JPH0310065A - 装飾部材およびその製造方法 - Google Patents

装飾部材およびその製造方法

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JPH0310065A
JPH0310065A JP14772189A JP14772189A JPH0310065A JP H0310065 A JPH0310065 A JP H0310065A JP 14772189 A JP14772189 A JP 14772189A JP 14772189 A JP14772189 A JP 14772189A JP H0310065 A JPH0310065 A JP H0310065A
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JP
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hard coating
color
decorative member
coating
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JP14772189A
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English (en)
Inventor
Kiyohiro Imai
今井 清博
Akira Uchiyama
明 内山
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はイオンプレーティング法を用いた装飾部材に関
し、さらに詳しくは二種類の硬質被膜の組合せによる外
観的に多色に仕上げられた装飾部材およびその製造方法
に関する。
〔発明の概要〕
本発明は装飾部材の表面にイオンプレーティング法によ
り形成したCr、C,Hの化合物を主成分とするステン
レス色の硬質被膜と、同じくイオンプレーティング法に
より形成したTi、Nの化合物を主成分とする金色・T
i、CSNの化合物を主成分とする灰黒色・Ti、C,
Oの化合物を主成分とする茶色・Ti5Oの化合物を主
成分とする青色の硬質被膜の内の1種との組合せによる
ステンレス色−金色、ステンレス色−灰黒色、ステンレ
ス色−茶色、ステンレス色−青色の2色またはTi、N
の化合物を主成分とする金色の硬質被膜と、同じくイオ
ンプレーティング法により形成したTi、C,0の化合
物を主成分とする茶色・Ti、Oの化合物を主成分とす
る青色の硬質被膜の内の1種との組合せによる、金色−
茶色又は金色−青色等巾くとも2色以上の多色に仕上げ
ることが多様に可能となったことにより装飾性が高く、
かつ硬質で、耐擦傷性、耐摩耗性、耐食性に優れた装飾
部材を提供するものである。
〔従来の技術〕
従来、例えば装飾部材である時計用外装部品におけるス
テンレス色と金色・灰黒色・茶色・青色の中から選ばれ
た2色などを表面に形成した部材は、SUS素材を用い
た該部品表面と湿式金メツキによる金色又はイオンプレ
ーティング法による金色、湿式メツキによるロジウム・
スズ−ニッケル等による灰黒色、イオンプレーティング
法による茶色、青色等の内の1種との組合せによるもの
が一般的でありまた金色と茶色・青色の内の1種との2
色を表面に形成した時計用外装部品は、金色部分が湿式
メツキ法による金・会合金メツキ被膜と、茶色・青色部
分がイオンプレーティング法による硬質被膜の内の1種
との組合せによるものが一般的であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし従来の方法では、部分的に露出しているSUS素
材表面は硬度がHv 140〜180程度で傷がつきや
すかった。部分的に湿式金メツキを用いた場合では被膜
硬度がHv200〜300程度で傷がつきやすく、耐久
性を向上させるためには、メッキ厚を大きくする必要が
あり、必然的にロストが高くなるという課題がある。部
分的に湿式メツキによるロジウム・スズ−ニッケルを用
いた場合でも同様に傷がつきゃすく又ロジウムの場合は
コストが高い等耐擦傷性、耐摩耗性・コスト面で問題が
あった。本発明はこのような問題点を解決するもので、
その目的とするところは被膜硬度HV100O以上のC
r系硬質被膜、Ti系硬質被膜とを用いて、具体的には
ステンレス色・金色・灰黒色・茶色・青色の硬質被膜の
