JPH028838Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、ドアミラーのバイザ電動装置に関
し、自動車のドア外面に取り付けるドアミラーに
おいて、ミラー姿勢を上下・左右に調節する電動
装置を利用してバイザを前後方向に可倒できるよ
うにするものである。

従来技術 自動車のドア外面にドアミラーを取り付けた場
合、車体外部へのドアミラーの突出量が大きいた
め、狭い所へ車を入れる時、ミラーを側方の柱等
に当てて破損することがあり、また、自動車輸送
時にスペースをとる等の問題があつた。このた
め、ドアミラーのバイザ自体を前方あるいは後方
に水平方向に回動させて車体と平行に倒す可倒式
のドアミラーが種々提案されている。この種の装
置で電動式の可倒装置では、可倒用のモータを設
置しているが、ミラー面の上下調整用のモータと
左右調整用のモータを各１個づつ設け、全部で３
個のモータを設けることとなるため重量が重くコ
スト高となり、デザインと規制される欠点があつ
た。

考案の目的 この考案は、上記した欠点を解消せんとするも
ので、１個のモータと１個のソレノイドによりミ
ラー面の上下及び左右調整とバイザの可倒を行な
うようにし、重量の軽減及びコストの低下等を図
るものである。

考案の構成及び作用 この考案は、ミラーを保持したミラーホルダー
を揺動自在に支持したバイザに可倒用回転軸穴を
設け、ドア外面に固定したステーに設けたバイザ
回転軸部に上記バイザの回転軸穴を嵌合してばね
力により回転を半固定するようにした可倒式ドア
ミラーにおいて、 上記バイザ内に１個のモータと１個のソレノイ
ドを設置する一方、ミラーホルダーをバイザの略
中心水平方向線上の２点で支持して上下方向のみ
揺動可能とすると共に、ミラーホルダーの上記略
中心水平線から離れた上下いずれか一方に上下操
作杆を突設し、該操作杆にドライブギヤを取り付
け、該ドライブギヤと上記ソレノイドの非励磁時
に係合する上下方向用クラツチを介して上記モー
タの回転を伝達してミラー面の上下方向を調整す
るようにする一方、上記ステーの可倒回転軸部に
シヤフトギヤを回転不能に取り付け、バイザと共
回転するバイザギアをシヤフトギヤに噛み合わせ
ると共に上記ソレノイドの励磁時に係合されるバ
イザクラツチを介して上記モータの回転を伝達さ
せ、上記シヤフトギヤを介してバイザを水平面内
で回転してミラー面の左右方向を調整すると共に
約90度回転して可倒回転する構成としたことを特
徴とするドアミラーのバイザ電動装置を提供する
ものである。

実施例 以下、この考案を図面に示す実施例により詳細
に説明する。

図中、１はドア、２はドア１の外面に固定する
ステー、３はステー２に前後方向に回転可に取り
付けるバイザ、４はバイザ３に揺動自在に支持さ
れるミラーホルダー、５はミラーホルダーに嵌合
保持されるミラーであり、上記バイザ３内にはモ
ータ６、ソレノイド７、ミラー面上下調整用のク
ラツチ付ギヤ装置８、ミラー面左右調整及びバイ
ザ可倒用のクラツチ付ギヤ装置９よりなる電磁動
力手段を設置し、ミラー面の上下調整作用はミラ
ーホルダー４を上記電磁動力手段により上下に揺
動して行なうと共に、ミラー面の左右調整作用及
びバイザ３の可倒はバイザ３を上記電磁動力手段
により水平面内で前後に回転することにより行な
うようにしている。

