JPH0272245A - 自動変速機用歯車変速装置 - Google Patents

自動変速機用歯車変速装置

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Publication number
JPH0272245A
JPH0272245A JP63221670A JP22167088A JPH0272245A JP H0272245 A JPH0272245 A JP H0272245A JP 63221670 A JP63221670 A JP 63221670A JP 22167088 A JP22167088 A JP 22167088A JP H0272245 A JPH0272245 A JP H0272245A
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JP
Japan
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gear
carrier
ring gear
speed
input shaft
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Application number
JP63221670A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Asada
壽幸 浅田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は車両用の自動変速様において使用される歯車
変速装置に関し、特に三組の遊星歯車を組合せて構成し
た歯車変速装置に関するものである。
従来の技術 周知のように遊星歯車はサンギヤとリングギヤとこれら
に噛合するピニオンギヤを保持するキセリャとの三要素
を有し、そのいずれかの要素を入力要素とするとともに
、他のいずれかを出力要素とし、さらに残る他の部材を
固定することにより、入力された回転を増速し、もしく
は正転減速し、あるいは反転減速して出力することがで
き、したがって従来一般には、複数の遊星歯車を組合せ
て自動変速曙用の歯車変速装置を構成している。その場
合、遊星歯車の組合せ方や、遊星歯車のギヤ比(サンギ
ヤとリングギヤとの歯数の比)の値、さらにはシングル
ピニオン型遊星歯車を用いるかダブルピニオン型遊星歯
車を用いるかなどによって、冑られる変速比が多様に変
わるが、その全ての組合せが実用し得るものではなく、
車両への搭載性、製造の可能性、変速特性、要求される
動力性能などの諸条件から実用の可能性のある歯車列は
限定される。換言すれば、遊星歯車列は、遊星歯車の組
合せやギヤ比の設定のし方によって膨大な数の構成が可
能であるために、車両用の自動変速様として要求される
諸条件を満すものを創作することには多大の困難を伴う
従来、このような背型の下に案出された多数の歯車変速
装置が提案されており、そのうち三組の遊星歯車を使用
した装置が、例えば特開昭51−17767号公報、同
51−48062号公報、同51−108168号公報
、同51−108170号公報、同51−127968
号公報に記載されている。
発明が解決しようとする課題 しかるに特開昭51−17767号公報、同51−48
062号公報、同51−108168号公報、同51−
108170号公報にそれぞれ記載された装置は、−組
のダブルピニオン型遊星歯車と二組のシングルピニオン
型遊星歯車とを組合せて構成したものであるが、これら
いずれの8@でも、変速比が1”以下のオーバードライ
ブ段を設定することができず、また前進第1速から第2
速への変速、および第2速から第3速への変速の際に、
二つのクラッチおよびブレーキを係合状態から解放状態
に、もしくは解放状態から係合状態に切換える必要があ
り、すなわち合計三つもしくは四つの係合手段を切換え
動作させる必要があり、そのため変速ショックが悪化し
、あるいは変速ショックを低減するためには複雑な制御
を必要とするなどの問題がある。これに加え、各変速段
での変速比が等止板数的に並んでいずに各変速比同士の
比率のバラツキが大きいために、変速の前後でのエンジ
ンの回転数が大きく変化し、その結果、運転しにくいも
のとなるなどのおそれがあった。
さらに特開昭51−127968号公報に記載された8
@は、上記の各装置と同様に二組のシングルピニオン型
遊星歯車と一組のダブルピニオン型遊星歯車とを組合せ
て構成したものであるが、この装置では、変速比がrr
 1 ″以下のオーバードライブ段を設定できないため
に、リャディファレンシセルギャなどの最終81i速は
の減速比が限定されている場合には、燃黄の改善や高速
走行時の静粛性の向上を図ることが困難であるうえに、
−組のシングルピニオン型遊星歯車と一組のダブルピニ
オン型遊星歯車とからなる歯車列における出力要素を、
他の一組のシングルピニオン型遊星歯車のリングギヤに
連結した構成を基本構成としているから、変速比を“′
1”に設定する場合、三つのクラッチを係合させる必要
があり、その結果、変速制御が複雑化するおそれがあっ
た。 このように従来の装置では、自動変速機用歯車変
速装置として要求される諸条件のうちのいずれかの条件
を充分に満していす、そのために制御が複雑になったり
、変速ショックが悪化したり、さらには運転しにくいも
のとなるなどの不都合を生じさせる問題があった。
この発明は上記の事情を背景としてなされたもので、変
速ショックを容易に低減でき、また変速制御が容易であ
り、さらに動力性能にすぐれ、かつ構成が簡単であるな
どの自動変速機に求められる複合した諸条件を共に満す
ことのできる自動変速機用歯車変速装置を提供すること
を目的とするものである。
課題を解決するための手段 この出願の各発明は以下の構成により上記の目的を達成
するものである。すなわちvf許請求の範囲の請求項1
に記載した発明は、第1サンギヤと、第1リングギヤと
、第1サンギヤおよび第1リングギヤに噛合するピニオ
