JPH03111453A - 合成樹脂の改質剤、改質樹脂材料、改質樹脂フィルム、および改質表面処理製品 - Google Patents

合成樹脂の改質剤、改質樹脂材料、改質樹脂フィルム、および改質表面処理製品

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JPH03111453A
JPH03111453A JP24869189A JP24869189A JPH03111453A JP H03111453 A JPH03111453 A JP H03111453A JP 24869189 A JP24869189 A JP 24869189A JP 24869189 A JP24869189 A JP 24869189A JP H03111453 A JPH03111453 A JP H03111453A
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Shigetaka Kushino
櫛野 滋隆
Yoshinori Orihara
折原 慶典
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Nitta Gelatin Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、合成樹脂の改質剤、改質樹脂材料、改質樹
脂フィルム、および、改質表面処理製品に関し、詳しく
は、蛋白質成分を含み、合成樹脂等からなる各種製品に
対して、手ざわりや光沢等の、いわゆる風合(ふうあい
)および吸湿性等の各種性質を改善するために樹脂材料
に添加される改質剤、前記のような諸性質を改善するた
めの表面処理用の塗料やフィルム製造用の原料となる改
質樹脂材料、製品表面に積層されてその表面の改質を行
ったり、それ自体で製品として利用される改質樹脂フィ
ルム、および、前記風合等を改善するための表面処理が
施された改質表面処理製品に関するものである。
〔従来の技術〕
合成樹脂製品等は、素材自体の性質によって表面光沢や
手ざわりが違い、様々な風合を有しているが、使用者に
好ましい感触や美観を与えるには、素材のままでは好ま
しくなく、表面の風合を改善する必要がある場合が多い
。他方、各種製品の表面における性状、例えば吸湿性や
染色性等は、製品の使用性能だけでなく、前記風合等に
も大きな影響を与える場合がある。
例えば、合成皮革や合成繊維等は、天然の材料とはかな
り風合や表面性状が異なるため、この風合等を天然の材
料と同等かそれ以上に改善するために、改質用のコーテ
ィング剤や塗料を塗布したり、風合改善等の改質処理が
なされたフィルムを表面に積層すること等が行われてい
る。
従来における、合成樹脂製品等の表面改質材料の具体例
としては、ナイロンやポリエステル生地に対する透湿性
改善の目的で、これらの生地の表面加工に使用されてい
るポリウレタン樹脂がある。しかし、このポリウレタン
樹脂は、透湿性改善効果等は良好であるが、表面の感触
にべとつき感があることや、表面の光沢が強過ぎて、生
地の風合を損なうという問題を有していた。
そこで、上記ポリウレタン樹脂の風合改善のために、ポ
リウレタンにゼラチンおよびコラーゲン繊維(粗コラー
ゲンまたは牛皮粉)の微粉末(粒径5μm程度)を添加
することが提案されており、例えば、特開昭63−99
300号公報等に開示されている。このような微粉末の
添加によって、ポリウレタンは、吸放湿性が良好でドラ
イタッチ感があって結露抑制や高水蒸気透過性等をも備
える表面加工剤として、前記ナイロン生地等の表面加工
に好ましいものとされている。
また、合成樹脂に、膠、ゼラチン、コラーゲン、カゼイ
ン、キトサン等を添加することによって、合成樹脂の吸
