された手帳用のポケツトまたはバンド
を、前記二重シート間に見返し１が差し込まれ
て、見返し１の一部を挾み持つように位置させ、
この状態の前記ポケツトまたはバンドと見返し１
とを手帳の表紙裏面に貼着させてなることを特徴
とする手帳にあり、更にまたポケツトまたはバン
ドを形成する二重シートのうち、見返し１と表紙
とに挾まれて位置する片側のシートに１または２
以上の開口部を設けて成る手帳にある。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第４図および第５図イは本考案実施例ポケツト
付手帳の第１図におけるＡ−Ａ断面図を示し、第
５図ロは第５図イの実施例に用いるポケツトの斜
視図である。第７図はバンド付手帳の外観斜視
図、第８図および第９図イは本考案実施例バンド
付手帳のＢ−Ｂ断面図を示し、第９図ロは第９図
イの実施例に用いるバンドの斜視図である。ま
た、第６図イ乃至トは本考案ポケツト付手帳の製
造工程の概略図を示している。

第４図、第５図イにおいて、ポケツト３は第５
図ロに示すように予め袋状に形成され、その一面
のシートが見返し１と表紙２に挾まれて位置し、
見返し１と共に表紙２の裏面に接着されている。
同様に、第８図、第９図イにおいて、バンド６は
第９図ロに示すように予め輪帯状に形成され、そ
の一面のシートが見返し１と表紙２に挾まれて位
置し、見返し１と共に表紙２の裏面に接着されて
いる。

次に第６図イ乃至トに基づいて本考案手帳の製
造工程について説明する。第６図イ乃至トはポケ
ツト付手帳の場合を示しているが、バンド付手帳
においても同様である。

第６図イは表紙２およびポケツト３またはバン
ドが取り付けられる前工程の手帳である。必要に
応じて、次工程で、第６図ロ中に示すハツチング
部にポケツトまたはバンド固定のため接着剤を塗
布しても良い。次に、第６図ハ，ニに示すごと
く、見返し１を開き、予め袋状に形成したポケツ
ト３または輪帯状に形成したバンドを所定の位置
に被せる。ここでポケツトまたはバンドはこれら
を形成する二重シートがその端辺でつながる部分
（折返連結部）において見返し１の端辺と係合し、
反射的にこれによつて支えられるため、位置合わ
せが容易かつ正確となり作業時間も短縮できる。
また、作業が容易となるため、従来人手に頼らざ
るを得なかつたものを機械化することが可能とな
り、ポケツトまたはバンド付手帳製造において省
力化、量産化、低コスト化を図ることができる。

次に、第６図ホ中にハツチングによつて示すご
とく見返し１およびポケツトまたはバンドの片側
シートの外側全面に接着剤を塗布し、第６図ヘ，
トに示すように、これに表紙２を位置合せして貼
着させれば見返し１とポケツト３またはバンドは
一諸に表紙２に接着されることになる。

次に、本考案の他の実施例についてさらに詳述
する。

この実施例はポケツトまたはバンドを形成する
二重シートのうち、見返し１と表紙２に挾まれて
位置する片側シートに、１または２以上の開口部
５を設けたものである。

この開口部５があることにより以下のような利
点がある。第一は見返し１、表紙２およびポケツ
ト３またはバンド６間の接合の強化が図れること
である。すなわち、表紙２、ポケツト３、バンド
６は通常ビニル製であり、見返し１は通常紙製で
あるが、接着剤によるビニルと紙との接合は比較
的強いため、開口部５を通してビニル製の表紙２
と見返し１が接着されることでポケツト３または
バンド６に対する挾持力も強化され、全体に強固
な構成となるからである。

第二は接着剤のはみ出しの防止が図れることで
ある。

すなわち、ポケツト３またはバンド６と表紙２
との接着面における余分な接着剤は、開口部５内
に溜るか、あるいは、接着剤は紙に浸透するため
開口部を通つて紙製の見返し１に浸透し、これに
より、余分な接着剤が外部にはみ出すのを防止す
ることができるからである。

尚、本明細書において用いている「手帳」の語
は、本考案がポケツト又はバンド付のノート、本
等にも適用できることを除外する趣旨のものでは
ない。

本考案のポケツトまたはバンド付手帳は、従来
品が手作業によつて１冊当り約20秒かかつて製造
されているのに対して、機械化、自動化を可能と
したため１冊当り約５秒で製造できることが確認
された。また、本考案手帳の構造はポケツトまた
はバンドの接着位置も正確となり、不良品が少な
く、歩止まりも良くなる構造であり、さらに、片
側シートは見返し１と表紙２に挾まれていて表面
に出ていないため、従来品のようにポケツトまた
はバンドに名刺等を差し込む際に引つかかること
もなく、外観も優れている。

以上のとおり、本考案の実用上の効果は極めて
大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はポケツト付手帳の外観斜視図、第２
図、第３図は従来のポケツト付手帳のＡ−Ａ断面
図、第４図、第５図イは本考案実施例のＡ−Ａ断
面図、第５図ロは第５図イの実施例に用いるポケ
ツトの斜視図である。第６図イ乃至トは本考案実
施例手帳の製造工程の概略を示した斜視図であ
る。第７図はバンド付手帳の外観斜視図、第８
図、第９図イは本考案実施例のＢ−Ｂ断面図、第
９図ロは第９図イの実施例に用いるバンドの斜視
図である。 １…見返し、２…表紙、３…ポケツト、４…本
体、５…開口部、６…バンド、７…折返連結部、
８…接着境界。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 二重のシートにより形成された手帳用のポケ
   ツトまたはバンドを、前記二重シート間に見返
   しが差し込まれて、見返しの一部を挾み持つよ
   うに位置させ、この状態の前記ポケツトまたは
   バンドと見返しとを手帳の表紙裏面に貼着させ
   てなることを特徴とする手帳。 ２ ポケツト又はバンドを形成する二重シートの
   うち、見返しと表紙とに挾まれて位置する片側
   のシートに、１または２以上の開口部を設けて
   なる実用新案登録請求の範囲第１項記載の手
   帳。