JPH0283396A - タンパク質の分離方法 - Google Patents

タンパク質の分離方法

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JPH0283396A
JPH0283396A JP23174588A JP23174588A JPH0283396A JP H0283396 A JPH0283396 A JP H0283396A JP 23174588 A JP23174588 A JP 23174588A JP 23174588 A JP23174588 A JP 23174588A JP H0283396 A JPH0283396 A JP H0283396A
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proteins
adsorbed
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JP23174588A
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Masuo Hasegawa
益男 長谷川
Susumu Kawase
川瀬 進
Atsushi Tarumoto
樽本 淳
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Soken Kagaku KK
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Soken Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、タンパク質の分離方法に関する。さらに詳し
くは本発明は、タンパク質を含有する溶液から、分離対
象のタンパク質を、官能基を表面こ何するポリマー粒子
を用いて分離・精製することを特徴とするタンパク質の
分離・精製する方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 近年、例えば遺伝子操作によるタンパク質の合成等のよ
うに新たな生物化学的な方法によってタンパク質を合成
する技術が急速に進歩している。
このような新たな技術の進歩に伴って、合成された複数
のタンパク質を含む混合体から所望のタンパク質を高収
率で簡単に分離しうるような方法の出現が望まれている
。すなわち、たとえば、大腸菌を利用した遺伝子組換え
法によって医薬原料を生産する場合、医薬原料として分
離回収する物質は、大腸菌が生産する何百種類のタンパ
ク質のうちの1〜2種類であり、これらのタンパク質を
高収率でかつ簡単に分離しうるような方法が求められて
いる。
従来、このようなタンパク質を分離回収する方法として
種々の方法が提案されている。たとえば、タンパク質を
含有する溶液に官能基を有するポリマー粒子を混合して
、タンパク質をポリマー粒子表面に吸着させた後、精密
濾過膜なとを用い、このタンパク質を吸着したポリマー
粒子と他の不用な成分とを分離し、次いでタンパク質を
吸着したポリマー粒子液に塩を加えたり、あるいはpH
値を変化させるなどの方法を利用してポリマー粒子に吸
着したタンパク質とポリマー粒子との結合を切断しタン
パク質を離脱させ、再度、精密濾過膜などを、用いて、
ポリマー粒子と離脱した目的のタンパク質とを分離する
という方法などが提案されている。
そして、これらの方法では、ポリマー粒子として、スチ
レン−ジビニルベンゼン系ポリマー等が使用されている
が、タンパク質吸着分離の選択比、ポリマー粒子の耐薬
品性、耐熱性、耐溶剤性などの点てこれらのポリマー粒
子の特性は充分とは言えない。
また、分離膜には、吸着されなかったタンパク質を完全
に透過するとの特性、ポリマー粒子は透過することがな
いとの特性が要求される。さらにタンパク質を吸着せず
、かつ膜およびポリマー粒子などの洗浄によって膜の特
性が損なわれないように、分離膜は、耐溶剤性、耐薬品
性を有する素材で形成されていることが要求される。
しかし、従来の分離膜は、上記の特性について充分であ
るとは言い難い。さらに、上記のようなタンパク質の分
離を行なう際の濾過方式としては、従来は供給液中の膜
を透過する成分の全てを透過させる全量濾過方式が一般
に採用されているが、この方式は膜の目づまりやケーキ
層により透過流速の著しい低下をひきおこすなど、効率
的な方法ではない。
以上のように従来のタンパク質の分離方法は技術的にま
だ問題点が多く、さらに効率的な方法の開発が望まれて
いた。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決し
ようとするものであって、タンパク質の混合溶液より一
部のタンパク質を効率よく分離回収する方法を提供する
ことを目的としている。
発明の概要 本発明に係るタンパク質の分離方法は、分離対象のタン
パク質を吸着しうる官能基を表面に有するポリマー粒子
と該分離対象のタンパク質を含有する溶液とを接触させ
、ポリマー粒子の表面に分離対象のタンパク質を吸着さ
せて後、該ポリマー粒子の粒径の3倍以下のポアサイズ
を有する透孔が設けられている分離膜を用いて、分離対
象のタンパク質が吸着されたポリマー粒子分散液とポリ
マー粒子に吸着されたタンパク質以外のタンパク質を含
有する溶液とを分離し、 次いで、分離されたポリマー粒子分散液中に含まれるポ
リマー粒子の表面に吸着している分離対象のタンパク質
を離脱させた後、該ポリマー粒子の粒径の3倍以下のポ
アサイズを有する透孔が設けられている分離膜を用いて