放湿性を改善する技術が、特開昭62−252459号
公報に開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記の先行技術では、ゼラチン等の微粉末を
乾燥した粉末状態のままで樹脂材料に混合するようにし
ているため、均一な混合が行い難(、前記表面加工に使
用したときに、風合等のムラが生じ易かったり、樹脂材
料を成形するときの成形性が悪くなる等の問題を有して
いた。
粉末状態のゼラチンを樹脂に均一に混合するために、高
温で加熱混合することが考えられ、例えば、樹脂を熱成
形する段階でゼラチンを加熱混練することも提案されて
いるが、粉末状態のゼラチンを樹脂に均一に混合するに
は、少なくとも70℃程度以上の高温に加熱する必要が
あり、そのような高温までゼラチンを加熱すると、変質
や分解を起こしてしまい、目的とする樹脂材料の改質作
用が充分に果たせなくなる。また、ゼラチンを水に膨潤
させた状態で樹脂に混合することも考えられたが、粉末
状態の場合と同様に、均一な混合は困難であった。
ゼラチン等を水溶液の状態で合成樹脂に混合することが
できれば、樹脂に均一に混合することができ、前記問題
を解消することができるのであるが、例えば、通常の工
業用ゼラチンを水溶液の状態にするには、少な(とも4
0〜50℃の温水でゼラチンを溶解する必要がある。と
ころが、この程度の加熱でもゼラチンの変質や分解が起
こり、樹脂に対する改質効果が充分に挙げられなかった
、また、温水で熔かしたゼラチンは、保存中および樹脂
に添加するときにも、常に一定の温度条件に維持してお
かなければ、ゼラチンの増粘化やゲル化が起こるために
、取り扱いが難しかった。
特に、前記したポリウレタン樹脂の成形方法には、通常
の熱可塑性樹脂等と同様に加熱成形を行う方法と、樹脂
を有機溶媒に熔解させて膜状に成形した後、有機溶媒を
蒸発揮散させて樹脂膜を固定化させる方法がある。この
うち、加熱成形法では、高熱に加熱されるため、前記ゼ
ラチン水溶液を含んだ、いわゆる含水状態になっている
と、ポリウレタン樹脂が加水分解を起こしたり、増粘、
固化あるいは分離等が生じ、ポリウレタン樹脂を前記改
質表面処理等に利用することが出来なくなる。そこで、
高熱に加熱する必要のない有機溶媒による溶解成形法が
採用されているが、ゼラチンとともに有機溶媒を添加し
ようとすると、前記のような温水で熔解された従来のゼ
ラチン水溶液は、有機溶媒との相溶性が悪いため、有機
溶媒と同時に樹脂に添加することができない。有機溶媒
の添加量を調整して樹脂の粘度調節を行おうとしても、
有機溶媒の添加によってゼラチン自体が増粘や固化を起
こすので、有機溶媒による樹脂の粘度調節が出来ないと
いう問題があった。
なお、ゼラチン等の蛋白質成分の添加による合成樹脂の
改質は、前記のような、ナイロン生地等の表面加工用ポ
リウレタン樹脂だけでなく、様々な用途に使用される各
種合成樹脂の改質にも適用できるものであり、やはり、
同じような問題が生じていた。
そこで、この発明の課題は、ゼラチン等の蛋白質成分を
合成樹脂の改質に利用する場合に、ゼラチン等による改
質効果を充分に発揮させることができる、使用性能に優
れた改質剤を提供し、この改質剤を用いて、良好な性能
を有する改質樹脂材料、改質樹脂フィルム、および、改
質表面処理された製品を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決する、この発明のうち、請求項1記載の
改質剤は、常温以下で水溶性かつ非゛凝固性を有する蛋
白質加水分解物の水溶液であって、等電点よりも低いp
Hに調整されている。
請求項2記載の改質剤は、上記蛋白質加水分解物として
、平均分子量1000〜50000のものを用いるよう
にしている。
請求項3記載の改質剤は、上記蛋白質加水分解物の水溶
