JPH0272875A - リグニンパーオキシターゼflおよびその製造方法 - Google Patents

リグニンパーオキシターゼflおよびその製造方法

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JPH0272875A
JPH0272875A JP22449988A JP22449988A JPH0272875A JP H0272875 A JPH0272875 A JP H0272875A JP 22449988 A JP22449988 A JP 22449988A JP 22449988 A JP22449988 A JP 22449988A JP H0272875 A JPH0272875 A JP H0272875A
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lignin
lignin peroxidase
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JP22449988A
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Masaaki Kuwabara
桑原 正章
Yasuhiko Asada
恭彦 麻田
Kaede Shinogi
楓 凌
Masanobu Uchikoshi
正延 打越
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はりゲニンパーオキシダーゼFIJ−Jよびその
製造方法に関するものである。本発明の酵素はリグニン
に作用して、これを低分子化または分解する性質を有す
るため、木材等のりグツセルロース材料を原料とする紙
パルプ製造工程における種々の工程で利用できる。すな
わちパルプ化工程、パルプ漂白工程、排水処理工程など
におけるリグニンの低分子化または分解を行わせること
に利用できる。さらに木材の糖化において、糖化の前段
の処理としてリグニンを分解することによって、セルラ
ーゼ作用を高めるといういわゆるセルロース系バイオマ
ス利用の分野にも適用できる。
〔従来技術〕
木材等のリグノセルロース物質に白色腐朽菌を接種、培
養することによってリグニンを分解し、セルロースパル
プを製造する試みがなされている(特開昭50−469
03号公報参照)。しかし、この方法の白色腐朽菌は共
存する炭水化物をも分解してしまい、またセルラーゼ欠
損変異株を用いた場合には、本来のリグニン分解力が弱
まってしまうこと等の問題点があり、実用化されるに至
っていない。
一方、このような問題点を解決するため、白色腐朽菌の
リグニン分解酵素をリグノセルロース物質に作用させ、
リグニンのみを選択的に分解させようとする試みがなさ
れている(Science、 221+661−662
 (1983) )。
この報告は、主としてリグニンモデル化合物を基質とし
たものであるが、世界で最初にリグニン分解酵素を単離
、精製したものである。この酵素はファネロケーテ・ク
リソスポリウムが生産する菌体外酵素であり、主な特徴
は鉄含有酵素であること、分子量が約42,000であ
ること、酵素作用に過酸化水素が必要であること、リグ
ニンモデル化合物の4位のフェノール性水酸基がメトキ
シル基になった化合物に対して作用することが確認され
ていること等である。さらにファネロケーテ・クリソス
ポリウムが生産する菌体外酵素としては、2つの酵素が
報告されている(FBBS l、ett、、  169
゜247−250 (1984))。
これらの酵素の1つは分子量が41,000以下である
こと、もう1つの酵素は分子量が46,000以下であ
ること、さらにいずれの酵素も鉄含有酵素であると推定
されていること、酵素作用に過酸化水素が必要であるこ
と、リグニンモデル化合物の4位のフェノール性水酸基
がエトキシル基になった化合物に対して作用することが
確認されていること等である。
また、Leisolaらは、ファネロケーテ・クリソス
