JPH027589Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスマートボール遊戯機械に於けるチユ
ーリツプの機構に関し、更に具体的にはチユーリ
ツプが遊戯盤面に対して鋭角状に開扉状態を保持
し得るこの種機構に関する。

パチンコ等の玉遊戯機械に於いては、セーフ孔
の玉の受入可能な範囲を拡大及び縮小し得る部材
を一般にチユーリツプと呼ぶが、本考案に於いて
もその形状を問わず、上述の役割を果す部材をチ
ユーリツプと称する。

上記チユーリツプの機構は、スマートボール遊
戯機械に於いても従来より各種提案されており、
特に昨今は電動機構も加わり複雑な動作を行うも
のが見られる。当該遊戯機械に於いては、このチ
ユーリツプの動作の態様が遊戯者の興味を引く一
番のポイントであり、即ちこの機構の良否が、当
該遊戯機械の良否を決定することとなる。然し乍
ら他面、この機構の複雑化は当該遊戯機械の製品
コストの上昇及び故障発生の可能性の増大を招く
虞があり、その点で望ましくない。

本考案は斯かる観点に基づいてなされたもので
あり、構造が簡単であると共に、遊戯者を興感さ
せ得るこの種機構を提供することを目的とする。
これを達成する為本考案に於いては、セーフ孔を
開閉するチユーリツプを、遊戯盤面に対して擺動
自在に枢支すると共に、該チユーリツプに、これ
と一体的に揺動する連繋板を連設し、また該連繋
板の揺動端部に対向する遊戯盤裏面側に、遊戯盤
面と交わる平面内を揺動自在なバランス部材を枢
支し、このバランス部材に、上記連繋板がチユー
リツプと共に開扉位置から閉扉位置に向つて旋回
する際、該板の揺動端部と当接係合し得る爪を付
設し、この係合によりチユーリツプが、遊戯盤面
に対して鋭角状に開扉状態を保持し得るようにな
し、更に上記バランス部材に、爪の上方に位置す
る玉受板を付設し、セーフ玉の侵入時に該玉受板
がその押力を受けてバランス部材を退避方向に旋
回させ、上記係合を解除させてチユーリツプを閉
扉し得るようになした。

以下添付図面に示す望ましい実施例に従い本考
案を詳述する。

第１図及び第２図は本考案機構の一実施例を、
夫々チユーリツプの閉扉及び開扉状態で示す側面
図である。遊戯盤５に穿設されたセーフ孔１０は
図の平面に対して垂直な方向に長い長方形をな
し、ここに複数のチユーリツプ１１……が連続的
に並設されている。複数のチユーリツプ１１はソ
レノイド３０の作動により、孔１０の長手方向に
延びるレバー３２を介して同時に開扉され、セー
フ玉の侵入により個別に閉扉する。以下説明の都
合上その一つのチユーリツプ１１について述べ
る。

セーフ孔１０の一方の縁部にはシヤフト１３を
備える金具１２が取付けられ、他方の縁部には金
具１４が取付けられる。チユーリツプ１１は上記
シヤフト１３上に擺動自在に枢支され、その自由
端部１１ｔが閉扉時に金具１４の折返し上縁部１
４ｕと当接する。またチユーリツプ１１には、軸
支部近傍及び中間部に夫々連繋板１５及び案内板
１６が一体的に連結固定される。連繋板１５は遊
戯盤５面に対して垂直に下方に延びると共に、そ
の下端部１５ｌ側がセーフ孔１０に向つて折曲
る。また案内板１６はチユーリツプ１１の中間部
裏面より連繋板１５に向つて傾斜して延びる。

一方金具１４は、セーフ孔１０の遊戯盤５の裏
面側縁部に沿つてシヤフト１７を備え、ここにバ
ランス部材１８が枢支される。バランス部材１８
は、下端部よりセーフ孔１０側に延びる爪１９及
びその上方に位置する玉受板２０と、下端部より
セーフ孔１０とは逆側に延びる脚部２１とを備え
る。爪１９の先端部１９ｔは、上記連繋板１５の
揺動時にその下端部１５ｌと当接し得る位置迄延
び、また玉受板２０は上記案内板１６と対向する
位置迄延在する。またバランス部材１８の後方に
は、遊戯盤５の裏面に固定された支持板２２が位
置し、これは、バランス部材１８の自由状態時に
該部材１８の脚部２１を係止し、該部材１８を適
正位置に保持する。