液が、塩類を含有するものからなるようにしている。
請求項4記載の改質樹脂材料は、上記改質剤が有機溶媒
とともに樹脂材料に添加されている。
請求項5記載の改質樹脂フィルムは、上記改質樹脂材料
から製造されている。
請求項6記載の改質表面処理製品は、上記改質樹脂材料
で表面処理されている。
蛋白質加水分解物としては、例えば、ゼラチンを加水分
解して得られる加水分解ゼラチンが使用でき、この加水
分解ゼラチンは、通常の工業用ゼラチンに比べて低分子
量であり、通常のゼラチンが40〜50℃の温水でなけ
れば溶解しないのに対し、加水分解ゼラチンは常温もし
くはそれ以下の冷水に対しても良好に溶解する。加水分
解ゼラチンの製造は、通常の手段で製造されたゼラチン
に対して、バクテリア生産のプロテアーゼや果実含有の
プロテアーゼによる酵素分解を行ったり、塩酸等の鉱酸
、クエン酸等の有機酸、あるいは、水酸化ナトリウム等
のアルカリによる化学的分解を行ったりする方法で製造
することができる。
蛋白質加水分解物としては、ゼラチン以外にも、大豆、
小麦等の植物性蛋白質、あるいは、カゼイン、卵白、ケ
ラチン、シルク等の動物性蛋白質等、各種の蛋白質原料
を加水分解したものが利用できる。但し、蛋白質加水分
解物としては、常温以下で水溶性および非凝固性を有す
る必要がある。常温とは、約20〜30℃程度を意味し
、少なくとも40℃を超えることはない。蛋白質加水分
解物には、低温では水に溶解し非凝固性であるが高温で
は凝固して水に溶解しないものもあるが、この発明では
、このようなものも利用できる。
蛋白質加水分解物の分子量は、比較的小さいもののほう
が、低い温度、でも水に良く溶解し、樹脂材料に対する
均一混合性や改質効果にも優れている。具体的には、平
均分子量が1000〜50000程度のものが好ましく
、より好ましくは、平均分子量3000〜20000程
度のものが望ましい。
蛋白質加水分解物水溶液の等電点(IEP)は、原料や
製造方法あるいは含有成分等によっても異なるが、例え
ば、ゼラチン加水分解物では、酸処理ゼラチンの場合に
はpH7〜9、アルカリ処理ゼラチンの場合にはp H
4,5〜5.0程度である蛋白質加水分解物水溶液のp
H値を調整するには、クエン酸等の有機酸や鉱酸を加え
ればよい。
pH値は、前記等電点よりも低ければよいが、好ましく
は等電点よりも0.5以上低いpH値で実施する。
蛋白質加水分解物水溶液には、塩化ナトリウム(NaC
1)等の塩類を添加することが好ましい。この場合、前
記pHm整は、塩類を添加した状態で行う。塩類の添加
量は、例えば、たんばく加水分解物30.0重量部に対
して、NaC1を用いる場合、好ましくは1.0〜20
.0重量部、より好ましくは5.0〜15.0重量部で
実施する。
pH値が調整された蛋白質加水分解物水溶液からなる改
質剤は、後述する有機溶媒とともにポリウレタン等の各
種合成樹脂材料に添加されて改質樹脂材料が製造され、
この改質樹脂材料から塗料やフィルム等、製品として利
用可能な状態、もしくは、表面改質を行う製品に対して
処理可能な状態に調製される。
改質樹脂材料を構成する合成樹脂としては、ポリウレタ
ン樹脂が好ましいが、塩化ビニルその他の合成樹脂から
なるものでも実施できる。特に、有機溶媒に溶解させて
成形できる合成樹脂、あるいは、水を嫌う合成樹脂に適
用するのが好ましい改質剤を、ポリウレタン樹脂等の水
を嫌う合成樹脂材料に添加するには、予め改質剤に有機
溶媒を添加して溶解させた状態で樹脂材料に添加混合す
ることによって、樹脂材料のブロッキング固化を起こし
難(でき、改質剤と樹脂材料との混合が均一に行われる
ようになる。
樹脂材料に対する改質剤の添加量は、例えば、ポリウレ
タン樹脂の場合、樹脂固形分に対して、蛋白質加水分解
物固形分が1.0〜40.0重量%になるように改質剤