ンギヤを保持する第1キャリヤとを有するシングルピニ
オン型の第1遊星歯車と、第2サンギヤと、第2リング
ギヤと、第2サンギヤに噛合するピニオンギヤおよびそ
のピニオンギヤと第2リングギヤとに噛合する他のピニ
オンギヤを保持する第2キャリヤとを有するダブルピニ
オン型の第2遊星歯車と、第3サンギヤと、第3リング
ギヤと、第3サンギヤと第3リングギヤとに噛合するピ
ニオンギヤを保持する第3キャリヤとを有するシングル
ピニオン型の第3遊星歯車とを備え、第1リングギヤと
第2キャリヤと第3サンギヤとの三者が一体的に連結さ
れるとともに、第1キャリヤと第3リングギヤとが一体
的に連結され、さらに第2リングギヤと第3キャリヤと
が一体的に連結され、さらに、一体的に連結された第1
リングギヤおよび第2キャリヤならびに第3サンギヤと
入力軸とを選択的に連結する第1クラッチ手段と、第2
サンギヤと入力軸とを選択的に連結する第2クラッチ手
段と、第1サンギヤと前記入力軸とを選択的に連結する
第3クラッチ手段と、一体的に連結された第1キセリヤ
および第3リングギヤの回転を選択的に止める第1ブレ
ーキ手段と、第2サンギヤの回転を選択的に止める第2
ブレーキ手段と、第1サンギヤの回転を選択的に止める
第3ブレーキ手段と、一体的に連結された第2リングギ
ヤおよび第3キセリヤに連結された出力軸とを具備して
いることを特徴とするものである。
また請求項2に記載した発明は、第1サンギヤと、第1
リングギヤと、第1サンギヤおよび第1リングギヤに噛
合するピニオンギヤを保持する第1キャリヤとを有する
シングルピニオン型の第1遊星歯車と、第2サンギヤと
、第2リングギヤと、第2サンギヤに噛合するピニオン
ギヤおよびそのピニオンギヤと第2リングギヤとに噛合
する他のピニオンギヤを保持する第2キャリヤとを有す
るダブルピニオン型の第2TI星歯車と、第3サンギヤ
と、第3リングギヤと、第3サンギヤと第3リングギヤ
とに噛合するピニオンギヤを保持するとともに出力軸に
連結された第3キャリヤとを有するシングルビニオン型
の第3遊星歯車とを備え、第1サンギヤと第2キャリヤ
と第3サンギヤとが一体的に連結されるとともに、第1
キャリヤと第2リングギヤと第3リングギヤとが一体的
に連結され、さらに、一体的に連結された第1サンギヤ
および第2キャリヤならびに第3サンギヤと入力軸とを
選択的に連結する第1クラッチ手段と、−体向に連結さ
れた第1キャリヤおよび第2リングギヤならびに第3リ
ングギヤと前記入力軸とを選択的に連結する第2クラッ
チ手段と、第2サンギヤと前記入力軸とを選択的に連結
する第3クラッチ手段と、一体的に連結された第1キセ
リヤおよび第2リングギヤならびに第3リングギヤの回
転を選択的に止める第1ブレーキ手段と、第1リングギ
ヤの回転を選択的に止める第2ブレーキ手段と、第2サ
ンギヤの回転を選択的に止める第3ブレーキ手段とを具
備していることを特徴とするものである。
作    用 請求項1に記載した装置では、第1クラッチ手段と第1
ブレーキ手段とを係合することにより、第3遊星歯車に
おいてそのリングギヤを固定した状態でそのサンギヤが
入力軸と同等に回転するために、そのキャリヤと一体の
出力軸が入力軸に対し大きく減速されて入力軸と同方向
に回転し、その結果、前進状態での変速比が最も大きい
第1速になる。また第1ブレーキ手段に替えて第2ブレ
ーキ手段を係合させれば、第2遊星歯車においてサンギ
ヤを固定した状態でキャリヤが入力軸と共に回転するの
で、リングギヤに連結された出力軸が入力軸に対して減
速されて回転し、前進第2速となる。さらに第2ブレー
キ手段に替えて第3ブレーキ手段を係合させれば、第1
yrL星歯車と第2遊星歯車とで減速作用が生じて前進
第3速となる。
またさらに第3ブレーキ手段に替えて第2クラッチ手段
を係合させ、もしくは第1ないし第3のクラッチ手段の
少なくともいずれか二つを係合させ・れば、全体が一体
となって回転する変速比が1″の前進第4速になる。そ
して第2クラッチ手段と第3ブレーキ手段とを係合させ
れば、すなわち前進第4速の状態で第1クラッチ手段に
替えて第3ブレーキ手段を係合させれば、変速比が“′
1゛以下のオーバードライブ段となる。他方、第3クラ
ッチ手段と第2ブレーキ手段とを係合さぜれば、後進段
となり、もしくは第3クラッチ手段と第1ブレーキ手段
とを係合させれば、変速比が更に大きい後進段となる。
また請求項2に記載した装置では、第1クラッチ手段と
第1ブレーキ手段とを係合させることにより、第3遊星
歯車においてリングギヤを固定した状態でサンギヤが入
力軸と一体になって回転するから、そのキャリヤすなわ
ち出力軸が入力軸より低速で正回転し、前進第1速とな
る。また第1ブレーキ手段に替えて第2ブレーキ手段を
係合させれば、第1;i!星歯車および第3遊星南中に
おいて減速作用が生じ、出力軸が入力軸に対して減速さ
れて回転することにより前進第2速となる。さらに第2
ブレーキ手段に賛えて第3ブレーキ手段を係合させれば
、第2リングギヤと第3リングギヤとが入力軸より低速
で回転するために、第3遊星歯車では、第3リングギヤ
をゆっくり回転させた状態でサンギヤが入力軸と一体と
なって回転することになり、したがってキャリヤおよび
これに連結した出力軸が入力軸より若干低速で回転し、
前進第3速となる。またさらに第3ブレーキ手段に替え
て第2クラッチ手段を係合させるなどのことにより、全
てのブレーキ手段を解放した状態で少なくとも二つのク
ラッチ手段を係合させれば、全体が一体となって回転し
、変速比が“1”の第4通となる。そして第2クラッチ
手段と第3ブレーキ手段とを係合させれば、第1遊星歯
車および第2遊星歯車で増減速作用が生じて出力軸が入
力軸に対して増速されて回転し、変速比が“1”以下の
オーバードライブ段である前進第5速となる。
そしてまた第2クラッチ手段と第2ブレーキ手段とを係
合させれば、第1遊星歯車と第3遊星歯車とで入力軸の
回転が更に増速されて出力軸に伝達され、変速比が更に
小さい前進第6速となる。他方、第3クラッチ手段と第
2ブレーキ手段とを係合させれば、出力軸が入力軸に対
