JPH0280542A - 絞り成形加工向けAl合金板およびその製造方法 - Google Patents

絞り成形加工向けAl合金板およびその製造方法

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JPH0280542A
JPH0280542A JP23331988A JP23331988A JPH0280542A JP H0280542 A JPH0280542 A JP H0280542A JP 23331988 A JP23331988 A JP 23331988A JP 23331988 A JP23331988 A JP 23331988A JP H0280542 A JPH0280542 A JP H0280542A
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Shinji Teruda
照田 伸二
Kazuhiro Fukada
深田 和博
Masafumi Mizouchi
政文 溝内
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、ビンのキャップやりO−ジャー等の包装容
器あるいは蛍光灯の口金、その他各種器物等に使用され
る絞り成形加工向けのアルミニウム合金軟質板およびそ
の製造方法に関するものである。
従来の技術 ビンのキャップやクロージヤー、あるいは蛍光灯の口金
等として絞り成形加工が施されて使用される用途には一
般にアルミニウム合金の軟質材(O材)が用いられてい
る。そして従来このようなアルミニウム合金としては、
主として月31100合金やJIS 3003003合
金はAA8011合金が用いられている。これらのアル
ミニウム合金を前述のような用途に供するにあたっては
、一般にDC賛造法(半連続鋳造法)によって鋳塊を得
、その鋳塊に均質化処理を施した後、熱間圧延し、さら
に冷間圧延および焼鈍を施すのが通常である。このよう
にして製造された従来の絞り成形加工用アルミニウム合
金軟質板は絞り成形性が良好でまたある程度の強度も得
られていた。
発明が解決すべき課題 前述のように従来の絞り成形加工用アルミニウム合金軟
質板の製造にはDC鋳造法を適用していたが、近年は、
コストダウンや薄肉化の要請から、連続WI酒造法薄板
連続鋳造圧延法)を適用して、合金溶湧から板厚3〜1
5ia程度の鋳造板を直接に得、熱間圧延を省略する手
法が検討されている。
ところが連続鋳造法を適用した場合、鋳造時の冷却速度
が高いため、アルミニウムマトリックス中への合金元素
の固溶量が多くなり、そのため冷間圧延後に焼鈍した際
の昇温速度が遅い場合、再結晶粒が異常に成長したI織
となって、絞り成形性が悪くなるとともに、絞り成形時
に肌荒れやフローラインが生じ易くなる問題が生じ、ま
たこの場合成形歩留りに関係する絞り成形時の耳率も高
くなってしまう問題が生じる。
この発明は以上の事情を背景としてなさたちで、絞り成
形性が良好でかつ絞り成形加工時の耳率のの低いアルミ
ニウム合金板を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 本発明者等は前述の目的を達成するべく鋭意実験・検討
を重ねた結果、合金の成分組成を適切に調整するととも
に、最終冷間圧延前の状態におけるアルミニウムマトリ
ックス中のFeの固溶量を適切に調整することによって
絞り成形性が良好で耳率が低い絞り成形加工用Al合金
板が得られることを見出し、この発明をなすに至った。
また合金の製造過程において、連続鋳造法を適用して鋳
造時の冷却速度を高めた場合に、冷間圧延の間の中間熱
処理を急速昇温、急速冷却とし、しかも冷間圧延と中間
熱処理とを2回以上繰返すことによって、絞り成形性に
優れかつ耳率の低い絞り成形加工用へ2合金板が得られ
ることを見出し、この発明をなすに至った。
したがって請求項1iP′3よび請求項2の発明は、最