、離脱した分離対象のタンパク質とポリマー粒子とを分
離することを特徴としている。
本発明に係るタンパク質の分離方法は、分離対象のタン
パク質を吸着しうる官能基を表面に有するポリマー粒子
と該分離対象のタンパク質および緩衝液を含有する溶液
とを接触させ、ポリマー粒子の表面に分離対象のタンパ
ク質を吸着させて後、該ポリマー粒子の粒径の3倍以下
のポアサイズを有する透孔が設けられている分離膜を用
いて、分離対象のタンパク質が吸着されたポリマー粒子
の分散液より、ポリマー粒子に吸着されたタンパク質以
外のタンパク質を含有する溶液の少なくとも一部を分離
すると共に、残留している分散媒中に新たな緩衝液を添
加して該残留している分散媒中に含まれるポリマー粒子
に吸着されたタンパク質以外のタンパク質を希釈洗浄し
て、 次いで、新たに緩衝液が添加された分散液中のポリマー
粒子の表面に吸着している分離対象のタンパク質を離脱
させた後、該ポリマー粒子の粒径の3倍以下のポアサイ
ズを有する透孔が設けられている分離膜を用いて、離脱
した分離対象のタンパク質とポリマー粒子とを分離する
ことを特徴としている。
上記のタンパク質の分離方法は、それぞれの工程を独立
に行なうこともできるが、また連続的に行なうこともで
きる。
上記の本発明に係るタンパク質の分離方法においては、
上記のポリマー粒子が、加水分解可能なビニルシラン類
を含む重合性成分を乳化重合させると共に、該ビニルシ
ラン類の少なくとも一部を加水分解して架橋構造を形成
させた架橋重合体であることが好ましい。この架橋重合
体は粒子径が均一で、耐溶剤性に優れており、さらに、
タンパク質の吸着、脱着の選択性が非常に良好である。
また、濾過方式としてクロスフロ一方式を採用すること
が好ましく、この方式を採用することにより、従来の全
量濾過方式とは異なり、分散液は濾過膜と平行に流れる
ため、膜表面に形成されるケーキ層または濃厚層による
濾過抵抗を排除するので、膜の目づまりやケーキ層の形
成による濾過流速の低下が少なく効率的に濾過を行なう
ことができる。
さらに分散膜としてタンパク質の吸着がなく、濾過効率
の良好なポアサイズを有するセラミック膜を使用するこ
とかでき、このようなセラミック膜を利用することによ
りタンパク質の分離をより効率的に行なうことができる
発明の詳細な説明 以下本発明に係るタンパク質の分離方法について具体的
に説明する。
本発明に係るタンパク質の分離方法においては、分離対
象となるタンパク質を吸着しうる官能基を有するポリマ
ー粒子が用いられる。このポリマー粒子は、その表面に
官能基として第4級アミン基、第3級アミン基などのカ
チオン基、あるいはスルフォン酸基、カルボン酸基、ン
ラノール基などのアニオン基を有している。
このように表面に分離対象となるタンパク質を吸着しう
る官能基を有するポリマー粒子は、その表面が荷電を帯
びており、このため特定のタンパク質がポリマー粒子に
電気的に結合し吸着される。
すなわち、タンパク質はpH値あるいはイオン強度に応
じて特定の電荷を有し、タンパク質は、表面に分離対象
となるタンパク質を吸着しつる官能基を有するポリマー
粒子表面に電気的に結合される。このようにpH値、イ
オン強度、温度など一定の環境条件を設定することによ
って特定のタンパク質をポリマー表面に選択的かつ効率
的に吸着させることができる。また、上記のような電気
的結合力を利用する他に、粒子間引力等の他の結合力も
利用することができる。
ポリマー粒子と分離対象のタンパク質とを接触させる方
法としては、ポリマー粒子と分離対象のタンパク質とを
含む溶液を混合し、ポリマー粒子を分散懸濁状態として
接触させる方法が一般的であるが、ポリマー粒子を流動
層として接触させる方法あるいはポリマー粒子を移動層
として接触させる方法なども用いることができる。
このようなポリマー粒子は、表面にタンパク質を吸着し
うる官能基を有するポリマーならば、どのようなポリマ
ーから構成されていてもよい。このようなポリマーの具
体的な例としては、スチレンと、(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも一種とからな
る共重合体をベースポリマーとし、ジビニルベンゼンに
より架橋したポリマー、あるいは加水分解可能なビニル
シラン類を含む重合性成分を乳化重合させるとともに、
該ビニルシラン類の少なくとも一部を加水分解して架橋
構造を形成させた架橋重合体を挙げることができる。こ
のうち特に加水分解可能なビニルシラン類を含む重合性
成分を乳化重合させるとともに、該ビニルシラン類の少
なくとも一部を加水分解して架橋構造を形成させた架橋
重合体が好ましい。
この架橋重合体は、加水分解可能なビニルシラン類の1
1独重合体であってもよく、あるいはビニルシラン類と
それと共重合可能なとニルモノマーとの共重合体であっ
てもよい。
上記のような架橋重合体の製造に用いられる加水分解可
能なビニルシラン類は、ビニル基、加水分解可能な基お
よびケイ素原子を含む化合物である。そして、通常は加
水分解可能な基は、ケイ素原子に結合している。
本発明で用いることができる加水分解可能なビニルシラ
ン類は、次式[I]で表わすことができる。
ここで、A1は、ビニル基などの反応性二重結合を有す
る基であり、このビニル基などの反応性二重結合が、置
換若しくは無置換のアルキレン基あるいはアリーレン基
などの2価の基を介してケイ素原子と結合していてもよ
く、また二重結合を構成する炭素に結合している水素原
子が置換若しくは無置換のアルキル基あるいはアリール
基で置換されていてもよい。式[1]におけるA1の具
体的な例としては、アクリロキシアルキル基、メタクリ
