JP2003077358A - 押釦スイッチ用キートップおよびその製造方法 - Google Patents

押釦スイッチ用キートップおよびその製造方法

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JP2003077358A
JP2003077358A JP2001264914A JP2001264914A JP2003077358A JP 2003077358 A JP2003077358 A JP 2003077358A JP 2001264914 A JP2001264914 A JP 2001264914A JP 2001264914 A JP2001264914 A JP 2001264914A JP 2003077358 A JP2003077358 A JP 2003077358A
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push button
button switch
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Takeshi Nishimura
武 西村
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Polymatech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細かい文字・記号等のほか、種々のより
細かいデザインをキートップ表面に自在に施すことがで
き、異なる文字・記号ごとに、色調、光沢等の加飾要素
を変化させることができ、かつ、文字・記号等の表示面
が耐摩耗性に優れた押釦スイッチ用キートップとその製
造方法を提供すること。 【解決手段】 樹脂製のキートップ本体に、色調、光
沢、表面仕上げを含む加飾要素のうちの少なくとも一つ
が異なる複数のめっき層を積層して設け、各めっき層を
視認可能に表出して成る文字・記号等の表示面を形成し
たことを特徴とする押釦スイッチ用キートップ、及び文
字・記号等の表示面を樹脂製のキートップ本体に形成し
た押釦スイッチ用キートップの製造方法について、色
調、光沢、表面仕上げを含む加飾要素とマスキングパタ
ーンが異なるめっき層の積層工程を複数回行ってキート
ップ本体に前記表示面を形成することを特徴とする押釦
スイッチ用キートップの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器、携帯機
器、リモコン等の押釦スイッチに使用されるキートップ
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器、携帯機器、リモコン等に使用
される押釦スイッチ用カバー部材は、キートップを、例
えばシリコーンゴムなどのゴム状弾性体からなるキーシ
ートに、接着剤等の適宜の接合手段で貼り合わせたもの
が多く用いられており(図3参照)、デザイン的にも機
能的にも注目されてきている。
【0003】たとえば、文字・記号等が施される表示面
として形成されるキートップの部分は、黒色、灰色等の
無彩色のほか、赤色、青色、黄色等の有彩色が施される
のが一般的であるが、最近のデザイン傾向としては、金
銀等のメタリック色が注目されており、その中でも特に
鏡面感のある金属調の色彩を有するデザインが要望され
てきている。
【0004】この鏡面感のある金属調を具現化するため
には、アルミニウム、クロム等の無機物薄膜をキートッ
プ本体表面に形成するホットスタンプ方法、真空蒸着方
法、めっき方法等が一般的であり、その中でもめっき方
法で形成された無機物薄膜層は、ホットスタンプ方法や
真空蒸着方法に比べて耐摩耗性がよく、常に指等で押圧
される押釦スイッチ用カバー部材用のキートップには好
適であった。
【0005】このめっき方法により金属調を得るために
は、第1の例として、図3で示すように、文字・記号等
の表示面20に表す文字・記号の形状(図3の例では
“8”の形状)に合わせて、キートップ本体21を凹状
(または凸状)に加工し、その上に無電解めっき処理に
より無機物薄膜層としての無電解めっき層22と電解め
っき層23を順に積層形成する方法や、第2の例とし
て、電解めっき層が設けられたキートップ本体の表示面
に、文字・記号等の形状に合わせた凸形状を印刷により
形成する方法(図示せず)、あるいは第3の例として、
キートップ本体の表示面に、電解めっき層が付着する下
