JPH0312327Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は自然循環方式の風呂釜にポンプによ
る強制循環機能を備えた風呂釜等において循環管
の吸込側に簡単に取着しうる浴槽の循環管用フイ
ルターに関する。

（従来の技術） 従来、循環式風呂釜の浴槽の吸込口に、フイル
ターを取着するものとは異なるが、湯ざめ防止器
を取付ける構造として実開昭57−148650号ではキ
ヤツプに備えた差込み保持具の循環管より若干大
きい径のゴム片を循環管に対し押し込んで止める
構造としている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記湯ざめ防止器の取付け構造ではゴム片を強
制的に拡げる手段がないため充分な拘着力は得難
くて抜脱し易く、ゴム片に対応する循環管の口径
の寸法の許容寸法大きくすることは困難で、市販
の浴槽の循環口径がまちまちであるから幾種もの
径のものを用意しないと対応できない等の問題点
がある。

この考案は前面にフイルターを挿着したキヤツ
プ体の後部に屈曲又は湾曲可能な複数枚の弾性翼
片を設けた保持体を備え、この保持体を左右いず
れかに回動して各翼片の弾性を利用して縮径させ
て循環管に確実に圧接保持できるようにした循環
用フイルターを提供するにある。

（問題点を解決するための手段） この考案は従来の問題点を解決するため、風呂
釜用循環管１の吸込口を覆うフイルターを挿着し
たキヤツプ体２の中央に循環管の内径ｄより径を
若干大きくし、かつ、屈曲又は湾曲可能とした複
数枚の弾性翼片３を軸部４に一体形成した保持体
５をねじ等で固定し、該キヤツプ体２の保持体５
を循環管１に取着するに際し、その弾性翼片３を
循環管１に押込んで当接させ、その後弾性翼片３
を回動して屈曲又は湾曲状にねじ込んで翼片３を
弾性を利用して縮径させ、各翼片３の端面を循環
管１の内周面に容易に圧接保持する技術手段を提
供するにある。

（作用） この考案によればフイルターを挿着したキヤツ
プ体２の後部に備えた保持体６の各翼片５は循環
管１の内径に応じて屈曲又は湾曲させられた状態
で縮径されて種々の内径の循環管１に圧接保持さ
れてキヤツプ体２が循環管１に強固に嵌入固定さ
れるものである。

（実施例） 以下にこの考案を図面に示した実施例に基づい
て説明する。

第４図はこの考案の循環管用フイルターを適用
した風呂加熱装置を示すもので、Ａは浴槽、Ｂは
熱交換器９、ガスバーナ１０を備えた風呂釜、１
は浴槽Ａと風呂釜Ｂを連結する循環管、７は熱交
換器９に跨つて設置されたバイパス管、８は強制
循環ポンプである。

次に第１図乃至第３図に示す実施例において、
キヤツプ体２は循環管１の吸込口の径より大きい
径とした取付板１１に後記のフイルター１２を挿
着したキヤツプ１３を着脱可能に嵌着する構成と
してある。取付板１１には流入口１４を設けると
共に外周に係合突起１５を形成し、キヤツプ１３
には正面及び外周面に複数個の開口１６を設け
て、該開口１６に網状のフイルター１２を張着し
て備え、かつキヤツプ１３の内周端に係止爪１７
を設け、該係止爪１７を取付板１１の係合突起１
５の後外周部に嵌合して取着するようになす。

３は弾力性の大きいゴム、プラスチツク製で肉
厚を薄くして左右いずれの方向、即ち周方向に自
在に屈曲又は湾曲可能とした弾性翼片で、該翼片
３を軸部４に循環管１の内径ｄより若干大きい径
として放射状に一体形成して保持体５を構成し、
この保持体５の軸部４を取付板１１の中心にねじ
６等で圧着固定する。