終冷間圧延およびそれに引続く最終焼鈍が施される前の
状態のへβ合金板における成分組成とFe固溶量を規定
したものであり、また請求項3および請求項4の発明は
、連続鋳造法を適用して絞り成形加工用A1合金板を製
造する方法のプロセスを規定したものである。
具体的には、請求項1の光間は、圧延率30%以上の最
終冷間圧延およびそれに引続いて350℃以上の温度で
の最終焼鈍を施して絞り成形加工の用途に供されるAl
合金板において、Mgo、i〜2.0wt%、Mn 0
.1〜2.5wt%、Fe0.1〜2.5wt%を含有
し、残部がA、lおよび不可避的不純物よりなり、かつ
アルミニウムマトリックス中のFe固溶量が200pp
i以下であることをVFmとするものである。
また請求項2の発明は、圧延率30%以上の最終冷間圧
延およびそれに引続いて350℃以上の温度での最終焼
鈍を施して絞り成形加工の用途に供されるAl合金板に
おいて、Mg0.1〜2.0w4%、Mn 0.1〜2
.5wt%、F e 0.1〜2.5wt%を含有し、
かZ)CLI 0.05〜1.0i%、Zn0.1〜1
.OW1%の1種または2種を含有し、残部がAi7お
よび不可避的不純物よりなり、かつアルミニウムマトリ
ックス中のl”e固溶量が200ppm以下であること
を特徴とするものである。
さらに請求項3の発明の絞り成形加工向けAl合金板ノ
HM造方法は、MgO11〜2.0wt%、Mn0.1
〜2.5wt%、F e 0.1〜2.5wt%を含有
し、残部が八βおよび不可避的不純物からなるアルミニ
ウム合金を、50°C/ sec以上の冷」速度で連続
鋳造して板厚3〜15rRaの連続鋳造板とし、次いで
冷間圧延と、それに続いて500〜620°Cの範囲内
の温度に10℃/sec以上の加熱速度で昇温させ直ち
にもしくはその温度で12051IC以下の保持を行な
った後10℃/sec以上の冷却速度で冷却する熱処理
とを、2回以上繰返して行ない、かつその繰返し工程中
における最終の冷間圧延の圧延率を30%以上とすると
ともに、最終の冷間圧延の直前においてアルミニウムマ
トリックス中のFe固溶量が200ppm以下となるよ
うに調整することを特徴とするものである。
そしてまた請求項4の発明の絞り成形加工向けAl合金
板のM漬方法は、Mg0.1〜2.0wt%、Mn 0
.1〜2.5wt%、F e 0.1〜2.5vt%を
含有し、かツcu0.05〜1.Ovt%、Z n 0
.1〜1.0wt%の1種または2@を含有し、残部が
A1および不可避的不純物からなるアルミニウム合金を
、50”C/SeC以上の冷却速度で連続鋳造して板厚
3〜15rl#lの連続鋳造板とし、次いで冷間圧延と
、それに続いて500〜620℃の範囲内の温度に10
℃/sec以上の加熱速度で袢温させ直ちにもしくはそ
の温度で120SeC以下の保持を行なった後10°C
/E以上の冷f!1速度で冷却する熱処理とを、2回以
上li!返して行ない、かつその繰返し工程中における
R終の冷間圧延の圧延率を30%以上とするとともに、
最終の冷間圧延の直前においてアルミニウムマトリック
ス中のFe固溶量が200pp1以下となるように調整
することを特徴とするものである。
作   用 本願各発明の絞り成形加工向はへ2合金板における合金
成分は、主として材料の強度を高めるとともに、方向性
の安定化やキャップ笠に使用された際のピルファ−すな
わちひきちぎり性を高めるために添加するものであり、
先ず請求項1の発明の絞り成形加工向はAl合金板にお
ける成分限定理由を説明する。
Mq : Mgはアルミニウムマトリックスに固溶し、O材強度を
高めるに有効な元素である。但し、この発明の方法の場
合、鋳造時の冷却速度を高めて強制的に他の成分も固溶
させておりしかも焼鈍時の加熱冷却も速めている。した
がってMQのみならず他の合金元素もそれぞれ強度向上
に有効に作用するから、DC鋳造の場合のように4wt
%も添加する必要はない。ここで、MC7添加吊が0.
