JPH0213622Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本願はカーテンウオールのパネル構造の改良に
関する。

考案の目的 建造物のカーテンウオール構造として、パネル
としてはほぼ平板状で上下及び左右方向に設置す
る場合に、パネル端縁が鮮明でパネル間の目地部
が奥深い底目地構成が要望されることが昨今の傾
向である。従来法では第５図の如く前記要求に対
して表面板に補強を兼ねた枠体を其のパネル四周
に固定したものはあるが、枠体と表面板間の水密
性に欠点があつてカーテンウオールの内側に風雨
の折に洩水現象を発生する恐れがあつた。本願は
上記の欠点を解消し、且つパネル製造現場作業の
工数低下を目的とする。

考案の構成 本願は平板状のパネル表面板と其の室内面四周
に配設固定された枠体よりなり、表面板と枠体間
にはその四周において、目地部方向に開口する略
コ字状溝を形成し、上面および両側面のコ字状溝
の溝底に２次シール材を充填すると共に、２次シ
ールとの間に長尺スペーサを介在させて開口側に
１次シールを述填し、１次シールと２次シール間
に互いに連通する長手通しの縦空間及び横空間を
形成し、更に下面のコ字状溝内にシールを充填
し、上記縦空間の下端に位置する下面のシールの
一部を切欠いて水抜き部を形成したカーテンウオ
ールのパネル構造である。

実施例 第１図に於て１はパネル構成材であるパネル表
面板でアルミニウム合金よりなる。２はアルミニ
ウム合金押出材よりなり、パネル表面板１の四周
に固着された枠体で、実施例ではパネル表面板の
四周に一定ピツチにて立設されたスタツドボルト
３により枠体２を挾持固着している。枠体２が固
着されたパネルは、パネル表示板１と枠体２によ
りコ字状溝４が形成され目地部５方向に開口して
いる。

実施例ではコ字状溝４の底部には仕切壁６を立
設している。本願パネルは現地での高所作業を減
少して作業効率を向上するためコ字状溝４内のシ
ーリングは工場内にて行うことを可能としたもの
で、第２次シール８として、シリコン系シール材
をコ字状溝４の溝底である表面板１と仕切壁６間
に充填し、充填後スペーサー９として硬質プラス
チツクよりなる断面略Ｌ字状の長尺材の短辺１０
を前記第２次シール８の表面に当接する。そして
他の長辺１１は其の寸法が前記コ字状溝４の溝径
に等しく丁度溝壁に設けた突条１２と其の端部が
当接する。突条１２は必須要件ではないが、設け
たときはスペーサー９が安定し作業上好ましい。
そしてスペーサー９の長辺１１が底面となつた底
浅溝内に第１次シール１３としてシリコン系シー
ル材を開口４の上縁迄充填し、パネルの両側面に
長手通しの縦空間７，７を形成する。パネル表面
板１の補強をも兼ねた枠体２は、コ字状溝４より
ブラケツト１４を張り出して前記の如くスタツト
ボルト３にて緊締固着する手段を採つたが、枠体
２を表面板と強固に固定すれば他の手段にても足
りる。

次にパネル上面のシールに関して第２図を参照
して説明する。このシールも前記と全く同様で良
く、前記縦空間７，７とその長手端部において連
通する長手通しの横空間７′を形成している。ま
た実施例ではパネルの下面即ち図で枠体２′では
コ字状溝４′の深さは前記枠体２のコ字状溝４よ
り小である。従つて第１次、第２次シール１３，
８との間のスペーサー９′はＬ字状でなく平板状
を呈している関係上、空間は形成されていない。
更にパネル下端面の第１次、第２次シール１３，
８に於ては第３図の如く上記縦空間７の下端に位
置して、第１次、第２次シール１３，８の一部を
切欠いて水抜き部１６を形成している。

従来法による第５図に示すパネル構造では、風
雨により雨水は目地部１５に吹き付け表面板１と
枠体２との隙間に侵入し、シール１６を通過して
室内側へ洩水した。これは風を伴わぬ雨量でも毛
管現象により雨水は室内へ侵入するものである。

本願によれば、第１シール１３を越えて侵入し
た雨水２２は、第３図に示す如く空間７，７′に
侵入し、其の広い流路に沿つて流れ、縦空間７よ
り水抜き部１６を介して室外へ排出することが出
来る。

図例に於て１７は第１次シール材で、１８は第
２次シール材で合成ゴムよりなる中空体で、１９
はバツクアツプ材である。そして１次、２次シー
ル材間には断面積の極めて大なる空間２０を形成
している。なお、２１はパネル枠体２を建造物躯
体に連結するためのブラケツトの一部である。

効 果 以上説明したとおり本願によれば、従来の欠点
を解消し、雨水２２は室内に侵入することが皆無
となり、シーリング作業の過半を工場にて行い、
現地作業工数の軽減にも寄与するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は互に隣接するパネルの目地部の横断面
図で、第４図に示す〜視断面図である。第２
図は同じく第４図に示す−視縦断面図であ
る。第３図は縦目地と横目地の交叉部、即ち第４
図に於ける丸印部の一部切欠き正面図である。第
４図は説明用の正面図である。第５図は従来法の
パネル目地部を示す。 １……パネル表面板、２……枠体、２′……パ
ネル下面の枠体、４……コ字状溝、５……目地
部、７……縦空間、７′……横空間、８……第２
次シール、９……スペーサー、１３……第１次シ
ール、２２……雨水。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 平板状のパネル表面板と其の室内面四周に配設
   固定された枠体よりなり、 表面板と枠体間にはその四周において、目地部
   方向に開口する略コ字状溝を形成し、上面および
   両側面のコ字状溝の溝底に２次シール材を充填す
   ると共に、２次シールとの間に長尺スペーサを介
   在させて開口側に１次シールを充填し、１次シー
   ルと２次シール間に互いに連通する長手通しの縦
   空間及び横空間を形成し、更に下面のコ字状溝内
   にシールを充填し、上記縦空間の下端に位置する
   下面のシールの一部を切欠いて水抜き部を形成し
   たカーテンウオールのパネル構造。