なかから選ばれた任意の組合せの構成により少なくとも
2色以上の多色に仕上げられた密着性・耐擦傷性、耐摩
耗性、耐食性に優れた被膜を有する装飾部材を提供する
ことにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決すために本発明の装飾部材はイオンプレ
ーティング法による硬質被膜が形成されている装飾部材
において、前記硬質被膜は、少なくとも、色調の異なる
Cr系硬質被膜層とTi系硬質被膜層の中から選ばれた
任意の硬質膜の組合せにより一部分あるいは全体に各色
に仕上げられていることを特徴とする。
〔作 用〕
本発明の上記構成によれば装飾部材の基板上(以下基板
と言う)にイオンプレーティング法による色調の異なる
二種類以上の硬質被膜を用いて多色に仕上げることによ
り、基板全面に渡り、硬度がHv1000以上とするこ
とができるため、従来にない耐擦傷性、耐摩耗性が得ら
れる。しかし、イオンプレーティング被膜は高硬度が得
られる反面、被膜厚みが増すと内部応力が高くなるため
脆くなる特性を有している。そこで、装飾用部材として
の密着性を得るために硬質被膜単層の厚みを0.2〜1
.5μm1積層部分の厚みを3μm以下にすることより
密着性を確保させている。
積層部分の厚みが3μmを超えると、前述した内部応力
の影響により、密着性が低下し始める。特に被膜間の剥
離が発生し易くなるため、装飾部材においては密着性の
観点より硬質被膜単層厚みは、0.2〜1.5μmの範
囲が好ましく、更には、0.2〜0.8μmの範囲が最
適である。また、硬質被膜単層厚みが0.2μm未満で
は、厚みが薄いため耐擦傷性、耐摩耗性が劣ると共に所
定色調が不安定となり確保できないことから避けられる
。硬質被膜の生成方法においてはイオンプレーティング
法以外にも同様な物理的蒸着法に位置付けられるスパッ
タリング法または化学的蒸着法(CVD法)及びプラズ
マ化学蒸着法(PCVD)等が容易に適用できうる。
次に、イオンプレーティング法による硬質被膜としては
、Cr、N、Cの化合物を主成分とするステンレス色・
Ti5Nの化合物、Zr5Nの化合物、Hf、Nの化合
物を主成分とする金色・Ti5NSCの化合物、Cr、
N、C,Oの化合物を主成分とする灰黒色・Ti、0の
化合物を主成分とする青色・Ti、C10の化合物を主
成分とする茶色の硬質被膜が適用でき得る。
二色の層構成としては第−層としてCr系ステンレス色
被膜層、第二層としてTi系金色・灰黒色・茶色・青色
被膜層の内の1色又は第−層にTi系金色・灰黒色・茶
色・青色被膜層の内の一色、第二層にCr系ステンレス
色被膜層のCr系−Ti系硬質被膜の組合せが適用でき
うる。さらに第−層としてTi系金色被膜層、第二層と
してTi系青色・茶色の内の一色又は第−層にTi系青
色・茶色の内の一色、第二層としてTi系金色被膜層の
Ti系−Ti系硬質被膜の組合せが適用できうる。
また三色以上の多色の組合せもCr系硬質膜、Ti系硬
質膜の中から色調の異なる多色を容易に組合わせること
により可能である。
また、層の厚みを工夫すれば、各々の層の色調を組合せ
た複色とすることも可能である。
本発明の装飾部材の製造方法としては、二色仕上の場合
には第1層C「系−第2層Ti系又は第1層Ti系−第
2層Cr系の2層積層後第2層を部分的に剥離する方法
に於て、それぞれ異なる成分で積層されているため、そ
れぞれの成分のみをエツチングする方法を用いることに
より2色化が可能である。又、第1層Cr系−マスキン
グ−第2層Ti系又は第1層Ti系−マスキング−第2
層C「系の様に積層する方法に於て、第1層被覆後部分
的に耐熱性マスキング剤を塗付・焼成後節2層を積層す
ることにより2色化が可能である。
多色化方法の選択はデザイン形状、色調の面積比等に応
じマスキング面積をより少な(しマスキング時間を最も
効率的に短縮できる層構成を選択することが′可能であ
りコストダウン効果がある。また第1層・第2層はいづ
れもTi系成分で積層されているため、2層積層後に第
2層を部分的にエツチングする方法は第1層もエツチン
グされてしまうため困難であり、第1層被覆後部分的に
耐熱性塗料を用いてマスキングした後第2層を積層する
ことにより2色化が可能である。2色化方法の選択はデ
ザイン形状、色調の面積比等に応じマスキング面積をよ
り少くし、マスキング時間を最も効率的に短縮できる層
