JPH0280834A - 車両用遊星歯車式変速装置 - Google Patents

車両用遊星歯車式変速装置

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JPH0280834A
JPH0280834A JP63231152A JP23115288A JPH0280834A JP H0280834 A JPH0280834 A JP H0280834A JP 63231152 A JP63231152 A JP 63231152A JP 23115288 A JP23115288 A JP 23115288A JP H0280834 A JPH0280834 A JP H0280834A
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JP
Japan
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gear
carrier
sun gear
planetary
sun
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Application number
JP63231152A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Asada
壽幸 浅田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Publication of JPH0280834A publication Critical patent/JPH0280834A/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、自動車や鉄道車両などの車両において原動機
と駆動輪との間に設けられる遊星歯車式変速装置の改良
に関するものである。
従来の技術 車両においては、予め定められた複数のギヤ段を自動的
に選択をするために好適な遊星歯車式変速装置が多用さ
れている。このような遊星歯車式変速装置では、節単且
つ小型であって、変速比幅を大きくとり得、且つ変速制
御が容易であることが望まれる。
これに対し、たとえば、特開昭51−17767号公報
、特開昭51−48062号公報、特開昭51−108
168号公報、特開昭51〜l08170号公報に、何
れも第1実施例として記載されているように、2つのシ
ングルピニオン型の遊星歯車装置と1つのダブルビニオ
ン型の遊星歯車装置とを連ねて配列した車両用遊星歯車
式変速装置が提案されている。これによれば、比較的構
造が簡単になるとともに、前進5段の変速ギヤ段が得ら
れて幅広い変速比範囲を確保できる。また、上記各実施
例に用いられている遊星歯車装置のギヤ比ρ(サンギヤ
の歯数/リングギヤの歯数)は何れも0.3〜0.6の
範囲内で、変速装置の外径を比較的小さくできる利点が
ある。
発明が解決しようとする課題 ところで、このような車両用の変速装置においては、良
好な動力性能を得る上で、減速変速時における各変速ギ
ヤ段の変速比(入力部材の回転速度/出力部材の回転速
度)が等比級数に近い値となるように設定することが望
まれ、更に好ましくは隣あった変速ギヤ段の変速比の比
(段間比)が、変速比が大きい低速ギヤ段から変速比が
1に近くなる高速ギヤ段になるに従って徐々に小さくな
るようにすることが望まれるが、上述した各従来例にお
いては、何れも第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の変
速比幅が著しく狭く、乗用車などに搭載するには好まし
くなかった。なお、ただ単に変速比のみを所望する値に
設定しようとすると、遊星歯車装置のギヤ比ρが極端に
大きくなったり小さ(なったりして、変速装置の外径が
太き(なるという別の問題を生じるのである。
また、上記第1速ギヤ段から第2速ギヤ段へ変速する際
には、クラッチおよびブレーキを共に切り換える必要が
あり、計4個の係合要素の切換えが必要で、その切換え
制御が複雑になるという問題があった。特に、クラッチ
の切換えによって動力の入力経路を切り換える際には、
そのタイミングがずれるとエンジンが吹き上がったり変
速装置がロックしたりするため、微妙な切換え制御を行
う必要があった・ 本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その
目的とするところは、2つのシングルピニオン型の遊星
歯車装置と1つのダブルピニオン型の遊星歯車装置とを
配列した形式の変速装置において、各遊星歯車装置のギ
ヤ比ρを適切な範囲内に維持しつつ変速ギヤ段の変速比
を等比級数に近い値に設定できるとともに、変速時にお
けるクラッチやブレーキ等の係合装置の切換え制御を簡
単且つ容易とすることが可能な車両用遊星歯車式変速装
置を提供することにある。
課題を解決するだめの手段 斯る目的を達成するために、本発明の第1の手段は、(
a)第1サンギヤ、その第1サンギヤに噛み合う第1遊
星歯車、その第1遊星歯車に噛み合う第1リングギヤ、
および前記第1遊星歯車を回転可能に支持する第1キャ
リヤを備えたシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と
、(b)第2サンギヤ、互いに噛み合うとともに一方が
その第2サンギヤに噛み合う少なくとも一対の第2遊星
歯車、その第2遊星歯車の他方と噛み合う第2リングギ
ヤ、および前記第2遊星歯車を回転可能に支持する第2
キャリヤを備えたダブルピニオン型の第2遊星歯車装置
と、(C)第3サンギヤ、その第3サンギヤに噛み合う
第3遊星歯車、その第3遊星歯車に噛み合う第3リング
ギヤ、および前記第3遊星歯車を回転可能に支持する第
3キャリヤを備えたシングルピニオン型の第3遊星歯車
装置とが同じ軸線上に順次設けられ、入力部材の回転を
段階的に変速して出力部材へ伝達する形式の車両用遊星
歯車式変速装置において、(d)前記第1サンギヤと第
2キャリヤとを互いに連結し、前記第1リングギヤと第
2リングギヤと第3キャリヤとを互いに連結し、前記第
2サンギヤと第3サンギヤとを互いに連結し、前記第3
リングギヤと出力部材とを互いに連結する一方、(e)
前記第1サンギヤおよび第2キャリヤを前記入力部材に
選択的に連結する第1係合装置と、前記第1キャリヤを
その入力部材に選択的に連結する第2係合装置と、前記
第2サンギヤおよび第3サンギヤをその入力部材に選択
的に連結する第3係合装置と、前記第1キャリヤを位置
固定部材に選択的に連結する第4係合装置と、前記第1
リングギヤ、第2リングギヤおよび第3キャリヤを位置
固定部材に選択的に連結する第5係合装置と、前記第2
サンギヤおよび第3サンギヤを位置固定部材に選択的に
連結する第6係合装置とを設けたことを特徴とする。
また、本発明の第2の手段は、上記(a)第1遊星歯車
装置と、(b)第2遊星歯車装置と、(C)第3遊星歯
車装置とが同じ軸線上に順次設けられ、入力部材の回転
を段階的に変速して出力部材へ伝達する形式の車両用遊
星歯車式変速装置において、げ)前記第1サンギヤと第
2キャリヤとを互いに連結し、前記第1キャリヤと第3
リングギヤと出力部材とを互いに連結し、前記第2サン
ギヤと第3サンギヤとを互いに連結し、前記第2リング
ギヤと第3キャリヤとを互いに連結する一方、((至)
前記第1サンギヤおよび第2キャリヤを前記入力部材に
選択的に連結する第1係合装置と、前記第1リングギヤ
をその入力部材に選択的に連結する第2係合装置と、前
記第2サンギヤおよび第3サンギヤをその入力部材に選
択的に連結する第3係合装置と、前記第1リングギヤを
位置固定部材に選択的に連結する第4係合装置と、前記
第2リングギヤおよび第3キャリヤを位置固定部材に選
択的に連結する第5係合装置と、前記第2サンギヤおよ
び第3サンギヤを位置固定部材に選択的に連結する第6
係合装置とを設けたことを特徴とする。
なお、上記第1の手段、第2の手段における6つの係合
装置は、それぞれが設けられた要素間を選択的に連結、
すなわち適宜係合解除させるものであり、多板式或いは
ハンド式のクラッチやブレーキ、一方向クラッチ、或い
はそれ等の組合せなどにより適宜構成され得る。また、
各係合装置は、独立に構成されるだけでなく、複数の係
合装置が複数の機能を備えた単一の製品により構成され
る場合もある。
作用 上記第1の手段による車両用遊星歯車式変速装置におい
ては、第1および第4係合装置によって、入力部材と第
1サンギヤおよび第2キャリヤとの間、および、第1キ
ャリヤと位置固定部材との間が同時に連結されると、最
も大きい変速比の第1速ギヤ段が得られる。第1および
第5係合装置によって、入力部材と第1サンギヤおよび
