JPH0311351Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、玄関サツシ等の枠体を建物躯体の開
口部に取付けるに際し、躯体開口部に予め捨枠体
を固定しておき、該捨枠体に枠体を取付ける構造
に係り、特に枠体の下枠と捨枠体の竪捨枠下部に
設けた下枠受金具との連結構造に関する。

従来、窓及び玄関サツシ等の枠体（以下サツシ
枠と称す）を建物躯体の開口部に取付けるに際
し、予め開口部とサツシ枠間に充分なクリアラン
スを形成しておき、サツシ枠を嵌込む時に、合板
等のパツキン材をそのクリアランス内に挿入し
て、クリアランスを閉鎖し且つサツシ枠の形状を
保持しながら玄関サツシの建込みを行なうのが一
般的であつた。

然しながら、斯かる従来の建込み法では、クリ
アランスに密接嵌合し得るパツキン材を用意しな
ければならず、サツシ枠に歪みが発見された場合
には、再度パツキン材を交換する等しなければな
らず、施工手間が掛る割りには施工精度が確保で
きない等の欠点があつた。特にこれ等の欠点は、
玄関サツシのように、面積的にも重量的にも大き
な開口部のみのに顕著であり、ドアの開閉に支障
を来たすこともあつた。。

そこで、本考案は上記したパツキン材等の調整
材を用いることなく、精度よく且つ施工性の優れ
た取付構造として、サツシ枠体とは別個に捨枠体
を導入し、先ず建物躯体の開口部に捨枠体を固定
しておき、この捨枠体にサツシ枠体を嵌め込むだ
けで取付けを完了できるものを既に提案している
が、本考案はそのうちサツシ枠体の下枠と捨枠体
の竪捨枠下端との連結構造の改良に関するもので
ある。

上記の特徴を有する本考案の要旨は、水平片部
に取付孔を備え、竪捨枠の下縁に上記水平片部が
竪捨枠表面より横方向へ突出するように固着され
た断面略Ｌ字形の下枠受金具と、この下枠受金具
の水平片部に支承される補強部を有する下枠とか
らなり、この下枠を鉛直方向にのみ弾性変形し、
上記取付孔に係合する弾性係止爪と沓摺部と前記
沓摺部とを一体的に構成したことを特徴とする玄
関サツシ等における下枠と竪捨枠の連結構造にあ
る。

以下に本考案を図示の実施例に基づいて説明す
ると、１は建物躯体の開口部周縁に固定される上
捨枠、２，２は同開口部周縁に固定される左右一
対の竪捨枠、３は上記上捨枠１及び竪捨枠２，２
に嵌め込まれる開閉自在扉３ａを一体的に備えた
サツシ枠で、該サツシ枠３を各捨枠１，２に嵌め
込むだけでその取付けを完了し得る。

さらに詳述すると、上捨枠１はチヤンネル材よ
りなつていて、チヤンネル材の溝部によつて嵌合
溝１０が形成される。１１，１１はチヤンネル材
の両側壁内周に設けた長手方向へ延びる係止突提
で、嵌合溝１０内へ突出している。１２は上捨枠
１の両端に固定される断面Ｌ字形の竪捨枠取付け
ガイドで、該ガイド１２を介することにより上捨
枠１に左右の竪捨枠を係合連結できる。一方、竪
捨枠２，２もチヤンネル材よりなつており、当該
チヤンネル材の下縁には断面略Ｌ字形の下枠受金
具２０，２０が上下動可能にねじ止めされてお
り、この下枠受金具２０は竪捨枠２のウエブ２１
に接合される垂直片部２０ａと長方形状に開設し
た取付孔２０ｂを備えた水平片部２０ｃより構成
されている。この下枠受金具２０は本来下捨枠に
相当するものであるが、左右竪捨枠の下端間の幅
が建物躯体の開口幅によつて決定されるため一定
とならず、従つてその幅の影響を受けないよう、
該下枠受金具２０を採用したものである。この結
果、躯体開口部の開口幅の如何に拘わらず、各種
寸法幅のサツシ枠を支持できる利点を有するもの
である。

次に開閉自在扉３０ａを一体的に備えた枠体よ
りなるサツシ枠３と前記上捨枠１及び竪捨枠２，
２との連結構造について詳述すると、サツシ枠３
の上枠３０は上捨枠１の開口幅より若干小な厚さ
幅を有しており、第２図に示されるように、上捨
枠の嵌合溝１０内に嵌入させれば、溝内の係止突
提１１，１１によつて上枠３０の両側面部は弾発
的に支持される。従つて嵌合溝１０と上枠３０と
の間にクリアランスを設けておけば、該上枠３０
が歪等の原因で傾いていても、サツシ枠３自体を
垂直に取付けられる。

一方、下枠３１は上部に沓摺部３１ａと下部に
補強部３１ｂを備えており、補強部３１ｂの長手
方向端部には前記下枠受金具２０の取付孔２０ｂ
内に係合せしめられる弾性係止爪３１ｃが突設さ
れている。

以上において、第２図に示されるように、先ず
サツシ枠３の上枠３０を上捨枠１内に嵌着し、次
いで下枠３側を水平片部２０ｃに直交する方向へ
揺動させると、下枠３の弾性係止爪３１ｃがその
弾性作用によつて竪捨枠２の下縁に設けた下枠受
金具２０の取付孔２０ｂ内に係合し、斯くして竪
捨枠２に下枠３を簡単に固定することができる。
なお、下枠３の弾性係止爪３１ｃは斜め方向へ延
びているので、下枠受金具２０の取付孔２０ｂ内
へ係合させるのが簡単になる反面、取付孔２０ｂ
と係合している状態にあつては、該取付孔２０ｂ
内に食い込み嵌合しているために、下枠３の回動
特に反時計方向への動きを完全に規制することが
でき、従つて竪捨枠２と下枠３との連結は一層確
実なものとなつている。

本考案は以上の構成及び作用からなるもので、
水平片部に取付孔を備えた断面略Ｌ字形の下枠受
金具を竪捨枠の下縁に上記水平片部が竪捨枠表面
より横方向へ突出するように固着し、また沓摺部
と弾性係止爪を備えた補強部とを一体的に連結し
てなる下枠の当該弾性係止爪を前記下枠受金具の
取付孔に係合させたことから、極めて簡単な操作
でもつて竪捨枠と下枠とを精度よく確実に連結で
きる。その結果、煩雑なねじ締め作業が不要とな
るため施工性の向上に役立つばかりか、ねじ締め
個所を極力減少させることによつて玄関サツシの
意匠的外観を向上させ得る等種々の効果を有する
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は竪捨枠の構成を示す斜視図、第２図は竪捨枠と
下枠の連結操作を示す縦断正面図、第３図は竪捨
枠と下枠の連結状態を示す要部縦断正面図であ
る。 符号の説明、２……竪捨枠、２０……下枠受金
具、２０ｂ……取付孔、２０ｃ……水平片部、３
１……下枠、３１ａ……沓摺部、３１ｂ……補強
部、３１ｃ……弾性係止爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平片部に取付孔を備え、竪捨枠の下縁に上記
   水平片部が竪捨枠表面より横方向へ突出するよう
   に固着された断面略Ｌ字形の下枠受金具と、この
   下枠受金具の水平片部に支承される補強部を有す
   る下枠とからなり、この下枠を鉛直方向にのみ弾
   性変形し、上記取付孔に係合する弾性係止爪と沓
   摺部と前記補強部とを一体的に構成したことを特
   徴とする玄関サツシ等における下枠と竪捨枠の連
   結構造。