JPH0312082Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は、建物躯体の外側部に複数本の下地材を
所定の左右間隔をあけて垂直に固定し、該下地材
の外側部に複数本の横材を所定の上下間隔をあけ
て水平に固定し、これら横材の上下に隣り合う横
材間に複数本の縦材を上記下地材に対応する位置
に垂直に配置して該縦材を上記横材と独立に上記
下地材に固定し、上記横材を基本とし、該横材と
縦材とで形成される枠内に面材を取付けたカーテ
ンウオールにおける横材連結部の水密構造に関す
る。

（従来の技術） 一般に、横材を基本とするカーテンウオールに
おいては、一定長の横材単体を複数本順次連結し
て長い横材として使用している。この横材単体の
連結部の水密をはかるため、従来シール材の充填
による水密構造が実施されているが（特公昭54−
1087）、横材単体の熱伸縮等によりシール材に不
良部分が発生すると水密構造全体が水密作用が著
しく低下する欠点があり、その改善が望まれてい
た。

（考案が解決しようとする問題点） 本案は、シール材による一次水密部に不良部分
が発生して漏水があつても、これを室外側に排水
して全体として水密作用を維持することができる
横材連結部の水密構造を提供することを目的とす
る。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するための本案の水密構造
は、複数本の横材単体を一線に直結してなる複数
本の横材を所定の上下間隔をあけて配設し、上記
横材と横材との間に所定の間隔をあけて配設され
た複数本の縦材とで形成される各枠内に面材を取
付けたカーテンウオールにおいて、 上記横材単体の連結部において、横材単体の一
方の端部にキヤツチパンの一側壁部が嵌合され、
キヤツチパンの他側壁部に他方の横材単体の端部
を嵌挿するようにして、両横材単体は間隔をあけ
て接続されると共に、その上下に上記縦材が配設
され、 上記キヤツチパンを挾んで間隔をあけて連結さ
れた横材、縦材の連結部における間隔の少くとも
室外側を一次水密シール材で封止すると共にキヤ
ツチパンは上記一次水密シール部からの万一の漏
水を受けて他方の横材単体の樋部から外部へ排出
するように構成した、 構造としてある。以下図面を参照して本案の実
施例を説明する。

（実施例） 第１図において、建物の躯体Ｆの外側部に鉄角
パイプからなる複数の下地材１…を所定の左右間
隔をあけて垂直に固定し、該下地材１…の外側部
にアルミ形材からなる複数本の横材２…を、本例
で１つの階に３本づつの割合で、所定の上下間隔
を開けて水平に固定し、これら横材の上下に隣り
合う横材２，２、…間に、アルミ形材からなる複
数本の縦材３…を上記下地材１…に対応する位置
に垂直に配置して該縦材３…を上記横材２…と独
立に上記下地材１…に固定し、これら横材２…と
縦材３…とで形成される各矩形枠内に本例では面
材としてガラス４…を嵌めてある。

上記下地材１…の躯体Ｆへの固定手段は、第
２，３図示のように各床スラブ５を支えるＩ形鋼
の各梁６に溶接された補助板７にアングル材のフ
アスナー８をそれぞれ予め溶接しておき、一方下
地１の上記各フアスナー８に対応する内側位置に
矩形板からなるブラケツト９を溶接し、該ブラケ
ツト９と上記フアスナー８をボルト１０，１０及
びナツト１１，１１により連結した構造である。

上記横材２…は、上記縦材３…の左右間隔のほ
ぼ２倍の長さの横材単体２ａ…を一直線に連結し
たもので、その連結部の位置にも上記縦材３…を
連結してあり、この横材単体２ａ…は、横断面に
おいて第２図示のように中空基部１２の外側部
上、下位置に断面ほぼ矩形Ｃ形の面材嵌め溝部１
３，１４を、その一方１３の溝口を上に、他方１
４の溝口を下にそれぞれ向けた状態に連設すると
共に、上記中空基部１２の上、下両面に断面ほぼ
矩形Ｃ形の溝部１５，１６を、その一方１５の溝
口を上に、他方１６の溝口を下にそれぞれ向けて
形成し、さらに中空基部１２の内側面に断面矩形
Ｃ形の２条のボルトヘツド案内溝部１７，１７を
その溝を横材２長手方向へ延長し且その溝口を内
方へ向けて連設したものである。