第2キャリヤとの間、および、第1、第2リングギヤお
よび第3キャリヤと位置固定部材との間が同時に連結さ
れると、第1速ギヤ段よりも小さい変速比の第2速ギヤ
段が得られる。第1および第6係合装置によって、入力
部材と第1サンギヤおよび第2キャリヤとの間、および
、第2、第3サンギヤと位置固定部材との間が同時に連
結されると、第2速ギヤ段よりも小さい変速比の第3速
ギヤ段が得られる。第1および第2係合装置によって、
入力部材と第1サンギヤおよび第2キャリヤとの間、お
よび、入力部材と第1キャリヤとの間が同時に連結され
ると、第3速ギヤ段よりも小さい変速比(=1.0)の
第4速ギヤ段が得られる。第2および第6係合装置によ
って、入力部材と第1キャリヤとの間、および、第2、
第3サンギヤと位置固定部材との間が同時に連結される
と、第4速ギヤ段よりも小さい変速比の第5速ギヤ段が
得られる。
そして、必要であれば、第2および第5係合装置によっ
て、入力部材と第1キャリヤとの間、および、第1、第
2リングギヤおよび第3キャリヤと位置固定部材との間
が同時に連結されることにより、第5速ギヤ段よりも小
さい変速比の第6速ギヤ段が得られる。なお、上記第4
速ギヤ段は、第1、第2、および第3係合装置のうちの
少なくとも2つによって、入力部材と第1サンギヤおよ
び第2キャリヤとの間、入力部材と第1キャリヤとの間
、および、入力部材と第2、第3サンギヤとの間のうち
の少なくとも2つが同時に連結されれば良く、第1およ
び第2係合装置に限定されるものではない。
また、第3および第5係合装置によって、入力部材と第
2、第3サンギヤとの間、および、第1、第2リングギ
ヤおよび第3キャリヤと位置固定部材との間が同時に連
結されると後進ギヤ段が得られる。そして、必要に応じ
て第3および第4係合装置によって、入力部材と第2、
第3サンギヤとの間、および、第1キャリヤと位置固定
部材との間が同時に連結されると、上記後進ギヤ段より
も変速比の大きい第2の後進ギヤ段が得られる。
一方、第2の手段による車両用遊星歯車式変速装置にお
いては、第1および第4係合装置によって、入力部材と
第1サンギヤおよび第2キャリヤとの間、および、第1
リングギヤと位置固定部材との間が同時に連結されると
、最も大きい変速比の第1速ギヤ段が得られる。第1お
よび第5係合装置によって、入力部材と第1サンギヤお
よび第2キャリヤとの間、および、第2リングギヤおよ
び第3キャリヤと位置固定部材との間が同時に連結され
ると、第1速ギヤ段よりも小さい変速比の第2速ギヤ段
が得られる。第1および第6係合装置によって、入力部
材と第1サンギヤおよび第2キャリヤとの間、および、
第2、第3サンギヤと位置固定部材との間が同時に連結
されると、第2速ギヤ段よりも小さい変速比の第3速ギ
ヤ段が得られる。第1および第2係合装置によって、入
力部材と第1サンギヤおよび第2キャリヤとの間、およ
び、入力部材と第1リングギヤとの間が同時に連結され
ると、第3速ギヤ段よりも小さい変速比(−1,0)の
第4速ギヤ段が得られる。第2および第6係合装置によ
って、入力部材と第1リングギヤとの間、および、第2
、第3サンギヤと位置固定部材との間が同時に連結され
ると、第4速ギヤ段よりも小さい変速比の第5速ギヤ段
が得られる。そして、必要であれば、第2および第5係
合装置によって、入力部材と第1リングギヤとの間、お
よび、第2リングギヤおよび第3キャリヤと位置固定部
材との間が同時に連結されることにより、第5速ギヤ段
よりも小さい変速比の第6速ギヤ段が得られる。なお、
上記第4速ギヤ段は、第1、第2、および第3係合装置
のうちの少なくとも2つによって、入力部材と第1サン
ギヤおよび第2キャリヤとの間、入力部材と第1リング
ギヤとの間、および、入力部材と第2、第3サンギヤと
の間のうちの少なくとも2つが同時に連結されれば良く
、第1および第2係合装置に限定されるものではない。
また、第3および第5係合装置によって、入力部材と第
2、第3サンギヤとの間、および、第2リングギヤおよ
び第3キャリヤと位置固定部材との間が同時に連結され
ると後進ギヤ段が得られる。
そして、必要に応じて第3および第4係合装置によって
、入力部材と第2、第3サンギヤとの間、および、第1
リングギヤと位置固定部材との間が同時に連結されると
、上記後進ギヤ段よりも変速比の大きい第2の後進ギヤ
段が得られる。
実施例 以下、本発明の幾つかの実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。
第1図は、本発明の第1の手段による車両用遊星歯車式
変速装置の一例を示す骨子図で、この車両用遊星歯車式
変速装置(以下、単に変速装置という)10は、車体に
取り付けられたトランスミッションケース12内におい
て共通の軸線上に順次配列された入力軸14、第1遊星
歯車装置16、第2遊星歯車装置18、第3遊星歯車装
置20、および出力歯車22を備えている。人力軸14
は、トルクコンバータ24を介して車両のエンジン26
に連結され、出力歯車22は、図示しない差動歯車装置
を介して車両の駆動輪へ連結されるものである。本実施
例では、上記入力軸14および出力歯車22が入力部材
および出力部材にそれぞれ対応する。また、トランスミ
ッションケース12は、位置固定部材に対応する。なお
、変速装置10およびトルクコンバータ24は軸線に対
して線対称に構成されているため、第1図の骨子図にお
いては、軸線の下側が省略して示されている。
上記第1遊星歯車装置16および第3遊星歯車装置20
は、それぞれよく知られたシングルピニオン型の遊星歯
車装置を構成している。第1遊星歯車装置16は、第1
サンギヤ16s、第1遊星歯車16P、第1キャリヤ1
6c、および第11Jングギヤ16rを備えており、第
1キャリヤ16Cにより回転可能に支持された第1遊星
歯車16Pは第1サンギヤ16sと第1リングギヤ16
rとの間に位置してそれ等と噛み合わされている。
また、第3遊星歯車装置20は、第3サンギヤ20s、
第3遊星歯車20p、第3キャリヤ20c、および第3
リングギヤ20rを備えており、第3キャリヤ20cに
より回転可能に支持された第3遊星歯車20Pは第3サ
ンギヤ20sと第3リングギヤ2Orとの間に位置して
それ等と噛み合わされている。
一方、第2遊星歯車装置18はダブルピニオン型の遊星
歯車装置であって、第2サンギヤ18s、互いに噛み合
う少なくとも一対の第2遊星歯車18p、第2キャリヤ
18c、および第2リングギヤ18rを備えており、第
2キャリヤ18cにより回転可能に支持された少なくと
も一対の第2遊星歯車18Pば第2サンギヤ18sと第
2リングギヤ18rとの間に位置して、その一対の第2
遊星歯車18pの一方は第2サンギヤ18sと噛み合わ
され、他方は第2リングギヤ18rと噛み合わされてい
る。
また、かかる変速装置10は、その第1サンギヤ16s
と第2キャリヤ18cとが互いに一体的に連結され、第
1リングギヤ16rと第2リングギヤ18rと第3キャ
リヤ20cとが互いに一体的に連結され、第2サンギヤ
18sと第3サンギヤ20sとが互いに一体的に連結さ
れ、第3リングギヤ20rと出力歯車22とが互いに一
体的に連結されている。
そして、第1サンギヤ16sおよび第2キャリヤ18c
を前記入力軸14に選択的に連結する第1クラツチに1
と、第1キャリヤ16cを入力軸14に選択的に連結す
る第2クラツチに2と、第2サンギヤ18sおよび第3
サンギヤ20sを入力軸14に選択的に連結する第3ク
ラツチに3と、第1キャリヤ16cをトランスミッショ
ンケース12に選択的に連結する第1ブレーキB1と、
第1リングギヤ16rと第2リングギヤ18rと第3キ
ャリヤ20cをトランスミッションケース12に選択的
に連結する第2ブレーキB2と、第2サンギヤ18sお
よび第3サンギヤ20sをトランスミッションケース1
2に選択的に連結する第3ブレーキB3とが設けられて
いる。
上記第1クラツチに1、第2クラツチに2、第3クラツ
チに3、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブ
レーキB3は、従来の車両用自動変速機においてよく用
いられている形式の油圧アクチュエータにより作動させ
られるもの、例えば多板式のクラッチや1本または巻付
は方向が反対の2木のハンドを備えたハンドブレーキな
ど、或いは一方向クラッチ等により構成される。また、
第1クラツチに1と第1サンギヤ16sとの間、第2ク
ラツチに2と第1キャリヤ16cとの間、第3クラツチ
に3と第2サンギヤ18sとの間には、連結部材が必要
に応じて適宜膜けられ得る。
同様に、第1ブレーキB1と第1キャリヤ16cとの間
、第2ブレーキB2と第3キャリヤ20cとの間、第3
