JPH028525Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、小型モータを収納する下ケースと、
該下ケースを閉塞する上ケースとを有する各種電
気機器に小型モータを取付けるための電気機器の
小型モータ保持構造の改良に関する。

（従来技術） 従来、各種電気機器の小型モータ保持構造の一
例として第１図イ，ロに示すものがあり、小型モ
ータ１を電気機器２の下ケース３内に収納し、該
モータ１の出力軸１ａ側の一方端側に取付けた断
面Ｌ字状の取付ブラケツト１０を該下ケース３に
ビス１１により固定し、小型モータ１を電気機器
２に保持させた構造である。尚、４は下ケース３
を閉塞する上ケースである。

しかしながらこの保持構造にあつては、小型モ
ータ１の支持が片持支持のため、モータ作動時に
出力軸１ａに連結した負荷（図示せず）により該
小型モータ１が動いてしまい電気機器２としての
モータ効率が低下すると共に、異音等が発生する
欠点もあつた。この小型モータ１の動きを阻止す
るためには取付ブラケツト１０の剛性を高める必
要があり、この為に取付ブラケツト１０の板厚を
増大させたり補強用リブ１０ａを複数個設ける
と、該ブラケツト１０の製作が面倒で且つ高価な
ものとなる欠点がある。

また、従来より第２図イ，ロに示す如く、小型
モータ１の両端側を支持するモータ受け部７，７
を夫々下ケース３に設けると共に、該小型モータ
１の上側外周中央部にクツシヨンラバー等の弾性
体１２を配設し、上ケース４を下ケース３に固定
する際にモータ受け部７，７に支持された小型モ
ータ１と該上ケース４とにより前記弾性体１２を
撓ませて該小型モータ１を挾圧保持せしめた電気
機器２の小型モータ保持構造も知られている。こ
の保持構造の場合、小型モータ１の支持は両端支
持のため該モータ１は安定して保持されるが、し
かしながらこの保持構造にあつては、クツシヨン
ラバー等の弾性体１２が必要で高価なものとなり
且つ部品点数が増加する欠点があると共に、該弾
性体１２を小型モータ１の外周或いは上ケース４
の内面に位置を定めて接着等により仮止めさせる
必要があり、その仮止め作業が面倒なものであつ
た。

（考案の目的） 本考案は、上述した従来の電気機器の小型モー
タ保持構造を改良してその欠点を解消し、製作並
びに取付作業が簡単であり且つ部品点数が増加せ
ず安価なものとなり、しかも小型モータを安定し
て保持することができる電気機器の小型モータ保
持構造を提供することを目的とするものである。

（考案の構成） 本考案に係る電気機器の小型モータ保持構造
は、小型モータの一方端側を取付ブラケツトを介
して下ケースに固定すると共に、該モータの他方
端側の合成樹脂からなるエンドカバーに、該エン
ドカバーの半径方向に突出し前記下ケースを閉塞
する上ケースの内面に当接し得る複数の弾性を有
する係止片を型成形により一体に形成し、前記下
ケースに設けられ前記エンドカバーを支持するモ
ータ受け部と前記上ケースとにより前記各係止片
を弾性変形させて該エンドカバーを挾圧保持せし
めるように構成したことを特徴としている。

（実施例） 以下、本考案を第３図乃至第５図に基づいて説
明する。

第３図は本考案に係る電気機器の小型モータ保
持構造の一実施例を示す一部断面正面図、第４図
は第３図のＡ方向矢視図、第５図は本考案の要部
を示す分解斜視図である。

第３図乃至第５図において、１は各種電気機器
２に使用される小型モータであり、該電気機器２
は前記小型モータ１を収納する下ケース３と、該
下ケース３を閉塞する上ケース４とを有する。小
型モータ１の出力軸１ａには負荷（図示せず）が
連結されており、該モータ１の出力軸１ａ側の一
方端側（第３図の左側）には断面Ｌ字状の取付ブ
ラケツト５が取付けられている。また、反出力軸
１ａ側のモータのエンドカバー６は合成樹脂材か
らなり、このエンドカバー６には、その側面６ａ
上部から半径方向に突出し前記上ケース４の内面
４ａに当接し得る複数の弾性を有する係止片７，
７を型成形により一体に形成してある。８は前記
下ケース３に設けられ前記エンドカバー６を支持
するモータ受け部である。

