JPH0310344Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、機械駆動式の過給機を備えた内燃機
関における過給圧制御装置に関する。

従来の技術 一般にスーパチヤージヤと呼ばれる機械駆動式
過給機は、内燃機関の吸気通路にルーツ型、ベー
ン型等の容積型ポンプを備えている。これらのポ
ンプはその内部にロータを有し、これらのロータ
は内燃機関の出力軸にプーリおよびベルトを介し
て連結されていて、エンジンの駆動力によりロー
タが回転することにより、エンジンに導入さる吸
気が過給されるのである。この種の機械駆動式過
給機は、エンジンの回転数に対応した回転数で回
転されるので、過給圧が排気タービン式過給機の
ように排気圧に影響されず、従つてエンジン回転
数に対応した過給圧が得られるという利点があ
る。

また、エンジンの負荷に応じて過給圧を制御す
るために、エンジンの吸気通路に過給機のバイパ
ス通路を設け、このバイパス通路にエンジンの負
荷に応じて開閉するバイパス弁を設けた装置も提
案されている（特開昭56−167817号）。

しかしながら、この種の機械駆動式過給機にお
いては、過給応答性が非常に良い反面、過給時に
急激なトルクが発生するため加速時における過給
シヨツク（急激な加速）が生じていた。

考案が解決しようとする問題点 本考案は、機械駆動式過給機において、加速時
に徐々に過給することによつて過給シヨツクを緩
和し、円滑な運転および燃費の向上を達成しよう
とするものである。

問題点を解決するための手段 上記のような問題を解決するために、本考案で
は、内燃機関の吸気通路にクランクシヤフトに連
結された機械式過給ポンプを設け、該過給ポンプ
の上流にスロツトル弁を配置し、該スロツトル弁
と前記過給ポンプとの間の吸気通路部分から該過
給ポンプの下流に至るバイパス通路を設け、該バ
イパス路の途中に負圧によつて開くダイヤフラム
式制御弁を設け、該制御弁のダイヤフラム室へ
は、機関の軽負荷域で負圧となるスロツトル弁下
流の吸気管圧力が遅延機構を介して伝達され、該
遅延機構はオリフイスとチエツクバルブとを並列
に配置した構成を有し、該チエツクバルブはダイ
ヤフラム室側の圧力より吸気管側の圧力が高い時
に閉じ、逆の時に開くように構成されていること
を特徴とする内燃機関の過給圧制御装置が提供さ
れる。

実施例 以下、添付図面を参照し本考案の実施例につい
て詳細に説明する。

図において、１はエンジン本体、２はエアクリ
ーナ、３はエアフローメータ、４はスロツトル弁
５はルーツポンプから成る過給機、６は燃料イン
ジエクタ、７はエンジンのクランクシヤフトに取
付けられたプーリ、８は過給機に取付けられたプ
ーリ、９はベルトである。

吸入空気はエアクリーナ２から流入し、エアフ
ローメータ３で計量され、スロツトル弁４で空気
量を調整され、過給機５で過給されて後、吸入空
気量に応じて燃料インジエクタ６から噴射された
燃料と混合されてエンジン１に流入する。吸入空
気を過給する機械駆動式過給機５は、例えばルー
ツポンプ式過給機であつて、ハウジング内でルー
ツ型の一対のロータが回転してポンプ作用をする
ことにより吸入空気を過給するものである。ルー
ツポンプに代えてベーンポンプから成る過給機で
あつてもよいことは勿論である。過給機５は、そ
のプーリ８、ベルト９およびクランクシヤフトの
プーリ７を介してエンジン１のクランクシヤフト
に連結されており、エンジン回転数に対応した回
転数で回転される。しかしながら、過給機５のプ
ーリ８に適切なクラツチ（図示せず）を設け、エ
ンジン１から過給機５への駆動力を適宜断続させ
てもよい。

図に示すように、スロツトル弁４は過給機５の
上流側に設け、これらのスロツトル弁４と過給機
５との間の吸気通路部分２０ａを、過給機５下
流、すなわち過給機５とエンジン１との間の吸気
通路部分２０ｂにバイパス通路１０，１０ａ，１
０ｂにて接続する。すなわち、バイパス通路１０
の一端１０ａは過給機５の上流２０ａに開口し、
他端１０ｂは過給機５の下流２０ｂに開口してい
る。そして、このバイパス通路１０の途中にダイ
ヤフラム式制御弁３０を設ける。

