JPH0312421Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパンチプレスに関わり、更に詳細には
プレスの上型と下型のホルダーに、板材を位置決
め移送する装置を一体的に設けてなるスワンネツ
クホルダーを備えたパンチプレスに関するもので
ある。

第１図に示したのはＣ型フレームパンチプレス
１にスワンネツクホルダー３（第５図参照）を組
み込んだ状態である。

Ｃ型フレームのプレスは構造が簡単で上下型の
３方向が完全に開放されているために板材などを
挿入するのに障害がなく、加工位置近くまで作業
員が接近できる点で操作性がすぐれている。

しかし、Ｃ型フレームのパンチプレス１のフレ
ームは、第２図に示すように、深いのど間〓５を
備えた上部フレーム７と下部フレーム９（機台と
呼ぶこともある）とが後方の立ち上り部１１で連
結された片持ち梁状になつているために、加工時
の衝撃で大なり小なり先端が開くような変形をお
こす。

実際は下部フレーム９は床上に固着されている
から上部フレーム７が上部フレーム９の撓み分を
も含んだ量上方に撓むことになる。

結果として上型１３と下型１５との軸芯が図に
示したように交差するようになり、上部フレーム
７は前後方向に弯曲を強いられて細いパンチ（上
型）などの折損や片あたりを生じることがあると
いう不都合があつたのである。

本考案は上記した不都合を克服すべくなされた
もので、以下に図面にもとづいて好適実施例を詳
細に説明する。

第１図、第４図、第５図において、上下の金型
を支持するスワンネツクホルダー３は上腕１７と
下腕１９と奥端の連結部２１とでのど間〓２３を
構成しており、上腕１７の前端には複数の上型１
３を列をなしてとりつける上型固定ブラケツト２
５を、下腕１９の前端には複数の下型１５をとり
つける下型台２７を備えている。

さらに下腕１９左右両側には、Ｙ軸方向（上下
腕の長さ方向と平行な方向）に板材支承テーブル
２９を案内する案内レール３１を保持するレール
支持部材３３が側方へ突出して設けられている。

上記した案内レール３１に乗るスライドブロツ
ク３５の上に左右の板材支承テーブル２９が固着
してあり、左右の板材支承テーブル２９，２９を
つなぐ長い箱状のキヤリツジベース３７が前記し
たスワンネツクホルダー３ののど間隙２３を貫い
てＸ軸方向に延びて設けてある。

第５図に明らかなようにスワンネツクホルダー
３の下腕１９のＸ軸方向幅の間には、下腕１９の
左右をつなぐ部材３９に支承されたリードスクリ
ユー４１が例えばサーボモータ４３によつて数値
制御的に回転させられ、これと螺合するナツト部
材４５はキヤリツジベース３７に固着してあるか
ら、キヤリツジベース３７は左右の板材支承テー
ブル２９とともにＹ軸方向に移動位置決めされ
る。

上記したリードスクリユー４１の上には、ナツ
ト部材４５の通路を除いてほこりよけをかねた固
定テーブル４７が上面に多数のボールブツシユ４
９を備えて設けてある。

前記した箱形のキヤリツジベース３７中にはＸ
軸方向のリードスクリユー５１が設けられてお
り、リードスクリユー５１が例えばサーボモータ
５３によつて数値制御的に駆動され、係合するナ
ツト部材５５によつて複数の把持爪装置５７が板
材を把持してＸ軸方向に移動し位置決めされる。

従つて把持爪装置５７は２つのサーボモータ４
３と５３とによつて数値制御的に板材をＸ軸、Ｙ
軸に関して位置決め移動する装置５９を構成して
いるのである。

第１図の説明にもどるが上部フレーム７の前端
に例示したクランク軸６１によつて上下に移動す
るラム（図示省略）があり、該ラムには図示を省
略した適宜な手段によつてＸ軸方向に任意の位置
に移動できる打撃子（ノツカーとも云う）６３が
設けてある。

前述したごとき構成のスワンネツクホルダー３
は、第１図に示すように、パンチプレス１の上部
フレーム７と下部フレーム９との間ののど間〓５
に組込んであり、上型固定ブラケツト２５は上部
フレーム７とは連結がなく、単に上型１３を下型
１５に対応して弾機を介して支持しているのであ
る。

従つて、打撃子６３が、上型１３の上端を打撃
すると、上型の中の案内スリーブ中を下降して下
型１５との間で板材を加工するから、上部フレー
ム７と下部フレーム９の前端が相互に開くように
撓んでも、従来のパンチプレスのように上下型の
軸芯が交差するような不都合は発生しない。

