JPH0310440B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、複合樹脂板等のプレス成形装置に関
する。

従来の技術 FRPやSMC等の複合樹脂板のプレス成形では、
複合樹脂材の急硬化特性からスライドを高精度に
平衡に下降制御する必要がある。そのため、従来
のプレス成形のような長ストロークの加圧シリン
ダによるプレス成形方式では、油圧油の圧縮量が
大きくてスライドを高精度に下降制御することが
できず、加圧中に急硬化する複合樹脂材を均一か
つ薄肉状の所望のプレス成形品に成形するのは不
可能であつた。

そこで、出願人はベツドの４隅部に油圧サーボ
シリンダの平衡支持装置を配設したプレス装置を
開発し、下降するスライドを複合樹脂板のプレス
成形に必要な範囲で平衡支持制御し、高精度の速
度制御、位置制御を行つて良好なプレス成形品を
成形するのに成功している。

発明が解決しようとする問題点 しかし、多品種の成形部品をプレス成形するに
あつては、金型の寸法が大小様々で、その型厚調
整のために上記平衡支持装置のスライドを支持す
る支持ロツドに所定のレベリングブロツクを積み
重ねて高さ調節しなければならないものであつ
た。

問題点を解決するための手段 本発明は上記のような点に鑑みたもので、スラ
イドを平衡支持する平衡支持装置の支持ロツドを
長ストロークにわたつてそれぞれ昇降自在に形成
して高低の金型に対して型厚調整可能に配設し、
支持ロツドを上方へ突出してスライドを支持する
上記平衡支持装置のボトム側の油圧油の容量を少
量とするための油圧油排除用ロツドを支持ロツド
の昇降に対応して追従自在にそれぞれ内挿して、
油圧サーボシリンダの平衡支持装置の支持ロツド
を長ストロークに形成して大小の金型に対応して
容易に型厚調整ができてスライドを平衡支持でき
るとともに、平衡支持装置の支持ロツドが長スト
ロークであるにもかかわらず、平衡支持装置の油
圧油を少量に維持できて油圧油の圧縮性の影響を
極小にでき、高精度の速度制御、位置制御ができ
て、均一かつ薄肉状の高品質のプレス成形品を成
形できる複合樹脂板等のプレス成形装置を提供す
るにある。

実施例 以下、本発明を実施例にもとずいて説明する。

第１図以下は、本発明の一実施例である。プレ
ス装置１は、油圧プレスで構成していて、第１図
のようにクラウン２、アツプライト３、ベツド４
で囲んだ中央部に所要の剛性のスライド５を設
け、スライド５を上部の加圧シリンダ６で下部の
ベツド４に向かつて昇降駆動自在に配設してい
る。そして、下部のベツド４には、上記スライド
５を平衡支持する油圧サーボシリンダのような平
衡支持装置７をベツド４の作業面の４隅部に下方
部をベツド４内に埋設して配設している。平衡支
持装置７は、十分な剛性の支持ロツド８を０〜
1500mm位の長ストロークにわたつて昇降自在に形
成し、油圧サーボ弁９、リーニアスケールのよう
な位置検出器１０を介して下降するスライド５を
精度よく直接支持するようにし、支持ロツド８に
型厚調整用のレベリングブロツクを搭載すること
なく、大小の金型１１に対応してスライド５を自
在に平衡支持できて簡単に型厚調整ができるよう
にしている。この長ストロークとした平衡支持装
置７の底部には、第２図のように複合シリンダの
ように箱状体１２を突設し、箱状体１２に上記支
持ロツド８とほぼ同径の油圧油排除ロツド１３を
内装して上部を平衡支持装置７のボトム側に突出
するようにしている。油圧油排除ロツド１３は、
第２図のように下方部をねじ切りしていて、箱状
体１２の中間部に固着した減速機１４のウオーム
ホイール１５に螺合して貫装している。ウオーム
ホイール１５には図のようにウオームねじ１６を
係合して回動自在とし、ウオームねじ１６にマイ
ターギヤーのような伝達装置１７を回転伝達自在
にそれぞれ接続して油圧モータのような排除ロツ
ド駆動装置１８に連結している。そして、支持ロ
ツド８の昇降に追従してエンコーダのような高さ
検出器１９を介して平衡支持装置７のボトム側に
昇降するように駆動制御し、油圧油の圧縮性によ
るプレス成形の平衡支持精度が問題とらならない
ようにしている。たとえば、平衡支持装置７のボ
トム側の油圧油の削減容量としては、１ないし２
以下に調整できるのはもちろん、数十mlないし
数百ml位にも自在に調整可能なものである。

