JPH0310284Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は多数の枠体を連結してなる仮設構造
物の、例えば脚柱と梁材間等の隅角部に張設され
る方杖杆等のクランプ機構に関する。

従来、この種枠体における方杖は、一端を梁材
に枢着し、その他端を予め脚柱に突成した固定板
にボルト・ナツトを介して固定するか、或いは上
記固定板に突子を設け、これに先端を鈎状にした
方杖杆をその上方より掛入せしめるなどしていた
ものであるから、前者においては、その螺着に多
くの手間を要し、又後者では方杖杆の掛入代を必
要とするため、固定板の突出量が大きい上、その
掛合部が上方に外れ易いなどの不都合が見られた
ものである。

このような実情に鑑み、本案は一定量回動可能
なストツパーを備えた溝付金具を脚柱に固定する
とともに、該金具に、一端を上向き鈎部とした方
杖杆を係合可能とすることにより、上述した不都
合を悉く解消したものである。

以下、本案の構成を図面に示す実施例に基づい
て更に詳述すると、１は仮設構造物等の脚柱Ｐに
取付けられるクランプであつて、下述する方杖杆
の鈎部が係入可能な溝付金具２と、その中心部に
ピン３を介して枢着される型のストツパー４か
らなり、上記溝付金具２の少なくとも下縁２′は
上記ストツパー４が回動可能な円弧状に形成した
ものである。

又、５は上記構造物の梁材Ｂに、ヒンジ６等を
介して枢支される方杖杆であつて、その先端を上
記金具のピン３に係合可能な上向きの鈎部５ａに
形成するとともに、その下辺５ｂを上記クランプ
１の下縁２′と同曲率の円弧面としたものである。
尚、上記クランプ１のストツパー４は第６図に示
したように溝付金具２の内側に枢支するようにし
てもよい。この場合、上記溝付金具２の下縁は円
弧状とすることを要件としないが、該溝付金具２
と上記ストツパー４との間隙にカラー３′を嵌挿
せしめることが好ましい。

叙上の構成に係る本案クランプの用法をその作
用とともに述べると、先づ脚柱等の垂直材面に固
定された上記クランプ１のストツパー４を脚柱側
に引上げた状態とし、梁材（水平材）に予め枢支
された方杖杆先端の鈎部５ａを、溝付金具２の下
方よりそのピン３に係入した後、そのストツパー
４を垂直方向に戻すのである。

この状態で、上記鈎部５ａの下辺５ｂはストツ
パー４に受止められるのであるが、方杖杆５の振
幅（矢印方向）に比べてストツパー４のそれが
（鎖線矢印方向）著しく小さいから、上記方杖杆
５に矢印方向の回動力が生じても上記ストツパー
４に確実に支持されて、該方杖杆５はクランプ１
から脱落するというおそれが全くないのものであ
る。

更に本案クランプ１は、その金具２の溝巾が上
記方杖杆５の鈎部５ａの巾ｗに相応して設けられ
たものであるから、係着した際、両部材間にガタ
つきが殆んどない上、上記方杖杆５によつて連結
される脚柱Ｐと梁材Ｂとの隅角部を強力に補強し
得るものである。

又、上記方杖杆５はストツパー４を脚柱Ｐ側に
引上げることにより、鈎部５ａをクランプ１より
容易に取外すことがきるのである。

尚、本案クランプは第３図に示したように方杖
杆下辺５ｂの円弧が始まる基端に段部５ｃを、ま
た上記下辺５ｂ中央に水平面５ｄを形成すること
により、更に又、上記溝付金具２とストツパー４
間にスプリング等を介装して、上記ストツパー４
を常に所定の位置に保持し得るようにしておくこ
とにより、方杖杆５の固定が確実に行えるもので
ある。

この他、該部の構造としては、上記段部５ｃを
ストツパー４の下端が嵌入可能な凹溝とするとと
もに、ストツパー４のピン貫通孔を長孔として、
該ストツパーをスプリング等により常時上方に押
止するようにすれば、上記方杖杆５の固定はより
一層確実、強固となるものである。

更に又、上記梁材Ｂが脚柱Ｐの両側に存在する
所謂、Ｔ字部における複数の方杖杆５に対して
は、脚柱Ｐの各面に上述した構造のクランプを各
個に固定するか、或いは第４図に例示したよう
に、該脚柱を挾んで装着される固定板７の両側に
上記クランプ機構を設けるようにしてもよい。

又、本案クランプ機構は上述した方杖杆の固定
だけでなく、第５図に示したように垂直脚柱P′，
P′間の筋交いなどとして利用することも可能であ
る。

以上述べたように、本案クランプによれば、脚
柱等の垂直材に対する方杖杆の固定又は取外しが
簡単かつ確実である上、しかもボルト・ナツトを
全く使用しないので、これ迄のようにナツト等の
紛失もないなど、その作業性の面でも従来のこの
種クランプには期待できなかつた優れた効果がも
たらされるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案クランプの取付状態を示す側面
図、第２図ａは上記クランプを拡大して示す側面
図、そのｂは同じく平面図、又第３図は方杖杆の
鈎部の他の実施例におけるクランプの溝部を縦断
して示す側面図であり、第４図のａはクランプの
他の実施例を示す枠材の側面図、ｂはその平面
図、更に第５図は筋交いとしての使用状態を示す
本案クランプの側面図、第６図はクランプの一部
を切欠して示す拡大平面図である。 尚、図中、１……クランプ、２……溝付金具、
３……ピン、４……ストツパー、５……方杖杆、
６……ヒンジ、７……固定板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 主として垂直材と水平材の隈角部に斜設され
   る方杖杆等の下端を脚柱側に固定可能としたク
   ランプにおいて、上記方杖杆５の下端に溝付金
   具２のピン３と係合可能な上向きの鉤部５ａを
   形成する一方、上記溝付金具２に枢支した型
   ストツパー４の凹底面を上記方杖杆５下端側の
   円弧状下辺５ｂに沿つて回動可能とし、該スト
   ツパーの凹底面で、上記方杖杆５が脱落しない
   ようにその下辺５ｂを支持したことを特徴とす
   る方杖杆等のクランプ。 ２ 溝付金具２の下縁２′が方杖杆下辺５ｂと同
   一円弧状である実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の方杖杆等のクランプ。 ３ 方杖杆５の円弧状下辺５ｂの基端に段部５ｃ
   を形成した実用新案登録請求の範囲第１項また
   は第２項記載の方杖杆等のクランプ。 ４ ストツパー４がスプリングに付勢されて所定
   位置に停止するようにした実用新案登録請求の
   範囲第１〜３項のいずれか１項記載の方杖杆等
   のクランプ。