また板材を支承するテーブル２９やＸ軸方向と
Ｙ軸方向に板材を移動位置決めする装置５９は、
スワンネツクホルダー３の下腕１９に支承されて
おり、下腕１９は、第３図に示したように前記し
た上下フレーム間の前端開口の撓みの影響を殆ど
受けない下部フレーム９に取りつけてあるので、
Ｃ型プレスの操作性のよい長所の上に、上下型の
軸芯交差という不都合をも解消し得たのである。

以上のごとき実施例の説明より理解されるよう
に、要するに本考案は、適数の下型１５を取付け
る下型台２７を前端部に備えた下腕１９後端部
に、上記下型１５と対応する上型１３を前端部に
支承した上腕１７の後端部を連結して、上腕１７
と下腕１９との間に形成したのど間隙２３内にお
いて上下の腕１７，１９の長手方向に対して直交
する方向へ延伸したキヤリツジベース３７を、前
記下腕１９の両側方へ突出したレール支持部材３
３に支持された案内レール３１に沿つて移動自在
に設け、前記上型１３と下型１５とによつて加工
される板材を把持自在な把持爪装置５７を、前記
キヤリツジベース３７にキヤリツジベース３７の
長手方向へ移動自在に設けてなるスワンネツクホ
ルダー３を、上部フレーム７と下部フレーム９と
を備えることによりのど間〓５を形成したＣ形フ
レームの上記のど間〓５内に配置して設け、上記
上部フレーム７の前端部に、前記上型１３を打撃
自在の打撃子６３を上下動自在に設けてなるもの
である。

上記構成より明らかなように、本考案において
は、上腕１７と下腕１９とを一体化し、かつ下腕
１９に把持爪装置５７を支承したキヤリツジベー
ス３７を移動自在に装着してなるものであるか
ら、全体をユニツトとして扱うことができ、プレ
スのＣ型フレームに対して取付けるとき、上下の
金型１３，１５と把持爪装置５７等との関係を予
め正確に調整しておいてから取付けることができ
るので、組立後の調整が不要となり、Ｃ型フレー
ムに対する下腕１９等の取付けが容易なものであ
る。

また、下腕１９の両側方へ突設したレール支持
部材３３に支持された案内レール３１にキヤリツ
ジベース３７が移動自在に支持されていることに
より、両側の案内レール３１の間隔が大きくなつ
てキヤリツジベース３７の支持がより安定すると
共に、案内レール３１が下腕１９から離れること
となつて、キヤリツジベース３７への振動の伝達
が抑制される態様となる。

さらに、上記構成によりキヤリツジベース３７
は、プレス加工時におけるＣ型フレームの撓みや
歪みの影響を受けることがなく、板材の位置決め
精度を高精度に維持できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例装置をとりつけたパン
チプレスの斜視図、第２図はプレスの撓みを示す
説明図、第３図は本考案の実施例装置をとりつけ
たプレスの撓み説明図、第４図は本実施例の本体
部分の斜視図、第５図は本実施例の全体斜視図。 ３……スワンネツクホルダー、１７……上腕、
１９……下腕、２３……のど間〓、２５……上型
固定ブラケツト、２７……下型固定台、２９……
板材支承テーブル、３３……翼板、５９……板材
位置決め装置、６３……打撃子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適数の下型１５を取付ける下型台２７を前端部
   に備えた下腕１９の後端部に、上記下型１５と対
   応する上型１３を前端部に支承した上腕１７の後
   端部を連結して、上腕１７と下腕１９との間に形
   成したのど間〓２３内において上下の腕１７，１
   ９の長手方向に対して直交する方向へ延伸したキ
   ヤリツジベース３７を、前記下腕１９の両側方へ
   突設したレール支持部材３３に支持された案内レ
   ール３１に沿つて移動自在に設け、前記上型１３
   と下型１５とによつて加工される板材を把持自在
   な把持爪装置５７を、前記キヤリツジベース３７
   にキヤリツジベース３７の長手方向へ移動自在に
   設けてなるスワンネツクホルダー３を、上記フレ
   ーム７と下部フレーム９とを備えることによりの
   ど間隙５を形成したＣ形フレームの上記のど間〓
   ５内に配置して設け、上記上部フレーム７の前端
   部に、前記上型１３を打撃自在の打撃子６３を上
   下動自在に設けてなることを特徴とするパンチプ
   レス。