して減速されて入力軸と反対方向に回転し、後進段とな
る。その第2ブレーギ手段に替えて第1ブレーキ手段を
係合させれば、変速比が更に大きい後進段となる。
実施例 つぎにこの出願の各発明の実施例を図面を参照して説明
する。
第1図は請求項1に記載した発明の一実施例を原理的に
示す模式図であって、ここに示す歯車変速装置は、−徂
のダブルピニオン型遊星歯車と二組のシングルピニオン
型¥1星歯車とを用い、それらの各遊星歯車にJ3ける
各要素を次のように連結して構成されている。すなわち
第1遊星歯車1は、サンギヤ1Sと、そのサンギヤ1S
と同心状に配置したリングギヤ1Rと、これらのギヤ1
S、1Rに噛合するピニオンギヤ1Pを保持するキャリ
ヤ1Cとを主たる要素として構成されたシングルピニオ
ン型遊星歯車であり、また第2遊星歯車2は、サンギヤ
2Sと、リングギヤ2Rと、これらのギヤ23.2Hの
間に配置されて互いに噛合する少なくとも1対のピニオ
ンギヤ2Pを保持するキャリヤ2Cとを主たる要素とし
て構成されたダブルピニオン型遊星歯車であり、さらに
第3遊星歯車3は、第1遊星歯車1と同様に、サンギヤ
3Sと、そのサンギヤ3Sに対して同心状に配置したリ
ングギヤ3Rと、これらのギヤ3S、3Rに噛合するピ
ニオンギヤ3Pを保持するキャリヤ3Cとを主たる要素
として構成されたシングルピニオン型遊星歯車である。
そして第1遊星歯車1のリングギヤ1Rと第2遊星歯車
2のキャリtア2 Cと第3遊星歯車3のサンギヤ3S
との三者が一体となって回転するよう連結され、また第
1遊星歯車1のキャリヤ1Cと第3遊星南車3のリング
ギヤ3Rとが一体となって回転するよう互いに連結され
ている。さらに第2遊星歯車2のリングギヤ2Rと第3
遊星歯車3のキャリヤ3Cとが互いに一体となって回転
するよう連結されている。
なお、上記の各要素の連結構造としては、中空軸や中実
軸もしくは適宜のコネクティングドラムなどの一般の自
動変速顆で採用されている連結構造などを採用すること
ができる。
入力軸4は、トルクコンバータや流体継手などの動力伝
達手段(図示せず)を介してエンジン(図示せず)に連
結されており、この入力軸4と、互いに連結された第1
′rL星歯車1のリングギヤ111および第2′ft星
歯車2のキャリヤ2Cならびに第3遊星歯車3のサンギ
ヤ3Sとの間には、これらを選択的に連結する第1クラ
ッチ手段に1が設けられ、また入力軸4と第2遊星歯車
2のサンギヤ2Sとの間には、両者を選択的に連結する
第2クラッチ手段に2が設けられ、さらに入力軸4と第
1遊星歯車1のサンギヤ1Sとの間には両者を選択的に
連結する第3クラッチ手段に3が設けられている。これ
らのクラッチ手段Kl 、 K2 、 K3は、要は入
力軸4と上記の各部材とを選択的に連結し、またその連
結を解除するものであって、例えば油圧サーボRIIな
どの従来一般に自動変速機で採用されている機構によっ
て係合・解放される湿式多板クラッチや、一方向クラッ
チ、あるいはこれらの湿式多板クラッチと一方向クラッ
チとを直列もしくは並列に配置した構成などを必要に応
じて採用することができる。なお、実用にあたっては、
各構成部材の配置上の制約があるから、各クラッチ手段
Kl 、に2 、に3に対する連結部材としてコネクテ
ィングドラムなどの適宜の中間部材を介在させ得ること
は勿論である。
また互いに連結された前記第1遊星歯中1のキャリヤ1
Cおよび第3遊星歯車3のリングギヤ3Rの回転を選択
的に阻止する第1ブレーキ手段B1が、これらキャリヤ
1Cおよびリングギヤ3Rとトランスミッションケース
(以下、単にケースと記す)6との間に設けられている
。また第2遊星園車2のサンギヤ2Sの回転を選択的に
阻止する第2ブレーキ手段B2が、そのサンギヤ2Sと
ケース6との間に設けられている。さらに第1遊星歯車
1のサンギヤ1Sの回転を選択的に阻止する第3ブレー
キ手段B3が、そのサンギヤ1Sとケース6との間に設
けられている。これらのブレーキ手段81.82 、B
3は、従来一般の自動変速顆で採用されている油圧サー
ボ機構などで駆動される湿式多板ブレーキやバンドブレ
ーキ、あるいは一方向クラッチ、さらにはこれらを組合
せた構成などとすることができ、また実用にあたっては
、これらのブレーキ手段81.82.83とこれらのブ
レーキ手段81.82 、B3によって固定すべき各要
素との間もしくはケース6との間に適宜の連結部材を介
在させ得ることは勿論である。
そしてブロベラシセフトやカウンタギヤ(それぞれ図示
せず)に回転を伝達する出力軸5が、互いに連結された
第2遊星歯車2のリングギヤ2Rおよび第3¥1星歯車
3のキャリヤ3Cに連結されている。
以上のように構成された歯車変速装置では、前進5段・
後進1段もしくは前進5段・後進2段の変速が可能であ
って、これらの各変速段は前述した各クラッチ手段に1
 、に2 、に3およびブレーキ手段31.32.33
を第1表に示すように係合させることにより達成される
。なお、第1表には各変速段の変速比およびその具体値
を併せて示してあり、その具体値は、各遊星歯車1.2
.3のギヤ比ρ1.ρ2.ρ3を、ρ1=0.497、
ρ2 : 0.529、ρ3 = 0.395とした場
合の値である。
また第1表中O印は係合状態であることを、またΔ印は
係合させてもよいことを、さらに空欄は解放状態である
ことをそれぞれ示す。以下、各変速段について説明する
(この頁、以下余白) (前進第1速) 第1クラッチ手段に1および第1ブレーキ手段B1を係
合させる。すなわち第1遊星歯車1のリングギヤ1Rお
よび第2遊星歯車2のキャリヤ2Cならびに第3遊星園
車3のサンギヤ3Sを入力軸4に連結するとともに、第
1遊星歯車1のキャリヤ1Cおよび第3遊星歯車3のリ
ングギヤ3Rを固定する。したがって第1遊星歯中1は
、そのサンギヤ1Sが入力軸4およびケース6に対して
解放されているから、特に増減速作用を行なわず、また
第2遊星歯車2は、サンギヤ2Sが入力軸4およびケー
ス6に対して解放されているから特に増減速作用を行な