ポリウムの培養上清をクロマトフオーカシングによって
分離、分析しているが、4つの等電点の異なるリグニン
パーオキシダーゼを検出した。これらの酵素の等電点は
4.5.3.乳3.4.3.2であり、5以上、のもの
はな(、分子量は39,000〜42.000の間であ
った(J、Biotechnol、 2.379−38
2 (1985) )。
一方、カワラタケ属の担子菌が生産するリグニン分解酵
素(特開昭61−92568号)の主な特徴は銅含有酵
素であること、等電点が3.5付近であること、酵素作
用に酸素が必要であること、分子量が約53,000で
あること、リグニンモデル化合物の4位のフェノール性
水酸基がメトキシルになった化合物に対して作用しない
こと等であり、前記のファネロケーテ・クリソスポリウ
ムの生産する菌体外酵素とは全(性質が異なる酵素であ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明では白色腐朽菌をリグノセルロース物質に作用さ
せるときに生ずるリグニンの分解の他に共存する炭水化
物の分解を起こすという問題点を解決することを意図す
るものであり、主としてリグノセルロース物質中のリグ
ニンを低分子化または分解する新規酵素およびその製造
方法を提供することにある。
リグニンを低分子化する酵素の供給を実用化する場合、
製造方法が容易であることが重要な要件となる。
本発明の目的はこのような要件を満たす新規酵素および
その製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段] 本発明は新規なリグニンパーオキシダーゼFLおよびそ
の製造方法に関するものである。
本発明者らはリグニン分解菌としてよく研究されている
ファネロケーテ・クリソスポリウムのリグニン分解酵素
活性の強い変異株について鋭意研究を行った結果 該菌
株を増殖せしめ、その培養物から得た菌体外粗酵素をイ
オン交換クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフ
ィーにより高度に精製し、従来知られたりゲニンパーオ
キシダーゼと異なる新規な該酵素標品を得て、本発明に
到達した。
すなわち、本発明は下記の性質を有する新規なりゲニン
パーオキシダーゼFLおよびその製造方法に関する。
(1)作用 ■ 過酸化水素存在下でヘラトリルアルコールを酸化し
てヘラトリルアルデヒドを生成する。
■ 過酸化水素存在下でジアリルプロパンを酸化的に分
解する。
(2)基質特異性 ジアリルプロパンおよびベラトリルグリセロール−β−
グアヤシルエーテル等リグニンの2量体モデル化合物を
酸化的に分解する。
またベラトリルアルコール酸化する。
(3)至適pHおよびpH安定性 pH3付近でベラトリルアルコールを酸化する作用が至
適であり、pH3,5ないし7の範囲で安定である。
(4)至適温度および熱安定性 25℃付近でベラトリルアルコールを酸化する作用が至
適であり、55℃までの熱に安定である。
(5)等電点は4.8付近である。
(6)本酵素の分子量は約42,000である。
(SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による。) (7)本酵素はFeSO4、CuSO4により弱く阻害
を受け、EDTA、 KCN 、ジチオスレイトール、
ヒヒドロキシルアミン、NaN、、チオウレアで強く阻
害される。
(8)本酵素はヘム含有酵素であり、407nm付近に
極大吸収をもつ。
(9)本酵素の作用には過酸化水素を必要とする。
本酵素の力価測定はベラトリルアルコールを基質として
下記の第1表に示した反応液中30’Cで酵素を作用せ
しめ。生成するベラトリルアルデヒドの紫外吸収値を3
10nmで経時的に記録測定して行う。1分間にlnm
ol生成せしめる酵素量を1単位とする。
第1表 酵素力価測定のための反応液組成5mM  へ
ラトリルアルコール       O,Lmlo、5M
酒石酸ナトリウム緩衝液(pH3,0)   0.2 
m15.4mM過酸化水素           0.