ブレーキB3と第3サンギヤ20sとの間、或いは各遊
星歯車装置16.18.20を構成する各要素の間、第
3リングギヤ20rと出力歯車22との間においても、
必要に応じて連結部材が介在させられ得る。本実施例で
は、」二記第1クラッチに1、第2クラツチに2、第3
クラツチに3、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、
第3ブレーキB3が、第1係合装置、第2係合装置、第
3係合装置、第4係合装置、第5係合装置、および第6
係合装置にそれぞれ対応する。
以上のように構成された変速装置10では、たとえば、
第2図のO印により作動状態が示されているように、前
記第1クラツチに1、第2クラツチに2、第3クラツチ
に3、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレ
ーキB3のうちの2つが同時に作動させられることによ
り、前進6段・後進2段の中から所望する変速ギヤ段が
成立させられるとともに、隣あった変速ギヤ段の切換え
に際しては2つの係合装置のうちの一方を他のものに切
り換えるだけで良い。第2図においては、第1遊星歯車
装置16のギヤ比ρ1が0.317、第2遊星歯車装置
18のギヤ比ρ2が0.507、第3遊星歯車装置20
のギヤ比ρ3が0.471の場合における各変速ギヤ段
の変速比(入力軸14の回転速度/出力歯車22の回転
速度)が示されている。これは、シングルピニオン型の
第1遊星歯車装置16、第3遊星歯車装置20における
リングギヤの回転数NR、キャリヤの回転数N。、およ
びサンギヤの回転数N、は、そのギヤ比をρとすると次
式(1)で表される一方、ダブルピニオン型の第2遊星
歯車装置18におけるリングギヤの回転数NR、キャリ
ヤの回転数N6、およびサンギヤの回転数N、は、その
ギヤ比をρとすると次式(2)で表され、かかる(1)
式および(2)式に基づいて求められる。なお、第1サ
ンギヤ16sの歯数をZ I S %第1リングギヤ1
6rの歯数をZlr、第2サンギヤ18sの歯数をZ2
s、第2リングギヤ18rの歯数をZ2rs第3サンギ
ヤ20sの歯数を23s、第3リングギヤ2Orの歯数
をZ3rとすると、上記ギヤ比ρ、はZIs/ZIr、
ギヤ比ρ2はZ 2s/ Z 2r、ギヤ比ρ3はZ3
−/Z3rである。
NR−(1−M)NC−ρNS    ・・・(1)N
R=(1−ρ)NC+ρN、   ・・・(2)以下、
各変速ギヤ段の作動について説明する。
先ず、第1速ギヤ段の場合には、第1クラツチKlおよ
び第1ブレーキB1が作動させられることにより、入力
軸14と第1サンギヤ16sおよび第2キャリヤ18c
との間、および、第1キャリヤ16cとトランスミッシ
ョンケース12との間が連結される。これにより、入力
軸14に入力された動力は、第2キャリヤ18cから第
2遊星歯車18Pを介して第2サンギヤ18sに伝達さ
れ、第3サンギヤ20sから第3遊星歯車20pを介し
て、その一部は第3リングギヤ2Orおよび出力歯車2
2に伝達される一方、他の一部は第3キャリヤ20cか
ら第2リングギヤ18rおよび第1リングギヤ16rへ
伝達される。第1リングギヤ16rへ伝達された動力は
第1遊星歯車16pを介して第1サンギヤ16sから第
2キャリヤ18cへ戻され、また、第2リングギヤ18
rへ伝達された動力は第2遊星歯車18pを介して第2
サンギヤ18sへ戻される。この結果、出力歯車22は
人力軸14に対して同じ正回転方向へ変速比ρ2/(ρ
3(1+ρ1)(1−ρ2)−ρ1ρ2)に従って減速
回転させられる。
第2速ギヤ段の場合には、第1クラツチに1および第2
ブレーキB2が作動させられることにより、入力軸14
と第1サンギヤ16sおよび第2キャリヤ18cとの間
、および、第1リングギヤ16r、第2リングギヤ18
rおよび第3キャリヤ20cとトランスミッションケー
ス12との間が連結される。これにより、入力軸14に
入力された動力は、第2キャリヤ18cから第2遊星歯
車18pを介して第2サンギヤ18sに伝達され、第3
サンギヤ20sから第3遊星歯車20pを介して第3リ
ングギヤ20rおよび出力歯車22に伝達される。この
結果、出力歯車22は入力軸14に対して同じ正回転方
向へ変速比 ρ2/ρ3(1ρ2)に従って減速回転さ
せられる。
第3速ギヤ段の場合には、第1クラツチに1および第3
ブレーキB3が作動させられることにより、入力軸14
と第1サンギヤ16sおよび第2キャリヤ18cとの間
、および、第2サンギヤ18sおよび第3サンギヤ20
sとトランスミッションケース12との間が連結される
。これにより、入力軸14に入力された動力は、第2キ
ャリヤ18cから第2遊星歯車18pを介して第2リン
グギヤ18rおよび第3キャリヤ20cへ伝達され、第
3遊星歯車20pを介して第3リングギヤ20rおよび
出力歯車22に伝達される。この結果、出力歯車22は
入力軸14に対して同じ正回転方向へ変速比 1/(1
−ρ2)(1+ρ3)に従って減速回転させられる。
第4速ギヤ段の場合には、第1クラツチに1および第2
クラツチに2が作動させられることにより、人力軸14
と第1サンギヤ16sおよび第2キャリヤ18cとの間
、および、入力軸14と第1キャリヤ16cとの間が連
結される。これにより、第1遊星歯車装置16、第2遊
星歯車装置18、第3遊星歯車装置20の各サンギヤ、
キャリヤ、およびリングギヤは一体的に回転するので、
人力軸14に入力された動力は、出力歯車22へそのま
ま伝達される。従って、出力歯車22は入力軸14に対
して同じ正回転方向へ変速比1にて回転させられる。
第5速ギヤ段の場合には、第2クラツチに2および第3
ブレーキB3が作動させられることにより、入力軸14
と第1キャリヤ16cとの間、および、第2サンギヤ1
8sおよび第3サンギヤ20sとトランスミッションケ
ース12との間が連結される。これにより、入力軸14
に入力された動力は、第1キャリヤ16cから第1遊星
歯車16pを介して第1サンギヤ16sおよび第1リン
グギヤ16rへ伝達される。第1リングギヤ16rから
は直接第3キャリヤ20cへ伝達されるとともに、第1
サンギヤ16sへ伝達された動力は第2キャリヤ18c
から第2遊星歯車18Pを介して第2リングギヤ18r
から第3キャリヤ20Cへ伝達される。そして、第3キ
ャリヤ20cへ伝達された動力は第3遊星歯車20Pを
介して第3リングギヤ20rおよび出力歯車22に伝達
される。この結果、出力歯車22は入力軸14に対して
同じ正回転方向へ変速比(1+ρ1−ρ2)/(1+ρ
I)(1−ρ2)(1+ρ3)にて増速回転させられる
第6速ギヤ段の場合には、第2クラツチに2および第2
ブレーキB2が作動させられることにより、入力軸14
と第1キャリヤ16cとの間、および、第1リングギヤ
16r、第2リングギヤ18rおよび第3キャリヤ20
cとトランスミッションケース12との間が連結される
。これにより、入力軸14に入力された動力は、第1キ
ャリヤ16cから第1遊星歯車16pを介して第1サン
ギヤ16sおよび第2キャリヤ18cへ伝達され、第2
遊星歯車18pを介して第2サンギヤ18sへ伝達され
、更に第3サンギヤ20sから第3遊星歯車20pを介
して第3リングギヤ20rおよび出力歯車22に伝達さ
れる。この結果、出力歯車22は入力軸14に対して同
じ正回転方向へ変速比ρ1ρ2/ρ3(1+ρI)(1
−ρ2)にて増速回転させられる。
後進ギヤ段の場合には、第3クラツチに3および第2ブ
レーキB2が作動させられることにより、入力軸14と
第2サンギヤ18sおよび第3サンギヤ20sとの間、
および、第1リングギヤ16r、第2リングギヤ18r
および第3キャリヤ20cとトランスミッションケース
12との間が連結される。これにより、入力軸14に入
力された動力は、第3サンギヤ20sから第3遊星歯車
20pを介して第3リングギヤ20rおよび出力歯車2
2へ伝達される。その結果、出力歯車22は入力軸14
に対して逆回転方向へ回転させられるとともに、変速比
−1/ρ3にて減速回転させられる。
さらに、本実施例では、−層大きな変速比にて車両を後
進させる第2の後進ギヤ段が得られる。
すなわち、第3クラツチに3および第1ブレーキB1を
作動させることにより、入力軸14と第2サンギヤ18
sおよび第3サンギヤ20sとの間、および、第1キャ
リヤ16cとトランスミッションケース12との間を連
結するのである。これにより、入力軸14に入力された
動力は、第3サンギヤ20sから第3遊星歯車20pを
介して、その一部は第3リングギヤ2Orおよび出力歯
車22へ伝達される一方、他の一部は第3キャリヤ20
cから第2リングギヤ18rおよび第1リングギヤ16
rへ伝達される。第1リングギヤ16rからは第1遊星