上記横材２…の下地材１…への固定手段は、上
記各下地材１の外側面における横材取付位置に第
３図示のようにコ字形のブラケツト１８を溶接
し、一方横材２の内側面における上記各ブラケツ
ト１８に対応する位置に一対のアングル材のフア
スナー１９，１９を、上記横材２のボルトヘツド
案内溝部１７，１７にヘツドを嵌入したボルト２
０，２０及びナツト２１，２１によりそれぞれ固
定し、該フアスナー１９，１９を上記ブラケツト
１８の両端部にボルト２２，２２及びナツト２
３，２３により連結した構造である。

上記縦材３…は、横断面において第３図示のよ
うに矩形中空基部２４の外側面に断面ほぼ矩形Ｃ
形の面材嵌め溝部２５，２６を、その一方２５の
溝口を左方に、他方２６の溝口を右方にそれぞれ
向けて互に背中合わせの状態に連設すると共に、
中空基部２４の内側面の中央部に断面矩形Ｃ形の
ボルトヘツド案内溝部２７をその溝を縦材３長手
方向へ延長し且その溝口を内方へ向けて形成し、
さらに上記案内溝部２７の左右両側に左右側方へ
開口する溝部２８，２９を連設したものである。

上記縦材３…の下地材１…への固定構造は次の
ようである。上記各下地材１の外側面における本
例では各縦材３の上下両端部に対応する位置、す
なわち上記各ブラケツト１８の上、下両側位置に
アングル材のブラケツト３０，３０をそれぞれ溶
接し、一方各縦材３の内側面における上、下両端
部にアングル材のフアスナー３１，３１を上記ボ
ルトヘツド案内溝部２７にヘツドを嵌入したボル
ト３２，３２及びナツト３３，３３によりそれぞ
れ固定し、このような各縦材３の下端部３７を第
２図示のように横材２の上部溝部１５内に、上端
部３８を下部溝部１６内にそれぞれ若干係合し、
その状態で上記縦材３のフアスナー３１，３１を
下地材１のブラケツト３０，３０にボルト３４，
３４及びナツト３５，３５により連結してある。

上記ガラス４…は、上記のような横材２…と縦
材３…により形成される矩形枠内における横材の
面材嵌め溝１３，１４及び縦材の面材嵌め溝２
５，２６にそれぞれその四周部を嵌めこんで支持
されている。３６…はガラス４…の四周部のシー
ル材である。

上記横材単体２ａ…の連結部の水密構造は次の
ようである。連結すべき横材単体２ａ，２ａの端
部においてその中空基部１２と下部面材嵌め溝部
１４との隔壁を一部切除して連通内腔Ａをそれぞ
れ形成し、一方第９図示のようにやや前下りに傾
斜する底板４０の前端に低い前壁４１を、後端に
高い後壁４２をそれぞれ起立すると共に、左側端
に、上記連通内腔Ａの横断面内形にほぼ対応する
形状の側壁であつて側壁前部４４、側壁中間部４
５及び後方へ張出す側壁後部４６からなる左側壁
４３を、右側端にほぼＬ字形の右側壁４７をそれ
ぞれ起立し、又前壁４１の右端に出口４８を開設
してなるキヤツチパン３９を準備し、このキヤツ
チパン３９の左側端部を左側の横材単体２ａの連
通内腔Ａ内に挿入すると共に挿入部分の適所を該
内腔Ａに溶接により固定し、そして第６、８図示
のように側壁前部４４の連通内腔開口端がわにシ
ール材４９を充填し、又右側の横材単体２ａの連
通内腔Ａの開口部には、第７図示のようにシール
受け材５０ａ…を配設してキヤツチパン３９の右
側端部が嵌入できる係合孔５１を形成する。上記
シール受け材５０ａ…は上記内腔Ａの上面との間
に空間をあけて固定され、その空間内に、上記左
側の横材単体２ａのシール材４９と対応するシー
ル材５０が充填されている。さらに両横材単体２
ａ，２ａの面材嵌め溝部１３及び溝部１５，１６
内の連結端面がわにもシール材５２及び５３，５
４を充填し、このような右側横材単体２ａの係合
孔５１に左側横材単体２ａのキヤツチパン３９右
端部を嵌入して、両単体２ａ，２ａを間隔ｄをあ
けて接続し、そして該間隔ｄの室外側に開放する
部分及び両横材単体２ａ，２ａ端部と上、下両縦
材３，３との間にシリコンシーラント等の弾性を
有する不定形シール材を一次水密シール材５５と
して充填して一次水密部を形成する。この場合、
上記キヤツチパン３９の後部は、両横材単体の上
部溝部１５，１５の底面に開設された水抜き孔５
６，５６（第６、７図）からの排水を受ける位置
にあり、又キヤツチパン前部の出口４８が、第
２、８図示のように右側横材単体２ａの下部面材
嵌め溝部１４内における溝口の外側に形成された
樋部５７上に位置してキヤツチパンで受けた水を
出口４８から該樋部５７に流し、樋部５７内の水
はその底面に開設された排水孔５８…から室外側
へ排出するようにしてある。５９…は上部面材嵌
め溝部１３の底面に開設された室外側に開口する
排水孔である（第２図）。

