JPH0310910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 本考案は氷を使用して飲料を冷却する装置に関
する。

このような装置は簡易な飲料冷却装置としての
他電力の供給が受けられない催し場等でもよく使
用される。

〔従来技術〕

従来の一例を第１図および第２図により述べ
る。下部に排水口１１を備えた槽体１２内にはコ
ールドプレート１３が設けてある。コールドプレ
ート１３はステンレス管等からなる所定長さの飲
料冷却管（図示せず）を蛇行状に加工し、熱伝導
性のよいアルミ等の金属に鋳込んで厚板状に成形
したもので、飲料冷却管の一端は冷却管入口14と
して他端は冷却管出口15としてコールドプレート
１３の一側に突出している。冷却管入口１４は導
入起管１６により飲料供給源（図示せず）に接続
された冷却管出口１５は注出コック１７に導出管
１８により接続されている。コールドプレート１
３の上面は多数の溝１９が形成されかつ砕いた氷
片２０が載置されており、また後脚２１は前脚２
２より短くすることによりコールドプレート１３
は傾斜して設置されている。

前述した従来例の動作を述べる。注出コック１
７の下にコップ（図示せず）を置いてこれを開け
ば、飲料は冷却管入口１４から飲料冷却管に送り
込まれ同管内を流動する間に熱交換されて適温に
冷却され、冷却管出口１５から注出コック１７を
通つてコップに注出される。このとき飲料から奪
われた熱は飲料冷却管からコールドプレート１３
を介して氷片２０に流入し、この結果氷片２０が
融解することにより潜熱としてコールドプレート
１３を介して飲料を低温にする。氷２０の融解に
より生じた融解水により氷２０とコールドプレー
ト１３の上面との間に薄い水膜ができると、氷２
０とコールドプレート１３との間の固体接触が行
われず熱貫流率が悪くなるので、この例ではコー
ルドプレート１３を傾斜すると共に上面に多数の
溝１９を形成して融解水を流すようにしている。

しかしながら連続して多量の飲料を冷却すると
氷片２０は多量に融解しそれにより生じた多量の
融解水は、氷片２０にはさまれた狭くて長い溝１
９に沿つて流れるので速かる排水にならず飲料と
の熱交換を不足させていた。またコールドプレー
ト１３の図において右端近くで生じた融解水は、
溝１９を流れる間にコールドプレート１３と熱交
換そして昇温し溝１９の左端近くでは、氷片２０
に対し熱負荷になつて冷却効果を低下させてい
た。コールドプレート１３は熱伝導性の良いアル
ミ等の金属で飲料冷却管を鋳込んであるが、氷２
０を載置する上面と飲料冷却管とはかなりの肉厚
があり熱貫流率を低下させていた。さらにこれは
蛇行状の飲料管を鋳造により鋳込むのでコストも
高かつた。

〔考案の目的〕

本考案はこのような欠点を除去したものでその
目的は、飲料冷却管と氷片との固体接触状態を保
持することにより連続負荷時においても高い冷却
能力を有すると共に、コストの低い飲料冷却装置
を提供することにある。

〔考案の要点〕

本考案における飲料冷却装置は、底部に排水口
を取付けた槽体と、同槽体の内部に固定され所定
長さをもつて横型螺旋状に巻回されその一端が導
入口に他端が注出コックに接続された飲料冷却管
とからなり、飲料冷却管の上面に氷片を載置する
ことにより飲料を冷却するようにしたことを特徴
とする。

〔考案の実施例〕

以下本考案について一実施例を示した第３図に
より説明する。槽体３１は底部に排水栓３２を有
する排水口３３と排水口３３より上方位置にある
溢水口３４とが取付けられており、その内部には
所定長さをもつて横形螺旋状に巻回された金属製
の飲料冷却管３５が固定されている。飲料冷却管
３５はほぼ長楕円形をなし、各隣りあわせた配管
は所定の隙間を維持するのが好ましいが密着状で
もよく、その底部は槽体３１の底面に密着するか
或いは一定間隔を有している。また飲料冷却管３
５の一端は飲料の導入口３６に接続され他端は注
出コツク１７に接続され、かつその上面には砕い
た氷片２０が載置されている。