歯車16Pを介して第1サンギヤ16sおよび第2キャ
リヤ18cへ伝達され、さらに第2遊星歯車18pを介
して第2サンギヤ18Sに伝達されて第3サンギヤ20
sへ戻されるとともに、第2リングギヤ18rからは第
2遊星歯車18pを介して第2サンギヤ18sに伝達さ
れて第3サンギヤ20sへ戻される。この結果、出力歯
車22は入力軸14に対して逆回転方向へ回転させられ
るとともに、変速比=(1+ρ1−ρ2)/(ρ3(1
+ρI)(1−ρ2)−ρ1ρ2)にて減速回転させら
れる。
なお、本実施例においては前進6段・後進2段の変速ギ
ヤ段を選択できるが、必要に応じて前進5段・後進1段
を選択しても何等差し支えない。
以上詳述したように、本実施例の変速装置10によれば
、2組のシングルピニオン型の遊星歯車装置e16,2
0と1組のダブルピニオン型の遊星歯車装置18とが共
通の軸線上に配列されて構成されているので、比較的構
造が簡単になる一方、3つのクラッチKI  K2  
K3および3つのブレーキBl、B2.B3から成る合
計6つの係合装置の選択的な作動によって前進5段以上
の変速ギヤ段と幅広い変速比範囲が得られるので、高速
走行と発進・登板性能とを両立させることができると同
時に、極め細かい変速により必要以上にエンジン26の
回転数を上げる必要がなくなり、燃費や静粛性能が向上
させられるのである。
また、隣あった変速ギヤ段の切換えに際しては、クラッ
チによって動力の入力経路を切り換える所謂入力切換え
が必要とされず、しかも2つの係合装置の作動状態を切
り換えるだけで変速が可能となるので、変速制御が極め
て簡単かつ容易となるのである。
また、本実施例の変速装置10によれば、各遊星歯車装
置16,18.20のギヤ比ρ1.ρ2ρ3を0.3〜
0.6の範囲内に維持しつつ、第1速ギヤ段乃至第4速
ギヤ段の変速比が、エンジン26の特性に基づいて車両
用有段変速機の各変速ギヤ段の変速比として望まれる等
比級数に近い値で、且つ段間比が高速ギヤ段になるに従
って徐々に小さくなるように設定されているため、変速
袋710を比較的小型に維持しつつ、低速から高速に至
るあらゆる車速において優れた動力性能が得られるので
ある。
また、本実施例の変速装置10によれば、第5速ギヤ段
の変速比が約0.848に設定されているため、高速走
行時における燃費や静粛性が向上させられるとともに、
従来の自動変速装置によるオーバドライブ走行に比較し
て、加速時等において充分な動力性能が得られる。
また、本実施例の変速装置10によれば、第2サンギヤ
18sと第3サンギヤ20sとが一体的に連結されてい
るため、各サンギヤ16s、18s、20sを設けるた
めの軸を二重に配設するだけでよく、それ等の径寸法を
小さくできるとともに、変速装置10を一層小型とする
ことが可能なのである。
また、上記第2サンギヤ18sおよび第3サンギヤ20
sは、共通の部材に形成された歯幅の長いロングピニオ
ンにて構成することができ、そのようにすれば部品製作
工数や部品点数、或いは組付工数が少なくなるとともに
、軸方向の寸法が小さくなる利点がある。
次に、本発明の第1の手段における他の実施例を説明す
る。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する
部分には同一の符号を付して説明を省略する。
先ず、第3図に示す変速装置30においては、入力軸1
4が第2サンギヤ18sおよび第3サンギヤ20sの軸
心を貫通させられており、エンジン26およびトルクコ
ンバータ24が出力歯車22側に配設されている。上記
変速装置30は、通常、横置きFF車のトランスアクス
ル内に配設されるのであるが、変速装置30から出力さ
れた駆動力を左右の駆動輪へ等しく分配するためにトラ
ンスアクスル内に配設される差動歯車装置32は、エン
ジンルーム内のスペースとの関連によって車両の中央付
近に配置されることが望ましい。このため、本実施例に
おいては、差動歯車装置32と出力歯車22とが近傍に
位置させられるようになり、出力歯車22から差動歯車
装置32へ動力を伝達するために変速装置30の軸線と
平行に設ける長尺のカウンタ軸が不要となる利点がある
。なお、34は回転方向を同じ方向にするためのカウン
タ歯車である。
また、上記第3図の実施例において、第1クラツチに1
、第2クラツチに2、第3クラツチに3を、第3ブレー
キB3とトルクコンバータ24との間に配設することも
可能である。
また、前記変速袋!10.30において、各係合装置は
、多板クラッチ、バンドブレーキ、および一方向クラッ
チなどを組み合わせたものにより構成され得るので、以
下に代表的なものを例示する。
例えば、第1係合装置は、第4図に示されているように
互いに直列に接続された多板クラッチ44および一方向
クラッチ46から成るものでも良く、前記第1クラツチ
に1に替えて用いられ得る。
一方向クラッチ46は、入力軸14から出力歯車22へ
向かう方向のトルク伝達に際しては係合し、反対向きの
トルク伝達に際しては解放させられるように構成されて
いる。このような係合装置によれば、車両の第1速ギヤ
段、第2速ギヤ段、第3速ギヤ段、および第4速ギヤ段
において、車両の惰行走行時などにおいて一方向クラッ
チ46により逆方向の動力伝達が遮断されるので、降板
走行や惰行走行などにおいてエンジンブレーキ作用がな
く、燃費および車両の静粛性が向上させられる。
また、第1速ギヤ段、第2速ギヤ段、第3速ギヤ段、ま
たは第4速ギヤ段と第5速ギヤ段および第6速ギヤ段と
の間における変速ギヤ段の切換えに際しては、一方向ク
ラッチ46の係合が自動的に解かれるので変速タイミン
グに細かな調整を必要とせず、変速制御が一層簡単とな
る。
また、第5図に示されている係合装置は、直列に接続さ
れた多板クラッチ44および一方向クラッチ46とそれ
らに並列に設けられたエンジンブレーキ用の多板クラッ
チ48とから成るもので、同じく第1係合装置として前
記第1クラツチに1に替えて用いられ得る。このように
すれば、上記の実施例と同様な作用効果が得られるのに
加えて、多板クラッチ48を選択的に作動させることに
より、降板走行或いは惰行走行などに際して、エンジン
ブレーキを必要に応じて作用させることができる。
また、上記第4国威いは第5図に示すように構成された
係合装置は、第2係合装置として前記第2クラツチに2
に替えて用いることもできる。このようにすれば、車両
の第4速ギヤ段、第5速ギヤ段、或いは第6速ギヤ段走
行時において、上記の実施例と同様の理由により燃費お
よび静粛性が向上させられる利点がある。
また、第3係合装置は、上記第4国威いは第5図に示す
ように構成されたもの、第6図に示すように直列に接続
された多板クラッチ44および一方向クラッチ46とそ
れらに並列に設けられた一層3 方向クラッチ50とから成るもの、或いは、第7図に示
すような互いに並列に接続された多板クラッチ44およ
び一方向クラッチ50から成るものでも良く、前記第3
クラツチに3に替えて用いられ得る。第6図の係合装置
における一方向クラッチ50と一方向クラッチ46とは
、係合作用の方向が反対に構成されている。そして、第
4図乃至第6図の係合装置においては、車両の後進走行
時において前述の実施例と同様に一方向クラッチ46の
解放作用により燃費および静粛性が向上させられる利点
がある。また、この第3クラツチに3は、第1クラツチ
に1および/または第2クラツチに2と同時に係合させ
られることにより、前記第4速ギヤ段と各要素の連結状
態が異なる他の第4速ギヤ段をそれぞれ成立させること
ができるが、第1クラツチに1と同時の係合による第4
速ギヤ段では、上記と同様に一方向クラッチ46の解放
作用により燃費および静粛性が向上させられる利点があ
る。また、第2クラツチに2と同時の係合による第4速
ギヤ段では、上記第6図または第7図の係合装置を用い
ることにより、一方向クラッチ50の自動的な解放作用
によって燃費および静粛性が向上させられるとともに、
第4速ギヤ段と第5速成いは第6速ギヤ段との間におい
て変速制御が容易となる。
また、第4係合装置は、前記第4図または第5図に示さ
れるように構成されたもの、第8図に示すように直列に
接続された多板クラッチ44および一方向クラッチ46
と直列に接続された多板クラッチ48および一方向クラ
ッチ50とを並列に接続したもの、第9図に示すように
直列に接続された多板クラッチ44および一方向クラッ
チ50とそれらに並列に設けられた多板クラッチ48と
から成るもの、第10図に示すように回転制動ずべき部
材に固定されるドラム56に一本のバンド52aが巻き
付けられたバンドブレーキ52、或いは、第11図に示
すようにドラム56に一対のバンド54aおよび54b
が互いに反対向きに巻き付けられたバンドブレーキ54