ダイヤフラム式制御弁３０は、バイパス通路１
０を開閉する弁体２２を有し、この弁体２２はロ
ツド２１を介してダイヤフラム１１に連結されて
いると共に、ダイヤフラム室１８内のスプリング
１９により通路１０を閉じる方向に押圧されてい
る。ダイヤフラム室１８の上部には隔壁２３を隔
てて圧力遅延室１５が設けられ、隔壁２３に設け
たオリフイス１６とチエツクバルブ１７を介して
ダイヤフラム室１８に連通している。このように
して、ダイヤフラム式制御弁３０全体が１つのエ
アコントロールバルブ（ACV）を形成している。
チエツクバルブ１７は、ダイヤフラム室１８から
圧力遅延室１５へのみ圧力（正圧）を伝えるよう
な向きとなつている。また、圧力遅延室１５は通
路１４およびポート１３を介して過給機５下流の
吸気通路２０ｂに連通している。

軽負荷走行時は、通常スロツトル弁４の開度が
小さい為、吸気通路２０ｂ内には大きな負圧が発
生している。その負圧は、吸気通路２０ｂに設け
たポート１３より通路１４を通じてACV３０の
圧力遅延室１５に伝えられる。圧力遅延室１５内
の負圧は、チエツクバルブ１７を介してダイヤフ
ラム室１８に伝わる。その負圧はスプリング１９
の張力に打ち勝ちダイヤフラム１１を図の上方に
引き上げる。これにより、ダイヤフラム１１に連
結したロツド２１と弁体２２も図の上方に移動
し、バイパス通路１０を開く。このようなバイパ
ス通路１０の開放により、過給ポンプ５の上流と
下流の圧力差が小さくなり、過給が抑制される。

次に、軽負荷域から高負荷域に過給した時、す
なわち、加速した時は、まずポート１３の負圧が
小さくなり、圧力遅延室１５の負圧も小さくな
り、圧力遅延室１５とダイヤフラム室１８との圧
力差によりチエツクバルブ１７が閉じる。ダイヤ
フラム室１８は、オリフイス１６で負圧が徐々に
なくなるまでは、その負圧力がスプリング１９の
張力に打ち勝つ程度に維持されているので、ダイ
ヤフラム１１は図の上方に引き上げられたままと
なつている。従つて、加速直後は弁体２２はバイ
パス通路１０を開いたままである。オリフイス１
６の作用でダイヤフラム室１８の負圧が徐々に小
さくなると、ダイヤフラム室１８内の負圧力より
スプリング１９の張力が強くなり、ダイヤフラム
１１とロツド２１を介してそれに連結された弁体
２２は図の下方へ移動し、弁体２２はバイパス通
路１０を徐々に閉じる。スロツトルが急閉すると
スロツトル下流の負圧が大きくなり、その負圧が
チエツクバルブを介して迅速にダイヤフラムに伝
わり、制御弁が直ちに開き、過給ポンプの前後圧
力差が小さくなり、過給が制御されて、ポンプ駆
動トルクが減少し、急減速時の燃費が向上する。

考案の効果 以上のように、本考案によれば、軽負荷域から
高負荷域へ加速する際においても、加速直後は制
御弁３０が開いたままでありその後徐々に閉じて
いくので、過給圧は急激に上昇することなく、加
速後過給圧は徐々に上昇するようになる。従つ
て、過給シヨツクが緩和され、円滑な運転や燃費
の向上が達成することができる。一方、急減速時
は、負圧が直ちに制御弁３０に伝達され、制御弁
３０は直ちに開く。よつて、過給ポンプ前後の圧
力差が即座に小さくなり、急減速時の燃費が改善
される。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の過給圧制御装置を示す概略図であ
る。 １……エンジン本体、４……スロツトル弁、５
……過給機（ポンプ）、１０……バイパス通路、
１１……ダイヤフラム、１５……圧力遅延室、１
６……オリフイス、１７……チエツクバルブ、１
８……ダイヤフラム室、２０ａ，２０ｂ……吸気
通路、２２……弁体、２３……隔壁、３０……ダ
イヤフラム式制御弁（ACV）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内燃機関の吸気通路に、クランクシヤフトに連
   結された機械式過給ポンプ５を設け、該過給ポン
   プ５の上流にスロツトル弁４を配置し、該スロツ
   トル弁４と前記過給ポンプ５との間の吸気通路部
   分２０ａから該過給ポンプ５の下流２０ｂに至る
   バイパス通路１０を設け、該バイパス路１０の途
   中に負圧によつて開くダイヤフラム式制御弁３０
   を設け、該制御弁３０のダイヤフラム室１８は、
   機関の軽負荷域で負圧となるスロツトル弁４下流
   の吸気通路に遅延機構１５を介して連通され、該
   遅延機構１５はオリフイス１６とチエツクバルブ
   １７とを並列に配置した構成を有し、該チエツク
   バルブはダイヤフラム室１８側の圧力より吸気管
   側の圧力が高い時に閉じ、逆の時に開くように構
   成されていることを特徴とする内燃機関の過給圧
   制御装置。