ロキシアルキル基およびアルケニル基を挙げることがで
きる。
また、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換若しく
は無置換の炭化水素基、アルキルシラン基、フェニルシ
ラン基およびアルキルフェニルシラン基を表わす。さら
に、mは、0.1および2の内のいずれかの数である。
上記式[I]において、−(OR” )が加水分解可能
な基である。
架橋重合体の製造に用いることができる加水分解可能な
ビニルシラン類の具体的な例を以下に示す。
ただし、式[11]において、R3は、水素原子若しく
はメチル基を表わし、RR及びR6は、それぞれ独立に
、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基若しくはア
ルキルフェニル基を表わす。また、nは、1〜18の整
数である。
ただし、式[I11]において、R7は、水素原子若し
くはメチル基を表わし、R8は、メチル基若しくはエチ
ル基を表わし、RおよびR10は、それぞれ独立に、炭
素数1〜18のアルキル基、フェニル基若しくはアルキ
ルフェニル基を表わす。
また、nは、1〜18の整数である。
・・・ [■コ ただし、式[IV]において、R11は、水素原子若し
くはメチル基を表わし、RR及びRは、それぞれ独立に
、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基若しくはア
ルキルフェニル基を表わす。また、nは、1〜18の整
数である。
・・・ [V] ただし、式[V]において、R15は、水素原子若しく
はメチル基を表わし、RR及びRは、それぞれ独立に、
炭素数1〜18のアルキル°基、フェニル基若しくはア
ルキルフェニル基を表わす。また、nは、1〜18の整
数であり、mは、1〜60の整数である。
上記式[Nあるいは式[II]〜[V]で表わされる加
水分解可能なビニルシラン類のうち、特に本発明におい
て用いるのが好ましい化合物の例としては、γ−(メタ
)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(メトキシエト
キシ)シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメ
チルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピ
ルメチルジェトキシシラン、γ−”(メタ)アクリロキ
ンオクチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシエチルトリブトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
ラウリルプロポオキシジメトキシシラン、ビニルメチル
ジメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキ
シ)シランおよび2−スチリルエチルトリメトキシシラ
ンを挙げることができる。上記の化合物は単独で、ある
いは組合わせて使用することかできる。
架橋重合体粒子の製造においては、上記の加水分解可能
なビニルシラン類を単独で使用することもてきるか、さ
らにこのビニルシラン類と共重合可能なビニルモノマー
とを組合わせて用いることもできる。
共重合に使用することができるビニルモノマーとしては
、アクリル系単量体およびその他のビニル系単量体を使
用することが好ましい。
アクリル系単量体の具体的な例としては、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸ブチルおよび(メタ)アクリル酸ラウリルなど
の(メタ)アクリル酸アルキル; (メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシメチルおよび(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
アルキル;トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリ
レートおよびトリメチロールエタンモノ(メタ)アクリ
レートなどの多価アルコールの(メタ)アクリル酸モノ
エステル;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レートおよびポリプロピレングリコールモノ(メタ)ア
クリレートなどのポリアルキレングリコールの(メタ)
アクリレート;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレ
ート;(メタ)アクリルアミドならびにグリシジル(メ
タ)アクリレートを挙げることがてきる。さらに上5己
のヒドロキシアルキル 多価アルコールの(メタ)アクリル酸のモノエステルお
よびポリアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸モ
ノエステルのアルキルエーテルを挙げることができる。
その他のビニル系単量体の例としては、ビニルピリジン
、ビニルピロリドン、酢酸ビニル、アクリロニトリルの
ほかスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエンおよび
α−メチルスチレンなどのスチレン誘導体、ブタジェン
、イソプレン、クロロブレンなどの共役ジエン単量体、
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリ
デン等のハロゲン化ビニル及びビニリデン類を挙げるこ
