JPH028639B2 - - Google Patents
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- JPH028639B2 JPH028639B2 JP55187558A JP18755880A JPH028639B2 JP H028639 B2 JPH028639 B2 JP H028639B2 JP 55187558 A JP55187558 A JP 55187558A JP 18755880 A JP18755880 A JP 18755880A JP H028639 B2 JPH028639 B2 JP H028639B2
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Landscapes
- Lubricants (AREA)
Description
本発明は耐水性の特に改良された耐水性グリー
ス組成物に関する。 機械のグリース潤滑において製鉄所の圧延機の
軸受のように水がかかりグリース中に水分が混入
してグリースが軟化、流落する事故を起し易い潤
滑個所がかなりある。 かような個所ではシールを完全にして水が混入
しないようにすると共にグリースも耐水性の良い
グリースを選定して、事故を未然に防ぐことが行
われているものの、未だ十分ではない。従つてグ
リースの面からは、より耐水性の優れたグリース
を使用し機械を安全に運転し得るようにすること
は産業の能率向上のために極めて重要なことであ
る。 本発明は水のかかる機械潤滑個所に使用して特
に優れた耐水性を有する耐水性グリースを提供す
ることを目的とする。 本発明者等はこの目的を達成するために研究を
重ねた結果、グリース組成物中に金属フエネート
１〜10重量％を含有する耐水性グリース組成物が
極めて優れた耐水性を有すること、さらに特定の
界面活性剤を共存含有させることにより、より一
層耐水性を強化し目的にかなうことを新たに見出
したのである。 本発明において基材として使用するグリース組
成物は潤滑剤として使用するグリースのすべての
種類を包含し特に限定されない。しかし本来耐水
性のすぐれている種類のグリース組成物を用いる
ことは本発明の目的にかない好適である。その意
味ではリチウムグリース、リチウムコンプレツク
スグリース、カルシウムグリース、ポリウレアグ
リース、アルミニウムコンプレツクスグリース等
を基材として使用することは好ましいことであ
る。 本発明に使用する金属フエネートは、次の(1)式 の分子構造を有する物質で、Ｒは炭素数８〜10の
アルキル基、Ｍは二価の金属基を意味する。Ｍは
通常、マグネシウム、カルシウム、バリウム等が
使用される。 金属フエネートは潤滑油添加剤、特に自動車エ
ンジン油の清浄分散剤としてはすでに知られてい
る物質であるが、本発明者等はグリースの含水剪
断試験を繰返し行つた結果、グリースが含水し混
練剪断され普通の場合はグリースのミセル構造が
破壊される状況においても、グリース中に金属フ
エネートが存在するとミセル構造が著しく強化さ
れ破壊が起らず従つてグリースの軟化流落が起ら
ないことを新たに見出したのである。さらにこの
グリースのミセル構造強化作用はマグネシウムフ
エネート、カルシウムフエネート、バリウムフエ
ネート等の金属フエネートの内カルシウムフエネ
ートが特に著しいことも確かめた。 金属フエネートの添加量を１〜10重量％に限定
したのは、１重量％より少いと効果がなく、10重
量％より多いと更に顕著な性能向上が認められず
コスト高となるためである。 本発明において水分をグリース基油中に微細に
分散させグリースミセル構造に接触させないよう
にするためにさらに界面活性剤を含有させること
も適当である。ここにおいて、後述する特定の界
面活性剤を金属フエネートと共存含有させればよ
り一層耐水性を強化することができる。 この目的にはポリ（オキシエチレンオキシプロ
ピレン）グリコールモノエーテル0.7〜10重量％、
脂肪酸ポリエチレングリコールエステル0.7〜10
重量％、脂肪酸グリセリンエステル0.7〜10重量
％をそれぞれ単独に金属フエネートと共に含有さ
せるか、二種または三種組合せて、共に含有させ
る。三種を併用して共存含有させるのが最も効果
がある。 それは本発明においてポリ（オキシエチレンオ
キシプロピレン）グリコールモノエーテルは水溶
性のもので多量の水分を分散し得る能力はあるが
潤滑性が乏しく含有量を増大し得ない。脂肪酸ポ
リエチレングリコールエステルは油溶性でかなり