1mft酵素液       0.6m1 本酵素はリグニンのモデル化合物としてよく用いられる
ベラトリルアルコール(I)、ジアリルプロパン(II
)、β−0−4ダイマ一モデル化合Th([[[)に作
用して、ベラトリルアルコールをベラトリルアルデヒド
に酸化し、またジアリルプロパンおよびβ−0−4ダイ
マ一モデル化合物は以下に示したようにプロパンのα、
β炭素結合を酸化的に切断する。
以上のように本発明の酵素の作用機序は従来より知られ
ているリグニンパーオキシダーゼの作用機序となんら変
るものではない。
(n) →印は切断部位を示す 本発明の酵素はファネロケーテ属に屈するリグニンパー
オキシダーゼFL生産菌を培地に培養することにより製
造されるが、好ましくはファネロケーテ・クリソスポリ
ウムに属し、高窒素条件下(60mM)の培地で培養器
内の気相の酸素分圧を空気より高めることなく培養する
ことにより、培養液中にリグニン分解酵素を生産する能
力のある変異株を、上記の方法で培養し、培養物から該
酵素を採取することによって得られる。
本発明に用いる変異株は以下のようにして得ることがで
きる。
まず、ファネロケーテ・クリソスポリウムの胞子懸濁液
に紫外線を照射し、生存率が0.1〜lχとなるように
処理することによって変異の誘導を行う。次いで、第2
表に示すカークの培地に0.05χのレマゾールブリリ
アントブルーR1および60mMの酒石酸アンモニウム
を含有させた培地に紫外線処理した胞子をまき、37℃
で培養すると、野生株は色素を分解しないが、変異株は
色素を分解するためコロニーの周りがオレンジ色に変わ
る。この色素の分解速度の速いコロニーを拾うことによ
って、野生株では酵素生産できないような高い窒素濃度
の培地でリグニンパーオキシダーゼを生産する株を得る
ことができる。かくして得られた株を第2表に示すカー
クの培地で、培養容器に酸素を吹き込むことなしに静置
培養し、培養液のりゲニンパーオキシダーゼ活性の高い
株を選抜することにより、目的の変異株を得ることがで
きる。
本発明に用いる微生物としてはファネロケーテ・クリソ
スポリウムに属し、リグニンパーオキシダーゼFLを生
産する能力のある微生物であればいずれも用いることが
できるが、以下の菌学的性質を示すファネロケーテ・ク
リソスポリウムが特に適しており、ファネロケーテ・ク
リソスポリウムME446に由来する変異株であるファ
ネロケーテ・クリソスポリウムPL−21株が例示され
る。
なお、この微生物を工業技術院微生物工業技術研究所に
寄託申請したが、その受託が拒否された。
(1)  高濃度窒素源およびO−ジアニシジンを含む
培地で培養すると赤褐色色素を生成する。
(2)気相の酸素分圧を空気より高めることなく培養し
て、リグニンパーオキシダーゼFLを生産する。
(3)高濃度窒素源を含む培地で培養してリグニンパー
オキシダーゼFLを生産する。
本発明で使用する培地としては、下記第2表のカーク(
Kirk)の培地が代表的である。
第2表 カークの培地 (本頁以下余白) 京Kirk  s  5alts K112F’0゜ 門gsOa  ・7++20 CaC] 2  ・211zO 塩酸チアミン ニトリロ三酢酸 Mg5On  ・7+120 門nsO,・H2O aCI FeSO4・711zO CoSO。
CaCIz  ・211zO n504 CuS04H511zO 八IK(S04)Z 83BO。
aMoOn (lffi中) 0g g g 0mg 50mg 30h+g 50+r+g 00mg 0mg 0mg 10n+g 0mg 1mg 1mg 1mg 1mg 培地中に添加する各成分の種類や量は必ずしも上記の組
成に従う必要はないが、窒素源の濃度はアンモニア態窒
素として10から60mMであることが望ましい。
リグニンパーオキシダーゼFL生産のための培養は以下
のように行う。胞子を滅菌生理食塩水に懸濁し、窒素源
として例えば0.62%ペプトン(Nとして60mM)
含むカークの培地に接種する。培養容器は綿栓なと通気
性のある栓で蓋をする。
野生株の培養のように酸素で培養容器内の気相を置換す
る必要はない。培養は静置培養で40℃以下で行うが、