とができ、さらにその他のビニル系単量体としてジビニ
ルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
トおよびトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ートなどの2個以上のビ゛ニル基を有する化合物を使用
することもてきる。
これらのその他のビニル系単量体は、単独で、あるいは
組合わせて使用することができる。
ビニルモノマーを用いる場合に特に好ましいのは(メタ
)アクリル酸アルキルである。また、ビニルモノマーと
して水酸基、エポキシ基、アミノ基およびアルキルアミ
ノ基などの極性基を有するビニルモノマーを併用するこ
とにより得られる架橋重合体粒子中における架橋密度が
高くなる傾向がある。
架橋重合体粒子を形成するために用いる重合性成分は、
上述のように加水分解可能なビニルシラン類を含み、こ
の加水分解可能なビニルシラン類は比較的少量であって
も良好に架橋構造を形成することができる。従って、重
合性成分中における上記加水分解可能なビニルシラン類
の含有率は、通常は0.1重量%以上であり、1重量%
以上であることが好ましい。0.1重量%より少ないと
本発明の架橋重合体粒子中に有効に架橋構造を形成する
ことができないことがあり、得られる架橋重合体粒子の
耐有機溶剤性が充分に向上しないことがあり好ましくな
い。
上記の加水分解可能なビニルシラン類と、このビニルシ
ラン類と共重合可能なビニルモノマーと上5己の加水分
解可能なビニルシラン類との両者を用いる場合、得られ
る架橋重合体粒子の耐有機溶剤性は、主に上記加水分解
可能なビニルシラン類によって付与される特性であるか
ら、この特性たけに着目すると、上記ビニルシラン類と
共重合可能なビニルモノマーの使用量は、少量であって
もよい。ただし、ビニルシラン類の使用量が多いと得ら
れる架橋重合体粒子に表われる性質が無機物質的になる
傾向があり、上記ビニルシラン類と共重合可能なビニル
モノマーの特性を有効に発現させ、かつ耐有機溶剤性な
との本発明の架橋重合体粒子の特性を維持するためには
、重合性成分中におけるこのビニルモノマ−の含有率を
25〜99、9重量%にすることが好ましく、さらに4
5〜99重量%にすることが特に好ましい。
架橋重合体粒子の製造は、上記の加水分解可能なビニル
シラン類、あるいはこのビニルシラン類と共重合可能な
ビニルモノマーと上記ビニルシラン類との両者を含む重
合性成分を水の存在下に乳化重合させると共に、上記ビ
ニルシラン類の少なくとも一部を加水分解して架橋構造
を形成させる。
本発明に係るタンパク質の分離方法においては、ポリマ
ー粒子として、ビニルシラン類として、γーメタアクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン等を使用し、それと
共重合可能なビニルモノマーとして、例えばメタアクリ
ル酸メチル、メタアクリルサン−2−ヒドロキシエチル
、スチレン、アクリルアミド、ジメチルアミノエチルメ
タクリレート、メタクリル酸等を使用して得られる架橋
共重合体が好ましく用いられる。特に本発明においては
、 γ−メタアクリロキシプロピルトリメトジシランとメタ
クリル酸メチルとの共重合体、γ−メタアクリロキシプ
ロピルトリメトジシランとメタクリル酸メチルとメタク
リル酸−2−ヒドロキシエチルとの共重合体、 γ−メタアクリロキシプロピルトリメトジシランとメタ
クリル酸メチルとジメチルアミノエチルメタクリレート
との共重合体、 γ−メタアクリロキシプロピルトリメトジシランとメタ
クリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体、 γ−メタアクリロキシプロピルトリメトジシランとメタ
クリル酸メチルとアクリルアミドとの共重合体、 γ−メタアクリロキシプロピルトリメトシンランとスチ
レンとメタクリル酸−2−ヒドロキシエチルとの共重合
体を使用することが好ましい。
上記のようなビニルモノマーは、ビニルシランの使用量
に対して、重量比で25〜99.9重量%、好ましくは
45〜99重量%であるような量で用いられることが望
ましい。
このようにして得られるポリマー粒子は、重合反応時に
使用した乳化剤、分散剤、オリゴマーなどが付着してい
ることがあり、このような場合には、ポリマー粒子を使
用前にエタノール、イソプロパツールなどの有機溶剤を
用い、充分洗浄することが好ましい。この際、ポリマー
粒子はアルコールなどの有機溶剤と接触するが、特に上
記のようなビニルシラン系架橋重合体は、耐溶剤性およ
び耐熱性に優れているため、上記のような溶剤との接触
によって溶解あるいは膨潤することはない。
また、ポリマー粒子は、タンパク質を吸着するためには
比表面積ができるだけ大きく、かつ粒子径か小さいこと
が望ましい。ただし、粒子径があまり小さいと取り扱い
が煩雑になることがあるので、本発明においてはポリマ
ー粒子としては、粒子径か通常は0.2〜10μm1好
ましくは0.4〜5μm程度であるポリマー粒子を用い
る。
さらに、本発明で用いられるポリマー粒子は、タンパク
質を選択的に吸着させたり、あるいは離脱させる段階で
、系のpH値を調整するため、酸またはアルカリあるい
は塩と接触することがあり、このため耐薬品性が要求さ
れるが、上記のようなビニルシラン系架橋重合体は耐薬
品性も優れている。
上記のような分離対象のタンパク質を吸着しつる官能基
を表面に有するポリマー粒子の表面に吸着対象のタンパ
ク質を吸着させる。
上記の吸着対象のタンパク質は、溶液として供給される