弾性翼片３は後側に軸方向に一定の幅寸法の中
心部より若干薄肉の嵌着部３ａを有し、その前部
に嵌着部３ａの最外径から漸次径が小さくされた
傾斜３ｂが連設されて嵌着部３ａの基底部で屈曲
され易く、傾斜部３ｂと相俟つて弾性翼片３の嵌
着部３ａが循環管１への嵌着が容易となる。又、
嵌着部３ａの如く薄肉となさずに中心より同一肉
厚の翼片３となし、基底部にくびれ部３ｃが刻設
された嵌着部３a′となしても良い。

第５図に示す別の実施例においてフイルター付
きキヤツプ体２はキヤツプ１３′だけで構成して
あり、このキヤツプ１３′に前記と同様に開口１
６、フイルター１２を設け、このキヤツプ１３′
の中心に複数枚の弾性翼片３を有する保持体５の
軸部４を延長してねじ６で正面に圧着固定してあ
る。なお、図において１８は循環管１と浴槽Ａの
側壁１９との間に挿入するパツキング、２０はキ
ヤツプ１３を着脱する取手である。

この考案は前記した構造としたので、循環管用
フイルターを浴槽の循環管の吸込口に取付ける場
合、第１図乃至第３図の実施例では取付板１１に
固定した保持体５を循環管１に押込んでから保持
体５をいずれかの方向へ廻わして周方向の摩擦力
にて弾性翼片３を第２図に示すようにその嵌着部
３ａの端部を屈曲状として縮径し、又押込みつつ
ねじ込み、或いは第５図に示されるキヤツプ１
３′に固定した弾性翼片３を第６図に示すように
半径方向全体に亘つて均等に湾曲状としてねじ込
んで嵌入して、翼片３の端面を循環管１の内面に
大きな復元力にて圧接保持させ、しかる後循環管
の前端にキヤツプ１３，１３′を嵌着して取付け
る。

第５図における実施例では傾斜部３b′は第１図
における傾斜部３ｂが先端部にあるのに対し軸中
心近くから最外径まで伸びていて、翼片３は半径
方向全長に亘つて湾曲して大きく縮径し得るの
で、循環管１の口径の許容寸法を相当大きくなし
得る。

（考案の効果） この考案によれば市販されている浴槽の循環管
の口径が多少まちまちでも、口径より径の大きい
弾性翼片を有する保持体を廻わして翼片を屈曲又
は湾曲状にしてねじ込むことにより、難なく循環
管の内面に堅固に圧接保持することができ、従つ
て循環管用フイルターが不本意に抜脱するような
ことはない。この循環管用フイルターを外す場合
には保持体を引抜き、或いは廻わしながら引抜け
ば翼片が元に戻つて容易に抜脱することができ
る。

又、キヤツプ体にフイルターを設けたので、ポ
ンプによる強制循環をする場合にも毛がらみのご
みが吸引されるもフイルターで受止められるの
で、ポンプにからみ付くことはなく、強制循環を
円滑に行うことができる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の循環管用フイルターを示す
一部破断側面図、第２図は同一部破断正面図、第
３図は同じく異なる実施例における取付板と保持
体の斜視図、第４図は浴槽の循環管の吸込口に本
考案に係わる循環管用フイルターを取付けた状態
の側面図、第５図は循環管用フイルターの別の実
施例を示す一部破断側面図、第６図は同保持体を
循環管に嵌着した状態の断面図である。 １……風呂釜用循環管、２……キヤツプ体、３
……弾性翼片、４……軸部、５……保持体、６…
…ねじ、１２……フイルター、Ａ……浴槽、Ｂ…
…風呂釜。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽Ａの風呂釜用循環管１の吸込口を覆うフイ
   ルター１２を挿着したキヤツプ体２の中央に循環
   管１の内径ｄより大きい径とし、かつ、周方向に
   屈曲又は湾曲可能な複数枚の弾性翼片３を軸部４
   に放射状に一体形成した保持体５をねじ６等で固
   定し、該保持体５の弾性翼片３を循環管１に回動
   しつつ屈曲又は湾曲状にして縮径させた状態でね
   じ込み弾性翼片３の端面を循環管１の内周面に圧
   接保持しうるようにしたことを特徴とする浴槽の
   循環管用フイルター。