地層を、文字・記号等の形状に合わせて形成し、その下
地層に電解めっき層を積層形成する方法(図示せず)な
どがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、めっき
方法により金属調を得る例のうち、前記第1の例による
方法では、細かな凹凸形状をキートップ本体21の表示
面20に形成することが成形上の制約から困難であり、
形成可能な文字・記号等の種類が限られていた。特に、
携帯電話用のキートップのように、キートップ自体が非
常に小さなものであると、表示面に表すサイズも更に小
さくなることから、平仮名や漢字等については尚更困難
であった。
【0007】また、前記第2の例による方法では、キー
トップが繰返し押下されると印刷により凸形成した表示
面が摩耗してしまうという耐摩耗性の問題があり、これ
を解決するためには、表示面を覆う透明樹脂コーティン
グ等による保護層を必要とし、製造工程数が増えコスト
高となっていた。さらに、このキートップの形態は、文
字・記号等に相当する部位が印刷により得られた層で、
文字・記号等以外の部位が電解めっき層であるため、文
字・記号等に相当する部位を電解めっき層として得るこ
と困難であった。
【0008】さらに、前記第3の例による方法では、文
字「あ」や数字「8」のように、線で囲まれた島部24
(図3参照)を有する文字・記号等を表示する場合に
は、島部が絶縁されていて通電できないために電解めっ
きを島部24に付着できないという問題があり、表現で
きる文字・記号等に形状による制限があった。また、2
以上の文字・記号等が一つのキートップの表示面に表示
されているような場合に、文字・記号ごとに色調、光沢
等の加飾要素を変化させることは困難であった。
【0009】一方、特開平11−167839号公報に
記載のように、めっきが付着する(鍍金する)樹脂とめ
っきが付着しない(鍍金しない)樹脂の組み合わせによ
って表示部が形成されるように樹脂製キートップ本体を
二色成形した後、めっきが付着する樹脂の表面にのみめ
っき層を設け表示部として形成する方法がある。
【0010】しかし、この方法によっても、携帯機器等
に用いられるような小さなキートップに、細かいひらが
な、漢字、数字等を二色成形にて形成することは非常に
難しく、実現が困難であった。
【0011】そこで本発明は、細かい文字・記号等のほ
か、種々のより細かいデザインをキートップ表面に自在
に施すことができ、異なる文字・記号ごとに、色調、光
沢等の加飾要素を変化させることができ、かつ、文字・
記号等の表示面が耐摩耗性に優れた押釦スイッチ用キー
トップとその製造方法を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成すべく本
発明の押釦スイッチ用キートップは、樹脂製のキートッ
プ本体に、色調、光沢、表面仕上げを含む加飾要素のう
ちの少なくとも一つが異なる複数のめっき層を積層して
設け、各めっき層を視認可能に表出して成る文字・記号
等の表示面を形成したことを特徴としている。
【0013】この押釦スイッチ用キートップによれば、
複数のめっき層を積層して設けているため、より細かい
金属調のデザインをキートップ表面に具現化することが
でき、耐摩耗性にも優れている。また、色調、光沢、表
面仕上げを含む加飾要素のうちの少なくとも一つが異な
る複数のめっき層を積層して設け、各めっき層を視認可
能に表出して成る文字・記号等の表示面を形成したた
め、文字・記号等を含む表示面を多彩な加飾要素でデザ
インすることができる。その例としては、例えば、算用
数字“8”の上部の丸線部分と下部の丸線部分の色調を
変えたり、上下の島部の色調を更に別の色調で表現した
りすることができる。また、表示面に複数の文字・記号
等が表されている場合には、文字・記号等毎に、異なる
加飾要素でデザインすることもできる。なお、前記“表
示面”とは、必ずしも文字・記号等が含まれている部分
だけを意味するものではなく、文字・記号等が含まれて
いなくても各めっき層が表出していることで視覚効果が
異ならせてある部分も含む用語である。また、ここでい
う色調は、色の配合、濃淡・強弱などの調子を意味する
ものである。
【0014】また、本発明は、キートップ本体に導電性
塗膜層又は無電解めっき層からなる導電層を形成してあ
り、その上に前記めっき層が積層形成してある押釦スイ
ッチ用キートップを提供する。
【0015】この発明によれば、キートップ本体に導電