詳しくは、上記ステー２はその内方へ突出した
取付用ブラケツト２ａをドア外板１ａを貫通して
内板１ｂにビス１０で固定し、内張りレザー１ｃ
でカバーしてドア１に突設している。該ステー２
のバイザ取付面２ｂは水平断面円弧状で、該バイ
ザ取付面２ｂの下側に外方に向つて水平方向に突
出したボツクス状のアーム部２ｃを形成し、該ア
ーム部２ｃの上面に円筒状のバイザ回転用軸部２
ｄを立設している。バイザ３を後面及び内側面開
口の略ボツクス状で、その内側開口部に断面円弧
状のバイザカバー１３を取付けて、ステー２のバ
イザ取付面２ｂに摺動自在に嵌合すると共に、バ
イザ下壁部３ａに回転軸穴３ｂを穿設し、該軸穴
３ｂを上記回転用軸部２ｄに嵌合し、軸部２ｄと
バイザ下壁部３ａに取り付けたバネ受１１Ａ，１
１Ｂ間に節度バネ１２を縮装し、該バネ力により
バイザ３をステー２に回転を半固定した状態で取
り付けている。

ミラー５を嵌合保持したミラーホルダー４は、
その裏面は左右一対のピボツト４ａ，４ａを突設
し、バイザ３内に固定したギヤユニツトケース１
５の外面に形成したピボツト軸受１５ａ，１５ａ
で揺動自在に支承している。該２ケの支承部はバ
イザ３の略中心水平線l₁上に位置させて、ミラー
ホルダー４をバイザ３に対して上下方向へのみ揺
動可能としている。該ミラーホルダー４の水平線
l₁より上下いずれか一方（実施例では上方）で左
右方向の略中心部には上下操作杆１６を突設し、
該操作杆１６を上記ギヤユニツトケース１５内に
突出させ、ケース１５内の部分に上下方向用のド
ライブギヤ１７を嵌合固定している。

上記ギヤユニツトケース１５内には、モータ６
を固定し、該モータ６の水平方向の出力軸６ａに
上下方向用のウオームクラツチ１８を一体に固定
したベベルギヤ１９を軸方向に摺動自在で共回転
するように嵌合して取り付け、かつ、上記クラツ
チ１８と係脱するクラツチ部２０ａを有すると共
に上記ドライブギヤ１７と噛み合うウオームギヤ
２０を出力軸６ａに対して共回転不可に取り付け
ている。よつてクラツチ２０ａと１８との係合時
にモータ６によりベベルギヤ１９、ウオームギヤ
２０を介してドライブギヤ１７が回転し、上下操
作杆１６が第２図中上下に移動してミラーホルダ
ー６を介してミラー５の上下傾斜角度を調整する
ようにしている。一方、クラツチ１８と２０ａが
離脱している時は、ウオームギヤ２０は回転しな
いようにしている。上記ベベルギヤ１９の先端部
には、ケース１５内に設置したソレノイド７のプ
ランジヤ７ａに固定した駆動杆２１の先端を共回
転しないように連結し、ソレノイド７が励磁され
ていない時は、駆動杆２１は第１図に示す位置と
して、クラツチ１８と２０ａとを係合するように
し、励磁された時は駆動杆２１は内方に移動して
クラツチ１８と２０ａを離脱するようにしてい
る。このソレノイド７が励磁された時に移動する
ベベルギヤ１９と噛み合う位置に、クラツチ付ギ
ヤ装置９のベベルギヤ２３を配置している。該ベ
ベルギヤ２３はケース１５の下端を固定して立設
した支軸２４の上端に固定し、該ベベルギヤ２３
の下側にバイザ用クラツチ２５を一体に固定して
いる。該クラツチ２５の下側にバイザギヤ２６を
軸方向に摺動可に嵌合し、該ギヤ２６の上端にク
ラツチ２５と係脱するクラツチ部２６ａを形成す
ると共に、該ギヤ２６の下面とケース１５間にク
ラツチバネ２７を縮装し、クラツチ２５と２６ａ
とが係合する方向に付勢している。ギヤ２６と噛
み合う位置に、上記回転軸部２ｄに回転不能に固
定したシヤフトギヤ２８を配置し、バイザギヤ２
６が該シヤフトギヤ２８に対し回転するとバイザ
３が水平面内で前後に回転するようにしている。
該回転軸部２ｄ内にはステー２のアーム部２ｃを
通して車室内よりコード３０を挿通し、回転軸部
２ｄの先端より突出させて上記モータ６、ソレノ
イド７に接続している。

