JPH027442Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、容易に、かつ精度よくクリツク位置
を設定しようとしたクリツク付可変抵抗器の改良
に関するものである。

今日、オーデイオ機器等のトーンコントロー
ル、バランスコントロール等に使用される可変抵
抗器においては、クリツク付のものが好まれ、オ
ーデイオ機器等の高級化に伴い、クリツク位置の
高精度化が要求されている。

従来のクリツク付可変抵抗器は、第１図〜第３
図イ，ロに示すように構成されている。まず、第
１図において１は取付板、２は端子３により取付
板１に固着された馬蹄形の抵抗体、４は上記取付
板１に取付けられた軸受（図示せず）に回転可能
に装着されている操作軸で、この操作軸４の先端
部には刷子取付板５が固着されている。上記刷子
取付板５の下面側には該操作軸４を回転させるこ
とにより上記抵抗体２上をその先端部が摺動する
刷子（図示せず）が固着されており、また刷子取
付板５の上面側にはクリツクストツプ用の溝６が
形成され、上記刷子には取付板１に端子３′によ
り固着された接触子７が常時接している。また、
８は第２図イ，ロに示すようなクリツクバネ９を
内周に嵌入させ、そのクリツクバネ９を軸方向に
押圧するように上記取付板１に装着されるキヤツ
プ状のカバーであり、このカバー８には上記刷子
取付板５の突出部５ａと当接して操作軸４の回転
角度を規制する回転止め部１０が一体に設けられ
ている。そして、操作軸４を回転させると軸方向
に弾性をもつクリツクバネ９の先端ダボ部１１が
弾性をもつて刷子取付板５に接触しているためク
リツクストツプ用の溝６に先端ダボ部１１が落込
む時、または越える時にクリツク感触が得られる
ものである。

このように従来のクリツク付可変抵抗器は、第
３図イ，ロに示すようにクリツクバネ９がカバー
８の内周に嵌入される構造であり、カバー８の内
周とクリツクバネ９の外周には嵌入させるに必要
な隙間ａおよびｂが要求される。

しかし、クリツクの位置精度はカバー回転止め
部１０の中心とクリツクバネ９の先端ダボ部１１
の中心とで決定されるため、隙間ａおよびｂが大
きくなれば必然的にクリツク位置に精度は低下す
る。また、この隙間ａおよびｂを最小に維持し、
クリツク位置精度を上げるには高精度の部品が要
求され、安価に供給することは非常に困難であ
る。

本考案は以上のような従来の問題点を解決すべ
く提案されたものであり、以下その一実施例につ
いて第４図〜第６図とともに上記と同一箇所には
同一番号を付して説明する。

第４図および第５図イ，ロに示すように、本考
案の特徴はクリツクバネ１２の形状とカバー８へ
の嵌入構造にある。すなわち、クリツクバネ１２
はクリツク機構を得るための軸方向に弾性をもつ
先端ダボ部１３を有する点は従来例と同様である
が、外周側にそのダボ部１３と僅かな隙間をもつ
て円周方向に弾性を有するように先端部間に切欠
き１４を備えたアーム１５が設けられ、かつこの
アーム１５を含めたクリツクバネ１２の外周部に
は外力に突出する複数個のツメ１６が一体に設け
られている。そして、第６図に示すようにクリツ
クバネ１２をカバー８の内周に嵌入装着する場
合、クリツクバネ１２はアーム１５の円周方向の
弾性を利用して圧力Ｆにより切欠き１４部が回転
止め部１０に完全に固着されてカバー８の内周に
圧入装着されている。また、この時ツメ１６の外
径Ｃをカバー８の内径より適当に大きく設定して
いることにより、切欠き１４部が回転止め部１０
により強固に固着され、クリツクバネ１２はカバ
ー８に対しより完全な圧入装着となつている。

以上のように本考案は構成されているものであ
り、クリツクバネの外周側に円周方向に弾性を有
する先端部間に切欠きを備えたアームを設け、か
つこのアームの外周部にカバーの内径より適当に
大きい外径のツメを設け、カバーの内周にクリツ
クバネを圧入装着するとともにアーム切欠き部が
カバーの回転止め部に固着されるようにした構成
のため、カバーの内周にツメによりクリツクバネ
は強固に圧着され、かつツメによる圧入装着によ
つてアームの切欠き部はカバーの回転止め部に強
固に押しつけられることとなり、クリツクバネの
ガタツキが防止されるものである。これによりク
リツクバネの先端ダボ部の位置が正確に決定され
るとともに精度の良いクリツク位置が得られ、か
つ可変抵抗器の操作時に操作者にガタツキにより
不快感を与えることがないものである。また、ク
リツクバネのアームは円周方向に弾性を有してい
るため、圧入装着する場合、部品に高精度を要求
することなく安価に供給できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のクリツク付可変抵抗器の分解斜
視図、第２図イ，ロは同クリツク付可変抵抗器を
構成するクリツクバネの上面図と側面図、第３図
イ，ロは同クリツクバネをカバーに嵌入装着した
状態を示す上面図と側断面図、第４図は本考案に
係るクリツク付可変抵抗器の一実施例を示す分解
斜視図、第５図イ，ロは同クリツク付可変抵抗器
を構成するクリツクバネの上面図と側面図、第６
図は同クリツクバネをカバーに嵌入装着した状態
を示す上面図である。 １……取付板、２……抵抗体、４……操作軸、
５……刷子取付板、５ａ……突出部、６……クリ
ツクストツプ用の溝、８……カバー、１０……回
転止め部、１２……クリツクバネ、１３……先端
ダボ部、１４……切欠き、１５……アーム、１６
……ツメ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 抵抗体を装着した取付板と、上記抵抗体上を摺
   動する刷子を下面側に固着するとともに上面側に
   クリツクストツプ用の溝を設け、かつ操作軸によ
   り回転駆動する刷子取付板と、上記クリツクスト
   ツプ用の溝とでクリツク機構を得る先端ダボ部を
   備えたクリツクバネを装着し、上記刷子取付板の
   突出部と当接することにより上記操作軸の回転角
   度を規制する回転止め部を設けた上記取付板に取
   付けられたキヤツプ状のカバーとで構成されるク
   リツク付可変抵抗器において、上記クリツクバネ
   の外周側に円周方向に弾性を有する先端部間に切
   欠きを備えたアームを設けるとともにこのアーム
   を含めた上記クリツクバネの外周部に外方に突出
   する複数個のツメを一体に設け、かつこのツメの
   外径を上記カバーの内径より適当に大きく設定
   し、上記カバーの内周に上記クリツクバネを圧入
   装着するとともに上記アームの切欠き部が上記カ
   バーの回転止め部に固着されるようにしたことを
   特徴とするクリツク付可変抵抗器。