構成を選択することが可能でありコストダウン効果があ
る。三色以上の多色の場合は前述の2方法を組み合わせ
ることにより容易に実施できる。
本発明の装飾部材の基板としては例えばイオンプレーテ
ィング法による場合にはイオンプレーティング処理中の
温度に耐え得るものであればいかなるものであっても良
い。たとえばセラミック、超硬、Ni基合金、Co基合
金、ステンレス、銅合金、亜鉛、亜鉛合金、プラスチッ
ク等が適用できつる。イオンプレーティング法により得
られる硬質被膜は相対的にピンホールの介在するものが
ほとんどの為、該硬質被膜を被覆する以前に耐食性品質
を満足しておく必要がある。セラミック、超硬Ni基合
金、Co基合金、及びステンレス等の基板はそれ自体耐
食性が良好の為、基本的には下地メツキは必要としない
がS(サルファ)の様な快削成分の多いステンレス基板
は若干耐食性が劣る為、下地層として金、金合金、クロ
ム、パラジウム、パラジウム合金、ルテニウムあるいは
ロジウムメツキ層を単層又は数種の積層とし基板の耐食
性を確保する必要がある。また銅合金、亜鉛、亜鉛合金
を基板とする場合はメツキにより銅、Ni、Ni合金を
単層または積層した後、金、金合金、クロム、パラジウ
ム、パラジウム合金、ロジウム、ルテニウム等のメツキ
を単層または数種積層して耐食性を確保する必要がある
。特に銅合金、亜鉛、亜鉛合金の基板についてはイオン
プレーティング処理する前に上記の下付メツキを施すこ
とによりイオンプレーティング処理中に基板材料が電接
高温、高真空雰囲気にさらされるのを防止し該基板材料
内部の温度上昇を防ぎ、脱亜鉛現象によるフクレの発生
を防止することができる。また基板にプラスチックを用
いる場合は前述の銅合金、亜鉛、亜鉛合金基板への下付
はメツキと同様のメツキを行う工程に先たち無電解メツ
キによりNi等の処理を行うのが一般的である。プラス
チック基板は融点が低く、かつ有機物の為イオンプレー
ティング処理中の温度上昇によりガスの吹出しが発生し
やすく、イオンプレーティング被膜との密着不良が多発
しやすい。密着不良性防止上、前述の下付メツキは不可
欠となる。
下付メツキの厚みは単層の場合でも積層の場合でも、生
産性、機能性の点より2μm〜10μmが最適であるが
0,2μm〜20μmへ範囲を拡大しても基本品質は変
わらない。
〔実 施 例〕
以下本発明の実施例を図面にもとづいて説明する。第1
図の(a)〜(d)及び第2図の(a′)〜(d′)は
本発明の復色仕上を行なう場合の5US304を素材と
した時計用外装部品の基本製造工程を段階的に示した時
計用外装部品の断面図である。また第3図〜第14図は
本発明の5US304を素材とした2色仕上を行なった
時計用外装部品の断面図である。本発明の実施例の基本
製造方法は第1図に示す「第2層部分イオンプレーティ
ング方式」と第2図に示す「第2層部分エツチング方式
」に大別される。まず第1図(a)に示す様に5US3
04素材1よりなる時計用外装部品上にイオンプレーテ
ィング法により第1層硬質被膜2を形成させ、次に(b
)に示す様に、完成外観上第1層硬質被膜2を露出させ
たい部分の表面上に無機系塗料3をマスキングし、焼成
、硬化ののち(C)に示す様にイオンプレーティング法
により第2層硬質被膜4を形成し積層する。次に有機溶
剤への浸漬により無機系塗料3を溶解除去することによ
り無機系塗料3上に形成された第2層硬質被膜4も同時
に除去され、完成外観として第1層硬質被膜2と第2層
硬質被膜4の組合わせによる二色を呈する時計用外装部
品を形成させた。これを第1図(d)に示す。
次に第2図(a)に示す様に5US304素材1よりな
る時計用外装部品上にイオンプレーティング法により第
1層硬質被膜2を形成させ、つづいて(b)に示す様に
第1層硬質膜2上に同じくイオンプレーティング法によ
り第2層硬質膜4を形成し積層させる。次に(c)に示
す様に完成外観上第2層硬質被膜4を露出させたい部分
の被膜表面上に有機系塗料5がマスキングし、焼成、硬
化ののち第2層硬質被膜4のみ溶解させる剥離液に浸漬
し、有機系塗料5がマスキングされていない部分の第2
層硬質被膜4を溶解、除去させ、最後に有機系塗料5を
有機溶剤への浸漬により溶解、除去させることにより完
成外観として第1層硬質被膜2と第2s硬質被[14の
組合わせによる二色を呈する時計用外装部品を形成させ
た。これを(d)に示す。