性塗膜層又は無電解めっき層を設けているため、めっき
処理することで容易に導電層の表面にめっき層、特に電
解めっき層を付着させることができる。また、導電層は
キートップ本体に形成しているため、その上層に電解め
っき層を積層させる場合は、この導電層を通じて通電さ
れる。そのため、いわゆる島部を有する文字・記号等を
形成するときでも、島部内に電解めっき層を形成するこ
とができ、文字・記号等の形状による限定を受けること
がない。
【0016】この導電層を形成した押釦スイッチ用キー
トップについては、前記表示面に前記導電層も視認可能
に表出したものとして構成できる。
【0017】これによれば、導電層の加飾要素も利用し
たより多彩なデザインの押釦スイッチ用キートップを得
ることができる。
【0018】さらに、本発明は、キートップ本体が導電
性樹脂で形成してある押釦スイッチ用キートップを提供
する。
【0019】この押釦スイッチ用キートップによれば、
導電性樹脂からなるキートップを用いているため、キー
トップ本体に導電層を設ける必要がなく、導電性樹脂製
のキートップ本体に直接めっき層、特に電解めっき層を
形成することができ、種々の細かな文字・記号等からな
る表示面を形成することができる。
【0020】以上の押釦スイッチ用キートップについて
は、前記表示面に前記キートップ本体も視認可能に表出
したものとして構成できる。
【0021】これによれば、キートップ本体の加飾要素
も利用した更に多彩なデザインの押釦スイッチ用キート
ップが得られる。
【0022】そして、上記目的を達成すべく本発明は、
文字・記号等の表示面を樹脂製のキートップ本体に形成
した押釦スイッチ用キートップの製造方法について、色
調、光沢、表面仕上げを含む加飾要素とマスキングパタ
ーンが異なるめっき層の積層工程を複数回行ってキート
ップ本体に前記表示面を形成することを特徴とする押釦
スイッチ用キートップの製造方法を提供する。
【0023】この押釦スイッチ用キートップの製造方法
によれば、色調、光沢、表面仕上げを含む加飾要素とマ
スキングパターンが異なるめっき層の積層工程を複数回
行ってキートップ本体に文字・記号等の表示面を形成し
ているため、表示面の耐摩耗性に優れ、金属調のより精
緻なデザインをキートップ表面に具現化することができ
るだけでなく、色調、光沢、表面仕上げ等の加飾要素の
異なった多彩なデザインの表示面を持つ押釦スイッチ用
キートップを製造できる。
【0024】前記製造方法については、前記めっき層の
積層工程に先だって、キートップ本体に導電性塗膜層ま
たは無電解めっき層からなる導電層の形成工程を行うよ
うにしてもよい。
【0025】これによれば、キートップ本体に導電性塗
膜層または無電解めっき層からなる導電層を有すること
から、文字・記号等のいわゆる島部に対してもめっき層
を形成することができる。
【0026】また、以上の製造方法については、導電性
樹脂のキートップ本体を利用することができる。
【0027】即ち、キートップ本体が導電性樹脂で形成
してあるため、キートップ本体に別途導電層を設けるこ
となく、めっき層、特に電解めっき層を積層させること
ができ、デザイン的に優れた表示面を形成することがで
きる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の実施形態による押釦スイッチ用キートップとその製造
方法を説明する。なお、各実施形態で共通する部分につ
いては同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0029】第1実施形態(図1): 第1の実施形態
による押釦スイッチ用キートップを図1に示す。この押
釦スイッチ用キートップ1は、接着層2によってキーシ
ート3に接着されることで、押釦スイッチ用カバー部材
を成している。
【0030】押釦スイッチ用キートップ1は、所定の樹
脂を射出成形して矩形状に形成したキートップ本体4を
骨格としている。キートップ本体4を成す樹脂は、その
上に後述の導電層5を積層できる素材であれば、導電性
のものであっても、非導電性のものでもよい。本例の導
電層5は導電塗料を塗布して形成された導電性塗膜層で
あるため、キートップ本体4を成す樹脂としては、有機
マトリックスが塗着するポリカーボネート樹脂、アクリ
ル樹脂、エステル樹脂、アクリロニトリルブタジエンス
チレン樹脂等を用いることができる。
【0031】導電層5は、電解めっき層6を付着させる