小型モータ１の電気機器２への取付けは、ま
ず、該モータ１のエンドブラケツト６を下ケース
３のモータ受け部８で支持させ、前記取付ブラケ
ツト５に穿設した透孔５ａにビス９を挿通し、該
ビス９を下ケース３に形成した雌ねじ３ａに螺合
することにより、小型モータ１の出力軸１ａ側の
一方端側を下ケース３に固定する。次に、上ケー
ス４を下ケース３にビス等で固定することによ
り、エンドカバー６がモータ受け部８で支持され
ているため複数の弾性を有する係止片７，７が弾
性変形し、該エンドカバー６は各係止片７の弾撥
力によりモータ受け部８と上ケース４間で挾圧保
持され、取付けが完了する。尚、各係止片７は上
ケース４が下ケース３に固定された際にその弾性
限界内で変形し得るようにエンドカバー６の側面
６ａからの突出方向及び長さを適宜定める。ま
た、小型モータ１の第５図に示す矢印方向の微調
整は前記透孔５ａを長孔に形成しておけばモータ
受け部８を回動支点として容易に行なうことがで
きる。

この電気機器の小型モータ保持構造にあつて
は、小型モータ１の作動時に出力軸１ａに連結し
た負荷により該モータ１に作用する力は取付ブラ
ケツト５と複数の弾性を有する係止片７，７の双
方で分担して受けるので、取付ブラケツト５は第
１図イ，ロに示す従来例の如く取付ブラケツト１
０の剛性を高めるため該ブラケツト１０の板厚を
増大させたり補強用のリブ１０ａを設ける要がな
く、該取付ブラケツト５の製作が簡単であり且つ
安価に得られる。また、各係止片７は型成形によ
りエンドカバー６と一体に形成したので、第２図
イ，ロに示す従来例に比し小型モータ１の取付作
業が簡単になると共に部品点数が減少する。しか
も、小型モータ１の支持は両端支持のため該モー
タ１は安定して保持される。

尚、本実施例においては係止片７を２個とし該
両係止片７を夫々エンドカバー６の側面６ａの上
部から半径方向に突出させて形成したが、係止片
７を３個以上とし、且つ各係止片７をエンドカバ
ー６の外周面６ｂから半径方向に突出させて形成
しても良いことは勿論である。また、出力軸１ａ
を小型モータ１の一方端側から出した例を示した
が、該モータ１の他方端側のエンドカバー６から
該出力軸１ａを出しても良い。

（考案のの効果） 以上説明したように、本考案に係る電気機器の
小型モータ保持構造によれば、小型モータ１に作
用する力は取付ブラケツトと複数の弾性を有する
係止片の双方で分担して受けるので、取付ブラケ
ツトの剛性をあまり高める必要がなく該ブラケツ
トの製作が簡単であり且つ安価に得られる。ま
た、各係止片は型成形によりエンドカバーと一体
に形成したので小型モータの取付作業を簡単に行
なうことができると共に部品点数が減少する。し
かも小型モータの支持は両端支持のため該モータ
は安定して保持される等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは夫々従来の電気機器の小型モー
タ保持構造を示す一部断面正面図及び一部断面側
面図、第２図イ，ロは夫々他の従来の電気機器の
小型モータ保持構造を示す一部断面正面図及び一
部断面側面図、第３図は本考案に係る電気機器の
小型モータ保持構造の一実施例を示す一部断面正
面図、第４図は第３図のＡ方向矢視図、第５図は
本考案の要部を示す分解斜視図である。尚、図
中、同一符号は同一もしくは均等部分を示す。 １……小型モータ、２……電気機器、３……下
ケース、４……上ケース、４ａ……内面、５……
取付ブラケツト、６……エンドカバー、７……係
止片、８……モータ受け部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小型モータを収納する下ケースと、該下ケース
   を閉塞する上ケースとを有する電気機器におい
   て、前記小型モータの一方端側を取付ブラケツト
   を介して前記下ケースに固定すると共に、該モー
   タの他方端側の合成樹脂材からなるエンドカバー
   に、該エンドカバーの半径方向に突出し前記上ケ
   ースの内面に当接し得る複数の弾性を有する係止
   片を型成形により一体に形成し、前記下ケースに
   設けられ前記エンドカバーを支持するモータ受け
   部と前記上ケースとにより前記各係止片を弾性変
   形させて該エンドカバーを挾圧保持せしめたこと
   を特徴とする電気機器の小型モータ保持構造。