作 用 しかして、スライド５に所要の金型１１の上金
型２０を、ボルスター２１に下金型２２をそれぞ
れ固着し、平衡支持装置７を昇降して上記金型１
１の寸法によるスライド５の支持高さの型厚調整
を行うものである。たとえば、第１図のように金
型１１が大きく、スライド５の支持高さをやや高
所から行わねばならない場合には、平衡支持装置
７を駆動して支持ロツド８を上昇し、所定の高さ
からスライド５を平衡支持できるようにするもの
である。また、金型１１が小さく、スライド５の
支持が低所からでよい場合には、上記とは逆に支
持ロツド８を所定量下降させ、低所からスライド
５を平衡支持するものである。この際、支持ロツ
ド８の昇降にしたがい、位置検出器１０に高さ検
出器１９を連動して排除ロツド駆動装置１８が駆
動制御し、伝達装置１７、減速機１４のウオーム
ねじ１６、ウオームホイール１５を回動して油圧
油排除ロツド１３を駆動し、平衡支持装置７のボ
トム側の油圧油の容量が所定量以上に増加しない
ように保持していくものである。このように、金
型１１の寸法に対応して平衡支持装置７による型
厚調整を行い、スライド５を下降させ、複合樹脂
板２３の所要の速度制御命令、圧力制御命令を入
力したプログラムコントロールによつて平衡支持
装置７をそれぞれ同調平衡制御し、加圧シリンダ
６を速度制御しながらスライド５を平衡下降さ
せ、複合樹脂板２３を金型１１の所定のキヤビテ
イ２４に流動充填し、加圧シリンダ６をプログラ
ムコントロールにもとずいて順次加圧してプレス
成形していくものである。

このように、金型の大小に対応してスライドを
平衡支持する平衡支持装置の支持ロツドを十分な
高さにわたつて昇降できるため、レベリングブロ
ツクを使用しなくても型厚調整が容易なものであ
り、また、上記のように平衡支持装置の油圧サー
ボシリンダのストロークが長くても、油圧油排除
ロツドを昇降して平衡支持装置の油圧油の圧縮性
の影響を生じないように油圧油を少量に保持でき
るため、100〜200mmの短ストロークの平衡支持装
置と同等にスライドをプラスマイナス0.05mm以内
の位置精度に平衡支持できて、均一かつ薄肉状の
高品質のプレス成形品を得ることができるもので
ある。

上記の油圧油排除ロツドの位置制御およびその
同調制御としては、油圧油の圧縮性がプレス制御
に影響しない程度でよいため、通常mm単位の駆動
制御で十分に対処でき、制御が容易なものである
が、ロツド径を太くし、位置制御、同調制御精度
を高めて、さらに高精度に同調制御することも可
能である。

なお、上記の実施例では、油圧油排除ロツドを
平衡支持装置の底部から突出するようにしたが、
平衡支持装置の支持ロツド内に内装してボトム部
に突出自在に形成し、上記と同様に油圧油の排除
を行うようにすることもできるものである。ま
た、プレス成形材料としては、上記のような板状
のもの以外に、バルク状等の流動性のあるものに
ついても適用できるものである。

発明の効果 以上のように本発明にあつては、平衡支持装置
を長ストロークにわたつて昇降駆動してスライド
を平衡支持することができ、大小様々の金型に対
して平衡支持装置にレベリングブロツクを搭載す
ることなく、型厚調整が簡単にできるものであ
る。また、このように油圧サーボシリングの平衡
支持装置を長ストロークに形成しても、油圧油排
除ロツドの追従によつて平衡支持装置の油圧油を
少量に維持できて油圧油の圧縮性の影響を極少に
でき、スライドを高精度に平衡支持制御できてプ
レス成形できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の一部省略した正断
面図、第２図は同上の平衡支持装置の一部省略し
た側断面図である。 １……プレス装置、４……ベツド、５……スラ
イド、７……平衡支持装置、８……支持ロツド、
１１……金型、１３……油圧油排除ロツド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複合樹脂板等のプレス装置のベツド部の隅部
   にスライドを精密に平衡支持する油圧サーボシリ
   ンダの平衡支持装置を配設してプレス成形する複
   合樹脂板等のプレス成形装置において、平衡支持
   装置の支持ロツドを長ストロークにわたつてそれ
   ぞれ昇降自在に形成して高低の金型に対して型厚
   調整可能に配設し、支持ロツドを上方へ突出して
   スライドを支持する上記平衡支持装置のボトム側
   の油圧油の容量を少量とするための油圧油排除用
   ロツドを支持ロツドの昇降に対応して追従自在に
   それぞれ内挿したことを特徴とする複合樹脂板等
   のプレス成形装置。