を添加するのが好ましく、より好ましくは5.0〜30
.0重量%添加する。但し、樹脂材料および改質剤の成
分や組み合わせによっては、上記添加量の範囲外でも実
施できる。
有機溶媒としては、通常の樹脂溶解成形に使用されてい
る各種の有機溶媒が自由に利用できる。
具体的には、例えば、N、N−ジメチルホルムアミド(
DMF)やメチルエチルケトン(MEK)等の親水性溶
媒と、酢酸エチル、トルエン等の非親水性溶媒があり、
何れの溶媒も使用できるが、水を含む改質剤との相溶性
に優れた親水性溶媒のほうが好ましい。上記のような各
有機溶媒は、単独でも使用できるが、複数の有機溶媒を
組み合わせて使用することによって、改質剤の熔解性や
合成樹脂の安定性を向上させることができる。具体的な
有機溶媒の種類や添加量は、合成樹脂の種類や改質剤の
性状等に合わせて適宜選択することができる。
改質樹脂材料には、前記改質剤のほか、必要に応じて適
当な添加剤を配合することができる。例えば、改質樹脂
材料を塗料として使用する場合には、顔料や溶剤等、通
常の塗料に含まれている成分が配合される。
改質樹脂材料は、前記したフィルムや塗料のほか、吸水
性や吸湿性あるいは染色性に優れたウレタン系接着剤と
して利用して、合成樹脂フィルムと布生地との接着や、
合成樹脂フィルム同士の接着等に用いることができる。
また、生地に直接塗布または含浸させた後、乾式または
湿式により、樹脂および生地を成形することもできる。
改質樹脂フィルムは、上記改質樹脂材料を用い、溶液状
態の樹脂材料を適当な基板の上に延ばしてフィルム状に
形成した後、有機溶媒を蒸発揮散させて樹脂を固定化す
る等、通常のフィルム製造方法で製造される。この場合
も、フィルム製造に必要な各種成分が改質樹脂材料に添
加される。
改質樹脂フィルムは、そのままで、風合や表面光沢ある
いは透湿性等が改善されたフィルム素材として、所望の
用途に利用することができる。改質樹脂フィルムは、ミ
クロンオーダーの薄いものから、数龍程度の分厚いもの
くシートという場合もある)まで、目的に応じて任意の
厚みで利用できる。改質樹脂フィルムは、合成樹脂組織
の中に蛋白質加水分解物が混在している構造であるので
、この蛋白質加水分解物のみを熱水処理等で除去すると
、合成樹脂組織のみが残り、たんばく加水分解物の存在
個所が微細な孔になった多孔質フィルムを製造すること
ができる。
改質樹脂フィルムを各種合成樹脂や繊維等からなる製品
の表面に接着等の手段で積層することによって、当該製
品の表面を改質処理することができる。前記改質樹脂材
料から製造された塗料を、上記製品の表面に塗装しても
、同様の表面処理が可能である。
改質樹脂フィルムが接着等で積層された生地は、表面の
樹脂スキン層を除去することによって、吸湿性をさらに
向上させたり、染色加工や革シボ加工を行って人工皮革
を製造したり、サンディング加工によってスェード調の
人工皮革を製造したり、表面にエナメル加工を施すこと
もできる。
改質表面処理される製品は、合成樹脂、金属、木材その
他の任意の材料からなるものに適用可能であり、製品の
形状や構造も限定されない。具体的には、例えば、ナイ
ロンやポリエステル等の化繊、綿や羊毛、絹等の天然繊
維からなる生地に対する表裏綿の表面加工に適用したり
、発泡ポリウレタン等からなる合成樹脂皮膜の表面を改
質表面処理したものを繊維生地に接着して、改質表面が
皮革様の風合や性質を有するものを製造することができ
る。具体的な表面処理の方法は、製品の形状や材質ある
いは用途によって、通常の各種表面処理法の中から適当
な方法が選択されるが、その表面処理方法に用いる改質
樹脂材料として、前記のような構成のものを用いればよ
い。
〔作  用〕
常温以下で水溶性かつ非凝固性を有する蛋白質加水分解