水分の分散能力もあり潤滑性もある。脂肪酸グリ
セリンエステルは油溶性で潤滑性が良く水酸基を
親水基としているのでグリコールモノエーテル基
を主に親水基とする前二種より高温における水分
の分散能力が優れている、等の特質がありこれら
を組合せることによつて各種の潤滑条件における
耐水性強化作用の発現が可能となるためである。 ここにおいて三種の界面活性剤の添加量はそれ
ぞれ0.7重量％より少くては効果がなく、10重量
％より多いと水分の分散性が強すぎて多量の水分
を含有しグリースミセル構造に接触する恐れがで
てくるので好ましくない。 かように本発明はグリース組成物中に含有する
金属フエネートのグリースミセル構造の強化作用
を利用し、更に特定の界面活性剤を共存含有させ
てその耐水性強化作用を利用した耐水性グリース
組成物であつて、基グリース中に金属フエネー
ト、ポリ（オキシエチレンオキシプロピレン）グ
リコールモノエーテル、脂肪酸ポリエチレングリ
コールエステル。脂肪酸グリセリンエステルの三
種の界面活性剤の１種または２種以上、を必須成
分としてそれぞれ特定量共存含有するものであ
る。本発明においてはその他の添加剤として防錆
剤、酸化防止剤、極圧添加剤、色素等をさらに含
有させることも出来る。 本発明の耐水性グリース組成物の製造方法はグ
リース組成物基材に金属フエネートおよび界面活
性剤を加え均一に混練すればよく、具体的な製造
工程においてグリース基材を加熱けん化製造しつ
いで追加鉱油、各種添加剤を加え保温調製する際
にこれらの耐水添加剤を加え十分混練して均一な
グリース状に仕上げ所望の稠度に調整するのも好
まい。 かようにして製造した本発明の耐水性グリース
組成物により従来問題の多かつた水のかかるグリ
ース潤滑個所に使用して満足しうる性状の耐水性
グリース組成物が初めて提供された。 次に第１表〜第２表の実施例１〜19および比較
例１〜17により具体的に構成および効果を示す。 なお耐水性試験方法および同評価方法は次の通
りである。 (1) 耐水性試験(A) JIS Ｋ 2220.5.11 準拠 水混和安定度試験にて判定（含水10％、
105w） テスト前後のちよう度差にて判定 ◎；＋20＞ 〇；＋21〜＋40 △；＋41〜＋60 ×；61＜ (2) 耐水性試験(B) ASTM.D.18311 準拠 シエルロール試験にて判定（含水10％、80℃
×4h） テスト前後のちよう度差にて判定 優；＋30＞ 良；＋31〜＋60 可；＋61〜＋90 不可；＋90＜ 第１表〜第２表の耐水性試験(A)および(B)の項の
数値に示される様に金属フエネート１〜10重量％
と特定の界面活性剤0.7〜10重量％を共存含有す
る本発明の実施例のグリース組成物が比較例のグ
リース組成物に較べて耐水性が著しく優れている
事が確認された。
ス組成物に関する。 機械のグリース潤滑において製鉄所の圧延機の
軸受のように水がかかりグリース中に水分が混入
してグリースが軟化、流落する事故を起し易い潤
滑個所がかなりある。 かような個所ではシールを完全にして水が混入
しないようにすると共にグリースも耐水性の良い
グリースを選定して、事故を未然に防ぐことが行
われているものの、未だ十分ではない。従つてグ
リースの面からは、より耐水性の優れたグリース
を使用し機械を安全に運転し得るようにすること
は産業の能率向上のために極めて重要なことであ
る。 本発明は水のかかる機械潤滑個所に使用して特
に優れた耐水性を有する耐水性グリースを提供す
ることを目的とする。 本発明者等はこの目的を達成するために研究を
重ねた結果、グリース組成物中に金属フエネート
１〜10重量％を含有する耐水性グリース組成物が
極めて優れた耐水性を有すること、さらに特定の
界面活性剤を共存含有させることにより、より一
層耐水性を強化し目的にかなうことを新たに見出
したのである。 本発明において基材として使用するグリース組
成物は潤滑剤として使用するグリースのすべての
種類を包含し特に限定されない。しかし本来耐水
性のすぐれている種類のグリース組成物を用いる
ことは本発明の目的にかない好適である。その意
味ではリチウムグリース、リチウムコンプレツク
スグリース、カルシウムグリース、ポリウレアグ
リース、アルミニウムコンプレツクスグリース等
を基材として使用することは好ましいことであ
る。 本発明に使用する金属フエネートは、次の(1)式 の分子構造を有する物質で、Ｒは炭素数８〜10の
アルキル基、Ｍは二価の金属基を意味する。Ｍは
通常、マグネシウム、カルシウム、バリウム等が