。このような吸着対象のタンパク質を含む溶液に特に制
限はなく、例えば血清等のような生物からの分離液ある
いは遺伝子組替え技術を利用して製造されたタンパク質
含有液等を使用することができる。このようなタンパク
質を含む液は緩衝液なとを用いて希釈されて使用される
上記のような分離対象のタンパク質を含有する溶液とポ
リマー粒子とは、この溶液とポリマー粒子とを混合する
方法、ポリマー粒子を移動層あるいは流動層として上記
溶液と接触させる方法などを採用して接触させることが
できる。なお、°上記の溶液とポリマー粒子どの接触の
際には、ポリマー粒子表面に存在している官能基の種類
に応じてpH値の調整あるいは塩類の添加の公知の方法
を利用して、吸着対象のタンパク質を含有する溶液をポ
リマー粒子に吸着対象のタンパク質が選択的に吸着する
条件にする。例えばγ−グロブリンとアルブミンとを含
む溶液から、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキ
シシランとポリメタクリル酸メチルとから合成されるビ
ニルシラン系架橋重合体からなるポリマー粒子を用いて
γ−グロブリンを分離する場合には、リン酸緩衝液を用
いて溶液のpH値を3〜11の範囲内に調整する。
上記のようにしてポリマー粒子と、吸着対象のタンパク
質を含む溶液とを接触させることによりポリマー粒子の
表面に吸着対象のタンパク質が選択的に吸着される。
次に上記のようにして、分離対象のタンパク質が吸着さ
れたポリマー粒子分散液とタンパク含有溶液とを特定の
分離膜を用いて分離する。あるいは分離対象のタンパク
質が吸着されたポリマー粒子の分散液とポリマー粒子に
吸着されたタンパク質以外のタンパク質を含有する溶液
の少なくとも一部を上記と同様の分離膜を用いて分離す
ると共に、分離された分散液にあらたに緩衝液を添加し
て、分散液中に含有されているポリマー粒子に吸着され
ていないタンパク質の濃度を低下させる。
この分離膜には、ポリマー粒子を透過せずに、タンパク
質は完全に透過すること、タンパク質を吸着しないこと
、洗浄作業に使用する溶剤におかされないこと、ポリマ
ー粒子からタンパク質を吸着、脱着させるために溶液に
添加される薬品におかされないことが要求される。本発
明においては、以上の条件に適合する分離膜として、ポ
リマー粒子の粒径の3倍以下のポアサイズを有する透孔
を有するセラミック膜が好ましく用いられる。さらに、
0.2〜15μmのポアサイズを有するセラミック膜が
好適である。
上記のような分離膜を用いたポリマー粒子分散液の分離
は、後述するようなりロスフロ一方式を採用することが
好ましい。
また、本発明においては、上記のような分離膜を利用し
て分離した吸着されないタンパク質を含有する溶液の量
に対応する量の緩衝液を分散液中に新たに添加して分散
液中に存在する吸着されないタンパク質の濃度を低下さ
せるように希釈洗浄を行なうこともてきる。
このような工程により分離された分散液は、スラリーの
状態で次の工程に移送される。なお、このスラリー状態
での移送は、上記の工程が全部終了してから行なうもで
きるし、さらに上記の工程を実施しながら、分散液の一
部を連続的に抜き出して次の工程に連続的に移送するこ
ともてきる。
また、連続的に分散液を抜き出す態様を採る場合、分離
対象のタンパク質を吸着しつる官能基を表面に存するポ
リマー粒子と該分離対象のタンパク質を含有する溶液と
の接触の際に、抜き取るポリマー粒子の量に対応する量
のポリマー粒子およびタンパク質を含有する溶液を連続
的に供給する。
次いで、上記のようにして分離されてスラリの状態で移
送されたポリマー粒子分散液中のポリマー粒子を、タン
パク質を吸着させた時の条件と異なった条件下に置くこ
とによって、該ポリマー粒子に吸着されたタンパク質を
ポリマー粒子から離脱させる。具体的には、表面にタン
パク質が吸着されたポリマー粒子を、該ポリマー粒子に
タンパク質を吸着させた時のpH値と異なる条件下にお
くか、あるいは該ポリマー粒子にタンパク質を吸着させ
た時と塩濃度を変化させるなどすればよい。
このようにしてポリマー粒子からタンパク質を離脱させ
た後、ポリマー粒子と分離対象のタンパク質とを、該ポ
リマー粒子の粒径の3倍以下のポアサイズを有する透孔
が設けられた分離膜を用いて分離する。
この分離の際に使用する分離膜としては、上記の工程で
用いた分離膜と同様の膜を用いることができる。
また、この分離の際には、後述するクロスフロ一方式を
採用することが好ましい。
このようにすれば、分離対象のタンパク質を高収率でか
つ簡単に分離することができる。
なお本発明では、ポリマー粒子と分離対象のタンパク質
との接触あるいはタンパク質が吸着されたポリマー粒子
からのタンパク質の離脱は、たとえばリン酸緩衝液等の
緩衝液中で行なう二とか好ましく、この緩衝液の濃度は
0.005〜0.5モル程度であることか好ましい。
次に本発明に係るタンパク質の分離方法についてフロー
チャートに言及しながら説明する。
第1図は分離方法を実施するための工程を示すフローチ
ャートの一例を示す図である。まず、pH値を調整する
ための緩衝液、分離対象のタンパク質と分離対象でない
タンパク質とを含むタンバク質混合液およびホッパー3
内のポリマー粒子を吸着槽1に仕込む。上記の成分を混
合撹拌することにより、ポリマー粒子の表面に分離対象
のタンパク質が吸着させる。
次にこの分散液を循環ポンプ4により分離塔5へ送り、
吸着槽1の間を循環させ、塔内のセラミック分離膜によ
り分散液を分離する。この分散液は完全にポリマー粒子
から分離されず、一部の分散液は残留するので、この残
留分散液中に含まれる吸着されないタンパク質を系外に