下地層であって導電性塗膜層にて構成されている。この
導電性塗膜層5は、有機マトリックス中に導電媒体とし
て銀、銅、金等の金属紛が分散した抵抗値の低い導電塗
料を、塗装、印刷等の方法でキートップ本体4に塗布し
て形成したものである。この導電層5は、勿論導電性を
有するため、電解めっき法によってさらにその上に電解
めっき層6を形成することができる。
【0032】“めっき層”としての第1電解めっき層6
は、金属イオンを導電層5の表面に析出させて形成した
層である。また、第1電解めっき層6に積層した“めっ
き層”としての第2電解めっき層7は、第1電解めっき
層6の表面に金属イオンを析出して形成した層である。
これら第1電解めっき層6と第2電解めっき層7の形成
は、金属化合物の水溶液中で電気分解により金属を析出
させて行う。電解めっき層6,7を構成する金属は、ク
ロム、ニッケル、錫、亜鉛、金、銀、銅等が好ましく、
特に、クロムは、耐久性、耐摩耗性、低コストといった
点で好ましい。
【0033】第1電解めっき層6と第2電解めっき層7
は、色調、光沢、表面仕上げを含む加飾要素のうち少な
くとも1つが異なるものとなっている。第1電解めっき
層6が視覚に与える印象と、第2電解めっき層7が視覚
に与える印象とは、前記加飾要素のうちの少なくとも1
つについて違った視覚効果を与えるものとなっている。
このように第1電解めっき層6と第2電解めっき層7と
で、異なる視覚効果を与えるには、それぞれ異なるめっ
き液、めっき処理を行うようにする。めっき液の素材
は、主に含まれる金属種を変化させることにより変える
ことができ、同時に色調も変化させることができる。光
沢は、触媒等の添加剤、下地の表面粗さ状態、用いた素
材などによって変化させることができる。また、表面仕
上げには、めっきの前又は後に行う加工、例えばバフ仕
上げ、ポーラス加工、ラッピング、超仕上げ、液体ホー
ニング、ブラスト仕上げ、グラインダ加工等の種々の加
工方法があり、加飾要素としての表面仕上げはこれらの
加工により得られた表面状態をいうものとし、表面の粗
さなどを変化させることができる。本形態では、このよ
うに異なった視覚効果を与える部分が記号「○」と数字
「1」を表した押釦スイッチ用キートップ1の上面部分
8にあるため、この上面部分8が本形態における“表示
面”を成している。
【0034】以上のような構成の押釦スイッチ用キート
ップ1を接着してあるキーシート3は、押釦スイッチ用
キートップ1の押圧操作によって撓んで、その裏面に設
けた図示せぬスイッチの接点部がプリント回路基板の接
点部と導通接触できるように、可撓性のある樹脂フィル
ムやゴム状弾性体にて形成されている。このうちゴム状
弾性体としては、例えばシリコーンゴム、、ブチルゴ
ム、エチレンプロピルゴム、クロロプレンゴム、ウレタ
ンゴム、イソプレンゴム、熱可塑性エラストマー等を用
いることができる。
【0035】次に、表示面(上面部分)8を有する押釦
スイッチ用キートップ1の製法を説明する。まず、キー
トップ本体4の底面を除く部分に導電塗料を、塗装、印
刷等の方法でキートップ本体4に塗布して導電層5を成
す導電性塗膜層を形成する。そして、導電層5に記号
「○」に相当するマスキング部Mのマスキング印刷
を行ってからめっき処理を行って、第1電解めっき層6
を析出形成する。
【0036】マスキングは、パッド印刷により行う。マ
スキング印刷用のインクは、それを塗布する層(導電層
5、第1電解めっき層6)との密着性および除去処理の
容易性を考慮して、アクリル系、塩ビ酢ビ系、ウレタン
系、ビニル系、ポリカーボネート系、ポリエステル系、
エポキシ系、水性等であって、熱硬化型、紫外線硬化型
等のインクから選択して使用するのが好ましい。また、
マスキング印刷用のインクの除去処理に用いる溶液とし
ては、酸またはアルカリ水溶液が好ましい。
【0037】そして次に、第1電解めっき層6に数字
「1」に相当するマスキング部Mのマスキング印刷を
行ってからめっき処理を行い、第2電解めっき層7を形
成する。そして、マスキングを除去して、導電層5のマ
スキングMと第1電解めっき層6のマスキング部M
を表出させる。
【0038】以上のような工程を経て得られる本形態の
押釦スイッチ用キートップ1は、記号「○」の線書部分
(導電層5)と、数字「1」の線書部分(第1電解めっ
き層6)と、背景部分(第2電解めっき層7の上面部
分)が、それぞれ色調、光沢、表面仕上げを含む加飾要
素の異なるデザイン性に富んだ表示面8を有するものと