わない。これに対して第3遊星歯車3ではリングギヤ3
Rを固定した状態でサンギヤ3Sが入力軸4と一体とな
って回転するから、キャリヤ3Cすなわち出力軸5が入
力軸4に対して減速されて正回転(入力軸4と同方向の
回転。
以下同じ)する。この場合の変速比は第1表に示す通り
、 (1+ρ3 )/ρ3 で表わされ、その具体値は、3.532である。
(前進第2速) 第1クラッチ手段に1と第2ブレーキ手段B2とを係合
させる。すなわち前進第1速の状態において第1ブレー
キ手段B1に替えて第2ブレーキ手段B2を係合させる
。したがって前進第1速の場合と同様に、第1遊星歯車
1のリングギヤ1Rおよび第2¥1星WJ中2のキャリ
ヤ2Cならびに第3遊星歯車3のサンギヤ3Sが入力軸
4に連結され、これに対して第2遊星歯車2のサンギヤ
2Sが固定される。この場合、第1遊星歯車1は、サン
ギヤ1Sが入力軸4およびケース6に対して解放されて
いるから、特に増減速作用を行なわず、また第3遊星歯
車3は、リングギヤ3Rがケース6に対して解放されて
いるから、特に増減速作用を行なわない。これに対して
第2遊星[!l!I車2では、サンギヤ2Sを固定した
状態でキャリヤ2Cが入力軸4と一体となって回転する
から、そのリングギヤ2Rおよびこれに連結した出力軸
5が入力軸4に対して減速されて正回転する。したがっ
てその変速比は、第1表に示す通り、 1/(1−ρ2) で表わされ、その具体値は、2.123である。
(前進第3速) 第1クラッチ手段に1と第3ブレーキ手段B3とを係合
させる。換言すれば、前進第2速の状態で第2ブレーキ
手段B2に替えて第3ブレーキ手段B3を係合させる。
すなわち入力軸4は第1速および第2速の場合と同様に
、第1遊星歯車1のリングギヤ1Rおよび第2遊星歯車
2のキャリヤ2Cならびに第3遊星歯車3のサンギヤ3
Sに連結され、これに対して第1遊星歯車1のサンギヤ
1Sが固定される。したがって第1遊星歯車1では、サ
ンギヤ1Sを固定した状態でリングギヤ1Rが入力軸4
と一体となって回転するから、キャリヤ1Cが入力軸4
に対して減速されて正回転し、これが第3遊星歯車3の
リングギヤ3Rに伝達される。そのため第3遊星歯車3
では、リングギヤ3Rを入力軸4より低速で正回転させ
た状態でサンギヤ3Sが入力軸4と一体となって回転す
るので、キャリヤ3Cが入力軸4より若干低速で正回転
する。なおこの場合、第2遊星歯車2はそのサンギヤ2
Sが入力軸46よびケース6に対して解放されているた
めに特に増減速作用を行なわない。
したがって出力軸5の回転数は入力軸4よりわずか小さ
くなり、その変速比は、 (1+ρ1)(1+ρ3) 1+ρ3+ρlρ3 で表わされ、その具体値は、1.312となる。
(前進第4速) 第1ないし第3のクラッチ手段に1.に2.に3のうち
の少なくともいずれか二つのクラッチ手段、例えば第1
および第2のクラッチ手段に1゜K2を係合させる。換
言すれば、第3速の状態で第3ブレーキ手段B3に替え
て第2クラッチ手段に2を係合させる。すなわち全ての
ブレーキ手段B1,82 、B3を解放した状態で第1
遊星歯車1のリングギヤIR1第2遊星歯車2のサンギ
ヤ2Sおよびキャリヤ23第3遊星歯車3のサンギヤ3
Sのそれぞれを入力軸4に連結する。したかって第2遊
星歯車2ではサンギヤ2Sとキャリヤ2Cとの二要素が
入力軸4と一体となって回転するためにその全体が一体
回転し、その結果、第2遊星歯車2のリングギヤ2Rお
よびこれに連結しである出力軸5が入力軸4と同速度で
回転する。
なお、第3遊星歯車3では、そのサンギヤ3Sが入力軸
4に連結されているうえに、キャリヤ3Cが第2遊星歯
車2のリングギヤ2Rに連結されていて入力軸4と同速
度で回転するから、第3遊星歯車3もその全体が一体回
転し、また第1遊星歯車1は、そのキャリヤ1Cが第3
遊星歯車3のリングギヤ3Rに連結され、かつリングギ
ヤ1Rが第2遊星歯車2のキャリヤ2Cに連結されてい
て、これらが入力軸4と同速度で回転するから、その全
体が一体回転する。結局、この場合は菌中列の全体が一
体となって回転し、変速比は“11F+になる。
(前進第5速) 第2クラッチ手段に2と第3ブレーキ手段B3とを係合
させる。すなわち上述した第4速の状態で第1クラッチ
手段に1に替えて第3ブレーキ手段B3を係合させる。
したがって第2遊星歯車2のサンギヤ2Sを入力軸4に
連結するとともに、第1遊星歯車1のサンギヤ1Sを固
定することになる。この場合、第2遊星歯車2で増速作
用が生じ、そのキャリヤ2Cが入力軸4により速く正回
転し、これが第1遊星歯車1のリングギヤ1Rおよび第
3遊星歯車3のサンギヤ3Sに伝達される。
また第1遊星歯車1ではサンギヤ1Sが固定されている
から、リングギヤ1Rが入力軸4より速く正回転するこ
とによりギヤリヤ1Cも入力軸4より速くかつリングギ
ヤ1Rより遅く正回転し、そのキャリヤ1Cの回転が第
3遊星歯車3のリングギヤ3Rに伝達される。したがっ
て第3遊星I!l1ll中3では、リングギヤ3Rが入
力軸4より速く正回転し、かつサンギヤ3Sがリングギ
ヤ3Rより更に速く正回転するので、ギヤリヤ3Cすな
わち出力軸5は入力軸4に対して大幅に増速されて正回
転し、変速比が′1”以下のオーバードライブ段である
前進第5速になる。すなわち変速比は、ρ2 (1+ρ
1 )(1+ρ3 )−ρ1ρ2 (1+ρ3 +ρ1
 ρ3 ) で表わされ、その具体値は、0.722となる。
(後進第1速) 第3クラッチ手段に3と第2ブレーキ手段B2とを係合
さじる。すなわち第1遊星歯車1のサンギヤ1Sを入力
軸4に連結するとともに、第2遊星園車2のサンギヤ2
Sを固定する。この場合、第1遊星歯車1ではキャリヤ
1Cおよびリングギヤ1Rが逆回転(入力軸4とは反対
方向の回転。
以下同じ)し、そキャリヤ1Cの回転が第3遊星歯車3
のリングギヤ3Rに伝達され、かつリングギヤ1Rの回
転が第2遊星歯車2のキャリヤ2Cおよび第3遊星歯車
3のサンギヤ3Sに伝達される。第2遊星@中2ではそ
のサンギヤ2Sが固定されているから、ギヤリヤ2Cが