除去するために残留分散液中へ新たに緩衝液を注入し、
希釈洗浄を行なうダイヤフィルトレージョン法を採用す
ることが好ましい。この方法を採用することにより吸着
されないタンパク質を効率良く系外に分離することがで
きる。
このセラミック分離膜には、ポリマー粒子の粒径の3倍
以下のポアサイズを有する透孔が設けられている。この
ようにして分離対象のタンパク質を吸着したポリマー粒
子をもとの分散液と分離する。すなわち充分に洗浄され
た分散液中に分散された分離対象のタンパク質を吸着し
たポリマー粒子を得る。
次に分離対象のタンパク質が吸着されたポリマー粒子は
、充分に洗浄された分散液と共に溶離槽6に送られる。
溶離t!6では、洗浄された分散液に緩衝液あるいは塩
類などの離脱用の薬液を添加することにより、この分散
液のpH値などが一定の溶離条件に調整される。そして
、このような条件で撹拌を続けることによりポリマー粒
子に吸着されていた分離対象のタンパク質はポリマー粒
子から離脱して分散液中に溶解する。
次いで、離脱された分離対象のタンパク質とポリマー粒
子を含む分散液を循環ポンプ8により分離塔9へ送り、
溶離槽6の間で循環させる、そこでセラミック分離膜に
より、離脱された分離対象のタンパク質を含む溶液は、
ポリマー粒子から分離される。一方ポリマー粒子液は吸
着槽1へ循環送液され、再度分離対象のタンパク質を吸
着する。
次に、上記システムの分離塔における濾過方法として好
ましく採用されるクロスフロ一方式にっいて説明する。
第2図に分離器の断面図の一例を示す。分離器は円筒状
のハウジング11内に円筒状のセラミック膜12が設け
られ、塔下部にポリマー粒子分散iflが流入する入口
管13、塔上部には、濾過液を排出する出口管14およ
び濾過残液である濃縮された分散液をもとの吸着槽に戻
すための戻り管15を備えている。
ポリマー粒子分散液は、分離塔下部の入口管13より供
給され、円筒状のセラミック膜12の内部を上方に向っ
て流れる。他方、分散媒は、分散液の流れ方向とほぼ直
行する方向にセラミック膜]2の透孔を通ってハウジン
グ11内に流出する。このようにクロスフロ一方式にお
いては、被濾過液の流れる方向と濾過液の流出方向が直
行するために、被濾過液である分散液中のポリマー粒子
による分離膜の透孔入口近傍(セラミック膜の内周壁)
の堆積が少なくなり、また仮にポリマー粒子が堆積した
としても被濾過液によって濾過膜表面から除去され、濾
過膜表面が常に被濾過液で洗浄されるため、濾過効率が
良好に保持される。
そしてセラミック膜12で分離されたポリマー粒子ある
いは分散媒の少なくとも一部が濾過されて濃縮されたポ
リマー粒子の分散液は、戻り管15を通ってもとの吸着
槽へ循環される。
また、このようなりロスフロ一方式においては、濾液を
用いて濾過膜を間欠的に逆洗しながら濾過を行なうこと
ができるので、上記のような透孔近傍に堆積したポリマ
ー粒子を除去することができ、長時間連続的に分散液の
濾過を効率よく行なうことができる。
発明の効果 本発明に係るタンパク質の分屋方法は、官能基を表面に
有するポリマー粒子とタンパク質混合溶液とを混合して
、ポリマー粒子表面に分離対象のタンパク質を吸着させ
、次いで分離膜を用いて分離対象のタンパク質を吸着し
たポリマー粒子を分離するか、あるいは分離対象のタン
パク質を吸着したポリマー粒子の分散液を希釈洗浄し、
吸着されないタンパク質を系外へ除去する希釈洗浄する
第1段階およびポリマー粒子表面に吸着された分離対象
のタンパク質を離脱させて後、再度、分離膜を用いて、
離脱された分離対象のタンパク質をポリマー粒子から分
離する第2段階から構成されている。
このようにポリマー粒子によるタンパク質の吸着、離脱
とポリマー粒子の粒径の3倍以下のポアサイズを有する
透孔か設けられている分離膜を用いた分離法とを組合せ
た新規な構成によって、タンパク質混合溶液から分離対
象のタンパク質を選択的に効率よく、かつ、連続的に分
離することが可能となる。
さらに、ポリマー粒子としてビニルシラン系架橋重合体
粒子を用いた場合は、タンパク質の選択的な吸脱着性、
耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性などに優れること、また分
離膜としてセラミック膜を用いた場合は、タンパク質の
吸着がなく、透過率が優れること、さらにクロスフロ一
方式の濾過法を採用した場合は、目づまりやケーキ層の
形成による濾過速度の低下が少なくなるなどの利点があ
り、さらに格別の効果が得られる。
このように、本発明に係るタンパク質の分離方法は工業
的利用において、多くの優れた利点を有する方法である
(実施例) つぎに実施例により本発明を説明するが、本発明はこれ
らによって限定されるものではない。
実施例1 く吸着試験〉 ポリマー粒子として、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン10重量%とポリメタクリル酸メチル9
0重量%を用い、重合して得られたビニルシラン系架橋
重合体(以下r PMMAJと略記する)からなる充分
に洗浄した平均粒径0.4μmのPMMA粒子4,1g
を、N a 2 HP Oi。
6.03モル10と、KH2PO44,01モル/gと
からなる10ミリモル濃度のリン酸緩衝液36.1g中
に均一に分散させだ液(A液とする)を調製した。
一方、γ−グロブリン(ウシ)を0.077gとウシ血
清アルブミン(以下rBSAJと略記する)0.081
gとを10ミリモル濃度のリン酸緩衝液40.0g中に
溶解して、γ−グロブリンおよびBSAをそれぞれ0.