1%未満では急速加熱焼鈍時にかえって異常粒成長が生
じて絞り成形性を害するおそれがある。−万Mg添加吊
が2.0wt%を越えれば、冷間圧延性が低下して、冷
間圧延中に耳割れが発生し易くなり、歩留りが低下する
とともに操業上問題が生じる。したがってMg添加吊は
0.1〜2.0wt%の範囲内とした。
Mn: Mnは強度向上に寄与するとともに、ひきちぎり性の向
上に有効な元素である。特にこの発明で用途としている
ビンのキャップやクロージセ一等に使用される絞り成形
加工用材料においては、ある程度の強度を有しながらひ
きちきぢり性が優れた素材が要求されており、したがっ
てMnの添加は重要である。Mn 0.1wt%未満で
は上記の効果が得られず、一方2.5wt%を越えた場
合上記の効果は得られるものの、冷間圧延性が極端に低
下するとともに鋳造性も極めて悪くなる。したがってM
n添加量は0.1〜2.5wt%の範囲内とした。
Fe: FeはMnと同様に鋳造時には強制的に固溶させられる
が、M造以降のプロセスと関連してその固溶量を制限す
ることによって方向性の制御、ひきちぎり性の向上に極
めて有効に作用する元素である。なiBF eの添加は
Mnの固溶量を著しく減少させはするが、Mnの固溶量
の減少は逆に微細な析出物を生ぜしめることになるから
、その微細析出物の分散によるO材強度の向上にも有効
である。Fe添加量が0.1wt%未満ではこれらの効
果が得られず、一方2.51%を越えてFeを添加ずれ
ば析出物が粗大化してO材強度をff−J tall 
Lにくくなる。したがってFeの添加量は0,1〜2.
 swt%の範囲内とした。なおFe添加効果が最も有
効に作用する範囲は0.8〜1.3wt%の範囲内であ
り、したがってl”e添加量は特に0.8〜1.3wt
%の範囲内とすることが望ましい。
以上のように請求項1の発明のAl合金板においては、
必須合金成分としてM(1,Mn、Feを添加し、MC
Iの固溶による強化と、遷移元素であるMn、l”eの
分散強化効果による強度向上を図るとともに、方向性の
安定化や絞り成形加工用素材として必要なひきちぎり性
の向上、さらには冷間圧延性の向上を考慮している。
さらに請求項2の絞り成形加工向けA1合金板では、上
述のMq、Mn、Feのほか、Cu d3よび/または
Znを添加して、MQ、Mn、Feによる前述の効果の
ほか、さらに塗装焼付は時における時効硬化を利用して
焼付は塗装後の強度向上を図っている。次に請求項2の
発明の絞り成形加工向はAl合金板におけるQu、 z
nの添加量限定理由を説明する。
CU : CLJは前述のように塗装焼付は処理時において時効硬
化を図り、これにより塗装焼付は後の板の強度向上を図
るに有効である。この効果は、AICuMQ系析田吻の
析出過程で生じる。この効果を得るためには、少なくと
も0.05 wt%以上のCLJの添加が必要である。
一方Quを1.(hat%以上添加した場合、時効硬化
は容易に得られるものの、冷間圧延中に加工硬化しやす
くなり、絞り成形加工性を損なう。したがってCuの添
加量は0.05〜1.0wt%の範囲内とした。
Zn: ZnもMCJ、 Cuとの相互作用によって時効硬化が
期待できることは良く知られており、この発明において
もZnの添加は塗装焼付は処理時における時効硬化によ
る塗装焼付は後の板の強度向上を図っている。znの添
加量が0.1wt%未満ではその効果が得られず、一方
1.Owt%を越えてznを添加すれば、強度は向上す
るものの、加工硬化性が強くなって絞り成形加工性が極
端に損なわれる。したがってZnの添加量は0.1〜1
.0wt%の範囲内とした。
以上の各成分の残部(よ、本願のいずれの発明において
もA1および不可避的不純物とすれば良い。
なお通常のアルミニウム合金においては、鋳塊の結晶粒
微細化のためにTi1あるいはTiおよびBを微量添加
することがあり、この発明の成形用アルミニウム合金硬