次に前述した実施例の動作を説明する。導入口
３６を飲料供給源に接続し注出コツク１７の下に
コツプを置いて注出コツク１７を開けば、飲料冷
却管３５は氷片２０との固体接触によりその接触
部は速かに冷却されるので内部を通る飲料も冷却
されてコツプに注出される。

この飲料冷却管３５と氷片２０との熱交換によ
り氷片２０は融解して融解水になり、融解水は飲
料冷却管３５の各配管が間隙を有するときはその
間隙を図示した下向きの矢印また一部が横向き矢
印のように流下し、各配管が密着の場合は横向き
矢印のように各配管に沿つて流下し、氷片２０に
接していない飲料冷却管３５の部分を冷却して槽
体３１の底面にたまる。底面にたまつた融解水は
溢水口３４の水位まで貯水されこれにより飲料冷
却管３５の下部は冷却される。そして貯水された
融解水の温度は飲料冷却管３５を冷却するに十分
な低温であるから、多量の飲料を連続的に冷却し
て注出する場合に蓄熱材的な役割を有し、急激な
昇温を防止して安定した冷却を可能にしている。

なお溢水口３４を設けることなく排水口３３の
排水栓３２を取外し融解水を槽体３１の底部に貯
水せず排水口３３から排水するようにしてもよ
い。この場合飲料冷却管３５の各配管を密着状に
すれば、融解水は図示横向き矢印のように配管に
沿つて流下するのでこの接水する部分の飲料冷却
管３５を冷却する。

第４図は本考案の他の実施例を示したもので、
第１の実施例の飲料冷却管３５がほぼ長楕円形で
あつたのに対し、本実施例の飲料冷却管４１はほ
ぼ円形であることのみ相異し他は同じであるから
これ以上の説明は省略する。また飲料冷却管は図
示しないが巻回形状が四角とか矩形でもよい。第
３図および第４図では槽体３１内に一本の飲料冷
却管３５或いは４１として説明したが、複数の飲
料冷却管を並列に横形螺旋状に巻回すれば複数の
飲料を同時に冷却して注出することが可能にな
る。さらにこの複数の並列にした飲料冷却管を直
列に接続して飲料を冷却して注出することもでき
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、横形螺旋状に巻
回した飲料冷却管の一端を導入口に他端を注出コ
ツクに接続し、飲料冷却管の上面に氷片を載置し
て注出コツクの操作によりコツプに注出するよう
にした。飲料は飲料冷却管を通る間に氷片と熱交
換して冷却され、一方氷片は融解して融解水にな
る。そしてこの融解水は飲料冷却管の氷片を載置
した上面以外の部分に接してこれを冷却する。こ
のため飲料冷却管内の飲料と氷片との間の金属肉
厚寸法は、従来例であるコールドプレートに比較
すると極めて小さいため熱伝導効率は高く冷却能
力もはるかに大きくなると共に、本考案では従来
例のように鋳造はないのでコストも低くなる等の
利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来例を示し第１図は一
部を断面した側面図、第２図はコールドプレート
の斜視図、第３図は本考案の一実施例における一
部を断面した斜視図、第４図は本考案の他の実施
例における一部を断面した斜視図である。 １７……注出コツク、２０……氷片、３１……
槽体、３３……排水口、３５，４１……飲料冷却
管、３６……導入口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 底部に排水口を取付けた槽体と、同槽体の内
   部に固定され所定長さをもって横型螺旋状に巻
   回されその一端が導入口に他端が注出コックに
   接続された飲料冷却管とからなり、飲料冷却管
   の上面に氷片を載置することにより飲料を冷却
   するようにした飲料冷却装置。 ２ 飲料冷却管を並列に複数巻回することによ
   り、複数の飲料を同時に冷却するようにしたこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の飲料冷却装置。 ３ 飲料冷却管を並列に複数巻回しその各々を直
   列に接続したことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の飲料冷却装置。 ４ 氷片の融解した融解水を槽体の底部に貯える
   ようにしたことを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の飲料冷却装置。