使用される。 金属フエネートは潤滑油添加剤、特に自動車エ
ンジン油の清浄分散剤としてはすでに知られてい
る物質であるが、本発明者等はグリースの含水剪
断試験を繰返し行つた結果、グリースが含水し混
練剪断され普通の場合はグリースのミセル構造が
破壊される状況においても、グリース中に金属フ
エネートが存在するとミセル構造が著しく強化さ
れ破壊が起らず従つてグリースの軟化流落が起ら
ないことを新たに見出したのである。さらにこの
グリースのミセル構造強化作用はマグネシウムフ
エネート、カルシウムフエネート、バリウムフエ
ネート等の金属フエネートの内カルシウムフエネ
ートが特に著しいことも確かめた。 金属フエネートの添加量を１〜10重量％に限定
したのは、１重量％より少いと効果がなく、10重
量％より多いと更に顕著な性能向上が認められず
コスト高となるためである。 本発明において水分をグリース基油中に微細に
分散させグリースミセル構造に接触させないよう
にするためにさらに界面活性剤を含有させること
も適当である。ここにおいて、後述する特定の界
面活性剤を金属フエネートと共存含有させればよ
り一層耐水性を強化することができる。 この目的にはポリ（オキシエチレンオキシプロ
ピレン）グリコールモノエーテル0.7〜10重量％、
脂肪酸ポリエチレングリコールエステル0.7〜10
重量％、脂肪酸グリセリンエステル0.7〜10重量
％をそれぞれ単独に金属フエネートと共に含有さ
せるか、二種または三種組合せて、共に含有させ
る。三種を併用して共存含有させるのが最も効果
がある。 それは本発明においてポリ（オキシエチレンオ
キシプロピレン）グリコールモノエーテルは水溶
性のもので多量の水分を分散し得る能力はあるが
潤滑性が乏しく含有量を増大し得ない。脂肪酸ポ
リエチレングリコールエステルは油溶性でかなり
水分の分散能力もあり潤滑性もある。脂肪酸グリ
セリンエステルは油溶性で潤滑性が良く水酸基を
親水基としているのでグリコールモノエーテル基
を主に親水基とする前二種より高温における水分
の分散能力が優れている、等の特質がありこれら
を組合せることによつて各種の潤滑条件における
耐水性強化作用の発現が可能となるためである。 ここにおいて三種の界面活性剤の添加量はそれ
ぞれ0.7重量％より少くては効果がなく、10重量
％より多いと水分の分散性が強すぎて多量の水分
を含有しグリースミセル構造に接触する恐れがで
てくるので好ましくない。 かように本発明はグリース組成物中に含有する
金属フエネートのグリースミセル構造の強化作用
を利用し、更に特定の界面活性剤を共存含有させ
てその耐水性強化作用を利用した耐水性グリース
組成物であつて、基グリース中に金属フエネー
ト、ポリ（オキシエチレンオキシプロピレン）グ
リコールモノエーテル、脂肪酸ポリエチレングリ
コールエステル。脂肪酸グリセリンエステルの三
種の界面活性剤の１種または２種以上、を必須成
分としてそれぞれ特定量共存含有するものであ
る。本発明においてはその他の添加剤として防錆
剤、酸化防止剤、極圧添加剤、色素等をさらに含
有させることも出来る。 本発明の耐水性グリース組成物の製造方法はグ
リース組成物基材に金属フエネートおよび界面活
性剤を加え均一に混練すればよく、具体的な製造
工程においてグリース基材を加熱けん化製造しつ
いで追加鉱油、各種添加剤を加え保温調製する際
にこれらの耐水添加剤を加え十分混練して均一な
グリース状に仕上げ所望の稠度に調整するのも好
まい。 かようにして製造した本発明の耐水性グリース
組成物により従来問題の多かつた水のかかるグリ
ース潤滑個所に使用して満足しうる性状の耐水性
グリース組成物が初めて提供された。 次に第１表〜第２表の実施例１〜19および比較
例１〜17により具体的に構成および効果を示す。 なお耐水性試験方法および同評価方法は次の通
りである。 (1) 耐水性試験(A) JIS Ｋ 2220.5.11 準拠 水混和安定度試験にて判定（含水10％、
105w） テスト前後のちよう度差にて判定 ◎；＋20＞ 〇；＋21〜＋40 △；＋41〜＋60 ×；61＜ (2) 耐水性試験(B) ASTM.D.18311 準拠 シエルロール試験にて判定（含水10％、80℃
×4h） テスト前後のちよう度差にて判定 優；＋30＞ 良；＋31〜＋60 可；＋61〜＋90 不可；＋90＜ 第１表〜第２表の耐水性試験(A)および(B)の項の
数値に示される様に金属フエネート１〜10重量％
と特定の界面活性剤0.7〜10重量％を共存含有す
る本発明の実施例のグリース組成物が比較例のグ
