JPH029911Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスプレーキヤツプに関するものであつ
て、スプレーを確実に達成できるようにすること
を目的とする。

壜体内の液体をスプレー噴射するスプレーキヤ
ツプとして、スクイズスプレーが存する。

この構成は、少なくともスプレー孔とスプレー
空気孔とが開口穿設されており、壜体を押圧変形
させて壜体の内圧を高め、液体をスプレー孔か
ら、空気をスプレー空気孔から、それぞれ同時に
噴出せしめ、所定位置に配置されたスピンナー溝
を介して外部にスプレーするものである。

しかしながらこの構成にあつては、使用時に壜
体を傾けると液体がスプレー空気孔からも注出さ
れてしまい、有効なスプレー操作が得られない欠
点が存した。

本考案は上述した従来の欠点を解消するべく考
案されたスプレーキヤツプに関するものであつ
て、スプレー孔を開口した筒形状の弁室とスプレ
ー空気を開口した筒形状の弁室とを、上端が前方
向に傾斜する姿勢で並列設した構成である。

以下本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

図示実施例は、スプレー状態とストリーム状態
とに切換えることのできる構成である。

図中１は軟質な合成樹脂で成形された壜体であ
つて、図示実施例では平面略長円形状の直線筒体
であり、少なくとも胴部２は外力を受けてのび変
形することなく内方に弾性変形する程度の弾力を
有し、また胴部２上端には頂板を介して短円筒形
状の口筒３が立設されている。

次に図中４は中栓体であつて、前記壜体１の口
筒３に不動に組付けられる有頂円筒体であり、筒
壁５の前部下部には、第一の孔６、該第一の孔６
の斜め上方には第二の孔７、該第二の孔７の下方
で第一の孔６と同一高さ位置には第三の孔８が、
それぞれ開口穿設されている。

そして上記中栓体４内上部には、有底短筒形状
の弁体９が嵌込み固定される。

弁体９には、上端が前方向に傾斜した一対の有
頂筒形状の弁筒１０，１１が底板１２の中央から
立設されており、第一の弁筒１０は、スプレー孔
１３を介して前記中栓体４の筒壁５の第一の孔６
と連通し、第二の弁筒１１は、上位のスプレー空
気孔１４を介して第二の孔７と、下位のストリー
ム孔１５を介して第三の孔８と、それぞれ連通し
ている。

また図示実施例では、第一および第二の弁筒１
０，１１内下端には、一対の円筒１１ａ，１６ｂ
から成る筒体１６が密嵌され、さらに第一の弁筒
１０と連通する円筒１６ａ下端には壜体１底部に
まで延出するパイプ１７が密嵌された弁座筒１８
が嵌め込まれ、第一の弁筒１０下位に第一の弁室
１９が、第二の弁筒１１内に第二の弁室２０が、
それぞれ形成される。

すなわち、第一の弁室１９の下位の円筒１６ａ
内には、弁球２１が収納され、円筒１６ａ上端に
阻止弁座２２、弁座筒１８上端に逆止弁座２３が
それぞれ設けられており、また弁球２４が収納さ
れた第二の弁筒１１内にあつて、スプレー空気孔
１４の下位には阻止弁座２５、円筒１６ｂ上端に
は保持片２６が設けられているのである。

次に図中２７はノズル体であつて、前記中栓体
４に回動自在かつ抜け出し不能に組付けられる有
頂筒体であり、その周壁２８前部内面には、スピ
ンナー溝２９とガイド溝３０とが設けられ、周壁
２８のスピンナー溝２９中心には第一のノズル孔
３１、ガイド溝３０端部であつて第一のノズル孔
３１と同一高さ位置には第二のノズル孔３２が開
口されている。

上述した構成にあつて、ノズル体２７を回転さ
せて、中栓体４の第一と第二の孔６，７にスピン
ナー溝２９が同時に連通するように位置合わせ
し、正立姿勢の壜体１の胴部２を押圧変形させる
と、壜体１内の液体は、パイプ１７内から弁座筒
１８を通り第一の弁室１９内に送られ、さらに第
一の弁筒１０内からスプレー孔１３を通つて第一
の孔６よりスピンナー溝２９に送られる。

一方、壜体１内の空気は、円筒１６ｂから第二
の弁室１１内に入り、スプレー空気孔１４から第
二の孔７よりスピンナー溝２９に送られて、前記
液体と共に第一のノズル孔３１からスプレーされ
るのである。

そして胴部２の押圧変形を解くと、第一の弁室
１９における弁球２１によつて阻止弁座２２が閉
じられ、液体はパイプ１７内に待機することにな
る。

なお上記状態で第三の孔８はノズル体２７の周
壁２８内面により閉塞されている。

次にノズル体２７を回転させて、中栓体４の第
三の孔８にガイド溝３０が連通するように位置合
わせして壜体１を逆立姿勢にすると、第一の弁室
１９の弁球２１は阻止弁座２２を閉じ、第二の弁
室２０の弁球２４は阻止弁座２５を閉じる。

従つてスプレー孔１３、スプレー空気孔１４は
閉塞され、この状態で壜体１の胴部２を押圧する
と、液体はストリーム孔１５から第三の孔８を介
してガイド溝３０に送られ、第二のノズル孔３２
からストリームとして注出されることになる。

なおこの場合、第一と第二の孔６，７はノズル
体２７の周壁２８内面により閉塞されている。

そして第一と第二の弁筒１０，１１は上端が前
方向に向いた姿勢で傾斜しているので、前記スプ
レーの使用状態において、壜体を必要以上に前方
に傾けた場合、弁筒１０，１１内の弁球２１，２
４は円滑に転動し、それぞれスプレー孔１３とス
プレー空気孔１４とを閉塞することになり、そ以
上の液体の注出が阻止される。

それゆえに液体のみがスプレー孔１３、或いは
加えてスプレー空気孔１４から第一のノズル孔３
１より注出されてしまうことはなく、スプレー時
にストリームとなつてしまうようなことはないの
である。

よつて本考案のスプレーキヤツプによれば、ス
プレー状態を確実に得ることができて、それゆえ
に使い易く、構成が簡単であつて成形が容易であ
る等、多くの優れた作用効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図で
ある。第２図は中栓体と弁体の斜視断面図であ
る。第３図は組付き状態を示す不規則断面図であ
る。第４図はノズル体の斜視図である。 符号の説明、１……壜体、４……中栓体、９…
…弁体、１０……第一の弁筒、１１……第二の弁
筒、１３……スプレー孔、１４……スプレー空気
孔、１５……ストリーム孔、１９……第一の弁
室、２０……第二の弁室、２７……ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壜体の押圧変形によつて液体をスプレーするス
   プレーキヤツプであつて、スプレー孔を開口した
   筒形状の弁室と、スプレー空気孔を開口した筒形
   状の弁室とを、上端が前方向に傾斜する姿勢で並
   列設して成るスプレーキヤツプ。