逆回転することによりリングギヤ2Rが更に速く逆回転
させられる。また第3遊星歯車3においてはリングギヤ
3Rが逆回転することによりサンギヤ3Sが更に速く逆
回転する。したがって入力軸4の回転は各遊11!!1
東1.2.3において減速されて出力軸5に伝達され、
その変速比は第1表に示す通り、(ρ2 (1+ρ1)
(1+ρ3)−ρl)ρ1 (1−ρ2) で表わされ、その具体値は、−2,596となる。
(後進第2速) 第3クラッチ手段に3および第1ブレーキ手段B1を係
合させることにより、第1遊星歯車1のサンギヤ1Sを
入力軸4に連結するとともに、第1遊星歯車1のキャリ
ヤ1Cおよび第3遊星歯車3のリングギヤ3Rを固定す
る。したがって第1遊星歯車1ではキャリヤ1Cを固定
した状態でサンギヤ1Sが入力軸4と一体となって回転
するのでリングギヤ1Rが入力軸4に対して減速されて
逆回転し、これが第3遊星歯車3のサンギヤ3Sに伝達
される。そのため第3遊星南*3ではリングギヤ3Rを
固定した状態でサンギヤ3Sをゆっくり逆回転さぜるこ
とになるので、キャリヤ3Cが入力軸4に対して大きく
減速されて逆回転する。
なおこの場合、第2遊星歯車2は、そのサンギヤ2Sが
入力軸4およびケース6に対して解放されているために
特に増減速作用は行なわない。したがってこの場合の変
速比は、 −(1+ρ3)/ρ1ρ3 で表わされ、その具体値は、−7,114となる。なお
、この値から知られるよう、この後進第2速は特殊用途
向きである。
以上、各変速段について述べたことから明らかなように
、第1図に示す歯車変速装置では、第1速から第4速の
各変速段の変速比が等比級数に近い関係にあることから
、変速の前後でのエンジン回転数の比がほぼ一定となり
、運転し易い自動変速機とすることができる。さらにオ
ーバードライブ段の変速比が0.722であって、実用
可能な範囲で小さい値に設定できるために、動力性能を
確保しつつ高速走行時のエンジン回転数を下げて埋置お
よび静粛性を良好なものとすることができる。
そして各変速段の説明で述べた通り、隣接する他の変速
段に変速する場合、いずれか一つの係合手段を解放し、
かつ他の係合手段を係合させればよいため、すなわち二
個の係合手段を切換えて変速を行なうことができるため
、変速制御が容易で変速ショックの低減を図ることがで
きる。他方、上記の歯車変速装置では、遊星歯車は三組
でよいうえに、各遊星歯車1.2.3におけるギヤ比が
0.4〜0.53程度のバランスのとれた構成とするこ
とのできる値でよく、それに伴い遊星歯車が大径化する
ことがなく、したがって上記の歯車変速装置によれば、
全体としての構成を簡素化し、かつ小型化を図ることが
できる。
ところでエンジン横置きタイプの車両に搭載する場合に
は、入力軸4と出力軸5とを接近して配置する構成どす
ることが好ましいので、第1図に示す構成の変速装置を
エンジン横置きタイプの車両に搭載する場合には、クラ
ッチ手段に1 、 K2 。
K3およびブレーキ手段31.32.33を第2図に示
すよう配置することが好ましい。なお、第2図中符@7
はカウンタギヤであって、前記出力軸5はこのカウンタ
ギヤ7を介してセンタデイフルンシャルもしくはフロン
トディファレンシャルあるいはリヤディファレンシャル
などの差動歯車14i118のリングギヤ9に連結され
ている。その他の構成は第1図と同様であって、第2図
に第1図と同様の符号を付してその説明を省略する。
つぎに請求項2に記載した発明の実施例を第3図に基づ
いて説明する。
すなわち第3図に示す歯車変速装置にJ5いても、第1
遊星歯車1および第3遊星歯車3がシングルピニオン型
遊星歯申によってそれぞれ構成されるとともに、第2遊
星歯車2がダブルピニオン型遊星歯車によって構成され
、これらの各遊星歯車1゜2.3における各要素は以下
のように連結されている。第1遊星歯車1は、サンギヤ
1Sと、そのサンギヤ1Sと同心状に配置したリングギ
ヤ1Rと、これらのギヤIs、IRに噛合するピニオン
ギヤ1Pを保持するキャリヤ1Cとを主たる要素として
構成されている。これに対して第2遊星歯車2は、サン
ギヤ2Sと、リングギヤ2Rと、これらのギヤ2S、2
Hの間に配置されて互いに噛合する少なくとも1対のピ
ニオンギヤ2Pを保持するキャリヤ2Cとを主たる要素
として構成されている。また、第3遊星歯車3は、第1
遊星歯車1と同様に、サンギヤ3Sと、そのサンギヤ3
Sに対して同心状に配置したリングギヤ3Rと、これら
のギヤ3S 、 3R1,:@合するピニオンギヤ3P
を保持するキャリヤ3Cとを主たる要素として構成され
ている。そして第1遊星歯車1のサンギヤ1Sと第2遊
星歯車2のキャリヤ2Cと第3遊星歯車3のサンギヤ3
Sとの三者が一体となって回転するよう連結され、また
第1遊星歯車1のキャリヤ1Cと第2遊星歯車2のリン
グギヤ2Rと第3遊星歯車3のリングギヤ3Rとの三者
が一体となって回転するよう互いに連結されている。
なお、上記の各要素の連結構造としては、中空軸や中実
軸もしくは適宜のコネクティングドラムなどの一般の自
動変速機で採用されている連結構造などを採用すること
ができる。
入力軸4は、トルクコンバータや流体継手などの動力伝
達手段(図示せず)を介してエンジン(図示せず)に連
結されており、この入力軸4と、互いに連結された第1
′i!1星歯車1のサンギヤ1Sおよび第2遊星歯車2
のキャリヤ2Cならびに第3遊星歯車3のサンギヤ3S
との間には、これらを選択的に連結する第1クラッチ手
段に1が設けられ、また入力軸4と、互いに連結された
第1遊星歯車1のキャリヤ1Cおよび第2遊星歯車2の
リングギヤ2Rならびに第3遊星歯車3のリングギヤ3
Rとの間には、これらを選択的に連結する第2クラッチ
手段に2が設けられ、さらに入力軸4と第2遊星歯車2
のサンギヤ2Sとの間には両者を選択的に連結する第3
クラッチ手段に3が設けられている。これらのクラッチ
手段に1 、 K2 。
K3は、要は入力軸4と上記の各部材とを選択的に連結
し、またその連結を解除するものであって、例えば油圧