なる。また、電解めっき層6,7によってメタル感のあ
るデザインとなり、記号「○」や数字「1」の輪郭がシ
ャープになるため、文字や記号等の視認性も向上するこ
とができる。さらに、記号「○」のように線書で囲んだ
島部9でも第1電解めっき層6、第2電解めっき層7を
形成することができるので、そのような島部9を有する
文字や記号等にも対応することができる。
【0039】なお、更に多彩な表示面8を有する押釦ス
イッチ用キートップ1を得たい場合には、例えば第1電
解めっき層6について異なるマスクパターンで加飾要素
の複数の異なる第2電解めっき層を形成する工程を行う
ようにしてもよい。また、導電層5を形成する際にもマ
スキング印刷を行うようにして、キートップ本体4を視
認可能に表出させるようにしてもよい。さらに、本形態
では、第1電解めっき層6と第2電解めっき層7の二層
構造としたが、さらに勿論三層以上の電解めっき層を形
成して押釦スイッチ用キートップの表示面を形成しても
よい。
【0040】第2実施形態(図2): 次に、第2実施
形態による押釦スイッチ用キートップを図2に示す。こ
の押釦スイッチ用キートップ11が第1実施形態の押釦
スイッチ用キートップ1と相違する点は、先ず、導電層
12を無電解めっき層にて形成している点である。この
無電解めっき層12は、金属化合物の水溶液中での還元
剤の反応により、ニッケル、銅等の金属をキートップ本
体13に析出させることで得られる。そのため、本形態
のキートップ本体13は、金属が付着する(めっきす
る)アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、アミド樹脂、変性ポリカーボネート樹脂
等を素材としている。なお、本形態の導電層12のよう
に低抵抗の無電解めっき層にて導電層を形成すると、め
っき層を積層形成する上で特に有利である。
【0041】また、本形態の押釦スイッチ用キートップ
11は、導電層12の上に第1電解めっき層14、第2
電解めっき層15、第3めっき層16の三層構造となっ
ている。そのため本形態における表示面17を形成する
には、まずキートップ本体4に形成した導電層12に、
めっき処理を行って第1電解めっき層14を析出形成す
る。次に、記号「○」に相当するマスキング部M
マスキング印刷を行ってからめっき処理を行って、第2
電解めっき層15を析出形成する。次に、第2電解めっ
き層16に数字「1」に相当するマスキング部M
マスキング印刷を行ってからめっき処理を行い、第3電
解めっき層16を形成する。そして、マスキングを除去
して、第1電解めっき層14のマスキング部Mと第
2電解めっき層6のマスキング部Mを表出させる。
【0042】以上のような工程を経て得られる本形態の
押釦スイッチ用キートップ11は、記号「○」の線書部
分(第1電解めっき層14)と、数字「1」の線書部分
(第2電解めっき層15)と、背景部分(第3電解めっ
き層16の上面部分)が、それぞれ色調、光沢、表面仕
上げを含む加飾要素の異なるデザイン性に富んだ表示面
17を有するものとなる。また、電解めっき層14,1
5,16によってメタル感のあるデザインとなり、記号
「○」や数字「1」の輪郭がシャープになるため、文字
や記号等の視認性も向上することができる。さらに、記
号「○」のように線書で囲んだ島部18でも第2電解め
っき層15、第3電解めっき層16を形成することがで
きるので、そのような島部18を有する文字や記号等に
も対応することができる。
【0043】なお、更に多彩な表示面8を有する押釦ス
イッチ用キートップ1を得たい場合には、例えば導電層
12や第1電解めっき層14を形成する際にもマスキン
グを行って、表示面17にそれらが表出されるようにし
てもよい。
【0044】
【実施例】以下に、各実施形態に基づく実施例を説明す
るが、実施例で用いた樹脂、インク等は代表的なもので
あり、これらに限られるものではない。
【0045】実施例1: 図1に示した第1実施形態に
よる押釦スイッチ用キートップ1を有する押釦スイッチ
用カバー部材を作成した。まず、射出成形機にてアクリ
ロニトリルブタジエンスチレン樹脂からなるキートップ
本体4を成形し、このキートップ本体4に、銀粉を含有
したアクリル樹脂を成分とする導電塗料を塗布して導電
性塗膜層(導電層)5を形成した。その後、導電層5に
白色の塩ビ酢ビ系インクにて記号「○」の線書部分をパ
ッド印刷することによりマスキング処理を行った。さら