前述の第1図の「第2層部分イオンブレーティグ方式」
は、Ti系硬質被膜とTi系硬質被膜との組合せ、また
は、Ti系硬質被膜とCr系硬質被膜との組合せに適用
させた。また第2図の第2層部分エツチング方式は、T
i系硬質被膜とCr系硬質被膜との組合せに適用させた
次にイオンプレーティングの方法について述べる。時計
用外装部品からなる基板を真空排気されたイオンプレー
ティング装置中で、アルゴンガスを導入し0.02to
rrの圧力に保持し基板への負の印加電圧0,5Kvで
5分間イオンボンバードメントを行い時計ケース基板表
面のクリーニングを行った。次にアルゴンガスを排出し
真空室内をlXl0−’torrに戻した後、電子ビー
ム加熱により純Tiまたは純Crを蒸発させ、反応性ガ
スとしてN2ガス、C2H2ガス、0□ガスの内の少く
とも一種のガスを一定量導入し、純Tiまたは純Cr系
の硬質被膜を形成させた。被膜の厚みは純Tiまたは純
C「の蒸発時間によりコントロールした。硬質被膜の色
調は前述の蒸発金属と反応ガスの種類を適宜選択しコン
トロールした。上記方法によりステンレス、黄銅、亜鉛
の材料により形成され、適宜、下付メツキ処理された時
計用外装部品を素材とし第3図〜第14図に示す各々の
硬質被膜の構成毎に本発明の実施例1〜60と比較例1
〜40との合計100個をサンプルとして色の硬質被膜
を形成させた時計用外装部品を用い携帯時計を完成させ
た後色調、耐食性、耐摩耗性及び密着性について検査し
た結果と製造条件等をまとめて第1表〜第15表に整理
した。
第1表は第3図に示すCr系ステンレス色硬質被膜6と
Ti系金色硬質披膜7との多色仕上げにおける本発明1
〜6、比較例1〜4のサンプルの検査結果と硬質被膜作
成条件を示す。同じく第2表−第4図、第3表−第5図
、第4表−第6図、第5表−第7図、第6表−第8図、
第7表−節9図、第8表−第10図、第・9表−第11
図、第10表−第12図、第11表−第13図及び第1
2表−第14図に各々対応した本発明、比較例の計各表
それぞれ10サンプルの検査結果と製造条件を示した。
第13表にはマスキング塗料の乾燥及び剥離条件を、第
14表にはイオンプレーティングによる第2層硬質被膜
の剥離条件を示した。また第1表〜第12表の本発明、
比較例で用いた下付メツキ有の素材の下付メツキ仕様を
第15表にまとめて示す。
尚第1表〜第12表中に記載する「処理時間(分)」は
イオンプレーティング中の蒸発源金属の蒸着時間を示し
、「ガス比」はガスの流量比を示す。また[ガス圧はN
2.02、C2F4単体または混合ガスを真空槽内導入
後の安定時の真空槽内圧力を示す。
第13表 第 5 表 第14表 また前述の第1表〜第12表に示す評価特性に対する評
価基準を第16表に示す。
第16表 次に各特性の確認方法について以下に述べる。
色調判定は肉視にて行い、イオンプレーティング被膜厚
は硬質被膜断面をX線分析し、層の厚みを求めた。硬度
はマイクロビッカース硬度計10g「荷重にてAP1定
した。また耐摩耗性は牛皮上に時(1ケースの側面を密
着させ500g r荷重を時計ケースに加えながら10
cmストロークにて3万回往復摩耗させた時計ケース側
面の硬質被膜の摩耗程度を確認した。密着性は時計ケー
スをバイスにて両端より圧縮荷重を加え折曲部が90″
以上になる様にし、折曲部の硬質被膜の剥離程度を調べ
た。耐食性については人工汗および人工海水(3%Na
Cjp)中に時計ケース完成品を40℃×90%の温湿
雰囲気中で20’半浸漬し、腐食及び変色の発生を調べ
た。
本発明における前記実施例1〜60のサンプルにおいて
イオンプレーティング法によるCr系硬質被膜とTi系
硬質被膜の組合せによる携帯時計完成品は装飾的価値の
高い二色色調を呈し、人工汗および人工海水の耐食性試
験にて腐食の発生が見られず、更に折曲による密着性試
験においては実施例1〜60のいずれの構成においても
密着性品質は時計用外装部品として十分であった。また
第1表〜第12表に示した比較例1.3.5.7.9.
11.13.15.17.19.21.23.25.2
7.29.31.33.35.37.39に示す様に硬
質被膜単層の厚みが1.5μmを超え、積層部分の厚み
が3. 0μmを超えると密着性は低下し、硬質被膜の
積層間の部分的な剥離が見られ、密着品質を確保する硬
質被膜単層の厚みは1.5μm以下が好ましい。また比
較例2.4.6.8.10.12.14.16.18.