物は、熱を加えることなく常温で水溶液を調製すること
ができ、得られた蛋白質加水分解物水溶液を保存するの
も常温で良く、有機溶媒に熔解して樹脂に添加する際に
も、加熱しなくても均一に混合することができる。その
結果、樹脂に対して改質作用を行う蛋白質成分が、加熱
によって変質したり分解されたりすることがなく、良好
な改質効果を発揮することができる。
蛋白質加水分解物水溶液を等電点よりも低いpH値に調
整して得られた改質剤は、有機溶媒との相溶性が良好に
なる。
蛋白質加水分解物の平均分子量が1000〜5oooo
のものであると、低い温度における水溶性や非凝固性が
特に良好であり、樹脂材料に対する改質効果も高い。
水を含む改質剤を、そのまま水を嫌う樹脂材料に添加す
ると、樹脂がブロッキング等を起こして固化してしまい
、改質樹脂材料として使用できなくなるが、有機溶媒に
良好に溶解された状態の改質剤であれば、樹脂が安定し
て改質剤を均一良好に混合させることができるようにな
る。また、樹脂に改質剤を混合したまま、長時間放置し
ておいても、混合状態は安定している。
蛋白質加水分解物水溶液に塩類が含有されていると、改
質剤と有機溶媒の相溶性がより高まる。
改質剤が有機溶媒とともに良好に混合された改質樹脂材
料から、塗料やフィルム等の製品を製造すれば、各種製
品の表面改質を良好に果たすことができ、表面の風合や
性状が良好に改善された製品を得ることができる。具体
的な改質効果としては、手触りや光沢等の風合、吸湿性
や吸水性が挙げられる。
〔実 施 例〕
改質剤の製造 この発明にかかる蛋白質加水分解物として加水分解ゼラ
チンを用い、これと通常の工業用ゼラチンを用いて、第
1表に示す種々の条件で改質剤を製造した。各改質剤の
試料20重量部に対して、有機溶媒であるDMFを添加
していき、溶液に白濁や不溶化が生じない限界のDMF
添加量を測定して、 その結果を第1表−1゜ 2に示している。
上記結果から、この発明の実施例1〜6は、何れもDM
Fに対する相溶性が優れていることが実証できた。なお
、比較例1〜3は、温水で熔解された通常のゼラチンを
用い、比較例1と4は、水溶液OpH値が等電点よりも
大きく、比較例1゜2および4は、NaC1を添加して
いない場合である。その結果、比較例1.2および4で
は、DMFとの相溶性が悪いことが判る。
改質樹脂材料の製造 上記各実施例および比較例の改質剤を用いて改質樹脂材
料を製造した。
樹脂材料の配合は以下の通りであった。
ウレタン樹脂剤      100重量部有機溶媒 (DMF/MEK=1/2)  40重量部改質剤  
         20重量部樹脂材料に対する改質剤
の混合状態および製膜性を試験した結果、第2表の通り
であった。
上記結果から、実施例2,4.6の改質剤が樹脂に対す
る混合状態および製膜性の何れにも優れており、実施例
1,3.5の改質剤は、実施例2.4,6に比べて、N
aC1の添加がないため、樹脂との混合性および製膜性
が実施例2. 4. 6よりも少し劣っている。比較例
1.2および4の改質剤は、樹脂に均一に混合すること
ができず製膜も不可能であった。
改質樹脂フィルムの製造− つぎに、上記のようにして製造された改質樹脂材料(但
し、製膜可能な実施例および比較例のみ)と、固体のゼ
ラチン粉末をウレタン樹脂剤に練り込んだ比較例5の樹
脂材料、および、改質剤を添加しない樹脂材料(ブラン
ク品)を用いて、支持体表面に薄層にひき、150〜1
60℃で有機溶媒を除去して製膜し、それぞれを一定の
面積に成形した。得られた改質樹脂フィルム片に対して
、吸湿性および吸水性試験を行った。
前記比較例5の配合割合を以下に示す。
ウレタン樹脂剤      100重量部有機溶媒 (DMF/MEK=1/2)40重量部ゼラチン粉末 
        6M量部吸湿性試験は、相対湿度90