上記構成よりなる装置において、ミラー５の上
下傾動姿勢を調整する場合には、ソレノイド７を
非通電状態として、モータ６を駆動する。モータ
６の出力軸６ａの回転に応じてベベルギヤ１９、
クラツチ１８，２０ａを介してウオームギヤ２０
が回転し、ドライブギヤ１７を回転させる。該ド
ライブギヤ１７の回転により上下操作杆１６はモ
ータ６の正・逆回転方向に応じて、第２図中上方
又は下方に移動し、操作杆１６を固定したミラー
ホルダー４は球状軸受部１５ａを支点として上下
に傾動し、ミラー５の上下傾動姿勢を調整する。

ミラー５の左右傾動姿勢を調整する場合には、
ソレノイド７に通電して励磁し、駆動杆２１を引
作動してベベルギヤ１９を内方へ移動し、クラツ
チ１８と２０ａを離脱させると共に、ベベルギヤ
１９と２３を噛み合わせる。ついで、モータ６を
駆動すると、ベベルギヤ１９，２３、クラツチ２
６ａを介して、ギヤ２６がギヤ２８に対して回転
し、ステー２の回転軸部２ｄを支点としてバイザ
３を水平面内で前後に回転する。よつて、バイザ
３と共に回転するミラー５の左右傾動角度が調整
される。

一方、駐車時等に、バイザ３を可倒したい場合
には、バイザ３をフル回転をさせるべく、第２図
中に鎖線で示す前方または後方へ約90度回転さ
せ、可倒状態として格納する。上記可倒位置にバ
イザ３が位置した状態で、継続してモータ６が駆
動する時、クラツチ２５と２６ａとの係合が外
れ、バイザ３の回転を停止する。

効果 以上の説明より明らかなように、この考案に係
わるバイザ電動装置によれば、バイザ内に１個の
モータと１個のソレノイドを設けるだけで、ミラ
ー面の上下・左右の傾動姿勢を調整でき、重量の
軽減及びコストの低下を図ることができる。ま
た、バイザを意識的に電動装置により可倒できる
と共に、障害物と当接した際にも該電磁動力手段
のギヤがモータの出力軸に取り付けたギヤと噛み
合つていないため、支障なく、可倒して衝撃を回
避することができ、バイザの破損を確実に防止で
きる利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係わるドアミラーの一部破
断正面図、第２図は第１図の−線断面図であ
る。 １…ドア、２…ステー、２ｄ…回転軸部、３…
バイザ、３ｂ…回転軸穴、４…ミラーホルダー、
５…ミラー、６…モータ、７…ソレノイド、８，
９…電磁動力手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ミラーを保持したミラーホルダーを揺動自在に
   支持したバイザに可倒用回転軸穴を設け、ドア外
   面に固定したステーに設けたバイザ回転軸部に上
   記バイザの回転軸穴を嵌合してばね力により回転
   を半固定するようにした可倒式ドアミラーにおい
   て、 上記バイザ内に１個のモータと１個のソレノイ
   ドを設置する一方、ミラーホルダーをバイザの略
   中心水平方向線上の２点で支持して上下方向のみ
   揺動可能とすると共に、ミラーホルダーの上記略
   中心水平線から離れた上下いずれか一方に上下操
   作杆を突設し、該操作杆にドライブギヤを取り付
   け、該ドライブギヤと上記ソレノイドの非励磁時
   に係合する上下方向用クラツチを介して上記モー
   タの回転を伝達してミラー面の上下方向を調整す
   るようにする一方、上記ステーの回転軸部にシヤ
   フトギヤを回転不能に取り付け、バイザと共回転
   するバイザギヤをシヤフトギヤに噛み合わせると
   共に上記ソレノイドの励磁時に係合されるバイザ
   クラツチを介して上記モータの回転を伝達させ、
   上記シヤフトギヤを介してバイザを水平面内で回
   転してミラー面の左右方向を調整すると共に約90
   度回転して可倒回転する構成としたことを特徴と
   するドアミラーのバイザ電動装置。