JPS6133492Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、清涼飲料デイスペンサなどに用い
られる水冷蓄熱式飲料冷却装置に関する。

この種の冷却装置として、水を満たした冷却水
槽内の略中央に、水槽内の水を水槽の底面に向け
循環させる電動式アジテータを備え、かつこのア
ジテータを囲むように、それぞれ螺施状に筒状に
巻回して形成された冷凍機のエバポレータである
冷却器コイルと、飲料供給ラインに介挿した飲料
冷却コイルとが、互いに同心状に水槽内に配置さ
れたものが周知である。

しかして、この構成の冷却装置は、水槽内の冷
却器の周囲にアイスバンクと称される氷を常時製
氷しておき、冷凍機の運転停止中にも氷の蓄熱量
を利用して槽内冷却水を低温に維持し、これによ
り飲料冷却能力の増強化を図るいわゆる水冷蓄熱
方式が一般に採用されている。

この方式の冷却装置は氷の蓄熱量を利用するも
のであるから、アイスバンクが十分に形成される
よう均一な厚みに製氷されることが望まれてい
る。

かかる点に鑑み考察を経た結果、この方式の冷
却装置は、槽内冷却水がアジテータにより循環さ
れる際、水槽の底面に衝突して乱流を起こし、そ
れが均一な厚みのアイスバンクを得るうえでの障
害となつていることが判明した。

この考案は上記した障害を簡単な構成で除去
し、氷の厚みが均一なアイスバンクを形成するこ
とができる水冷蓄熱式飲料冷却装置を提供するこ
とを目的としている。

以下、この考案を第１図ないし第２図の実施例
に基づいて説明する。第１図に示すようにこの考
案の水冷蓄熱式飲料冷却装置は、冷却水１を満た
した冷却水槽２内に、冷却水１を撹拌するアジテ
ータ３と、内部に飲料を通り飲料冷却コイル４と
冷却水１を冷却する冷凍機５の冷却器コイル６と
を備えている。なお７は清涼飲料タンク、８は先
端付近に備えたバルブ９を閉放することにより、
飲料を飲料タンク７より引き出し飲料冷却コイル
４を介して図示しないコツプに案内する飲料供給
パイプラインである。

前記したアジテータ３は冷却水槽２内の略中央
に配設され、冷却水槽２の蓋１０上に設けられた
モータ１１で回転駆動される。飲料冷却コイル４
は、パイプを螺施状に巻回してこの場合円筒状に
形成されており、飲料供給パイプライン８の途中
に介挿されるとともに、冷却水槽２内にアジテー
タ３を囲繞して浸漬配置されている。しかして冷
却水１はアジテータ３の回転によつて飲料冷却コ
イル４の内側において下方に向かつて流れ撹拌さ
れる。冷却器コイル６は、飲料冷却コイル４より
も大径で螺施状に巻回してこの場合円筒状に形成
され、飲料冷却コイル４と冷却水槽２の側壁との
間に位置するよう飲料冷却コイル４と同心状に浸
漬配置されている。これにより飲料冷却コイル４
と冷却器コイル６との間には冷却水１の第１の帰
還通路１２が、また、冷却器コイル６と冷却水槽
２の側壁との間には冷却水１の第２の帰還通路１
３が、それぞれ形成されている。従つて冷却水１
は飲料冷却コイル４の内側を下方に向かつて流れ
た後冷却水槽２の底部で方向転換し、両帰還通路
１２，１３を上方に向かつて流れて冷却水槽２内
を循環する。

なお、１４は冷却器コイル６の周囲に生成され
たアイスバンクを、１５はアイスバンク１４の厚
みを検出して冷凍機５の運転を制御するセンサー
をそれぞれ示す。

１６は、この考案に基づいて冷却水槽２内に底
部に設けられた薄板状の水流ガイド板で、第２図
イに示すように円錐状に形成されてアジテータ３
に対向して冷却水槽２内の底面を覆うように、例
えば溶接にて固定設置されている。なお、この水
流ガイド板１６の形状は円錐状に限らず、飲料冷
却コイル４および冷却器コイル６の形状に合わせ
て、例えば両コイル４，５が四角筒状の場合には
第２図ロに示すように四角錐状１６ａとすること
もできる。しかして冷却水１は循環される際、冷
却水槽２の底部において水流ガイド板１６の斜面
に沿つて流れ矢印で示すように両帰環通路１２，
１３の下方に案内される。