などでも良く、前記第1ブレーキB1に替えて用いられ
得る。上記一方向クラッチ46、バンドブレーキ52の
ハンド52a1およびバンドブレーキ54の一方のハン
ド54aは、入力軸14から出力歯車22へ動力を伝達
する正トルク伝達時において回転制動すべき部材(前記
実施例では第1キャリヤ16C)に加えられる反力を受
けてその回転を阻止するが、反対方向の回転を許容する
係合トルクとなるように係合方向或いは巻きつけ方向が
設定されている。
そして、例えば第4図、第5図、或いは第8図に示され
ている係合装置においては、出力歯車22から入力軸1
4へ向かって動力が伝達される状態では、一方向クラッ
チ46の解放作用によって上記回転制動すべき部材の反
対方向の回転が許容されてエンジンブレーキ作用が解消
され、第1速ギヤ段走行時の燃費および静粛性が向上さ
せられるとともに、第1速ギヤ段と他の前進ギヤ段との
間における変速制御が容易となる。また、第1ブレーキ
B1が第3クラツチに3とともに作動させられて第2の
後進ギヤ段が選択される場合には、第8図または第9図
の係合装置を用いることにより、一方向クラッチ50の
解放作用によって燃費および静粛性が向上させられる。
また、第5係合装置は、第5図、第8図、第9図、第1
0図、または第11図に示すように構成されたもの、或
いは第12図に示すようにハンドブレーキ52と多板ク
ラッチ58とを並列に設けたものでも良く、前記第2ブ
レーキB2に替えて用いられ得る。この場合にも、第5
図または第8図の係合装置を用いることにより、一方向
クラッチ46の解放作用によって第2速ギヤ段走行時の
燃費および静粛性が向上させられるとともに、第2速ギ
ヤ段と第3速ギヤ段以上の前進ギヤ段との間における変
速制御が容易となる。また、第8図または第9図の係合
装置を用いることにより、方向クラッチ50の解放作用
によって第6速ギヤ段走行時や後進ギヤ段走行時の燃費
および静粛性が向上させられる。
また、第6係合装置は、第5図、第8図−1第9図、第
10図、第11図、或いは第12図に示すものでも良く
、前記第3ブレーキB3に替えて用いられ得る。この場
合にも、例えば第5図または第8図の係合装置を用いる
ことにより、一方向クラッチ46の解放作用によって第
3速ギヤ段走行時の燃費および静粛性が向上させられる
とともに、第3速ギヤ段と第4速ギヤ段との間における
変速制御が容易となる。また、第8図または第9図の係
合装置を用いることにより、一方向クラッチ50の解放
作用によって第5速ギヤ段走行時の燃費および静粛性が
向上させられるとともに、第5速ギヤ段と第6速ギヤ段
との間における変速制御が容易となる。
第1311fflの変速装置60は、前記第1図の変速
装置10において、第1クラツチに1、第1ブレーキB
1、第2ブレーキB2、および第3ブレーキB3を、上
述した係合装置に変更した場合の一例である。
次に、本発明の第2の手段による車両用遊星歯車式変速
装置の一例を説明する。
第14図は、本発明の第2の手段による車両用遊星歯車
式変速装置の一例を示す骨子図で、この変速装置110
は、車体に取り付けられたトランスミッションケース1
12内において共通の軸線上に順次配列された入力軸1
14、第1遊星歯車装置116、第2遊星歯車装置11
8、第3遊星歯車装置120、および出力歯車122を
備えている。入力軸114は、トルクコンバータ124
を介して車両のエンジン126に連結され、出力歯車1
22は、図示しない差動歯車装置を介して車両の駆動輪
へ連結されるものである。本実施例では、上記入力軸1
14および出力歯車122が入力部材および出力部材に
それぞれ対応する。また、トランスミッションケース1
12は、位置固定部材に対応する。なお、変速装置11
0およびトルクコンバータ124は軸線に対して線対称
に構成されているため、第14図の骨子図においては、
軸線の下側が省略して示されている。
上記第1遊星歯車装置116および第3遊星歯車装置1
20は、それぞれよく知られたシングルピニオン型の遊
星歯車装置を構成している。第1遊星歯車装置116は
、第1サンギヤ116S、第1遊星歯車116p、第1
キャリヤ116C1および第1リングギヤ116rを備
えており、第1キャリヤ116Cにより回転可能に支持
された第1遊星歯車116pは第1サンギヤ116Sと
第1リングギヤ116rとの間に位置してそれ等と噛み
合わされている。また、第3遊星歯車装置120は、第
3サンギヤ120S、第3遊星歯車120p、第3キャ
リヤ120C1および第3リングギヤ120rを備えて
おり、第3キャリヤ120cにより回転可能に支持され
た第3遊星歯車120pは第3サンギヤ120Sと第3
リングギヤ120rとの間に位置してそれ等と噛み合わ
されている。
一方、第2遊星歯車装置118はダブルビニオン型の遊
星歯車装置であって、第2サンギヤ118S、互いに噛
み合う少なくとも一対の第2遊星歯車118p、第2キ
ャリヤ118C1および第2リングギヤ118rを備え
ており、第2キャリヤ118Cにより回転可能に支持さ
れた少なくとも一対の第2遊星歯車118Pは第2サン
ギヤ118sと第2リングギヤ118rとの間に位置し
て、その一対の第2遊星歯車118pの一方は第2サン
ギヤ118sと噛み合わされ、他方は第2リングギヤ1
18rと噛み合わされている。
また、かかる変速装置110は、その第1サンギヤ11
6sと第2キャリヤ118Cとが互いに一体的に連結さ
れ、第1キャリヤ116Cと第3リングギヤ120rと
出力歯車122とが互いに一体的に連結され、第2サン
ギヤ118Sと第3サンギヤ120sとが互いに一体的
に連結され、第2リングギヤ118rと第3キャリヤ1
20Cとが互いに一体的に連結されている。
そして、第1サンギヤ116Sおよび第2キャリヤ11
8cを前記入力軸114に選択的に連結する第1クラツ
チKllと、第1リングギヤ116rを入力軸114に
選択的に連結する第2クラツチに12と、第2サンギヤ
118Sおよび第3サンギヤ120sを入力軸114に
選択的に連結する第3クラツチに13と、第1リングギ
ヤ116rをトランスミッションケース112に選択的
に連結する第1ブレーキBllと、第2リングギヤ11
8rおよび第3キャリヤ120cをトランスミッション
ケース112に選択的に連結する第2ブレーキB12と
、第2サンギヤ118sおよび第3サンギヤ120sを
トランスミッションケース112に選択的に連結する第
3ブレーキB13とが設けられている。
上記第1クラツチKll、第2クラツチに12、第3ク
ラツチに13、第1ブレーキBll、第2ブレーキB1
2、第3ブレーキB13は、従来の車両用自動変速機に
おいてよく用いられている形式の油圧アクチュエータに
より作動させられるもの、例えば多板式のクラッチや1
本または巻付は方向が反対の2本のバンドを備えたバン
ドブレーキなど、或いは一方向クラッチ等により構成さ
れる。また、第1クラツチKllと第1サンギヤ116
sとの間、第2クラツチに12と第1リングギヤ116
rとの間、第3クラツチに13と第2サンギヤ118s
との間には、連結部材が必要に応じて適宜膜けられ得る
。同様に、第1ブレーキBllと第1リングギヤ116
rとの間、第2ブレーキB12と第3キャリヤ120c
との間、第3ブレーキB13と第3サンギヤ120Sと
の間、或いは各遊星歯車装置116.118,120を
構成する各要素の間、第3リングギヤ120rと出力歯
車122との間においても、必要に応じて連結部材が介
在させられ得る。本実施例では、上記第1クラツチKl
l、第2クラツチに12、第3クラツチに13、第1ブ
レーキB11、第2ブレーキB12、第3ブレーキB1
3が、第1係合装置、第2係合装置、第3係合装置、第
4係合装置、第5係合装置、および第6係合装置にそれ
ぞれ対応する。
以上のように構成された変速装置110では、たとえば
、第15図の○印により作動状態が示されているように
、前記第1クラツチKll、第2クラツチに12、第3
クラツチに13、第1ブレーキB11、第2ブレーキB
12、第3ブレーキB13のうちの2つが同時に作動さ
せられることにより、前進6段・後進2段の中から所望
する変速ギヤ段が成立させられるとともに、隣あった変
速ギヤ段の切換えに際しては2つの係合装置のうちの一
方を他のものに切り換えるだけで良い。第15図におい
ては、第1遊星歯車装置116のギヤ比ρ3.が0゜4
00、第2遊星歯車装置118のギヤ比ρ1□が0、5
07、第3遊星歯車装W120のギヤ比ρ13が0.4
71の場合における各変速ギヤ段の変速比(入力軸11
4の回転速度/出力歯車122の回転速度)が示されて
いる。これ等の変速比は前記(1)式および(2)式に
基づいて求められる。なお、第1サンギヤ116Sの歯
数をZII9、第1リングギヤ116rの歯数をZll