上記構成による本考案のチユーリツプ機構の作
動態様を以下に示す。遊戯盤５面上の任意のセー
フ孔を玉が通過すると、ソレノイド３０が通電さ
れ、可動鉄心３１が図中右方向に突出する。その
為、連繋板１５はレバー３２に押されて、チユー
リツプ１１と一体となつてチユーリツプの開扉位
置に向つて図中反時計方向に旋回する。この旋回
の際、連繋板１５の端部１５ｌは爪１９の先端部
１９ｔと接触するが、端部１５ｌはソレノイド３
０による動力により端部１９ｔを介してバランス
部材１８を押遣り、該部１９ｔを僅かに越えてチ
ユーリツプ１１の開扉位置に至る。この時点で最
早ソレノイド３０は断電され、可動鉄心３１及び
レバー３２は図中左方向に引込む。その為、チユ
ーリツプ１１及び連繋板１５は自重により、チユ
ーリツプ１１の閉扉位置に向つて旋回して戻ろう
とするが、連繋板１５の端部１５ｌが、バランス
部材１８に付設された爪１９の端部１８ｔと当接
係合してこの戻り動作を阻止する為、チユーリツ
プ１１は遊戯盤５面に対して鋭角状に開扉状態を
保持されることとなる（第２図示状態）。

開扉状態に保持されたチユーリツプ１１はセー
フ玉が侵入すると、該玉はチユーリツプ１１の案
内板１６に規制されて、バランス部材１８に付設
された玉受板２０上に落下する。玉受板２０は玉
から押力を受ると、バランス部材１８、爪１９等
と共に図中反時計方向に即ち退避方向に旋回す
る。その為、連繋板１５の端部１５ｌと爪１９の
端部１９ｔとの係合が解除され、チユーリツプ１
１は、自重及び引続いて連繋板１５に付与される
玉の押力により速やかに閉扉する。

上記構成のチユーリツプ機構によれば次のよう
な効果が得られる。先ず、チユーリツプ１１が遊
戯盤５面に対して鋭角状に開扉状態を保持し得る
為、チユーリツプ１１の表面は常に遊戯者の視野
から消えることなく、ここに種々の装飾、表示等
を効果的に施すことができるようになる。またソ
レノイド３０の作動時間は僅かでよいから、これ
に掛る負担は小さくなり、而もバランス部材１８
に付設した玉受板２０によりチユーリツプ１１の
閉扉動作を開始するようにした為、該動作を確実
なものとすることができる。

以上詳述したように本考案のチユーリツプ機構
によれば、構造が簡単であるにも拘らず、その動
作は遊戯者を十分興感させ得るものであり、当業
界に於いて裨益するところ多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案機構の一実施例を、
夫々チユーリツプの閉扉及び開扉状態で示す側面
図である。 ５……遊戯盤、１０……セーフ孔、１１……チ
ユーリツプ、１２……金具、１３……シヤフト、
１４……金具、１５……連繋板、１６……案内
板、１７……シヤフト、１８……バランス部材、
１９……爪、２０……玉受板、２１……脚部、２
２……支持板、３０……ソレノイド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) セーフ孔１０を開閉するチユーリツプ１１
   を、遊戯盤５面に対して擺動自在に枢支すると
   共に、該チユーリツプ１１に、これと一体的に
   揺動する連繋板１５を連設し、 また該連繋板１５の揺動端部１５ｌに対向す
   る遊戯盤５裏面側に、遊戯盤５面と交わる平面
   内を揺動自在なバランス部材１８を枢支し、こ
   のバランス部材１８に、上記連繋板１５がチユ
   ーリツプ１１と共に開扉位置から閉扉位置に向
   つて旋回する際、該板１５の揺動端部１５ｌと
   当接係合し得る爪１９を付設し、この係合によ
   りチユーリツプ１１が、遊戯盤５面に対して鋭
   角状に開扉状態を保持し得るようになし、 更に上記バランス部材１８に、爪１９の上方
   に位置する玉受板２０を付設し、セーフ玉の侵
   入時に該玉受板２０がその押力を受けてバラン
   ス部材１８を退避方向に旋回させ、上記係合を
   解除させてチユーリツプ１１を閉扉し得るよう
   になしたことを特徴とする、スマートボール遊
   戯機械に於けるチユーリツプ機構。 (2) 前記チユーリツプ１１及び連繋板１５と、前
   記バランス部材１８とが、互いに平行な軸上に
   枢支されている実用新案登録請求の範囲第(1)項
   に記載のチユーリツプ機構。