このように構成されたこの考案の水冷蓄熱式飲
料冷却装置によれば、従来冷却水槽２の底面にお
ける飲料冷却コイル４の下方域部分衝突して急激
な方向転換を強いられていた冷却水１は、水流ガ
イド板１６によつて方向づけられ緩やかに方向転
換することができる。しかして冷却水１は方向転
換時に乱流を起こすことがなく両帰還通路１２，
１３内に円滑に流入する。従つて特に冷却器コイ
ル６における両帰還通路１２，１３に面する側で
の製氷の凹凸が少なくなり厚みを均一にすること
ができる。

ところで、この構成において水流ガイド板１６
の斜面に沿つて流れる冷却水１は、冷却水槽２の
側壁に向かつて付勢されるので、第１図における
第２の帰還通路１３側に多く偏つて流れる傾向に
なり易い。従つてアイスバンクは冷却器コイル６
の内側と外側とでの厚みが不揃いになり易い。

そこで、これを解消する構成を第３図に示した
実施例で説明する。なお第３図には第１図と同一
部に同一符号が付してある。第３図において１７
は水流ガイド板である。この水流ガイド板１７
は、第１図の水流ガイド板１６と同様に錐状に形
成されているが、これに加えてその外周付近の上
面に上方に向かつて立ち上がる水流平衡板１８を
備えている。この水流平衡板１８は、第４図イに
示すように円錐状の水流ガイド板１７の外周端部
を適宜な角度ないし高さで折り曲げることにより
形成されている。なおこの水流ガイド板１７は第
４図ロの１７ａのように構成することもできる。
この場合、四角錐状のものを示すが、水流平衡板
１８は水流ガイド板１７の外周端よりも若干内側
に固設されている。

このように構成された第３図に示すこの考案の
実施例によれば、アジテータ３によつて水流ガイ
ド板１７の斜面に沿つて流れる冷却水１を途中で
その一部を上方に向かうように案内することがで
きる。従つて、この作用により冷却水１を、冷却
器コイル６の両側、すなわち両帰還通路１２，１
３にそれぞれ平均した流量で流すことができる。
しかるにこの実施例によれば、冷却水１を円滑に
流して凹凸のないアイスバンクを形成することが
できるうえ、冷却器コイル６の内，外周面に対し
て均等な厚みのアイスバンクを簡単に形成するこ
とができる。

なお、この水流平衡板１８は、あくまでも第１
図の実施例における水流ガイド板１６だけでは、
両帰還通路１２，１３に均等量の冷却水１を流す
ことが困難な場合に設けられるものであり、その
場合以外は省略できる。

以上の説明から明らかなようにこの考案によれ
ば、水流ガイド板を設けるという簡単な構成で、
氷の厚みが均一なアイスバンクを形成することが
できる水冷蓄熱式飲料冷却装置が提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す水冷蓄熱式飲
料冷装置を示す概略断面図、第２図イは第１図に
おける水流ガイド板を示す斜視図、第２図ロは第
２図イの変形例を示す斜視図、第３図はこの考案
の第１図とは異る実施例を示す水冷蓄熱式飲料冷
却装置の概略断面図、第４図イは第３図における
水流ガイド板を示す斜視図、第４図ロは第４図イ
の変形例を示す斜視図である。 １……冷却水、２……冷却水槽、３……アジテ
ータ、４……飲料冷却コイル、５……冷凍機、６
……冷却器コイル、８……飲料供給パイプライ
ン、１４……アイスバンク、１６，１７……水流
ガイド板、１８……水流平衡板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 冷却水を満たした冷却水槽内に、冷却水を撹
   拌するアジテータ、螺施状に巻回して筒状に形
   成されかつ飲料供給パイプラインに介挿された
   飲料冷却コイル、および飲料冷却コイルと異径
   に螺施状に巻回して筒状に形成された冷凍機の
   冷却器コイルを備え、前記アジテータが冷却水
   槽内の略中央に、また前記飲料冷却コイルと冷
   却器コイルとが前記アジテータを囲んで互いに
   存して同心状に冷却水槽内にそれぞれ配置され
   て、前記冷却器コイルにアイスバンクを形成す
   るとともに、前記アジテータによつて冷却水を
   冷却水槽の底面に向けて循環するように構成さ
   れた水冷蓄熱式飲料冷却装置において、前記冷
   却水槽内に、錐状に形成され前記アジテータに
   対向して冷却水槽の底面を覆うように配置され
   た冷却水の水流ガイド板を設けるようにしたこ
   とを特徴とする水冷蓄熱式飲料冷却装置。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載の水冷
   蓄熱式飲料冷却装置において、水流ガイド板
   が、その錐面を形成する傾斜面の上面外周縁に
   全周にわたつて、前記傾斜面に対し適宜な角度
   ないし高さで上方に立ち上がる帯状の水流平衡
   板を備えて構成された水冷蓄熱式飲料冷却装
   置。