にクロムイオン水溶液中にて電解めっき処理を行い、黒
色のクロムの電気めっき層(第1電解めっき層)6を形
成した。このクロムの電気メッキ層6の表面に白色の塩
ビ酢ビ系インクにて数字「1」の線書部分以外の部分を
パッド印刷することによりマスキング処理を行った。そ
して、クロムイオン水溶液中にて電解めっき処理を行
い、つや消しのクロムの電解めっき層(第2電解めっき
層)7を形成した。パッド印刷によって形成したマスキ
ング(図示せず)をアルカリ水溶液を用いて除去し、色
調の異なる二層構造の電解めっき層6,7及び導電層5
によって記号「○」及び数字「1」を含む表示面8を形
成した。
【0046】この結果、表示面8は、記号「○」の線書
部分が銀色の光沢のある金属調であり、数字「1」の線
書部分が黒色のクロムのつや消しされた金属調であり、
記号・文字以外の背景部分が黒色のクロムの光沢のある
色調となり、従来にないデザイン的に優れたキートップ
を得ることができた。
【0047】そして、表示面8を形成した押釦スイッチ
用キートップ1を、所定の形状に抜き加工してランナー
やバリ等を除去した後、ポリエステル系熱可塑性エラス
トマーからなるキーシート3と接着剤を用いて固着し、
接着層2を介して押釦スイッチ用キートップ1とキーシ
ート3が一体化した押釦スイッチ用カバー部材を得た。
【0048】実施例2: 図2に示した第2実施形態に
よる押釦スイッチ用キートップ11を有する押釦スイッ
チ用カバー部材を形成した。まず、射出成形機にてアク
リロニトリルブタジエンスチレン樹脂からなるキートッ
プ本体13を成形し、このキートップ本体13の表面を
エタノールで脱脂してゴミや異物等を完全に除去したの
ち、塩酸にてエッチング処理を行った。その後、キート
ップ本体13表面にパラジウム触媒を付着させ、ニッケ
ルイオン水溶液中にて無電解めっき処理を行い、ニッケ
ルからなる無電解めっき層(導電層)12を形成した。
その後、このニッケルの導電層12の上部及び側部の全
表面に対して、クロムイオン水溶液中にて電解めっき処
理を行い、黒色のクロムのつや消しの電解めっき層(第
1電解めっき層)14を形成した。次に、電解めっき層
14の表面に黒色のアクリル系インクを用いてパッド印
刷を行い記号「○」の線書部分をマスキング処理した。
そして、クロムイオン水溶液中にて電解めっき処理を行
い、光沢のあるクロムの電解めっき層(第2電解めっき
層)15を形成した。さらに、この電解めっき層15の
表面に黒色のアクリル系インクを用いてパッド印刷を行
い数字「1」の線書部分以外の部分をマスキング処理
し、金イオン水溶液中にて電解めっき処理を行い、光沢
のある金色の電解めっき層(第3電解めっき層)16を
形成した。最後にパッド印刷によって形成したマスキン
グを酸水溶液を用いて除去し、表示面17を形成した。
【0049】この結果、表示面17は、記号「○」の線
書部分が黒色のクロムのつや消しされた金属調であり、
数字「1」の線書部分が金色の金の光沢のある金属調で
あり、記号・文字以外の背景部分が黒色のクロムの光沢
のある色調であり、従来にないデザイン的に優れた押釦
スイッチ用キートップを得ることができた。
【0050】そして、表示面17を形成したキートップ
20を、所定の形状に抜き加工してランナーやバリ等を
除去した後、ポリエステル系熱可塑性エラストマーから
なるキーシート3と接着剤を用いて固着し、接着層2を
介して押釦スイッチ用キートップ11とキーシート3が
一体化した押釦スイッチ用カバー部材を得た。
【0051】以上の実施形態および実施例については、
例えばキートップ本体を例えばポリアセチレン、ポリ
(パラフェニレン)、ポリピロール、ポリチオフェン、
ポリアニリン、ポリ(パラフェニレンビニレン)、及び
それらの誘導体等の導電性高分子からなる導電性樹脂、
あるいはカーボンや金属粉末を配合してなる導電性樹脂
で形成してもよい。この場合には、第1,第2実施形態
における導電層5,12の形成工程を省略することがで
き、キートップ本体にめっき層(第1電解めっき層6,
14)を直接析出形成することができる。この場合、キ
ーシート2の色彩を透明または半透明にしてその下方に
光源を備えるものとすれば、デザイン性を更に一歩向上
させることができる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、鏡面感のある金属調の
無機物薄膜層から表示面が形成され、より細かいデザイ
ンを表示面の文字・記号等に具現化できるとともに、表