%の雰囲気下で24時間保持し、試験前後の重量変化を
測定した。
吸水性試験は、水中に12分間浸漬させた後、吸水紙で
水を除去し、試験前後の重量変化を測定した。その結果
を第3表に示している。
上記結果から、この発明にかかる実施例は何れも、ブラ
ンク品および各比較例に比べて、吸湿性および吸水性の
改善効果が極めて高いことが実証できた。
〔発明の効果〕
以上に述べた、この発明のうち、請求項1記載の発明に
かかる改質剤は、蛋白質加水分解物の水溶液を等電点以
下にpH調整してお(ことによって、有機溶媒とともに
樹脂材料に添加したときに均一かつ良好に安定して混合
させ得るようになる。また、蛋白質加水分解物が常温以
下で水溶性かつ非凝固性を有するものからなるので、蛋
白質加水分解物水溶液を加熱することなく低い温度で製
造でき、改質剤を低い温度のままで有機溶媒と溶解させ
たり、樹脂材料に混合することができる。
したがって、改質剤および改質樹脂材料の製造工程で、
高温の加熱が不要になり、複雑な温度管理も必要ないの
で、製造が容易かつ迅速に行える。
しかも、加熱による蛋白質成分の変質や分解が起きない
ので、蛋白質加水分解物の樹脂材料に対する改質効果を
そのまま良好に発揮させることが可能になり、樹脂製品
の表面の風合や吸湿吸水性等の性状を良好に改善するこ
とのできる、品質性能に優れた改質剤を提供することが
できる。
請求項2記載の発明にかかる改質剤は、請求項1記載の
上記効果に加え、蛋白質加水分解物の平均分子量が一定
の範囲のものを用いることによって、低い温度での水溶
性や非凝固性が良好になり、有機溶媒や樹脂への均一混
合がより良好に行われ、樹脂材料に対する改質効果も高
くなる。
請求項3記載の発明にかかる改質剤は、蛋白質加水分解
物の水溶液に塩類を含有させておくことによって、改質
剤を有機溶媒に溶解させた際の相溶性が良好になり、有
機溶媒とともに樹脂材料に添加したときに、より均一か
つ良好に混合されるようになる。
請求項4記載の発明にかかる改質樹脂材料は、請求項1
〜3記載の発明にかかる改質剤を有機溶媒とともに樹脂
材料に添加することによって、有機溶媒に改質剤が良好
に熔解されることになるので、改質剤の水分で樹脂が加
水分解を起こすことがなく、樹脂材料に対して改質剤が
均一かつ良好に混合された品質の高い改質樹脂材料を提
供することが可能になる。
請求項5記載の発明にかかる改質樹脂フィルムは、請求
項4記載の発明にかかる改質樹脂材料を用いることによ
って、改質剤が均一に混合され、表面の風合や、吸湿吸
水性等の性状が均一かつ良好に改質された樹脂フィルム
を提供することができる。
請求項6記載の発明にかかる改質表面処理製品は、請求
項3記載の発明にかかる改質樹脂材料を用いて表面処理
を行うことによって、表面の風合や性状が均一かつ良好
に改質された製品を得ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 常温以下で水溶性かつ非凝固性を有する蛋白質加水
    分解物の水溶液であって、等電点よりも低いpHに調整
    されていることを特徴とする合成樹脂の改質剤。 2 蛋白質加水分解物が、平均分子量1000〜500
    00のものである請求項1記載の合成樹脂の改質剤。 3 蛋白質加水分解物の水溶液が、塩類を含有するもの
    からなる請求項1または2記載の合成樹脂の改質剤。 4 請求項1〜3の何れかに記載の改質剤が有機溶媒と
    ともに添加されてなる改質樹脂材料。 5 請求項4記載の改質樹脂材料から製造されてなる改
    質樹脂フィルム。 6 請求項4記載の改質樹脂材料で表面処理されてなる
    改質表面処理製品。
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