JPH0629811Y2 - カセット挿入口カバーの開閉構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 この考案は、カセットテーププレーヤにおけるカセット
挿入口カバーの開閉構造に係るものであり、特に、車載
用カセットテーププレーヤ、ビデオカセットレコーダあ
るいはＤＡＴプレーヤ等に用いられるカセット挿入口カ
バーの開閉構造に関するものである。

（ロ）従来技術 従来、この種のカセット挿入口カバーの開閉構造として
は、第５図（Ａ），（Ｂ）および第６図（Ａ），（Ｂ）
に示すように構成したものがあった。

第５図（Ａ）は、前面操作パネル１に形成したカセット
挿入口２をカバー３で塞いだ状態を示す要部断面側面
図、第５図（Ｂ）は、カバー３を上方へ回転させてカセ
ット挿入口２を開放した状態を示す要部断面側面図であ
る。

この第５図（Ａ），（Ｂ）に示すカセット挿入口カバー
の開閉構造は、水平に移動するピン４の運動を、レバー
５の回転運動に変換してカバー３を開放するように構成
したものである。

すなわち、第５図（Ａ）に示すようにピン４を矢印の
方向へ水平移動させると、そのピン４はレバー５の一端
に形成した傾斜面5bに接触し押圧する。このピン４の押
圧により、レバー５はその支点5aを中心に時計方向へ回
転運動を行う。このレバー５の回転運動によって、レバ
ー５の他端に形成したフック部5cがカバー３に設けたピ
ン3bに接触し押圧する。この一連の動作によって、第５
図（Ｂ）に示すように、カバー３は上端部に設けた支点
3aを中心に回転し、カセット挿入口２を開放する。

また、ピン４が矢印と逆の方向、すなわち、旧位置へ
水平移動して、レバー５の傾斜面5bとの接触を解き、か
つ機器筐体内部に装填されていたカセット（図示しな
い）が取り出されると、カバー３は、例えば、常時閉じ
る方向に付勢されているバネ力により、支点3aを中心に
回転運動をし、カセット挿入口２を塞ぐように構成され
ていた。

一方、第６図（Ａ），（Ｂ）は、他の従来例を示すもの
で、第６図（Ａ）は、前面操作パネル１に形成したカセ
ット挿入口２をカバー３で塞いだ状態を示す要部断面側
面図、第６図（Ｂ）は、カバー３を上方へ回転させてカ
セット挿入口２を開放した状態を示す要部断面側面図で
ある。

この第６図（Ａ），（Ｂ）に示すカセット挿入口カバー
の開閉構造は、水平に移動する牽引杆７の運動を、レバ
ー６の回転運動に変換してカバー３を開放するように構
成したものである。

すなわち、第６図（Ａ）に示すように、一端の取付部7a
をレバー６に回転できるように取り付けた牽引杆７をプ
ランジャ等の力により、矢印の方向へ水平移動させる
と、レバー６はその支点6aを中心に時計方向へ回転運動
を行う。このレバー６の回転運動によって、レバー６に
形成したフック部6bがカバー３に設けたピン3bに接触し
押圧する。この一連の動作によって、第６図（Ｂ）に示
すように、カバー３は上端部に設けら支点3aを中心に回
転し、カセット挿入口２を開放する。

また、牽引杆７が矢印と逆の方向、すなわち、旧位置
へ水平移動し、かつ機器筐体内部に装填されていたカセ
ット（図示しない）が取り出されると、カバー３は、例
えば、常時閉じる方向に付勢されているバネ力により、
支点3aを中心に回転運動をし、カセット挿入口２を塞ぐ
ように構成されていた。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 しかし、上記した従来例の特にカセット挿入口カバーを
開放するための構造は、第５図（Ａ），（Ｂ）および第
６図（Ａ），（Ｂ）に示すように構成する部品点数が多
く、また構造もレバー５および６に支点を設ける必要が
あるなど複雑であり、コスト、作業性、あるいは信頼性
の面で不利となる問題点を有していた。

この考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、構造
は簡単であって、また安価に構成でき、かつ信頼性の高
いカセット挿入口カバーの開放機構を備えたカセット挿
入口カバーの開閉構造を提供しようとするものである。

（ニ）問題を解決するための手段 この考案のカセット挿入口カバーの開閉構造は、カセッ
ト挿入口を開閉するカバーの上部に設けた支点付近から
下部の自由端に向けて次第にカバーの前面方向へ隆起し
たスロープ面からなるカムをカバーの側面へ並行に設け
るとともに、上記支点の軸と平行に配置したピンを設け
たレバーの水平移動に伴って上記ピンが上記スロープ面
上を摺動するように構成したものである。

（ホ）作用 カセット挿入口を開閉するカバーは、カセットが機器筐
体内部へ装填された状態にある時には、カセット挿入口
を塞いでいる。

カセットを取り出すために、イジュクトスイッチ等を操
作すると、レバーがプランジャ等の力により、機器筐体
背面方向へ水平に移動する。

このレバーの水平移動により、ピンがカムのスロープ面
に接触し、そのスロープ面上を摺動して行く。このピン
の移動にしたがってカバーは、上部の支点を中心に回転
運動し、下部の自由端が持ち上げられてカセット挿入口
を開放することができる。

