JPH027841Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はオートバイ、自転車などに乗車すると
き着用するライダーパンツに関する。

本考案は着用時の動作を、殊にオートバイ乗車
時の脚部の動きに伴う激しい動作をスムースに行
うことができ、且つ製作が容易なライダーパンツ
を提供することを目的とする。

本考案のライダーパンツは、図示する実施例に
例示する如く、一端が前面部上端に、他端が後面
部上端にあつて、腹中央部１から臀部中央部２に
至る部分を構成する帯状の合成樹脂製中央布３
と、左腰回り部５から左脚部６に至る部分を構成
する合成樹脂製左側布７と、右腰回り部８から右
脚部９に至る部分を構成する合成樹脂製右側布１
０とを有し、且つ左側布７及び右側布１０の夫々
を、両側縁部１１，１２を溶着することによつて
溶着線１３，１４が外側面Ｐ，Ｐに位置する筒状
体１５，１６を形成する一方、左側布７及び右側
布１０の夫々の上縁１７，１８に抉り部１９，２
０を設け、左側布７の抉り部１９を中央布３の左
側縁部２１に、右側布１０の抉り部２０を中央布
３の右側縁部２２に夫々溶着したことを特徴とす
る。

以下本考案を図面に示す実施例に基き具体的に
説明する。本実施例では、ウレタンフオームフイ
ルムの裏面にナイロン糸（又はポリエステル糸）
製ジヤージを貼合せてなるラミネート生地を使用
し、これを第６図に示す如く裁断した各構成布
を、主としてウエルダー加工による溶着によつて
接合して形成されている。

第６図は各構成布を示すが、中央布３は所定の
横幅を有するように帯状に形成され、第１図に示
すように一端が前面部上端に、他端が後面部上端
にあつて、腹中央部１から臀部中央部２に至る部
分を構成している。左側布７は長方形状に形成さ
れ、且つ上縁１７の中央に略Ｖ字状の抉り部１９
を設けている。右側布１０も左側布７と同様に形
成され、その上縁２０に抉り部２０を設けてい
る。左側布７及び右側布１０は、共に夫々の両側
縁部１１，１２どうしを、第４図に示す如く重
ね、この部分を溶着することによつて筒状体１
５，１６となる（この溶着部分をａ；ａで示す）。
前記溶着によつて形成される溶着線１３，１４は
外側面Ｐ，Ｐに位置することによつて、ライダー
パンツにデザイン効果を与えている。前記左右の
脚部６，９の夫々の下端部２３，２４は第２図に
示す如く折返され、且つウエルダー加工（180℃
〜230℃）によつて溶着される（この溶着部をｂ
で示す）。又前記脚部６，９の夫々の下には、こ
れを縮径状態にセツトできるように、接着フアス
ナー２５を裏面に取付けた帯片２６及び前記接着
フアスナー２５に接合する接着フアスナー２７を
取付けている。

前記右側布１０は、第４図及び第５図に示す如
く、その抉り部２０を中央布３の右側縁部２２に
溶着することによつて接合される。具体的には、
前記右側縁部２２を内側に折返し２重構造とし
（外側を２２ａ，内側を２２ｂで示す）、これに前
記抉り部２０を重ね、３重構造とした後これらを
溶着によつて一体化している（この溶着部分をｃ
で示す）。尚、前記右側縁部２２の内側２２ｂと
前記抉り部２０とは縫糸ｄによつて縫着されてい
る（溶着前に縫着作業を行うことは云うまでもな
い。）。以上のようにして、右側布１０と中央布３
とを接合した後、ゴム紐３１を収納するベルト部
３２を形成している。すなわち第５図に示す如
く、右側布１０の上端部２８並びに中央布３の前
端部２９及び後端部３０を夫々内側に２度折返し
（この折返し部を第５図にｐ、ｑで示す）、この折
返し部の下端近傍を溶着（この溶着をｅで示す）
によつて外側部（第５図にｒで示す）に接合し
て、前記ベルト部３２を形成している。尚、前記
折返し部ｐ，ｑは縫糸ｆで縫着されている。

前記左側布７は、その抉り部１９を中央布３の
左側縁部２１に溶着することによつて接合されて
いるが、その具体的構成は右側布１０を中央布３
に接合する場合と全く同じであるので、説明を省
略する（両者間で共通する部分は共通符号を付し
ている。）。

本考案は上記実施例に示す外、種々の態様に構
成することができる。例えば、中央布３、左側布
７及び右側布１０を、塩化ビニールシートなどの
他の合成樹脂布で構成することができ、又合成樹
脂層に非合成樹脂素材を貼合せたラミネート生地
で構成することができる。又左側布７及び右側布
１０の抉り部１９，２０と中央布３の左側縁部２
１及び右側縁部２２との溶着を、上記実施例では
３重構造部において行つているが、これを２重構
造部において行うことも可能である。更に上記実
施例ではベルト部３２を、左側布７、中央布３及
び右側布１０の端部を用いて形成しているが、こ
れらとは別体生地でベルト部３２を形成し、これ
を左側布７、中央布３及び右側布１０に溶着した
構成とすることもできる。

本考案は上記構成を有するので、次のような効
果を奏することができる。

ライダーパンツの腹中央部から臀部中央部に
至る部分を一端が前面部上端に、他端が後面部
上端にある帯状の中央布で構成し、それによつ
て左右側布を連結しているので、左右見頃同士
を接合したパンツのように動きが拘束されずに
中央布に対する左右筒状布の動きが容易になつ
て腰回り部に余裕が生じ、オートバイ乗車時の
特有の動きである脚部の開閉動作や前後動作が
スムースに行える。したがつて、モトクロス競
技に出場するときに着用しても、脚部の激しい
動きにもかかわらず、中央布の動きは少ないの
で、シートとの摩擦が少なくなる。

ライダーパンツの主構成布を３枚とすること
ができ、従来の４枚のものより減少させること
ができる共に、中央布の側縁部と左右側布の抉
り部のみを重ね合わせて溶着するだけで済むの
で、股間によく当てがわれる襠布のように２重
にならずに嵩張らず、その溶着作業を容易に行
うことができ、ライダーパンツの製作も容易に
行うことができる。

左側布及び右側布の両側縁部の溶着線が外側
面に位置しているので、そのラインがライダー
パンツにデザイン効果を与えている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は正面
図、第２図は背面図、第３図は右側面図、第４図
は第１図の−線拡大断面図、第５図は右側布
と中央布との接合上端部を示す一部切欠拡大斜視
図、第６図は構成布を示す平面図である。 １……腹中央部、２……臀部中央部、３……中
央布、５，８……腰回り部、６，９……腰部、７
……左側布、１０……右側布、１１，１２……側
縁部、１３，１４……溶着線、１５，１６……筒
状体、１７，１８……上縁部、１９，２０……抉
り部、２１，２２……側縁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端が前面部上端に、他端が後面部上端にあつ
   て、腹中央部から臀部中央部に至る部分を構成す
   る帯状の合成樹脂製中央布と、左腰回り部から左
   脚部に至る部分を構成する合成樹脂製左側布と、
   右腰回り部から右脚部に至る部分を構成する合成
   樹脂製右側布とを有し、且つ左側布及び右側布の
   夫々を、両側縁部を溶着することによつて溶着線
   が外側面に位置する筒状体を形成する一方、左側
   布及び右側布の夫々の上縁に抉り部を設け、左側
   布の抉り部を中央布の左側縁部に、右側布の抉り
   部を中央布の右側縁部に夫々溶着したことを特徴
   とするライダーパンツ。