20.22.24.26.28.30.32.34.3
6.38.40に示す様に硬質被膜単層の厚みが0.2
μmを下まわると外観的に干渉色の発生、色ムラ及び部
分的な変色等が発生し安定した外観色調が得られない。
さらに厚みが薄く硬度がHvloooを確保できない為
、耐摩耗性品質が確保できない。以上より、硬質被膜単
層の厚みは、密着性、色調安定性及び耐摩耗性すべてを
確保する為に、0. 2μm〜1.5μmが好ましく、
さらには0.2μm〜0.8μmが最も好ましい。
また装飾部材基板の表面に各種の加工を施し、例えばス
ジ目模様、格子模様、梨地模様および鏡面等の表面加工
を施し、その上に本発明の硬質被膜を形成した場合にお
いても、その外観は前記硬質被膜を形成しない場合と同
様に表面加工の装飾性を表現できる。
さらに硬質被膜にパフ掛等のポリシング加工を施せば光
沢を有する装飾性の優れた外観を得ることができる。ま
た硬質波膜の表面はHv=1000以上の充分な硬度を
有しており耐摩耗試験においては素地の露出は全く見ら
れなかった。
また硬質被膜の色調においては本発明1〜60の各サン
プルにおいてガス圧の条件により、ガス圧が高くなると
濃口に、逆にガス圧が低くなると薄目の各色調になる傾
向があったが、そのバラツキは非常に少なく、十分同一
色調と外観上判断できる水準であり、全部品または特定
部品の時計用外装部品に十分に適用できうるものであっ
た。
また第1表〜第12表に示す本発明の実施例1〜60に
おける硬質被膜の色調はN2ガス、02ガス、C2H2
ガスの種類、流量比、ガス圧、TiまたはCrの蒸発量
及び処理時間を一定にしてイオンプレーティング処理す
ることにより、色調の制御は容易に行え、同一条件にて
10回の別々に処理したイオンプレーティングによる製
品を抜き取って色差計及び目視にて比較したが、その差
を全く認めることができず色調に対する繰返し精度の高
い製法であることが確認できた。
以上複色仕上を行なう場合の第1図および第2図に示し
た基本製造工程を応用した2色仕上げの本発明実施例に
ついて述べた。
次に、同様に前述の基本製造工程を応用した三色仕上げ
の実施例について述べる。第15図〜第21図は本発明
の5US304を素材とした場合の三色仕上げを行なっ
た時計用外装部品の断面図である。製造方法としては第
1図に示す「第2層部分イオンプレーティング方式」お
よび第2図に示す「第2層部分エツチング方式」を適宜
、組み合わせることにより容易に3色仕上の時計用外装
部品を得た。第15図〜第21図にはTi系およびCr
系硬質被膜を用いた複色仕上げの代表的な構成断面図を
示した。各層の硬質被膜は第1表〜第12表に先に述べ
た色調の硬質膜をすべて適用でき、硬質被膜の各色調に
ついてそれぞれ第1表〜第12表に示したイオンプレー
ティング条件と全く同一の条件を用い、可能なすべての
組合わせを用いた第10図〜第21図に示す構成の外観
上3色に仕上げられた携帯時計完成品は第1表〜第12
表に示した2色仕上携帯時計の品質と全く同様に、色調
、耐食性、耐摩耗性、密着性とも携帯時計として十分な
品質が得られた。担し第15図、第16図、第17図、
第20図に示した3色仕上の場合の断面図において部分
的に3層が積層されている部分の密着性は、前述の比較
例1.3.5.7.9.11.13.15.17.19
.21.23.25.27.29.31.33.35.