６０は一方の横材単体に取付けた弾性クツシヨ
ン体で、合成ゴム等の弾性シートの中空筒状体の
一側面に溝部６２有し、該溝部６２内に、他方の
横材単体に固定されたタイト板６１を嵌入して二
次水密部を形成している。

なお、上記弾性一次水密シール材５５は、左右
横材単体２ａ，２ａのシール材５３，５３間及び
５４，５４間までに室内側に延長して充填されて
いるが、これらシール材５５の延長部分５５ａ，
５５ａに上記クツシヨン体６０及びタイト板６１
の上下両端部を連続させている。

上記のような構造の横材連結部において、一次
水密シール材５５に万一水密不良部分が発生して
横材連結部内に雨水が侵入した場合、該雨水は内
側のキヤツチパン３９内に落ち、その傾斜底板４
０を流下して出口４８から右側の横材単体２ａ内
の樋部５７内に流入し、該樋部５７を伝つてその
排水孔５８…から室外側に排出される。

（考案の効果） 本案のカーテンウオールにおける横材連結部の
水密構造によれば、連結部の横材単体間を封止す
る一次水密シール材に万一不良部分が発生し、連
結部内に雨水が侵入しても、内側のキヤツチパン
により上記侵入雨水を受けて外部へ排出すること
ができ、それにより横材連結部の十分な水密性を
維持することができるのであり、又一方、上記キ
ヤツチパンはその一側部を一方の横材単体の端部
内に固着させ、キヤツチパン他側部を他方の横材
単体の端部内に係合して両横材単体のジヨイント
材としての役割も果たし、それにより横材連結部
の水密性維持をさらに一層確実にするのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の実施例を示し、第１図はカーテン
ウオールの一部の正面図、第２図は第１図の−
線拡大断面図、第３図は第１図の−線一部
切欠拡大断面図、第４図は横材連結部の拡大正面
図、第５図は第４図の−線一部省略断面図、
第６図は一方の横材端部の拡大斜面図、第７図は
他方の横材端部の拡大斜面図、第８図は第５図の
−線断面図、第９図はキヤツチパンの拡大斜
面図である。 ２……横材、２ａ……横材単体、３……縦材、
４……ガラス、３９……キヤツチパン、４３……
キヤツチパンの一側壁部、４７……キヤツチパン
の他側壁部、５５……一次水密シール材、５７…
…樋部、ｄ……間隔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数本の横材単体２ａを一線に直結してなる複
   数本の横材２を所定の上下間隔をあけて配設し、
   上記横材２と横材２との間に所定間隔をあけて配
   設された複数本の縦材３とで形成される各枠内に
   面材４を取付けたカーテンウオールにおいて、 上記横材単体２ａの連結部において、横材単体
   ２ａの一方の端部にキヤツチパン３９の一側壁部
   ４３が嵌合され、キヤツチパン３９の他側壁部４
   ７に他方の横材単体２ａの端部を嵌挿するように
   して、両横材単体２ａ，２ａは間隔ｄをあけて接
   続されると共に、その上下に上記縦材３が配設さ
   れ、 上記キヤツチパン３９を挾んで間隔をあけて連
   結された横材２、縦材３の連結部における少くと
   も室外側を一次水密シール材５５で封止すると共
   にキヤツチパン３９は上記一次水密シール部から
   の万一の漏水を受けて他方の横材単体２ａの樋部
   ５７から外部へ排水するように構成した、 カーテンウオールにおける横材連結部の水密構
   造。