質板においても、微量のTi、もしくはTiおよびBを
含有していても良い。但し、Tiを添加する場合、その
添加量が0.01%未満ではTi添加の効果が得られず
、0.50%を越えれば初晶TiAj’3が晶出して成
形性を害するから、Tiは0.01〜0゜50%の範囲
内とすることが好ましい。またTiとともに8を添加す
る場合、Bの添加量がlppm未満では8添加の効果が
なく、一方1000pplを越えれば、TiB2の粗大
粒子が混入して成形性を害するから、Bは1ppm〜1
000pplの範囲内とすることが好ましい。
さらに請求項1および2の絞り成形加工向けAl合金板
においては、最終冷間圧延前の状態においてアルミニウ
ムマトリックス中に固溶しているFeの固溶量が200
ppm以下でなければならない。
すなわち請求項1および2のへβ合金板は、その後30
%以上の最終冷間圧延を施しさらにそれに続いて350
℃以上の温度での最終焼鈍を施して所定の板厚の軟質板
として絞り成形加工に供されるものであるが、その最終
冷間圧延前の状態の板として、アルミニウムマトリック
ス中のFe固溶量が200ppl以下である必要がある
。このFeの固溶量は絞り成形加工における方向性と密
接に関係し、Fe固溶量が200ppmを越えれば絞り
成形加工時に45°耳が強くなってしまい、絞り成形加
工向けのΔ2合金板として不適当となる。なおこの段階
でのFe固溶量は特に80〜160pplの範囲内とす
ることが望ましく、この場合には最終処理後の絞り成形
加工時に耳の発生の全くない所謂ノンイヤー材を得るこ
とができる。
次に請求項3、請求項4の発明、すなわち製造方法の発
明について説明する。
先ず前述のような成分組成を有する合金の溶湧を常法に
したがって溶製し、薄板連続鋳造法(連続鋳造圧延法)
等の連続鋳造法によって板厚3〜15m1の板に連続鋳
造し、コイル状に巻取る。この連続鋳造時における冷却
速度は50℃/sec以上の速い冷却速度とする必要が
ある。本来、遷移金属であるFe、 Mnは、アルミニ
ウムに対し固溶しにくく、鋳造時の冷却速度が低い場合
には大半が晶出してしまうから、既に述べたようなFe
、Mnの強制固溶による効果を図るためには、50℃/
sec以上の冷却速度が必要となるのである。なおFe
は50℃/sec以上の冷却速度としてもある程度は晶
出あるいは析出してしまう。しかしながら、この発明の
成分組成範囲内であれば、50℃151IC以上の速い
冷却速度では晶出物や析出物は極めて微細なものとなり
、強度向上の点からはむしろ有利に作用する。
上述のようにして得られた連続鋳造板に対しては、引続
いて冷間圧延と熱処理(焼鈍)とを2回以上繰返して行
なう。すなわち、連続鋳造板に対して一次冷間圧延を施
して中間板厚とした後、第1次の熱処理(中間熱処理)
を行ない、さらに最終冷間圧延を施して製品板厚とした
後、最終の熱処理を施しても良く、あるいは−次冷間圧
延および第1次の熱処理を施した後、ざらに冷間圧延と
熱処理とを2回以上繰返して行なっても良い。この過程
における熱処理は、固溶したCu、 Zn。
MQによる時効硬化や遷移金属Fe、Mnによる分散強
化効果を損なうことなく圧延性を改善し、かつまた方向
性および絞り成形性の改善を図るためになされるもので
ある。この熱処理においては、加熱中(昇温中)および
冷却中に析出が生じないように、加熱速度および冷却速
度はいずれも10℃/sec以上が必要であり、また完
全に再結晶した均一な組織を得るためには500℃/s
ec以上の到達温度が必要となるが、620℃をを越え
れば共晶溶融が発生して操業中に板切れが発生するおそ
れがあるから、到達温度は500〜620℃の範囲内と
した。
この500〜620℃の範囲内の温度での保持は、極力
短かい方が析出の制御が容易となるが、120秒以下で
あれば許容される。なおこのような10℃/気以上の急
速加熱、急速冷却でしかも保持なしもしくは120式以