サーボeiII4などの従来一般に自動変速機で採用さ
れている機構によって係合・解放される湿式多板クラッ
チや、一方向クラッチ、あるいはこれらの湿式多板クラ
ッチと一方面クラッチとを直列もしくは並列に配置した
構成などを必要に応じて採用することができる。なお、
実用にあたっては、各構成部材の配置上の制約があるか
ら、各クラッチ手段に1 、に2 、に3に対する連結
部材としてコネクティングドラムなどの適宜の中間部材
を介在させ得ることは勿論である。
また互いに連結された第1遊星歯車1のキPすA71C
および第2遊星歯車2と第3遊星歯車3との各リングギ
ヤ2H,3Rの回転を選択的に阻止する第1ブレーキ手
段B1が、これらのキャリヤ1Cもしくはリングギヤ2
R,3Rとケース6との間に設けられている。また第1
遊星歯車1のリングギヤ1Rの回転を選択的に阻止する
第2ブレーキ手段B2が、そのリングギヤ1Rとケース
6との間に設けられている。さらに第2遊星歯車2のサ
ンギヤ2Sの回転を選択的に阻止する第3ブレーキ手段
B3が、そのサンギヤ2Sとケース6との間に設けられ
ている。これらのブレーキ手段81 、B2 、B3は
、従来一般の自動変速機で採用されている油圧サーボ機
構などで駆動される湿式多板ブレーキやバンドブレーキ
、あるいは一方向クラッチ、さらにはこれらを組合せた
構成などとすることができ、また実用にあたっては、こ
れらのブレーキ手段81.82.83とこれらのブレー
キ手段Bl、82.83によって固定すべき各要素との
間もしくはケース6との間に適宜の連結部材を介在させ
得ることは勿論である。
そしてプロペラシャフトやカウンタギヤ(それぞれ図示
せず)に回転を伝達する出力軸5が、第3遊星歯車3の
キャリヤ3Cに連結されている。
以上のように構成された歯車変速装置では、前進5段・
後進1段もしくは前進6段・後進2段の変速が可能であ
って、これらの各変速段は前述した各クラッチ手段Kl
 、に2 、に3およびブレーキ手段Bl 、82 、
B3を第2表に示すように係合させることにより達成さ
れる。なお、第2表には各変速段の変速比およびその具
体値を併Uて示してあり、その具体値は、各遊星歯車1
.2.3のギヤ比ρ1.ρ2.ρ3を、ρ1 = 0.
317、ρ2 = 0.385、ρ3 = 0.400
とした場合の値である。
また第2表中○印は係合状態であることを、またΔ印は
係合させてもよいことを、さらに空欄は解放状態である
ことをそれぞれ示す。以下、各変速段について説明する
(この頁、以下余白) (前進第1速) 第1クラッチ手段に1および第1ブレーキ手段B1を係
合させる。すなわち第1遊星歯車1および第3遊星歯車
3のサンギヤ1s、3sと第2遊星南車2のキャリヤ2
Cとを入力軸4に連結するとともに、第1遊星歯車1の
キャリヤ1Cと第2遊星歯車2および第3遊星歯車3の
各リングギヤ2R,3Rとを固定する。この場合、第1
遊星歯車1はリングギヤ1Rがケース6に対して解放さ
れているから、祷に増減速作用を行なわず、また第2遊
星歯車2もそのサンギヤ2Sが入力軸4およびケース6
に対して解放されているから、特に増減速作用を行なわ
ない。そして第3遊星歯車3においては、リングギヤ3
Rを固定した状態でサンギヤ3Sが入力軸4と一体とな
って回転するので、そのキャリヤ3Cすなわちこれと一
体の出力軸5が入力軸4に対して大幅に減速されて正回
転し、前進第1速となる。その変速比は第2表に小す通
り、 (1+ρ3)/ρ3 で表わされ、その具体値は、3.500である。この場
合、動力の循環は生じない。
(前進第2速) 第1クラッチ手段に1と第2ブレーキ手段B2とを係合
させる。すなわち前進第1速の状態において第1ブレー
キ手段B1に替えて第2ブレーキ手段82を係合させる
。したがって前進第1速の場合と同様に、第1遊星歯車
1および第3遊星歯車3のサンギヤ13,3Sと第2遊
星歯車2のキャリヤ2Cとが入力軸4に1結され、これ
に対して第1遊星歯車1のリングギヤ1Rが固定される
この場合、第2遊星歯車2はそのサンギヤ2Sがケース
6に対して解放されているから、特に増減速作用は行な
わない。そして第1遊星歯車1においては、リングギヤ
1Rを固定した状態でサンギヤ1Sが入力軸4と一体と
なって回転するから、キャリヤ1Cが入力軸4に対して
減速されて正回転し、これが第3遊星歯車3のリングギ
ヤ3Rに伝達される。したがって第3遊星歯車3では、
リングギヤ3Rをゆっくり正回転させた状態でサンギヤ
3Sが入力軸4と一体となって回転することになるため
に、キャリヤ3Cおよびこれに連結しである出力軸5が
入力軸4より低速で正回転し、前進第2速となる。そし
てその変速比は第2表に示す通り、 (1+ρ1)(1+ρ3) ρI+ρ3+ρlρ3 で表わされ、その具体値は、2.185である。この場
合も動力の循環は生じない。
(前進第3速) 第1クラッチ手段に1と第3ブレーキ手段B3とを係合
させる。換言すれば、前進第2速の状態で第2ブレーキ
手段B2に替えて第3ブレーキ手段B3を係合させる。
すなわち第1速および第2速の場合と同様に、第1遊星
園車1および第3遊星歯車3のサンギヤ1s、3sと第
2遊星歯車2のキャリヤ2Cとが入力軸4に連結され、
これに対して第21星歯車2のサンギヤ2Sが固定され
る。この場合、第1遊星歯車1は、そのリングギヤIR
がケース6に対して解放されているから特に増減速作用
を行なわない。そして第2遊星歯車2では、そのサンギ
ヤ2Sを固定した状態でキャリヤ2Cが入力軸4と一体
となって回転するのでリングギヤ2Rが入力軸4に対し
て減速されて正回転し、これが第3T1星歯車3のリン
グギヤ3Rに伝達される。したがって第3遊星歯車3で
はリングギヤ3Rがゆっくり正回転している状態でサン
ギヤ3Sが入力軸4と共に回転することになるので、キ
ャリヤ3Cすなわち出力軸5が入力軸4より若干低速で
正回転し、前進第3速となる。したがってこの場合の変
速比は、 (1+ρ3)/(1−ρ2+ρ3) で表わされ、その具体値は、1.379となる。この場
合も動力の循環が生じない。