37℃程度が望ましい。3日目ないし8日目には培養ン
夜中にリグニンパーオキシダーゼF Lを検出すること
ができる。変異株の活性は野生株に比べて最高約100
倍高い。
本発明の酵素は主として培養液中に分泌生産されるので
、本酵素を採取するには培養終了後の培養物から菌体を
濾過、遠心分離等の方法で除去した培養上清から、通常
の酵素単離の方法により行うことができる。
例えば陰イオン交換体によるカラムクロマトグラフィー
、高速液体クロマトグラフィー、ゲル濾過等で行うが、
もちろんこれらの方法を繰り返すこと、他の常法の精製
手段を必要に応じ組み合わせて用いることもできる。
なお、本発明の酵素は従来より知られているファネロケ
ーテ・クリソスポリウムhE446のリグニンパーオキ
シダーゼおよび特願昭62−53847に開示されてい
るリンゼニンバーオキシダーゼ4F−1とは以下の点が
異なっている。
1)等電点:野生株ME446の酵素は3以下であり、
^TCC24725株では4.5以下特願昭62−53
847の酵素(MP−1’)は5.0−5.1であるが
、本発明の酵素は4.8である。
2) 温度安定性:野生株1446の酵素は、55℃1
0分の処理で完全に失活し、特願昭62−53847の
酵素(MF−1)は60℃でも100%活性を維持して
おり、65℃で完全に失活するが、本発明の酵素は55
℃で85%の活性を維持しており、60℃では50%の
活性が残っている。
3)  pH安定性:野生株ME446の酵素はpH4
6の範囲で安定であるが本酵素及び特願昭62−538
47号の酵素(MF−1)は、3.5−7の範囲で安定
である。
実施例1 ファネロケーテ・クリソスポリウムPL−21株をマル
トアガー(Difco社製)のスラントに接種し、7日
以上37℃に保温して胞子を充分に形成せしめた後、滅
菌生理食塩水を加えて胞子懸濁液を作成しく約107個
/cc)、6.2g/ lのペプトンを含むカークの培
地に培地容量の0.5%の胞子懸濁液を添加し、紙栓を
して37℃に静置した。培養開始後5日目に培養を止め
、以下の要領で酵素を採取した。
酵素活性は1300単位/mQであった。
菌体をガーゼで濾過除去し、更に濾紙により除菌した培
養液をエバポレーターにより30℃で濃縮、更に限外濾
過(Amicon PM  10)により濃縮し、20
mMコハク酸緩衝液(pH4,5)に対して透析した。
次いで20mMこはく酸緩衝液(pH4,5)で平衡化
したDEAE−セファロースCL−68(Pharma
cia社)カラム(径1x4c+n)に通した。野生株
のリグニンパーオキシダーゼはおおむねこのカラムに吸
着するのに対し、本発明の酵素は吸着せずに素通りした
続いてこの素通り画分を限界濾過により濃縮した後、p
H4,5の20111Mこはく酸緩衝液に対し一夜透析
し、該緩衝液で平衝化したHPLCカラム、TSKge
l DEAE−5PW (東ソー社製)に通した。溶離
条件は流速1ml/1IIinとし、20mMこはく酸
暖衝液(pH4,5)を、試料50−200μ2を注入
後3分間流し、90分かけて0−500mM食塩濃度勾
配で溶出した。検出は280nmおよびヘム蛋白質の特
異吸収407r+mで行った。
はぼ素通りの3.8分(ピーク1)および5.8分(ピ
ーク2)に活性のある2つの大きなピークかえられた。
これら2つのピークの酵素活性の和は全体の9割を占め
た。それぞれ20mMリン酸緩衝液(pH7)で平衝化
したHPLCカラム、TSK−gel DEAE−5P
W(7,5mm 1.D、 X7.5 cm)にかけた
。溶離条件は流速0.8ml / m i nとし、試
料注入後6分間食塩を含まない20戚リン酸緩衝液(p
H7)流した後4分で0から500mMの食塩の直線濃
度勾配をかけ更に70分500mMを保持した。ピーク
1は28.5分、ピーク2は29分に溶出した。それぞ
れの活性画分を集め、SOSポリアクリルアミドゲル電
気泳動により単一の酵素に精製されていることを確認し
た。
アンホラインPAGプレートpH4−6,5(LKB社
製)による等電点電気泳動の結果、ピーク1はp15.