リース組成物に較べて耐水性が著しく優れている
事が確認された。
【表】
【表】
【表】
Claims (1)
- １ グリース組成物中に金属フエネート１〜10重
量％と、ポリ（オキシエチレンオキシプロピレ
ン）グリコールモノエーテル、脂肪酸ポリエチレ
ングリコールエステルおよび脂肪酸グリセリンエ
ステルよりなる群から選択された１種または２種
以上の界面活性剤、それぞれ0.7〜10重量％を共
存含有させたことを特徴とする耐水性グリース組
成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18755880A JPS57111395A (en) | 1980-12-29 | 1980-12-29 | Water-resistant grease composition |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18755880A JPS57111395A (en) | 1980-12-29 | 1980-12-29 | Water-resistant grease composition |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS57111395A JPS57111395A (en) | 1982-07-10 |
| JPH028639B2 true JPH028639B2 (ja) | 1990-02-26 |
Family
ID=16208174
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18755880A Granted JPS57111395A (en) | 1980-12-29 | 1980-12-29 | Water-resistant grease composition |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS57111395A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS60149696A (ja) * | 1984-01-13 | 1985-08-07 | Idemitsu Kosan Co Ltd | グリ−ス組成物 |
| JP4641336B2 (ja) * | 2000-08-10 | 2011-03-02 | 協同油脂株式会社 | グリース組成物 |
| JP5038719B2 (ja) * | 2004-10-18 | 2012-10-03 | 日本精工株式会社 | 車輪支持用転がり軸受用耐水性グリース組成物及び車輪支持用転がり軸受 |
| JP6683484B2 (ja) * | 2016-01-22 | 2020-04-22 | シェルルブリカンツジャパン株式会社 | グリース組成物 |
| JP6660836B2 (ja) * | 2016-07-15 | 2020-03-11 | 協同油脂株式会社 | 難燃性グリース組成物 |
Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4911608A (ja) * | 1972-05-24 | 1974-02-01 | ||
| JPS5417903A (en) * | 1977-07-11 | 1979-02-09 | Chuo Yuka | Lithium soappbase lubricating grease compositions |
-
1980
- 1980-12-29 JP JP18755880A patent/JPS57111395A/ja active Granted
Patent Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4911608A (ja) * | 1972-05-24 | 1974-02-01 | ||
| JPS5417903A (en) * | 1977-07-11 | 1979-02-09 | Chuo Yuka | Lithium soappbase lubricating grease compositions |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS57111395A (en) | 1982-07-10 |
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