r、第2サンギヤ118sの歯数をZl□5、第2リン
グギヤ118rの歯数をZ12r、第3サンギヤ120
sの歯数をZ3S、第3リングギヤ120rの歯数をZ
I3Fとすると、上記ギヤ比ρ11はZ ++s / 
Zllr 、ギヤ比ρ1□はZI2.、/Z1□1、ギ
ヤ比ρ13はZ13−/Z llrである。
以下、各変速ギヤ段の作動について説明する。
先ず、第1速ギヤ段の場合には、第1クラツチKllお
よび第1ブレーキBllが作動させられることにより、
入力軸114と第1サンギヤ116Sおよび第2キャリ
ヤ118cとの間、および、第1リングギヤ116rと
トランスミッションケース112との間が連結される。
これにより、入力軸114に入力された動力は、第1サ
ンギヤ116Sから第1遊星歯車116pを介して第1
キャリヤ116cへ伝達され、そのまま出力歯車122
に伝達される。この結果、出力歯車122は入力軸11
4に対して同じ正回転方向へ変速比(1+ρ、I)/p
Hに従って減速回転させられる。
第2速ギヤ段の場合には、第1クラツチKllおよび第
2ブレーキB12が作動させられることにより、入力軸
114と第1サンギヤ116sおよび第2キャリヤ11
8cとの間、および、第2リングギヤ118rおよび第
3キャリヤ120cとトランスミッションケース112
との間が連結される。これにより、入力軸114に入力
された動力は、第2キャリヤ118cから第2遊星歯車
118pを介して第2サンギヤ118Sへ伝達され、更
に第3サンギヤ120sから第3遊星歯車120pを介
して第3リングギヤ120rおよび出力歯車122に伝
達される。この結果、出力歯車122は入力軸114に
対して同じ正回転方向へ変速比ρ1□/ρ13(1−ρ
、2)に従って減速回転させられる。
第3速ギヤ段の場合には、第1クラツチKllおよび第
3ブレーキB13が作動させられることにより、入力軸
114と第1サンギヤ116sおよび第2キャリヤ11
8cとの間、および、第2サンギヤ118sおよび第3
サンギヤ120sとトランスミッションケース112と
の間が連結される。
これにより、入力軸114に入力された動力は、第2キ
ャリヤ118cから第2遊星歯車118pを介して第2
リングギヤ118rへ伝達され、第3キャリヤ120c
から第3遊星歯車120Pを介して第3リングギヤ12
0rおよび出力歯車122へ伝達される。この結果、出
力歯車122は入力軸114に対して同じ正回転方向へ
変速比1/(1−ρ1゜)(1+ρ、3)に従って減速
回転させられる。
第4速ギヤ段の場合には、第1クラツチKllおよび第
2クラツチに12が作動させられることにより、入力軸
114と第1サンギヤ116Sおよび第2キャリヤ11
8Cとの間、および、入力軸114と第1リングギヤ1
16rとの間が連結される。これにより、第1遊星歯車
装置116、第2遊星歯車装置118、第3遊星歯車装
置120の各サンギヤ、キャリヤ、およびリングギヤは
一体的に回転するので、入力軸114に入力された動力
は、出力歯車122へそのまま伝達される。従って、出
力歯車122は入力軸114に対して同じ正回転方向へ
変速比1にて回転させられる。
第5速ギヤ段の場合には、第2クラツチに12および第
3ブレーキB13が作動させられることにより、入力軸
114と第1リングギヤ116rとの間、および、第2
サンギヤ118sおよび第3サンギヤ120sとトラン
スミッションケース112との間が連結される。これに
より、入力軸114に入力された動力は、第1リングギ
ヤ116rから第1遊星歯車116pを介して第1キャ
リヤ116cに伝達され、一部はそのまま出力歯車12
2へ伝達される一方、他の一部は、第3リングギヤ12
0rから第3遊星歯車120pを介して第3キャリヤ1
20cおよび第2リングギヤ118rへ伝達され、さら
に第2遊星歯車118pを介して第2キャリヤ118c
および第1サンギヤ116sへ伝達される。そして、第
1サンギヤ116sから第1遊星歯車116pを介して
第1キャリヤ116cへ戻される。この結果、出力歯車
122は入力軸114に対して同じ正回転方向へ変速比
((1−ρ1。)(1+ρI3+ρ.ρ13)−ρ1ρ
121 / (1−p+□)(1+ρ,3)にて増速回
転させられる。
第6速ギヤ段の場合には、第2クラツチに12および第
2ブレーキB12が作動させられることにより、入力軸
114と第1リングギヤ116rとの間、および、第2
リングギヤ118rおよび第3キャリヤ120cとトラ
ンスミッションケース112との間が連結される。これ
により、入力軸114に入力された動力は、第1リング
ギヤ116rから第1遊星歯車116pを介して第1キ
ャリヤ116cへ伝達され、一部はそのまま出力歯車1
22に伝達される一方、他の一部は、第3リングギヤ1
20rから第3遊星歯車120pを介して第3サンギヤ
120sおよび第2サンギヤ118Sへ伝達される。そ
して第2サンギヤ118sから第2遊星歯車118pを
介して第2キャリヤ118cおよび第1サンギヤ116
sへ伝達され、さらに第1遊星歯車116pを介して第
1キャリヤ116cへ戻される。この結果、出力歯車1
22は入力軸114に対して同じ正回転方向へ変速比(
ρ,3(1+ρ++  Ol□)−ρIIρ1□(1+
ρ13))/ρI3(1−ρ1□)にて増速回転させら
れる。
後進ギヤ段の場合には、第3クラツチに13および第2
ブレーキB12が作動させられることにより、入力軸1
14と第2サンギヤ118sおよび第3サンギヤ120
sとの間、および、第2リングギヤ118rおよび第3
キャリヤ120cとトランスミッションケース112と
の間が連結される。
これにより、入力軸114に入力された動力は、第3サ
ンギヤ120sから第3遊星歯車120pを介して第3
リングギヤ120rおよび出力歯車122に伝達される
。この結果、出力歯車122は入力軸114に対して逆
回転方向へ回転させられるとともに、変速比−1/ρ1
3にて減速回転させられる。
さらに、本実施例では、−層大きな変速比にて車両を後
進させる第2の後進ギヤ段が得られる。
すなわち、第3クラツチに13および第1ブレーキBl
lを作動させることにより、入力軸114と第2サンギ
ヤ118sおよび第3サンギヤ120sとの間、および
、第1リングギヤ116rとトランスミッションケース
112との間を連結するのである。これにより、入力軸
114に入力された動力は、第2サンギヤ118sから
第2遊星歯車118pを介して、その一部は第2キャリ
ヤ118cおよび第1サンギヤ116sへ伝達され、他
の一部は第2リングギヤ118rおよび第3キャリヤ1
20cへ伝達される。第1サンギヤ116Sへ伝達され
た動力は、第1遊星歯車116pを介して第1キャリヤ
116cから、一部が出力歯車122へ伝達される一方
、他の一部は第3リングギヤ12Orから第3遊星歯車
120Pを介して第3サンギヤ120sへ伝達されて第
2サンギヤ118sへ戻される。また、前記第3キャリ
ヤ120cへ伝達された動力は、第3遊星歯車120p
を介して第3サンギヤ120sへ伝達されて第2サンギ
ヤ118sへ戻される。この結果、出力歯車122は入
力軸114に対して逆回転方向へ回転させられるととも
に、変速比−((1−ρ、2)(1+ρI3+ρ■ρ1
3)−ρ■ρI2)/ρ目(ρI2ρ菫3+ρI2ρ貫
、)にて減速回転させられる。
なお、本実施例においては前進6段・後進2段の変速ギ
ヤ段を選択できるが、必要に応じて前進5段・後進1段
を選択しても何等差支えない。
以上詳述したように、本実施例の変速装置110によれ
ば、2組のシングルピニオン型の遊星歯車装置116,
120と1組のダブルビニオン型の遊星歯車装置118
とが共通の軸線上に配列されて構成されているので、比
較的構造が簡単になる一方、3つのクラッチKll、 
 K12.  K13および3つのブレーキBll、 
 B12.  B13から成る合計6つの係合装置の選
択的な作動によって前進5段以上の変速ギヤ段と幅広い
変速比範囲が得られるので、高速走行と発進・登板性能
とを両立させることができると同時に、極め細かい変速
により必要以上にエンジン126の回転数を上げる必要
がなくなり、燃費や静粛性能が向上させられるのである
また、隣あった変速ギヤ段の切換えに際しては、クラッ
チによって動力の入力経路を切り換える所謂入力切換え
が必要とされず、しかも2つの係合装置の作動状態を切
り換えるだけで変速が可能となるので、変速制御が極め
て簡単かつ容易となるのである。
また、本実施例の変速装置110によれば、各遊星歯車
装置116.118.120のギヤ比ρρ12.ρ13
を0.3〜0.6の範囲内に維持しつつ、第1速ギヤ段
乃至第4速ギヤ段の変速比が、エンジン126の特性に