01ピーク2はp14.80であり、ピーク1は特願昭
62−53847の発明酵素に相当するものであった。
ピーク2の酵素は従来知られていない新規酵素であった
。本酵素は10Qdの培養濾液から収率19%で、0.
79mgを得た。比活性は21.9X103単位/■で
あった。
以下に本発明の性質について調べた。
(1)  作用機序 本酵素の作用機序を確認するために、リグニンモデル化
合物として、ヘラトリルアルコール(■)、ジアリルプ
ロパン(1−(3’、4ジメトキシフエニル)−1,3
−ジヒドロキシ−2−(4”−メトキシフェニル)プロ
パン) (II)、およびβ−0=4型ダイマー(1−
(4’−エトキ、シー3′−メトキシフェニル)−2−
(2’−メトキシフェノキシ)〜3−ヒドロキシプロパ
ンー1−オン〕(I[I)を用いて試験を行った。
酵素反応は力価測定法の項で述べた組成の反応液中で行
い、基質は終濃度が0.5mMとして、ベラトリルアル
コールの代りに加えた。
反応は30℃で5時間行い、反応終了後の反応液の酢酸
エチル抽出液を薄層クロマトグラフィーで分析した。
薄層は蛍光剤を含むシリカゲルの薄層板(Merck社
製、No、 5744)を用い、ジクロロメタン:メタ
ノール(20:1 (ν/V))で展開した。
同時に構造の明らかな積率試料を展開し、分解産物を展
開し、分解産物を同定した。第1図に結果を示す。
ジアリルプロパンおよびベラトリルグリセロール−β−
グアヤシルエーテルが酸化的に分解した際生ずる分解産
物のスポットが観察できた。
またベラトリアルコールが酸化した結果生ずるヘラトリ
ルアルコールが観察できた。
(2)至適pHおよびp、H安定性 酒石酸ナトリウウム緩衝液(pH4以下)、こは(酸ナ
トリウム緩衝液(pH4−6)、りん酸ナトリウム緩衝
液(pH7−8)を用いた。
至適puの結果は第2図に示す通りであって至適pHは
3付近であった。
pH安定性は本発明の酵素を20mMの所定の緩衝液中
で40℃110分間保持し、活性を測定した。結果は第
3図に示す通りであってpH3,5−7で安定であった
(3)至適温度および熱安定性 至適温度は温度条件を変えて本発明酵素の活性を測定し
た。その結果は第4図に示す通りであって、その至適温
度は25℃であった。
熱安定性は20mMこはく酸緩衝液(pH4,5)中2
0〜70℃の各温度で本発明酵素を1o分間放置し、酵
素活性を測定した。その結果は第5図に示す通りであっ
て、本発明酵素は55℃まで安定であった。
(4)等電点 アンホラインPAGプレートpH4−6,5(LKB社
製)による等電点電気泳動の結果4.80であった。
(5)分子量 SOSポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定し約
42,000であった。
(6)種りの物質の影客 金属塩、阻害剤等種々の物質を反応液中にIn+?の濃
度で添加し、活性を測定した。結果は次に示す第3表の
通りであった。
(木頁以下余白) 第3表 (濃度1 mM) コントロール iCI CI aCI nSO4 nCl2 CaCI□ gSOa 11gcl。
EDTA CN aN3 メルカプトエタノール チオウレア ジチオスレイトール ヒドロキシルアミン 金属塩、 *特願昭62 53847号の発明の酵素 (7)本酵素はヘム蛋白質の特徴である407nm付近
の吸収があり、水溶液は褐色を呈する。
(8)本酵素の作用には過酸化水素を必要とする。
比較例1 野生株の酵素は、ME446株を窒素源濃度を1.2m
Mに聞えたカークの培地で3日置きに酸素ガスで培養容
器内の気相を置換しながら培養せしめ、68日目の培養
上清を実施例1と同様の方法で処理し、イオン交換カラ
ムで精製した。培養濾液中の活性は8単位/ rrdl
であった。野生株の酵素は20mMこはく酸緩衝液(p
H4,5)で緩衝化したDEAE−セファロースCL−
68(Pharmacia社)カラム (径1×4cm