(前進第4速) 第1ないし第3のクラッチ手段に1 、 K2 、 K
3のうちの少なくともいずれか二つのクラッチ手段、例
えば第1および第2のクラッチ手段に1゜K2を係合さ
せる。換言すれば、第3速の状態で第3ブレーキ手段B
3に替えて第2クラッチ手段に2を係合さぜる。すなわ
ち全てのブレーキ手段31.32 、 B3を解放した
状態で、第1遊星歯車1のサンギヤ1Sおよびキャリヤ
1C1第2遊星歯車2のキャリヤ2Cおよびリングギヤ
2R。
第3遊星歯車3のサンギヤ3Sおよびリングギヤ3Rの
それぞれを入力軸4に連結する。したがって第1ないし
第3の遊星歯車1,2.3のそれぞれにおける二要素が
入力軸4に連結されるために歯車列の全体が一体となっ
て回転し、変速比は″1′になる。当然、この場合も動
力の循環は生じない。
(前進第5速) 第2クラッチ手段に2と第3ブレーキ手段B3とを係合
させる。すなわち上述した第4速の状態で第1クラッチ
手段に1に替えて第3ブレーキ手段B3を係合させる。
その結果、第1遊星菌車1のキャリヤ1Cおよび第2遊
星歯車2と第3遊星歯車3とにおける各リングギヤ2R
,3Rが入力軸4に連結され、また第2遊星歯車2のサ
ンギヤ2Sが固定される。この場合、第2遊星歯車2に
おいてサンギヤ2Sを固定した状態でリングギヤ2Rが
入力軸4と共に回転するために、そのキャリヤ2Cが入
力軸4に対して増速されて正回転し、これが第3遊星歯
車3のサンギヤ3Sに伝達される。また第3遊星歯車3
においてはサンギヤ3Sが入力軸4より速く正回転して
いる状態でリングギヤ3Rが入力軸4と同速度で回転す
るため、そのキャリヤ3Cすなわち出力軸5が入力軸4
より速く正回転し、オーバードライブ段となる。なお、
この場合、第1遊星歯車1はそのリングギヤ1Rがケー
ス6に対して解放されているために特に増減速作用は行
なわない。したがってこの場合の変速比は、第2表に示
す通り、 (1−ρ2)(1+ρ3) 1−ρ2+ρ3 で表わされ、その具体値は、0.848となる。この場
合においても動力の循環は生じない。
(前進第6速) 第2クラッチ手段に2と第2ブレーキ手段B2とを係合
させる。すなわち上述した第5速の状態で第3ブレーキ
手段B3に替えて第2ブレーキ手段82を係合させる。
したがって第11i星歯車1のキャリヤ1Cおよび第2
M星m車2と第3遊星歯車3とにおける各リングギヤ2
R,3Rが入力軸4に連結され、また第1遊星歯車1の
リングギヤ1Rが固定される。その結果、第1遊星歯車
1においてはリングギヤ1Rを固定した状態でキャリヤ
1Cが入力軸4と共に回転するので、サンギヤ1Sが入
力軸4に対して増速されて正回転し、これが第3M星[
!ill!3のサンギヤ3Sに伝達され、また第3遊星
歯車3ではサンギヤ3Sが入力軸4より速く正回転して
いる状態でリングギヤ3Rが入力軸4と同速度で回転す
ることになる。そのため第311歯車3のキャリヤ3C
に連結しである出力軸5は入力軸4に対して大きく増速
されて正回転し、変速比が更に小さいオーバードライブ
段となる。なお、この場合、第2遊星歯車2は、そのサ
ンギヤ2Sが入力軸4およびケース6に対して解放され
ているから、特に増減速作用を行なわない。すなわち変
速比は、 ρl (1+ρ3 ) ρ1 +ρ3 +ρl ρ3 で表わされ、その具体値は、0.562となる。この場
合においても動力の循環は生じない。
(後進第1速) 第3クラッチ手段に3と第2ブレーキ手段B2とを係合
させる。すなわち第2遊星歯車2のサンギヤ2Sを入力
軸4に連結するとともに、第1遊星歯車1のキャリヤ1
Cおよび第2遊星歯車2と第3遊星歯中3との各リング
ギヤ211,31’lを固定する。この場合、第2遊星
歯車2では、キャリヤ2C6よびリングギヤ2Rに出力
軸5からの負荷がかかっていることによりキャリヤ2C
が逆回転することになり、これが第1遊星歯車1のサン
ギヤ1Sに伝達される。したがって第1遊星歯車1では
リングギヤ1Rが固定されていることによりキャリヤ1
Cが逆回転し、これが第2遊星#i車2のリングギヤ2
Rおよび第3遊星歯車3のリングギヤ3Rに伝達される
。その結果、第3遊星歯車3ではサンギヤ3Sとリング
ギヤ3Rとが逆回転するために、そのキャリヤ3Cすな
わち出力軸5が入力軸4に対して減速されて逆回転し、
後進段どなる。そしてその変速比は、第2表に示す通り
、 P2  (ρ1+ρ3+ρ!ρ3) で表わされ、その具体値は、−2,124となる。
(後進第2速) 第3クラッチ手段に3および第1ブレーキ手段B1を係
合させることにより、第2遊星歯車2のサンギヤ2Sを
入力軸4に連結するとともに、第1遊星歯車1のキャリ
ヤ1Cおよび第2遊星歯車2と第3遊星歯車3との各リ
ングギヤ2R,3Rを固定する。この場合、第1遊星歯
車1は、リングギヤ1Rがケース6に対して解放されて
いるから、特に増減速作用は行なわない。そして第2′
rL星歯車2ではリングギヤ2Rを固定した状態でサン
ギヤ2Sが入力軸4と一体となって回転するのでキャリ
ヤ2Cが入力軸4に対して減速されて逆回転し、これが
第3遊星歯車3のサンギヤ3Sに伝達され、したがって
第3遊星(!liI中3ではリングギヤ3Rを固定した
状態でサンギヤ3Sがゆっくり逆回転するためにキャリ
ヤ3Cすなわち出力軸5が入力軸4に対して更に減速さ
れて逆回転する。
その結果、変速比は更に大きくなり、第2表に示す通り
、 −(1−ρ2)(1+ρ3)/ρ2ρ3で表わされ、そ
の具体値は、−5,591となる。なお、この値から知
られるよう、この後進第2速は特殊用途向きである。
以上、各変速段について述べたことから明らかなように
、第3図に示す歯車変速装置では、第1速から第4速の
各変速段の変速比が等比級数に近い関係にあることから
、変速の前後でのエンジン回転数の比がほぼ一定となり
、運転し易い自動変速機とすることができる。さらにオ
ーバードライブ段の変速比が約0.85であって、実用
可能な範囲で適当な値となるために、動力性能を確保し
つつ高速走行時のエンジン回転数を下げて燃費および静