2重量96濃度で含むタンパク質溶液(B液とする)を
調製した。
次にA液80.OgとB液80.ogとを混合し、タン
パク質濃度が0.1ffii%て、かつ全タンパク質対
PMMA粒子の重量比が0.0387・1である分散液
を調製した。
この分散液に1.5NのNaOH水溶液と15Nのリン
酸水溶液を添加し、30分間隔でpH値を11〜3の範
囲で変化させて、PMMA粒子へBSAおよびγ−グロ
ブリンの各タンパク質を吸着させた。次いで孔径0.2
μmのセラミックフィルターを用いて濾過し、濾液中の
タンパク質の量を、高速液体クロマトグラフ装置を使用
して測定し、それより吸着量を求めた。
吸着量より次式により吸着量および選択比を求めた。
結果を第4図に示す。
吸着i(g) × 100 高速液体クロマトグラフ装置による分析条件は次の通り
であった。
カラム: ASAIII PAK G5−620、径7
’、6mmX長さ500 +nm 溶離液:1/15モルリン酸緩衝液、 115モルNa Cp液 流  量 :1.0m17分 圧  力 :40kg/c+& 温 度;室温 UV検出器:λ−250ron サンプル注入量=20μg く脱着試験〉 前記、吸着試験に用いたと同じA液をpH−6に調整し
た液100gと、B液を pH= 6に調整した液10
0gとを混合し、30分後に孔径0.2μmのセラミッ
クフィルターを用いてダイヤフィルトレージョンを行な
い、PMMA粒子に吸着されなかったタンパク質を系外
に排出した。
次いて残ったP MM A粒子の分散液に1.5NのN
aOH水溶液を添加し、30分間隔でpH値を7〜11
の範囲で変化させた。各pH値での分散液を前記吸着試
験と同様にして濾過し、得られたタンパク質溶液を分析
し、γ−グロブリンの脱着量を測定した。脱着量より回
収率を次式により求めた。
γ−グロブリンの投入量<g) × 100 脱着率の結果を第5図に、回収率の結果を第6図に示す
〈分離膜による透過試験〉 Na   HPO5,7g/D 、KH2PO43,6
g/(IおよびNaC4)115モルからなるpH−6
,8のリン酸緩衝液に、γ−グロブリン(ウシ)と、B
SAとを、それぞれ0.16重量%濃度になるように溶
解した液を使用して、分離膜として、孔径0.1μmの
高分子膜、孔径0.067μmの多孔質ガラス膜、孔径
0.05μmのセラミック膜を用いて、第3図に示すよ
うな試験装置により、各タンパク質の透過試験を行なっ
た。
すなわち、第3図に示す試験装置を用いて、γ−グロブ
リン(ウシ)とBSAとを試料タンク2に投入し、ビュ
レッl−1から2規定のリン酸緩衝液あるいは2規定の
水酸化ナトリウム溶液を加えて使用のpH値を3〜8.
4の範囲内で変動させた。この試料をポンプ3で分離膜
モジュール4に送り込んだ。この分離膜モジュール内に
は、セラミック膜、高分子膜、または多孔質ガラス膜か
装着されている。それぞれの膜を用い、循環液の圧力を
圧力調整バルブを用いて調整し、試料の濾過を行なった
。濾過膜を透過した試料の一部を透過液サンプルタンク
8に取り、循環液の一部を循環液サンプルタンク7に取
り、濾液(透過液)中のタンパク質含有量を上記吸着試
験と同様の方法で測定17、透過率を測定した。
その結果を第7図に示す。
実施例2 タンパク質としてγ−グロブリンとリゾチームを用いた
以外は実施例1と同様に、吸着試験を行なった。
吸着率と選択比の結果を第8図に示す。
以上の結果より、本発明に係るタンパク質の分離方法に
おいて、ポリマー粒子としてビニルシラン系架橋重合体
粒子を用いた場合、タンパク質の最大吸着量は0.01
8、gタンパク質/g−ポリマー粒子てあり、かつpH
値を調節することによりタンパク質の吸脱着が可能であ
った。従ってビニルシラン系架橋重合体粒子は、タンパ
ク質の分離剤として好適なポリマー粒子であることがわ
かつtこ。
また第7図に示すように、各種分離膜を用いた透過試験
の結果より、高分子膜はpH= 4〜8の全範囲にわた
りタンパク質の透過率は20〜40重量%、多孔質ガラ
ス膜は、タンパク質の等重点付近のpH値では透過率が
30〜50重量%であり、その他のpH値の範囲では透
過率は100%となった。セラミック膜はpH−4〜8
,4の全範囲にわたり透過率は80〜100%であった
上記の結果より分離膜としてはセラミック膜か好適であ
ることがわかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法において使用することができる
タンパク質の分離システムの一例を示すフローチャート
である。 1・・・吸着量    2・・・撹拌機モーター3・・
・ポリマー粒子ホッパー 4・・・循環ポンプ5・・・
分離塔      6・・・溶離槽7・・・撹拌機モー
ター  8・・・循環ポンプ9・・・分離塔 第2図は、本発明の方法において使用されるりロスフロ
一方式分離塔の断面図の一例を示す。 11・・・ハウジング 13・・・人口管 15・・・戻り管 12・・・セラミック膜 14・・・濾液出口管 第3図は、本発明の実施例において使用された透過試験
装置のフローチャートを示す。 1・・・ビューレット  2・・・試料タンク3・・・
ポンプ     4・・・分離膜モジュール6・・・圧
力調節バルブ 7・・・循環液サンプルタンク 8・・・透過液サンプルタンク およびBSAの脱着試験におけるpH値と脱着率との関
係を示すグラフである。 第6図は、PMMA粒子を使用したγ−グロブリンとB
SAとを含む溶液の脱着試験におけるpH値と脱着量と