)全て吸着し、O−0,5Mの食塩濃度勾配で溶出する
と、0.2M付近で溶出せしめられる主要画分が得られ
た。
該主要画分の酵素について実施例1と同様の方法でその
性質を調べ、比較した。
至適pH,pH安定性、至適温度、熱安定性の結果をそ
れぞれ第2図、第3図、第4図、第5図に示した。
〔発明の効果〕
本発明により、従来より知られた酵素に比べて、製造方
法が容易であり、マンガンイオンにより活性が促進され
るリグニンパーオキシダーゼが発明され、実用上有利な
酵素が供給できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明酵素の作用機序、第2図は本発明酵素、
野性株および特願昭62−53847号の酵素の至適p
H3第3図は本発明酵素、野性株および特願昭62−5
3847号の酵素のpH安定性、第4図は本発明酵素、
野性株および特願昭62−53847号の酵素の至適温
度、第5図は本発明酵素、野性株および特願昭62−5
3847号の酵素の熱安定性を示すグラフである。 いずれの図においても、白抜き細線が本発明の酵素の結
果を示し、黒塗り破線及び白抜き太線は比較例として行
った野生株および特願昭62−53847号の酵素の結
果を示す。 第 図 第4図 温ご(’C) 第3図 δ 温度(℃)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)下記の性質を有するリグニンパーオキシダーゼFL (1)作用 [1]過酸化水素存在下でベラトリルアルコールを酸化
    してベラトリルアルデヒドを生成する。 [2]過酸化水素存在下でジアリルプロパンを酸化的に
    分解する。 (2)基質特異性 ジアリルプロパンおよびベラトリルグリセロール−β−
    グアヤシルエーテル等リグニンの2量体モデル化合物を
    酸化的に分解する。 またベラトリルアルコールを酸化する。 (3)至適pHおよびpH安定性 pH3付近でベラトリルアルコールを酸化する作用が至
    適であり、pH3.5ないし7の範囲で安定である。 (4)至適温度および熱安定性 25℃付近でベラトリルアルコールを酸化する作用が至
    適であり、55℃までの熱に安定である。 (5)等電点は4.8付近である。 (6)本酵素の分子量は約42,000である。 (SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による。) (7)本酵素はFeSO_4、CuSO_4により弱く
    阻害を受け、EDTA、KCN、ジチオスレイトール、
    ヒドロキシルアミン、チオウレア、NaN_3、で強く
    阻害される。 (8)本酵素はヘム含有酵素であり、407nm付近に
    極大吸収をもつ。 (9)本酵素の作用には過酸化水素を必要とする。 2)ファネロケーテ属に属し、請求項1)記載のリグニ
    ンパーオキシダーゼFL生産能を有する微生物を培地に
    培養し、培養物からリグニンパーオキシダーゼFLを採
    取することを特徴とするリグニンパーオキシダーゼFL
    の製造方法 3)ファネロケーテ属に属する微生物がファネロケーテ
    ・クリソスポリウム(Phanerocaete ch
    ry−sosporium)属に属し、以下の菌学的性
    質を有する変異株であることを特徴とする請求項2)記
    載の製造方法。 (1)高濃度窒素源およびo−ジアニシジンを含む培地
    で培養すると赤褐色色素を生成する。 (2)気相の酸素分圧を空気より高めることなく培養し
    て、リグニンパーオキシダーゼFLを生産する。 (3)高濃度窒素源を含む培地で培養してリグニンパー
    オキシダーゼFLを生産する。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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