JPH0311068Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車用シートの大腿部支持装置の
改良に関する。

（従来技術） 従来、自動車用シートにおいて、スポーツ走行
時に乗員の臀部が動いて運転操作が不安定になる
のを防止するために、シートの両側部に、乗員の
大腿部をホールドするための支持クツシヨンが設
けられた大腿部支持装置が提案されている。

ところが、ホールド性を良くするために支持ク
ツシヨンを高くすると、乗員の乗降に際してじや
まになるという問題があつた。

（考案の目的） 本考案は上記従来の問題を解決するためになさ
れたもので、乗降時に支持クツシヨンが自動的に
横倒れするようにして、乗員の乗降がスムースに
行なえるようにすることを目的とするものであ
る。

（考案の構成） このため本考案は、自動車用シートの両側部
に、乗員の大腿部をホールドするための支持クツ
シヨンが設けられた大腿部支持装置であつて、シ
ートフレームに、ドア側の支持クツシヨンのサポ
ートフレームが、横倒位置と起立位置とに揺動可
能に枢着される一方、ドアの開閉を検出するセン
サーが設けられ、該センサーによるドア開の検出
時にサポートフレームを横倒位置に揺動させ、ド
ア閉の検出時にサポートフレームを起立位置に揺
動させる駆動機構が設けられ、該駆動機構は、シ
ートフレームに対して水平回転自在に支持された
ウオームホイールと、該ウオームホイールに噛合
するウオームを回転させるモータと、上記ウオー
ムホイールに取付けた偏心ピンと上記サポートフ
レームの下部立下りとを連結するリンク部材とで
構成されていることを特徴とするものである。

（考案の効果） 本考案によれば、ドアが開かれたことをセンサ
ーで検出すると、起立位置のサポートフレームが
駆動機構により、自動的に横倒位置に揺動される
ようになるから、乗員の乗降がスムースに行なえ
るようになる。また、ドア開閉の検出をセンサー
で行なうから、ドアの開時は、開操作の初期を検
出し、閉時は、閉操作の初期を検出するように、
検出位置を自由に設定できるので、閉操作の初期
に支持クツシヨンを起立させて、ドアの閉操作に
支障が生じないようにできる。

さらに、駆動機構は、ウオームホイールが水平
であり、これに連係するウオーム、モータ、リン
ク部材を水平状態で配置でき、上下方向に偏平と
なるので、スペース的に狭いシートクツシヨンの
下に無理なく組込める。

さらにまた、ドア開時はモータを1/2回転させ
て支持クツシヨンを横倒させ、ドア閉時はモータ
をさらに1/2回転させて支持クツシヨンを起立さ
せることができ、モータを一方向回転させるだけ
であるから、制御回路が簡単である。

（実施例） 第１図及び第２図に示すように、自動車用シー
ト１は、シートクツシヨン２とシートバツク３と
で構成され、シートクツシヨン２の両側部には乗
員の大腿部をホールドするための支持クツシヨン
４，５が設けられている。

上記シートクツシヨン２のシートフレーム６に
は、支持クツシヨン４，５のサポートフレーム
７，８がブラケツト９，…，９により取付けられ
ており、ドア側の支持クツシヨン４のサポートフ
レーム７のみは、ヒンジピン１０，１０により横
倒位置Ｄと起立位置Ｕとに揺動可能に枢着されて
いる。

一方、シートフレーム６の下面には、ウオーム
ホイール１２が軸１３により水平回転自在に支持
されるとともに、該軸１３には偏心位置にピン１
１を植設したアーム２０が固定される一方、モー
タ１４が配置されていて、該モータ１４のウオー
ム１５がウオームホイール１２に噛合している。

該モータ１４の制御回路（具体的には図示せ
ず。）には、ドアの開閉を検出するセンサー１９
が接続されていて、該センサー１９によるドア開
閉の検出時に、制御回路によりモータ１４が駆動
されて、ウオーム１５によりウオームホイール１
２が1/2回転されるようになつている。

そして、第３図に示すように、ウオームホイー
ル１２のピン１１にはリンク部材１６の先端が嵌
合され、該リンク部材１６の後端はシートフレー
ム６の開口６ａから下方へ伸長し、上記サポート
フレーム７の下部立下り７ａにピン１７で連結さ
れている。

なお、第４図に示すように、モータ１４の駆動
軸１４ａには、モータ１４の故障時にシート１へ
の着座者が手操作できるようにダイヤル１８が設
けられている。

上記のような構成であれば、今、ドアが閉じて
いるときは、支持クツシヨン４，５は起立位置Ｕ
にあり、シート１に着座している乗員の大腿部が
ホールドされている。

そして、ドアを開けると、センサー１９により
ドア開が検出され、モータ１４が駆動されてウオ
ーム１５によりウオームホイール１２が1/2回転
される。

このウオームホイール１２の回転で、ピン１１
により、リンク部材１６がウオームホイール１２
側に引き寄せられ、サポートフレーム７が横倒位
置Ｄに揺動されるようになる。

従つて、ドア側の支持クツシヨン４がドア開に
より自動的に横倒れするので、乗員の乗降がスム
ースに行なえる。

一方、ドアを開いて乗員が再び自動車に乗り込
み、シート１に着座してドアを閉じると、センサ
ー１９によりドア閉が検出され、モータ１４が駆
動されてウオーム１５によりウオームホイール１
２がさらに1/2回転される。

このウオームホイール１２の回転でピン１１に
より、リンク部材１６が支持クツシヨン４側に押
し出され、サポートフレーム７が起立位置Ｕに揺
動されるようになる。

従つて、ドア側の支持クツシヨン４がドア閉に
より起立するので、乗員の大腿部のホールドが自
動的に行なえる。

上記実施例は、シートクツシヨン２に支持クツ
シヨン４，５を取付けた構成であつたが、シート
バツク３に支持クツシヨン４，５を取付ける構成
とすることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はシートの透視的斜視図、第２図は第１
図のシートの正面図、第３図はリンク部材，ウオ
ームホイール，ウオーム，モータの配置関係を示
す平面図、第４図はモータ後部の斜視図である。 １……自動車用シート、２……シートクツシヨ
ン、３……シートバツク、４，５……支持クツシ
ヨン、６……シートフレーム、７……サポートフ
レーム、１２……ウオームホイール、１４……モ
ータ、１５……ウオーム、１６……リンク部材、
１９……センサー、Ｕ……起立位置、Ｄ……横倒
位置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 自動車用シートの両側部に、乗員の大腿部をホ
   ールドするための支持クツシヨンが設けられた大
   腿部支持装置であつて、 シートフレームに、ドア側の支持クツシヨンの
   サポートフレームが、横倒位置と起立位置とに揺
   動可能に枢着される一方、ドアの開閉を検出する
   センサーが設けられ、該センサーによるドア開の
   検出時にサポートフレームを横倒位置に揺動さ
   せ、ドア閉の検出時にサポートフレームを起立位
   置に揺動させる駆動機構が設けられ、該駆動機構
   は、シートフレームに対して水平回転自在に支持
   されたウオームホイールと、該ウオームホイール
   に噛合するウオームを回転させるモータと、上記
   ウオームホイールに取付けた偏心ピンと上記サポ
   ートフレームの下部立下りとを連結するリンク部
   材とで構成されていることを特徴とする自動車用
   シートの大腿部支持装置。