の関係およびpH値と回収率の関係を示すグラフである
。 第7図は、各種分離膜を用いたγ−グロブリンとBSA
とを含む溶液の透過試験における pH値と透過率との
関係を示すグラフである。 第8図はPMMA粒子を使用したγ−グロブリン(ウシ
)とリゾチームとを含む溶液の吸着試験における pH
値と吸着率との関係およびpH値と選択比との関係を示
すグラフである。 第4図は、PMMA粒子を使用したγ−グロブリンとB
SAとを含む溶液の吸着試験におけるpH値と吸着率と
の関係およびpH値と選択比との関係を示すグラフであ
る。 第5図は、PMMA粒子からのγ−グロブリン代  理
  人

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)分離対象のタンパク質を吸着しうる官能基を表面
    に有するポリマー粒子と該分離対象のタンパク質を含有
    する溶液とを接触させ、ポリマー粒子の表面に分離対象
    のタンパク質を吸着させて後、該ポリマー粒子の粒径の
    3倍以下のポアサイズを有する透孔が設けられている分
    離膜を用いて、分離対象のタンパク質が吸着されたポリ
    マー粒子分散液とポリマー粒子に吸着されたタンパク質
    以外のタンパク質を含有する溶液とを分離し、 次いで、分離されたポリマー粒子分散液中に含まれるポ
    リマー粒子の表面に吸着している分離対象のタンパク質
    を離脱させた後、該ポリマー粒子の粒径の3倍以下のポ
    アサイズを有する透孔が設けられている分離膜を用いて
    、離脱した分離対象のタンパク質とポリマー粒子とを分
    離することを特徴とするタンパク質の分離方法。
  2. (2)分離対象のタンパク質を吸着しうる官能基を表面
    に有するポリマー粒子と該分離対象のタンパク質を含有
    する溶液とを連続的に接触させた後、前記分離膜を用い
    て、分離対象のタンパク質が吸着されたポリマー粒子分
    散液の一部を連続的にスラリー状態で分離し、 該分離されたポリマー粒子分散液を連続的にスラリー状
    態で移送すると共に該分散液中に含まれるポリマー粒子
    の表面に吸着している分離対象のタンパク質を連続的に
    離脱させた後、前記分離膜を用いて、離脱した分離対象
    のタンパク質とポリマー粒子とを連続的に分離すること
    を特徴とする請求項第1項に記載のタンパク質の分離方
    法。
  3. (3)該ポリマー粒子が、加水分解可能なビニルシラン
    類を含む重合性成分を乳化重合させると共に、該ビニル
    シラン類の少なくとも一部を加水分解して架橋構造を形
    成させてなる架橋重合体であることを特徴とする請求項
    第1項または第2項に記載のタンパク質の分離方法。
  4. (4)分離対象のタンパク質を吸着しうる官能基を表面
    に有するポリマー粒子と該分離対象のタンパク質および
    緩衝液を含有する溶液とを接触させ、ポリマー粒子の表
    面に分離対象のタンパク質を吸着させて後、該ポリマー
    粒子の粒径の3倍以下のポアサイズを有する透孔が設け
    られている分離膜を用いて、分離対象のタンパク質が吸
    着されたポリマー粒子の分散液より、ポリマー粒子に吸
    着されたタンパク質以外のタンパク質を含有する溶液の
    少なくとも一部を分離すると共に、残留している分散媒
    中に新たな緩衝液を添加して該残留している分散媒中に
    含まれるポリマー粒子に吸着されたタンパク質以外のタ
    ンパク質を希釈洗浄し、次いで、新たに緩衝液が添加さ
    れた分散液中のポリマー粒子の表面に吸着している分離
    対象のタンパク質を離脱させた後、該ポリマー粒子の粒
    径の3倍以下のポアサイズを有する透孔が設けられてい
    る分離膜を用いて、離脱した分離対象のタンパク質とポ
    リマー粒子とを分離することを特徴とするタンパク質の
    分離方法。
  5. (5)分離対象のタンパク質を吸着しうる官能基を表面
    に有するポリマー粒子と該分離対象のタンパク質および
    緩衝液を含有する溶液とを連続的に接触させた後、前記
    分離膜を用いて、分離対象のタンパク質が吸着されたポ
    リマー粒子分散液の一部を連続的にスラリー状態で分離
    すると共に、残留している分散媒中に新たな緩衝液を添
    加して該残留している分散媒中に含まれるポリマー粒子
    に吸着されたタンパク質以外のタンパク質を希釈洗浄し
    て、 該分離されたポリマー粒子分散液をスラリー状態で連続
    的に移送すると共に該分散液中に含まれるポリマー粒子
    の表面に吸着している分離対象のタンパク質を連続的に
    離脱させた後、前記分離膜を用いて、離脱した分離対象
    のタンパク質とポリマー粒子とを連続的に分離すること
    を特徴とする請求項第4項に記載のタンパク質の分離方
    法。
  6. (6)該ポリマー粒子が、加水分解可能なビニルシラン
    類を含む重合性成分を乳化重合させると共に、該ビニル
    シラン類の少なくとも一部を加水分解して架橋構造を形
    成させてなる架橋重合体であることを特徴とする請求項
    第4項または第5項に記載のタンパク質の分離方法。
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