JPH0311180B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、電気信号を機械的な回転変位に変換
する電磁装置に関する。

（従来の技術） 電気信号を機械的な変位に変換して種々の制御
を行う電磁装置が知られている。

例えば、実開昭57−66505号「電磁装置の構造」
は、基部、先端が対向するように曲げられた左右
一対の極片より形成されたヨークと、下端側で前
記基部に揺動するように枢支され上端が前記極片
の内側面に接触することなく対応する凸の曲線で
あるＴ字形の可動片と、前記可動片の上端の中心
に前記極片の先端間の間隙をとおり上方向に延出
する非磁性体のストツパと、前記ヨークの極片の
一方の先端を１極にしたときに他方の先端を他極
に、一方の先端を前記他極にしたときに他方の先
端を前記一極にする励磁コイルとから構成されて
いる。

この構造によれば、可動片が両極片に接触しな
いので、移動の際の離脱が容易になり、ストロー
クに対し吸引力がほぼ一定の特性を有し、さらに
高速化を可能にしている。

（発明が解決しようとする問題点） 前述のような電磁装置では、電気信号を機械的
な揺動運動に変換していたが、直接回転運動に変
換することはできなかつた。

また、この電磁装置を精密機械の制御に用いる
場合には、小形化が要請されるので、組立が難し
く、製造に手間がかかつていた。さらに、この電
磁装置では、可動鉄心や永久磁石が露出している
ので、塵や埃が付着して誤動作の原因になるとい
う問題点があつた。

本発明の目的は、誤動作がなく、小形でかつ製
作容易であつて、電気信号を直接機械的な回転変
位に変換することができる電磁装置を提供するこ
とにある。

（問題点を解決するための手段） 前記目的を達成するために本発明による電磁装
置は、巻線が施された筒状部とその筒状部の下側
の開口に上側軸受部をもつボビンと、前記ボビン
の下側に挿入され前記上側軸受部に対応する軸受
孔をもつ基板と、前記ボビンの両側で肩部が内側
に向くように配置された第１および第２の側板
と、前記第１または第２の側板の外側に配置され
た永久磁石と、出力軸を中心に前記第１および第
２の側板の肩部と一定の間隔を保つて揺動する可
動鉄心と、前記第１または第２の側板および前記
永久磁石を挟持する第１および第２の腕とその第
１および第２の腕を連結する底板に設けられ前記
上側軸受部と前記軸受孔と協働して前記可動鉄心
の出力軸を枢支する下側軸受部とをもつヨークと
から構成されている。

（実施例） 以下、図面等を参照して、実施例について本発
明を詳細に説明する。

第１図は、本発明による電磁装置の全体の構成
を示した図、第２図〜第９図は、同実施例装置の
各部を取り出して示した図であつて、第２図はボ
ビン、第３図はヨーク、第４図は可動鉄心、第５
図は軸受、第６図は側板、第７図は永久磁石、第
８図は基板、第９図は軸をそれぞれ示した図であ
る。

第１図〜第９図において、２はボビン、３はヨ
ーク、４は可動鉄心、５は軸受、６は側板、７は
永久磁石、８は基板、９は軸である。

ボビン２は、第２図ａに示すように、断面が矩
形（第２図ｇ）の筒状部２０とこの筒状部２０の
上下端につば２１，２２が一体に形成されてい
る。つば２１，２２には、この電磁装置を制御対
象となる機器に取付けるための突起２３が設けら
れている。また、つば２１には、端子ピン（第１
図ｄ）を挿入するための孔２４（第２図ｃ）が設
けられている。第２図ｄに示すように、筒状部２
０の下側の開口２０ａの両側には、上側の軸受孔
となる爪２５，２５が設けられている。

ヨーク３は、第３図に示すように、磁性体金属
板の両端を曲げ起こして、脚部３１，３２を形成
したものである。ヨーク３の底面には十字形の開
口３３および切欠３４，３４，３５，３５が設け
られている。左右の脚部３１，３２には、固定用
の開口３６および切欠３７，３７が設けられてい
る。