基づいて車両用有段変速機の各変速ギヤ段の変速比とし
て望まれる等比級数に近い値で、且つ段間比が高速ギヤ
段になるに従って徐々に小さくなるように設定されてい
るため、変速装置110を比較的小型に維持しつつ、低
速から高速に至るあらゆる車速において優れた動力性能
が得られるのである。
また、本実施例の変速装置110によれば、第5速ギヤ
段の変速比が約0.848に設定されているため、高速
走行時における燃費や静粛性が向上させられるとともに
、従来の自動変速装置によるオーバドライブ走行に肚較
して、加速時等において充分な動力性能が得られる。
また、本実施例の変速装置110によれば、第2サンギ
ヤ118sと第3サンギヤ120sとが一体的に連結さ
れているため、各サンギヤ116s、118s、120
sを設けるための軸を二重に配設するだけでよく、それ
等の径寸法を小さくできるとともに、変速装置110を
一層小型とすることが可能なのである。
また、上記第2サンギヤ118sおよび第3すンギャ1
20sは、共通の部材に形成された歯幅の長いロングピ
ニオンにて構成することができ、そのようにすれば部品
製作工数や部品点数、或いは組付工数が少なくなるとと
もに、軸方向の寸法が小さくなる利点がある。
次に、本発明の第2の手段における他の実施例を説明す
る。なお、以下の説明において前述の実施例と共通ずる
部分には同一の符号を付して説明を省略する。
先ず、第16図に示す変速装置130においては、入力
軸114が第2サンギヤ118sおよび第3サンギヤ1
20sの軸心を貫通させられており、エンジン126お
よびトルクコンバータ124が出力歯車122側に配設
されている。上記変速装置130は、通常、横置きFF
車のトランスアクスル内に配設されるのであるが、変速
装置130から出力された駆動力を左右の駆動輪へ等し
く分配するためにトランスアクスル内に配設される差動
歯車装置132は、エンジンルーム内のスペースとの関
連によって車両の中央付近に配置されることが望ましい
。このため、本実施例においては、差動歯車装置132
と出力歯車122とが近傍に位置させられるようになり
、出力歯車122から差動歯車装置132へ動力を伝達
するために変速装置130の軸線と平行に設ける長尺の
カウンタ軸が不要となる利点がある。なお、134は回
転方向を同じ方向にするためのカウンタ歯車である。
また、上記第16図の実施例において、第1クラツチK
llや第2クラツチに12、第3クラツチに13を、第
3ブレーキB13とトルクコンバータ124との間に配
設することも可能である。
また、前記変速装置110,130における各係合装置
としては、前記第4図乃至第12図に示されているよう
に、多板クラッチ、ハンドブレーキ、および一方向クラ
ッチなどを組み合わせたものを用いることが可能で、そ
れ等第4図乃至第12図に示されている係合装置を用い
ることにより、前述した第1の手段による実施例の場合
と同様の作用効果が得られる。
すなわち、第1係合装置は第4図、第5図に示されてい
るものでも良く、前記第1クラツチKllに替えて用い
られ得る。このような係合装置によれば、車両の第1速
ギヤ段、第2速ギヤ段、第3速ギヤ段、および第4速ギ
ヤ段において、車両の惰行走行時などにおいて一方向ク
ラッチ46により逆方向の動力伝達が遮断されるので、
降板走行や惰行走行などにおいてエンジンブレーキ作用
がなく、燃費および車両の静粛性が向上させられる。
また、第1速ギヤ段、第2速ギヤ段、第3速ギヤ段、ま
たは第4速ギヤ段と第5速ギヤ段および第6速ギヤ段と
の間における変速ギヤ段の切換えに際しては、一方向ク
ラッチ46の係合が自動的に解かれるので変速タイミン
グに細かな調整を必要とせず、変速制御が一層簡単にな
る。更に、第5図の係合装置においては、多板クラッチ
48を選択的に作動させることにより、降板走行或いは
惰行走行などに際して、エンジンブレーキを必要に応じ
て作用させることができる。
また、第2係合装置は第4図、第5図に示されているも
のでも良く、前記第2クラッチK]、2に替えて用いら
れ得る。このようにすれば、車両の第4速ギヤ段、第5
速ギヤ段、或いは第6速ギヤ段走行時において、上記の
実施例と同様の理由により燃費および静粛性が向上させ
られる利点がある。
また、第3係合装置は第4図、第5図、第6図、或いは
第7図に示されているものでも良く、前記第3クラツチ
に13に替えて用いられ得る。第4図乃至第6図の係合
装置においては、車両の後進走行時において前述の実施
例と同様に一方向クラッチ46の解放作用により燃費お
よび静粛性が向上させられる利点がある。また、この第
3クラツチに13は、第1クラツチKllおよび/また
は第2クラツチに12と同時に係合させられることによ
り、前記第4速ギヤ段と各要素の連結状態が異なる他の
第4速ギヤ段をそれぞれ成立させることができるが、第
1クラツチKllと同時の係合による第4速ギヤ段では
、上記と同様に一方向クラッチ46の解放作用により燃
費および静粛性が向上させられる利点がある。また、第
2クラツチに12と同時の係合による第4速ギヤ段では
、上記第6図または第7図の係合装置を用いることによ
り、一方向クラッチ50の自動的な解放作用によって燃
費および静粛性が向上させられるとともに、第4速ギヤ
段と第5速成いは第6速ギヤ段との間において変速制御
が容易となる。
また、第4係合装置は第4図、第5図、第8図、第9図
、第10図、或いは第11図に示されているものでも良
く、前記第1ブレーキBllに替えて用いられ得る。第
4図、第5図、或いは第8図に示されている係合装置に
おいては、出力歯車122から入力軸114へ向かって
動力が伝達される状態では、一方向クラッチ46の解放
作用によって回転制動すべき部材の反対方向の回転が許
容されてエンジンブレーキ作用が解消され、第1速ギヤ
段走行時の燃費および静粛性が向上させられるとともに
、第1速ギヤ段と他の前進ギヤ段との間における変速制
御が容易となる。また、第1ブレーキBllが第3クラ
ツチに13とともに作動させられて第2の後進ギヤ段が
選択される場合には、第8図または第9図の係合装置を
用いることにより、一方向クラッチ50の解放作用によ
って燃費および静粛性が向上させられる。
また、第5係合装置は第5図、第8図、第9図、第10
図、第11図、或いは第12図に示されているものでも
良く、前記第2ブレーキBI2に替えて用いられ得る。
この場合にも、第5図または第8図の係合装置を用いる
ことにより、一方向クラッチ46の解放作用によって第
2速ギヤ段走行時の燃費および静粛性が向上させられる
とともに、第2速ギヤ段と第3速ギヤ段以上の前進ギヤ
段との間における変速制御が容易となる。また、第8図
または第9図の係合装置を用いることにより、一方向ク
ラッチ50の解放作用によって第6速ギヤ段走行時や後
進ギヤ段走行時の燃費および静粛性が向上させられる。
また、第6係合装置は第5図、第8図、第9図、第10
図、第11図、或いは第12図に示されているものでも
良く、前記第3ブレーキB13に替えて用いられ得る。
この場合にも、例えば第5図または第8図の係合装置を
用いることにより、一方向クラッチ46の解放作用によ
って第3速ギヤ段走行時の燃費および静粛性が向上させ
られるとともに、第3速ギヤ段と第4速ギヤ段との間に
おける変速制御が容易となる。また、第8図または第9
図の係合装置を用いることにより、一方向クラッチ50
の解放作用によって第5速ギヤ段走行時の燃費および静
粛性が向上させられるとともに、第5速ギヤ段と第6速
ギヤ段との間における変速制御が容易となる。
第17図の変速装置160は、前記第14図の変速装置
110において、第1クラツチKll、第1ブレーキB
ll、第2ブレーキB12、および第3ブレーキB13
を、上述した係合装置に変更した場合の一例である。
以上、本発明の第1の手段、第2の手段における幾つか
の実施例をそれぞれ図面に基づいて詳細に説明したが、
これ等はあくまでも一つの具体例であり、本発明は更に
別の態様で実施することもできる。
例えば、前記実施例ではトルクコンバータ24゜124
が用いられているが、それに替えて、ロックアツプクラ
ッチ付きトルクコンバータ、フルードカップリング、磁
粉式電磁クラッチ、多板或いは単板式摩擦クラッチなど
が用いられ得る。
また、前記第1図の実施例では第4速ギヤ段が第1クラ
ツチKlおよび第2クラツチに2の同時連結によって成
立させられていたが、第1クラツチKl、第2クラツチ
に2、第3クラツチに3の少なくとも2つが同時連結さ
れることにより成立させられても良い。第14図の実施
例についても同様である。
また、前記各実施例における各遊星歯車装置のギヤ比や
各変速ギヤ段の変速比を変更したり、ブレーキやクラッ
チの配設位置を変更したりすることができることは勿論
