JPS6225658Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は飲料冷却注出装置に係り、特に一個の
液槽内に冷凍機へ接続した蒸発管と複数の飲料冷
却管を配置し異なる温度の飲料を注出するように
した飲料冷却注出装置に関する。

飲料冷却注出装置は一般に液槽内部に水等の液
体を貯えここに冷凍機に接続した蒸発管と飲料を
冷却する飲料冷却管を水没配置していた。飲料冷
却管の一側は飲料供給源に他側は注出コツクへ接
続すると共に、蒸発管により冷却液を冷却するこ
とにより飲料冷却管内部を流れる飲料を冷却して
いた。かかる装置において同一液槽内に複数の飲
料冷却管を浸漬配置した形式は従来存在していた
が、何れも飲料冷却管から注出される飲料の温度
は同一であつた。また、飲料冷却管の構成が特に
温度差をつけるように考案されたものではなかつ
た。しかしながら、飲料の種類によつてそれぞれ
最適温度があり、その温度に冷却することが好ま
しいが、従来の一つの液槽を有する装置で温度差
をつけて注出することは不可能であつた。

本考案はかかる観点からなされたものでその目
的は、同一の液槽内に複数の飲料冷却管を配置
し、それぞれの飲料冷却管から注出される飲料温
度を異なるようにした飲料冷却注出装置を提供す
ることにある。

以下本考案を一実施例を示した第１図について
説明する。断熱された液槽１内には水或いは不凍
液等の冷却液２を貯え、この冷却液２中には冷凍
機３に接続した蒸発管４と異なる飲料を冷却する
第１および第２の飲料冷却管５，６を同軸的に浸
漬している。第１および第２の飲料冷却管５，６
はほぼ密着状に巻回されそれぞれの元端は図示し
ていない飲料供給源に接続され、先端は注出コツ
ク７および８を介して開口し注出口を形成してい
る。液槽１の中心線にある底面上には電動機９に
より駆動される撹拌翼１０を設け、第１および第
２の飲料冷却管５，６の中心部において上方から
下方へ冷却液２を流動循環させ、蒸発管４の周囲
で冷却された冷却液２を第１および第２の飲料冷
却管５，６の周囲に流し飲料を冷却する。

図において１１は冷却液２として水を使用した
とき蒸発管４の周囲に形成された氷であり、この
氷の量は氷量検知器（図示せず）により検出され
冷凍機３を制御し、また冷凍液として不凍液を使
用したときは氷量検知器に換えて温度検出器によ
り冷凍機３を制御している。冷却液２は溢水口１
２により水位を一定にされており、第１の飲料冷
却管５の上端開口部は冷却液２の流入を阻止する
ため冷却液２の水位より上方へ位置し、他方第２
の飲料冷却管６の上端は飲料冷却管５の下端に対
し一定の間隙Ａをもつて対向している。

次に本実施例の作動について説明する。冷凍機
３を運転し、撹拌翼１０を回転させると、冷却液
２の小量は第１および第２の飲料冷却管５，６の
僅かなコイル間隙から撹拌翼１０へ向つて流入す
ると共に、冷却液２の大部分は第１および第２の
飲料冷却管５，６の間隙Ａから流入する。次いで
撹拌翼１０を出た冷却液２は第２の飲料冷却管６
の下端と液槽１底面との間を放射状に流れ、第１
および第２の飲料冷却管５，６の外周ならびに蒸
発管４の内外周を流れて第１および第２の飲料冷
却管５，６内の飲料を冷却する。このとき冷却液
２の流れは第２の飲料冷却管６の下端を流出して
第１および第２の飲料冷却管５，６の間を流入す
る径路であり、かつ第１の飲料冷却管５の上方か
らは流入しないので、上方に位置する第１の飲料
冷却管５の内外周を流れる冷却液２の量は飲料冷
却管６の内外周を流れる量より少ない。従つて第
２の飲料冷却管６内の飲料は第１の飲料冷却管５
内の飲料より冷却される度合は大きく温度は低く
なる。

前記した説明では飲料冷却管を２組にしたがこ
れを３組或いはそれ以上にして各組を間隔を持た
せて縦列に配置すれば、最下段の組が最も温度が
低く上方へ配置した順に温度の高い飲料を注出す
ることが可能であり、また各組の間隔を変更する
ことにより各組への冷却液の循環量を任意に設定
して温度変化を選定し得るものである。

第２図は本考案の他の実施例を示したもので、
この例においては撹拌翼１０は液槽１の中間部に
あつて冷却液２を上方から下方に向けて循環させ
ている。また第１および第２の飲料冷却管５，６
はコイルの半径方向に対して同一線上になく間隙
Ｂをもつて配置され、飲料冷却管６は５の下方か
つ外方に位置している。従つて撹拌翼１０を回転
させると、冷却液２は第２の飲料冷却管６と液槽
１の底面の間を流出し第２の飲料冷却管６の外周
ならびに蒸発管４の内外周を上昇し、第２の飲料
冷却管６の上部を下方に曲がり飲料冷却管５の下
方を通つて撹拌翼１０に至る。この例の場合も冷
却液２は第１の飲料冷却管５に対し第２の飲料冷
却管６の周囲を多く流れるので、第２の飲料冷却
管６の熱交換量は大きく飲料冷却管５内の飲料よ
り温度は低くなる。

前記した説明では第１の飲料冷却管５の上端は
冷却液２の水位より上面に位置させて、コイル上
端から冷却液２の流入することを阻止したが、第
１の飲料冷却管５の上端は水没させ上端に蓋を取
付けるようにしてもよい。また蒸発管４を設ける
ことなく液槽１の壁面に冷媒の流る流路を壁面と
一体に形成させて蒸発部を構成するようにしても
よい。

以上詳述した通り本考案の飲料冷却注出装置
は、一つの液槽内に第１および第２の飲料冷却管
を上、下に配置し、これら第１および第２の飲料
冷却管の内外周を流れる冷却液の流量を変えるこ
とにより、第１の飲料冷却管より第２の飲料冷却
管をより強力に冷却することができ、飲料冷却管
を選定して飲料を流すことにより、複数の飲料を
それぞれに見合つた最適温度に冷却して注出する
ことができる顕著な効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は何れも本考案の異なる形
状の実施例を示す断面図である。 １……液槽、２……水或いは不凍液、４……蒸
発管、５……第１の飲料冷却管、６……第２の飲
料冷却管、１０……撹拌翼。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液槽内に水或いは不凍液を貯え、前記水或いは
   不凍液を、冷凍機に接続され前記液槽内にある蒸
   発管或いは前記液槽の壁面に一体的に形成した蒸
   発部により冷却し、前記液槽内に設置した飲料冷
   却管を流れる飲料を冷却する装置において、前記
   液槽内のほぼ中心線上に設けた撹拌翼と、同撹拌
   翼を囲みかつ前記液槽の上方に配置されると共に
   ほぼ密着巻のコイル状に形成された第１の飲料冷
   却管と、同第１の飲料冷却管のほぼ中心円かつ前
   記液槽の下方に配置されておりほぼ密着巻状のコ
   イル状に形成されると共に前記第１の飲料冷却管
   に対し一定間〓をもつて下方および或いは外方に
   位置する第２の飲料冷却管とからなり、前記第１
   の飲料冷却管の上端部を水或いは不凍液の水位上
   方に配置し、あるいは前記水位下面に配置すると
   共に、第１の飲料冷却管の上端に蓋を取付けたこ
   とを特徴とする飲料冷却注出装置。