示面が硬質の金属によって形成されるので耐摩耗性にも
優れている押釦スイッチ用キートップを得ることができ
る。
【0053】また、本発明によれば、導電層にめっき層
が積層形成され、さらに、めっき層が積層されて形成さ
れることから、文字・記号を表す線書部分に囲まれたい
わゆる島部にもめっき層を形成できるので、文字・記号
等の種類による制限を受けることなく、解像度に優れた
鮮明な表示部が自在に形成された押釦スイッチ用キート
ップを得ることができる。
【0054】さらに、本発明によれば、マスキングを利
用して複数のめっき層を積層させて表示面を形成するた
め、色調、光沢、表面仕上げ等を含む加飾要素の少なく
とも1つ以上が異なる複数の文字・記号等を表示するこ
とができ、例えば一つの押釦に複数の文字・記号等が混
在する場合においても、文字・記号ごとに異なった色
調、光沢等に仕上げることができるため、従来に存在し
なかったデザイン性に優れたキートップを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態による押釦スイッチ用キートップ
を備える押釦スイッチ用カバー部材の構造説明図で、分
図(a)は分図(b)のSA−SA線断面図、分図
(b)は平面図。
【図2】第2実施形態による押釦スイッチ用キートップ
を備える押釦スイッチ用カバー部材の構造説明図で、分
図(a)は分図(b)のSB−SB線断面図、分図
(b)は平面図。
【図3】一従来例による押釦スイッチ用キートップを備
える押釦スイッチ用カバー部材の構造説明図で、分図
(a)は分図(b)のSC−SC線断面図、分図(b)
は平面図。
【符号の説明】
1 押釦スイッチ用キートップ(第1実施形態) 2 接着層 3 キーシート 4 キートップ本体 5 導電層(導電性塗膜層) 6 第1電解めっき層(めっき層) 7 第2電解めっき層(めっき層) 8 上面部分(表示面) 9 島部 11 押釦スイッチ用キートップ(第2実施形態) 12 導電層(無電解めっき層) 13 キートップ本体 14 第1電解めっき層(めっき層) 15 第2電解めっき層(めっき層) 16 第3電解めっき層(めっき層) 17 表示面 18 島部 M,M マスキング部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製のキートップ本体に、色調、光
    沢、表面仕上げを含む加飾要素のうちの少なくとも一つ
    が異なる複数のめっき層を積層して設け、各めっき層を
    視認可能に表出して成る文字・記号等の表示面を形成し
    たことを特徴とする押釦スイッチ用キートップ。
  2. 【請求項2】 キートップ本体に導電性塗膜層又は無電
    解めっき層からなる導電層を形成してあり、その上に前
    記めっき層が積層形成してある請求項1記載の押釦スイ
    ッチ用キートップ。
  3. 【請求項3】 前記表示面に前記導電層も視認可能に表
    出してある請求項2記載の押釦スイッチ用キートップ。
  4. 【請求項4】 キートップ本体が導電性樹脂で形成して
    ある請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の押釦スイ
    ッチ用キートップ。
  5. 【請求項5】 前記表示面に前記キートップ本体も視認
    可能に表出してある請求項1〜請求項4のいずれか1項
    記載の押釦スイッチ用キートップ。
  6. 【請求項6】 文字・記号等の表示面を樹脂製のキート
    ップ本体に形成した押釦スイッチ用キートップの製造方
    法において、 色調、光沢、表面仕上げを含む加飾要素とマスキングパ
    ターンが異なるめっき層の積層工程を複数回行ってキー
    トップ本体に前記表示面を形成することを特徴とする押
    釦スイッチ用キートップの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記めっき層の積層工程に先だって、キ
    ートップ本体に導電性塗膜層または無電解めっき層から
    なる導電層の形成工程を行う請求項6記載の押釦スイッ
    チ用キートップの製造方法。
  8. 【請求項8】 キートップ本体が導電性樹脂で形成して
    ある請求項6または請求項7記載の押釦スイッチ用キー
    トップの製造方法。
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