である。
その他−々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基
づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することが
できる。
発明の効果 以上詳述したように、本発明の第1の手段、第2の手段
による車両用遊星歯車式変速装置によれば、2組のシン
グルピニオン型の遊星歯車装置と1組のダブルピニオン
型の遊星歯車装置とが共通の軸線上に配列されて構成さ
れているので、比較的構造が簡単になる一方、6つの係
合装置の選択的な作動によって前進5段以上の変速ギヤ
段と幅広い変速比範囲が得られるので、高速走行と発進
・登板性能とを両立させることができると同時に、極め
細かい変速により必要以上にエンジン回転数を上げる必
要がなく、燃費や静粛性能が向上させられるのである。
また、隣あった変速ギヤ段の切換えに際しては所謂入力
切換えが必ずしも必要とされず、しかも2つの係合装置
の作動状態を切り換えるだけで変速できるため、変速制
御を極めて簡単かつ容易に行うことが可能となるのであ
る。
また、各遊星歯車装置のギヤ比を例えば0.3〜0.6
程度の適正な範囲内に維持しつつ、第1速ギヤ段乃至第
4速ギヤ段の変速比が等比級数に近い値に設定され得る
ため、変速装置を比較的小型に維持しつつ、低速から高
速に至るあらゆる車速において優れた動力性能を得るこ
とができるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の手段による車両用遊星歯車式変
速装置の一実施例を示す骨子図である。 第2図は第1図の実施例の変速ギヤ段とそれを成立させ
るために必要な係合装置との関係を示す図表である。第
3図は本発明の第1の手段による車両用遊星歯車式変速
装置の他の実施例を示す骨子図である。第4図乃至第1
2図は、第1図および第14図における係合装置の他の
例をそれぞれ示す図である。第13図は第1図の実施例
において他の型式の係合装置が用いられた場合を例示す
る骨子図である。第14図は本発明の第2の手段による
車両用遊星歯車式変速装置の一実施例を示す骨子図であ
る。第15図は第14図の実施例の変速ギヤ段とそれを
成立させるために必要な係合装置との関係を示す図表で
ある。第16図は本発明の第2の手段による車両用遊星
歯車式変速装置の他の実施例を示す骨子図である。第1
7図は第14図の実施例において他の型式の係合装置が
用いられた場合を例示する骨子図である。 10.30,60,110  130  160:車両
用遊星歯車式変速装置 12.111 トランスミッションケース(位置固定部
材) 14.114:入力軸(入力部材) 16.116:第1遊星歯車装置 1s、iis:第2遊星歯車装置 20、 120:第3遊星歯車装置 22.122:出力歯車(出力部材) 16s、116s:第1サンギヤ 16p、116p:第1遊星歯車 16c、116c:第1キャリヤ 16r、116r:第1リングギヤ 18s、118s:第2サンギヤ 18p、118p:第2遊星歯車 18c、118c:第2キャリヤ 18r、118r:第2リングギヤ 20s、120s:第3サンギヤ 20p、120p:第3遊星歯車 20c、120c:第3キャリヤ 20r、120r:第3リングギヤ Kl、Kll:第1クラツチ(第1係合装置)K2.に
12:第2クラツチ(第2係合装W)K3.に13:第
3クラツチ(第3係合装置)Bl、Bll:第1ブレー
キ(第4係合装置)B2.B12:第2ブレーキ(第5
係合装置)B3.B13:第3ブレーキ(第6係合装置
)出願人  トヨタ自動車株式会社 \安 \。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)第1サンギヤ、該第1サンギヤに噛み合う第1遊
    星歯車、該第1遊星歯車に噛み合う第1リングギヤ、お
    よび前記第1遊星歯車を回転可能に支持する第1キャリ
    ヤを備えたシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、
    第2サンギヤ、互いに噛み合うとともに一方が該第2サ
    ンギヤに噛み合う少なくとも一対の第2遊星歯車、該第
    2遊星歯車の他方と噛み合う第2リングギヤ、および前
    記第2遊星歯車を回転可能に支持する第2キャリヤを備
    えたダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サン
    ギヤ、該第3サンギヤに噛み合う第3遊星歯車、該第3
    遊星歯車に噛み合う第3リングギヤ、および前記第3遊
    星歯車を回転可能に支持する第3キャリヤを備えたシン
    グルピニオン型の第3遊星歯車装置とが同じ軸線上に順
    次設けられ、入力部材の回転を段階的に変速して出力部
    材へ伝達する形式の車両用遊星歯車式変速装置において
    、前記第1サンギヤと第2キャリヤとを互いに連結し、
    前記第1リングギヤと第2リングギヤと第3キャリヤと
    を互いに連結し、前記第2サンギヤと第3サンギヤとを
    互いに連結し、前記第3リングギヤと出力部材とを互い
    に連結する一方、前記第1サンギヤおよび第2キャリヤ
    を前記入力部材に選択的に連結する第1係合装置と、前
    記第1キャリヤを該入力部材に選択的に連結する第2係
    合装置と、前記第2サンギヤおよび第3サンギヤを該入
    力部材に選択的に連結する第3係合装置と、前記第1キ
    ャリヤを位置固定部材に選択的に連結する第4係合装置
    と、前記第1リングギヤ、第2リングギヤおよび第3キ
    ャリヤを位置固定部材に選択的に連結する第5係合装置
    と、前記第2サンギヤおよび第3サンギヤを位置固定部
    材に選択的に連結する第6係合装置とを、設けた ことを特徴とする車両用遊星歯車式変速装置。
  2. (2)第1サンギヤ、該第1サンギヤに噛み合う第1遊
    星歯車、該第1遊星歯車に噛み合う第1リングギヤ、お
    よび前記第1遊星歯車を回転可能に支持する第1キャリ
    ヤを備えたシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、
    第2サンギヤ、互いに噛み合うとともに一方が該第2サ
    ンギヤに噛み合う少なくとも一対の第2遊星歯車、該第
    2遊星歯車の他方と噛み合う第2リングギヤ、および前
    記第2遊星歯車を回転可能に支持する第2キャリヤを備
    えたダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サン
    ギヤ、該第3サンギヤに噛み合う第3遊星歯車、該第3
    遊星歯車に噛み合う第3リングギヤ、および前記第3遊
    星歯車を回転可能に支持する第3キャリヤを備えたシン
    グルピニオン型の第3遊星歯車装置とが同じ軸線上に順
    次設けられ、入力部材の回転を段階的に変速して出力部
    材へ伝達する形式の車両用遊星歯車式変速装置において
    、前記第1サンギヤと第2キャリヤとを互いに連結し、
    前記第1キャリヤと第3リングギヤと出力部材とを互い
    に連結し、前記第2サンギヤと第3サンギヤとを互いに
    連結し、前記第2リングギヤと第3キャリヤとを互いに
    連結する一方、前記第1サンギヤおよび第2キャリヤを
    前記入力部材に選択的に連結する第1係合装置と、前記
    第1リングギヤを該入力部材に選択的に連結する第2係
    合装置と、前記第2サンギヤおよび第3サンギヤを該入
    力部材に選択的に連結する第3係合装置と、前記第1リ
    ングギヤを位置固定部材に選択的に連結する第4係合装
    置と、前記第2リングギヤおよび第3キャリヤを位置固
    定部材に選択的に連結する第5係合装置と、前記第2サ
    ンギヤおよび第3サンギヤを位置固定部材に選択的に連
    結する第6係合装置とを、設けた ことを特徴とする車両用遊星歯車式変速装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100341747B1 (ko) * 1999-07-08 2002-06-22 이계안 자동변속기용 기어 트레인

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KR100341747B1 (ko) * 1999-07-08 2002-06-22 이계안 자동변속기용 기어 트레인

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