一方、レバーが上記とは逆の前面操作パネル方向へ水平
移動してカムとの接触を解き、かつカセットが取り出さ
れると、カバーは常時閉じる方向に付勢れているバネ力
により、支点を中心に回転運動をし、カセット挿入口を
塞ぐことができる。

（ヘ）実施例 実施例について図面を参照して説明する。

第１図〜第４図において、１は車載用カセットテーププ
レーヤあるいはビデオカセットプレーヤなどの前面操作
パネル、２は前面操作パネル１に設けられたカセット挿
入口、３はカセット挿入口２を開閉するカバーで、上部
には支点3aが設けられている。また、このカバー３は、
第１図に示すようにコイルバネ８によって常時カセット
挿入口２を閉じる方向への力が付勢されている。

９はカバー３の側面に並行に形成されたカムである。こ
のカム９は、カバー３と一体的に形成するか、あるいは
別部材によって形成したものをカバー３の側面に取り付
けるようにしてもよい。

このカム９には、カバー３の上部に設けた支点3a付近か
ら下部の自由端に向けて次第にカバー３の前面方向へ隆
起したスロープ面9aが形成されている。

カム９をこのような形状に形成する理由としては、 カバー３が第２図に示す状態から第４図の開放状態に
なるまでの間に死点をもたず、またスムーズに開くよう
にするため、 カバー３が第４図の開放状態から、コイルバネ８の力
だけで再び第１図の閉じた状態の旧位置へ確実に戻るこ
とができるようにするためである。

10はレバーで、例えば、機器筐体内に装填されたカセッ
ト12を取り出すために、イジェクトスイッチ等を操作し
た時に作動するプランジャ等の力により水平に移動する
ように構成されている。

また、このレバー10には、カム９のスロープ面9aと接触
するピン11が設けられている。

上記のように構成することによって、まず、第２図に示
すように、カセット12が機器筐体内部へ装填された状態
にある時には、カセット挿入口２はカバー３によって塞
がれている。

この第２図の状態で、カセット12を取り出すために、イ
ンジェクトスイッチ等を操作すると、レバー10がプラン
ジャ等の力により、第３図の矢印の方向へ水平に移動
する。

このレバー12の水平移動により、ピン11がカム９のスロ
ープ面９ａに接触し、そのスロープ面9a上を摺動して行
く。

このピン11の移動にしたがってカバー３は、第３図に示
すように、支点3aを中心に反時計方向へ回転運動し、下
部の自由端が持ち上げられて、カセット挿入口２を開放
する。

この後、第４図に示すように、カセット12が上がってき
て、カバー３に当たり、メカニズムの動作により、カセ
ット12はカセット挿入口２から外部へ押し出される。こ
の時、レバー10がカム９のスロープ面9aとの接触を解き
矢印の方向へ水平移動、すなわち、第２図の旧位置へ
戻っていても、カバー３はカセット12によって押えられ
るため、カセット挿入口２を塞ぐことはない。

カセット12が取り出されると、カバー３はコイルバネ８
のバネ力によって、支点3aを中心に時計方向に回転運動
し、カセット挿入口２を塞ぐことができる。

（ト）考案の効果 この考案は、上述のとおり構成されているので、次に記
載する効果を得ることができる。

この考案に係るカセット挿入口カバーの開閉構造は、
レバー10の水平運動（直線運動）を、カバー３の回転運
動に変換する構成であるから、第５図および第６図に示
す従来例のような運動量の比較的大きいレバー５や６を
用いる必要がないため、スペースファクタがよく、小型
化を図ることができる。

また、水平運動を回転運動に変換するのに要する部品
はレバー10のみである上に、変換構造特有の支点も設け
る必要がないから、構成が簡単で低コストであり、かつ
作業性の改善を図ることができる。

さらに、カム９のスロープ面9aの形状を工夫すること
により、レバー10のストロークのバラツキを吸収するこ
とができ、信頼性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は、この考案に係るカセット挿入口
カバーの開閉構造の実施例を示すものであって、第１図
は要部の斜視図、第２図、第３図および第４図は動作状
態を示す要部の断面側面図である。 第５図（Ａ），（Ｂ）および第６図（Ａ），（Ｂ）は、
従来例を示す要部の断面側面図である。 主要部分の符号の説明 １：前面操作パネル、２：カセット挿入口 ３：カバー、８：コイルバネ ９：カム、9a：スロープ面 10：レバー、11：ピン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カセット挿入口と、このカセット挿入口を
   開閉するカバーとを備えた前面操作パネルを持つカセッ
   トテーププレーヤにおいて、 上記カバーの上部に設けた支点付近から下部の自由端に
   向けて次第に上記カバーの前面方向へ隆起したスロープ
   面からなるカムを上記カバーの側面へ並行に設けるとと
   もに、上記支点の軸と平行に配置したピンを設けたレバ
   ーの水平移動に伴って上記ピンが上記スロープ面上を摺
   動するように構成したことを特徴とするカセット挿入口
   カバーの開閉構造。