下の短時間保持の熱処理は、連続焼鈍炉を用いることに
よって達成できる。
また上記の過程における冷間圧延のうち、最終の冷間圧
延(最終の熱処理前のもの)は、圧延率を30%以上と
する必要がある。最終の冷間圧延率が30%未満では最
終焼鈍時の結晶方位回転が起こりづらく、焼鈍後の絞り
成形加工時の45°耳が高くなってしまう。
なおまた上記の過程においては、最終の冷間圧延直前の
板におけるアルミニウムマトリックス中のFe固溶量が
200ppl以下、好ましくは80〜160ρplとな
るように調整する。このようにすることによって絞り成
形加工時における耳率の低い方向性の優れた素材を得る
ことができる。
以上のように連続鋳造板に対して冷間圧延と急熱・急冷
の熱処理とを2回以上繰返し行ない、かつ最終の冷間圧
延前のアルミニウムマトリックス中のFe固溶量を調整
することによって、絞り成形用素材としての必要条件で
ある耳率が低く、結晶粒が細かく、しかもO材強度が高
く、絞り成形加工性に優れたへ!合金板を得ることがで
きる。
なお、上述の急熱・急冷による熱処理(焼鈍)では溶体
化効果が得られるから、最終の焼鈍後、さらに安定化処
理として100〜250℃の熱処理(人工時効処理)を
施しても良く、斯くすればより強度の高い材料を得るこ
とができる。
実施例 [実施例11 第1表に示すような本願の請求項1の発明で規定してい
る成分組成範囲内の符号A−Dの合金と、従来合金であ
るJTS 1100合金の成分組成の符号Eの合金とに
ついて、第2表に示すようなプロセスを適用して、R終
板厚1.0.、の圧延板を得た。ここで、第2表におい
て合金A、Cに対するプロセス条件は本願の請求項3の
発明のプロセス条件範囲内、合金B、D、Eに対するプ
ロセス条件はそのプロセス条件範囲外である。この製造
過程中における最終冷間圧延直前の各板におけるアルミ
マトリックス中のl”e固溶量を第3表中に示し、また
最終的に得られた各圧延板について機械的性質、および
フローラインを含めた再絞り成形性を調べた結果を第3
表中に示す。
第1表二実施例1の合金化学成分(vt%)第3表に示
すように、この発明のプロセス条件に従って製造した絞
り成形加工向けAl合金板(合金符号A、C:本発明例
)では、従来例(1100合金)もしくは比較例による
圧延板と比較して、01強度が格段に優れ、しかも絞り
成形加工時の耳率が低いとともにフローラインを含めた
絞り成形性にも優れた素材であることが明らかである。
[実施例21 第4表に示すような本願発明の請求項2の発明で規定し
ている成分組成範囲内の符号F−Hの合金と、従来合金
であるAA8011合金の成分組成の符号1の合金およ
びJIS 1100合金の成分組成の符号Eの合金とに
ついて、第5表に示すようなプロセスを適用して、最終
板厚0.22uの圧延板を得た。
ここで、第5表における含金F、Hに対するプロセス条
件は本願の請求項4の弁明のプロセス条件範囲内、合金
G、1.Eに対するプロセス条件はそのプロセス条件範
囲外である。製造過程中における最終冷間圧延直前の各
板のアルミニウムマトリックス中のl”e固溶量を第6
表中に示し、また最終的に得られた各圧延板について、
塗装焼付は処理(ベーキング)に相当する200℃×2
0馳の安定化熱処理後の機械的性質、およびフローライ
ンを含めた絞り成形性を調べた結果を第6表に示す。
第4表:実施例2の合金化学成分(wt%)第6表に示
すように、この発明のプロセス条件に従って製造した絞
り成形加工向はへ2合金板(合金符号F、H:本発明例
)では、従来例もしくは比較例による圧延板と比較して
、塗装焼付は処理後に強度が向上し、しかもフローライ
ン発生状況も含めた絞り成形性が格段に優れていること
が明らかである。
発明の効果 以上の説明で明らかなようにこの発明によれば、従来材
よりも成形後の強度に優れ、しかも絞り成形性も優れて