可動鉄心４は、第４図に示すように、上側には
肩部４１，４２が設けられており、下側には軸９
が圧入される孔４３が穿設されている。

軸受５は、第５図に示すように、滑らかに加工
された円弧面をもつ軸受部５１と、ヨーク３に取
付けるための取付け部５２が形成されている。

側板６は、第６図に示すように、上端に肩部６
１が曲げ起こされており、肩部６１には、左右に
突出し部６３，６３が設けられている。側板６の
中央には孔６４が穿設されている。この側板６
は、第１図に示すように左右に側板６Ａ，６Ｂと
して配置される。

永久磁石７は、第７図に示すように、直方体の
形状をしており、第７図ｂに示す方向に着磁し
て、一方の極に識別のための彩色が施してある。

基板８は、第８図に示すように、磁性体金属板
の中央に軸受用の孔８１が設けられており、四隅
に位置決め用の切欠８２，８２，８２，８２が設
けられている。

軸９は、非磁性体材料で成形されており、可動
鉄心４の揺動中心軸となり、本発明による電磁装
置の出力軸となる軸であり、第９図に示すよう
に、出力軸９１が連設されている。出力軸９１に
は、制御対象物に対して接続が容易になるよう
に、摺り落とし部９２が形成されている。

つぎに、本発明による電磁装置の組立手順を説
明する。

ボビン２の筒状部２０には、巻線機等により第
２図ａ，ｇに２点鎖線で示した位置に巻線２６が
施される。ボビン２の下側のつば２２には、磁気
回路を形成する基板８が組み込まれる。ボビン２
の左右両側に、側板６Ａ，６Ｂを挿入するととも
に、側板６Ｂの右側に永久磁石７を挿入する。可
動鉄心４の軸孔４３に軸９を圧入した可動鉄心組
立をボビン２の筒状部２０の下側から挿入する。
軸受５をヨーク３の第３図ａの２点鎖線で示す位
置に取付けて一体化したものを、ボビン２に被せ
る。ボビン２の爪２５、基板８の孔８１、軸受５
により可動鉄心４に設けられた軸９を枢支するこ
とができる。最後に、これらを樹脂で固定する。

つぎに、本発明による電磁装置の動作を説明す
る。

永久磁石７は、第１図に示すような極性に配置
されているので、コイルに通電されていないとき
には、側板６ＡはＳ極、側板６ＢはＮ極、可動鉄
心４はＳ極になつているので、可動鉄心４は側板
６Ｂ側に吸引されて傾いている。コイルに通電さ
れると、側板６Ａ，６Ｂの極性が反対になるの
で、可動鉄心４は側板６Ａ側に吸引保持される。
このとき、軸９は、左右５度の角度で回動するこ
とができる。

本発明よる電磁装置は、カメラの内部機構、例
えば、レリーズマグネツトとして、またシヤツタ
等の駆動用として使用することができる。

（発明の効果） 以上詳しく説明したように、本発明によれば、
可動部分に露出部がないので、塵や埃がついて誤
動作をする心配はなくなつた。

また、ねじ等を使用することなく組立ることが
できるので、小形でかつ製作が容易になつた。

また、出力軸を可動鉄心の回動中心に設けたの
で、電気信号を直接機械的な回転変位に変換で
き、種々の用途に対応できるようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による電磁装置の全体の構成
を示した図、第２図〜第９図は、同実施例装置の
各部を取り出して示した図であつて、第２図はボ
ビン、第３図はヨーク、第４図は可動鉄心、第５
図は軸受、第６図は側板、第７図は永久磁石、第
８図は基板、第９図は軸をそれぞれ示した図であ
る。 ２……ボビン、３……ヨーク、４……可動鉄
心、５……軸受、６……側板、７……永久磁石、
８……基板、９……軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 巻線が施された筒状部とその筒状部の下側の
   開口に上側軸受部をもつボビンと、前記ボビンの
   下側に挿入され前記上側軸受部に対応する軸受孔
   をもつ基板と、前記ボビンの両側で肩部が内側に
   向くように配置された第１および第２の側板と、
   前記第１または第２の側板の外側に配置された永
   久磁石と、出力軸を中心に前記第１および第２の
   側板の肩部と一定の間隔を保つて揺動する可動鉄
   心と、前記第１または第２の側板および前記永久
   磁石を挟持する第１および第２の腕とその第１お
   よび第２の腕を連結する底板に設けられ前記上側
   軸受部と前記軸受孔と協働して前記可動鉄心の出
   力軸を枢支する下側軸受部とをもつヨークとから
   構成した電磁装置。