37.39に示した場合と同様に積層部の厚みが3゜0
μmを超えると密着性品質が低下する。この為第15図
、第16図、第17図および第20図の構成における各
硬質被膜単層の厚みは0.2μm〜1.0μmが好まし
く、更には0.2μm〜0゜8μmが最も好ましい。本
発明の技術は、時jLJII外装部品のみならず、メガ
ネフレーム、ライターケース、装飾バンド、バックル、
ネクタイビン及び指輪、スプーン、フォーク等装飾品全
般に適用可能である。
〔発明の効果〕
以上述べた如く本発明によれば、装飾部材の表面に被膜
硬度がHv 1000以上を有するステンレス色、金色
、灰黒色、茶色、青色の硬質波膜を任意に選択して構成
して2色に仕上げたことにより従来にない密着性、耐擦
傷性、耐摩耗性、耐食性を有し、且つ例えば金色と茶色
、金色と青色、ステンレス色と金色、ステンレス色と灰
黒色、ステンレス色と茶色など多様な2色以上の多色コ
ンビネーションによる装飾的、機能的に非常に価値感の
高い装飾部材を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明による時計用外装部品の製造
工程を段階的に示す実施例の簡単な工程断面図である。 また第3図〜第14図は本発明による外観的に二色に仕
上げられた時計用外装部品の断面図である。さらに第1
5図〜第21図は本発明による外観的に3色に仕上げら
れた時計用外装部品の断面図である。 12・・・11と黒色のTi系硬質被膜13・・・Cr
系硬質被膜 14・・・11.12と黒色のTi系硬質被膜以上

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)イオンプレーティング法による硬質被膜が形成さ
    れている装飾部材において、前記硬質被膜は、少なくと
    も、色調の異なるCr系硬質被膜層とTi系硬質被膜層
    の中から選ばれた任意の硬質被膜の組合せより一部分あ
    るいは全体に多色に仕上げられていることを特徴とする
    装飾部材。
  2. (2)Cr系硬質被膜層がCr、N、Cの化合物を主成
    分とするステンレス色であることを特徴とする請求項(
    1)記載の装飾部材。
  3. (3)Ti系硬質被膜層がTi、Nの化合物を主成分と
    する金色・Ti、N、Cの化合物を主成分とする灰黒色
    ・Ti、Oの化合物を主成分とする青色・Ti、O、C
    の化合物を主成分とする茶色であることを特徴とする請
    求項(1)記載の装飾部材。
  4. (4)硬質被膜単層の被膜厚が0.2〜1.5μmであ
    ることを特徴とする請求項(1)記載の装飾部材。
  5. (5)二色の組合せがステンレス色と金色、灰黒色、茶
    色、青色の内の一色との組合せであることを特徴とする
    請求項(1)記載の装飾部材。
  6. (6)二色の組合せが金色と茶色、青色の内の一色との
    組合せであることを特徴とする請求項(1)記載の装飾
    部材。
  7. (7)部材表面に第1層としてCr系のステンレス色硬
    質被膜を被覆し、次いで第2層としてTi系の金色・灰
    黒色・茶色・青色の硬質被膜の内の1種を積層した後、
    該第2層を部分的にエッチングにて除去することにより
    2色に仕上げたことを特徴とする請求項5記載の装飾部
    材の製造方法。
  8. (8)部材表面に第1層としてTi系の金色・灰黒色・
    茶色・青色の硬質被膜の内の1種を被覆し、次いで第2
    層としてCr系のステンレス色硬質被膜を積層した後、
    該第2層を部分的にエッチングにて除去することにより
    2色に仕上げたことを特徴とする請求項5記載の装飾部
    材の製造方法。
  9. (9)部材表面に第1層としてCr系のステンレス色硬
    質被膜を被覆し、次いで該第1層を部分的にマスキング
    した後、第2層としてTi系の金色・灰黒色・茶色・青
    色の硬質被膜の内の1種を積層し、マスキング被膜を除
    去することにより2色に仕上げたことを特徴とする請求
    項5記載の装飾部材の製造方法。
  10. (10)部材表面に第1層としてTi系の金色・灰黒色
    ・茶色・青色の硬質被膜の内の1種を被覆し、次いで該
    第1層を部分的にマスキングした後、第2層としてCr
    系ステンレス色硬質被膜を積層し、マスキング被膜を除
    去することにより2色に仕上げたことを特徴とする請求
    項5記載の装飾部材の製造方法。
  11. (11)部材表面に第1層としてTi系の金色硬質被膜
    を被覆した後、第1層を部分的にマスキングし次いで第
    2層としてTi系の茶色・青色硬質被膜の内の1種を積
    層した後、マスキング被膜を除去することにより2色に
    仕上げたことを特徴とする請求項6記載の装飾部材の製
    造方法。
  12. (12)部材表面に第1層としてTi系の茶色・青色硬
    質被膜の内の1種を被覆した後、第1層を部分的にマス
    キングし、次いで第2層としてTi系の金色硬質被膜を
    積層した後、マスキング被膜を除去することにより2色
    に仕上げたことを特徴とする請求項6記載の装飾部材の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003077358A (ja) * 2001-08-31 2003-03-14 Polymatech Co Ltd 押釦スイッチ用キートップおよびその製造方法
JP2013194297A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Seiko Instruments Inc 装飾部品、時計部品、時計、及び装飾部品の製造方法

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