いて、耳率、フローラインの点においても優れた絞り成
形加工向けのA1合金板を得ることができる。したがっ
てこの発明によればビンのキャップやクロージヤー等の
包装容器あるいは蛍光灯の口金、その他各種器物などの
薄肉化、高強度化を図ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)圧延率30%以上の最終冷間圧延およびそれに引
    続いて350℃以上の温度での最終焼鈍を施して絞り成
    形加工の用途に供されるAl合金板において、 Mg0.1〜2.0wt%、Mn0.1〜2.5wt%
    、Fe0.1〜2.5wt%を含有し、残部がAlおよ
    び不可避的不純物よりなり、かつアルミニウムマトリッ
    クス中のFe固溶量が200ppm以下であることを特
    徴とする絞り成形加工向けAl合金板。
  2. (2)圧延率30%以上の最終冷間圧延およびそれに引
    続いて350℃以上の温度での最終焼鈍を施して絞り成
    形加工の用途に供されるAl合金板において、 Mg0.1〜2.0wt%、Mn0.1〜2.5wt%
    、Fe0.1〜2.5wt%を含有し、かつCu0.0
    5〜1.0wt%、Zn0.1〜1.0wt%の1種ま
    たは2種を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よ
    りなり、かつアルミニウムマトリックス中のFe固溶量
    が200ppm以下であることを特徴とする絞り成形加
    工向けAl合金板。
  3. (3)Mg0.1〜2.0wt%、Mn0.1〜2.5
    wt%、Fe0.1〜2.5wt%を含有し、残部がA
    lおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金を、
    50℃/sec以上の冷却速度で連続鋳造して板厚3〜
    15mmの連続鋳造板とし、次いで冷間圧延と、それに
    続いて500〜620℃の範囲内の温度に10℃/se
    c以上の加熱速度で昇温させ直ちにもしくはその温度で
    120sec以下の保持を行なった後10℃/sec以
    上の冷却速度で冷却する熱処理とを、2回以上繰返して
    行ない、かつその繰返し工程中における最終の冷間圧延
    の圧延率を30%以上とするとともに、最終の冷間圧延
    の直前においてアルミニウムマトリックス中のFe固溶
    量が200ppm以下となるように調整することを特徴
    とする絞り成形加工向けAl合金板の製造方法。
  4. (4)Mg0.1〜2.0wt%、Mn0.1〜2.5
    wt%、Fe0.1〜2.5wt%を含有し、かつCu
    0.05〜1.0wt%、Zn0.1〜1.0wt%の
    1種または2種を含有し、残部がAlおよび不可避的不
    純物からなるアルミニウム合金を、50℃/sec以上
    の冷却速度で連続鋳造して板厚3〜15mmの連続鋳造
    板とし、次いで冷間圧延と、それに続いて500〜62
    0℃の範囲内の温度に10℃/sec以上の加熱速度で
    昇温させ直ちにもしくはその温度で120sec以下の
    保持を行なつた後10℃/sec以上の冷却速度で冷却
    する熱処理とを、2回以上繰返して行ない、かつその繰
    返し工程中における最終の冷間圧延の圧延率を30%以
    上とするとともに、最終の冷間圧延の直前においてアル
    ミニウムマトリックス中のFe固溶量が200ppm以
    下となるように調整することを特徴とする絞り成形加工
    向けAl合金板の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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