粛性を良好なものとすることができる。そして各変速段
の説明で述べた通り、隣接する他の変速段に変速する場
合、いずれか一つの係合手段を解放し、かつ他の係合手
段を係合させればよいため、すなわち二個の係合手段を
切換えて変速を行なうことができるため、変速制御が容
易で変速ショックの低減を図ることができる。しかも前
進段で動力の循環が生じないから動力伝達の効率が良く
、この点でも燃費上有利なものとすることができる。他
方、上記の歯車変速装置では、遊星歯車は三組でよいう
えに、各遊星歯車1.2.3におけるギヤ比が0.3〜
0.4程度のバランスのとれた構成とすることのできる
値でよく、それに伴い遊星歯車が大径化することがなく
、したがって上記の歯車変速装置によれば、全体として
の構成を簡素化し、かつ小型化を図ることができる。そ
してまた配列の変更により、第1遊星歯車1のサンギヤ
1Sと第3遊星歯車3のサンギヤ3Sとを一体物として
製作することによりロングビニオン化することも可能な
ので、部品点数および組み立て工数の削減を図ることが
できる。
また第3図に示す構成の変速装置においても、エンジン
横置きタイプの車両に搭載する場合には、入力軸4と出
力軸5とを接近して配置する構成とすることが好ましい
ので、第3図に示す構成の変速8置をエンジン横置きタ
イプの車両に搭載する場合には、クラッチ手段Kl 、
に2 、に3およびブレーキ手段31.32.33を第
4図に示すよう配置することが好ましい。なお、第4図
申付号7はカウンタギヤであって、前記出力軸5はこの
カウンタギヤ7を介してセンタディファレンシャルもし
くはフロントディファレンシャルあるいはリヤディファ
レンシャルなどの差動歯車機lI8のリングギヤ9に連
結されている。その他の構成は第3図と同様であって、
第4図に第3図と同様の符号を付してその説明を省略す
る。
ところで上述した各実施例では、各クラッチ手段に1.
に2 、に3を多板クラッチのシンボルで図示し、また
各ブレーキ手段81 、B2.83を多板ブレーキのシ
ンボルで図示したが、自動変速機に望まれる特性として
、変速がスムースに行なわれること、もしくは変速ショ
ックの解消が容易なこと、および必要に応じてエンジン
ブレーキが効くことを挙げることができ、このような要
請を満すためには、上記のクラッチ手段に1 、 K2
 。
K3やブレーキ手段Bl 、82.83を単に多板クラ
ッチや多板ブレーキのみによって構成する以外に、具体
的には、以下のような構成とすることが好ましい。
(1)第1クラッチ手段に1を、一方向クラッチと多板
クラッチと組合せた構成とする。
すなわち入力軸4からのトルク伝達が可能な一方面クラ
ッチ10と多板クラッチ11とを直列に配列した構成(
第5図(A))、およびこの組合せに対して更に他の多
板クラッチ12を並列に配置した構成(第5図(B))
である。
これらの構成を第1図もしくは第2図に示す装置の第1
クラッチ手段に1として採用すると、これらの構成のう
ち第5図(A)に示す構成の場合、および第5図(B)
に示す構成で並列配置した多板クラッチ12を解放した
状態の場合、走行中にスロットル開度を絞ってエンジン
回転数を減じ、それに伴ってリングギヤ1Rおよびキャ
リヤ2Cならびにサンギヤ3Sの回転数が入力軸4の回
転数より速くなれば、これらリングギヤ1Rおよびキャ
リヤ2Cならびにサンギヤ3Sと入力軸4との連結が自
動的に解かれるために、エンジンが強制的に回転させら
れることがなく、したがって燃費や静粛性を向上させる
ことができる。また第1クラッチ手段に1は前進第1速
ないし第4速で係合してリングギヤ1Rおよびキャリヤ
2Cならびにサンギヤ3Sにトルクを伝達し、これに対
して前進第5速では、リングギヤ1Rおよびキャリヤ2
Cならびにサンギヤ3Sの回転数が入力軸4の回転数以
上になるから、第5速にシフトアップする場合、第3ブ
レーキ手段B3を係合させることに伴ってリングギヤ1
Rおよびキャリヤ2Cならびにサンギヤ3Sの回転数が
増大することにより一方面クラッチ10の係合が自然に
外れ、また反対に第3ブレーキ手段B3を解放してリン
グギヤ1Rおよびキャリヤ2Cならびにサンギヤ3Sの
回転数が低下すれば、一方向クラッチ10が自然に係合
して第4速が設定され、したがって第3ブレーキ手段B
3のみの係合および解放によって第5速へのシフトアッ
プおよび第5速からのシフトダウンが達成されるため、
変速タイミングの調整が待には不要であり、かつ変速シ
ョックの少ない変速を行なうことができる。
また第3図もしくは第4図に示す装置における第1クラ
ッチ手段に1として採用すると、第1遊星歯車1のサン
ギヤ1Sおよび第2遊星歯車2のキャリヤ2Cならびに
第3遊星歯車3のサンギヤ3Sと入力軸4との連結およ
びその解放を上記の例と同様にして行なわせることがで
きるので、燃費および静粛性が向上すること、ならびに
第5速とそれ以下の変速段との間の変速がスムースに行
なわれることに加え、第6速と第4速以下の変速段どの
間の変速が、上記の理由と同様な理由で、スムースに行
なうことができる。
なお、第5図(B)に示す構成で並列配置した多板クラ
ッチ12を係合させておけば、第1図もしくは第2図に
示す装置、第3図もしくは第4図に示す装置のいずれで
あっても、エンジンブレーキを効かせることができる。
(2)第2クラッチ手段に2を、一方向クラッチと多板
クラッチとを組合わせた構成とする。
すなわち入力軸4からのトルク伝達が可能な一方面クラ
ッチ20ど多板クラッチ21とを直列に配列した構成(
第6図(A) ) 、この組合せに対して他の多板クラ
ッチ22を並列配置した構成(第6図(B))である。
これらの構成を第1図もしくは第2図に示す装置の第2
クラッチ手段に2として採用すると、第2クラッチ手段
に2は前進第4速と第5速とで係合させて入力トルクの
伝達を行なうが、これらの変速段において、スロットル
開度を絞ってエンジン回転数を減じた場合、第6図(A
)の構成および第6図(8)の構成で並列配置した多板
クラッチ22を解放した状態では、サンギヤ2Sの回転
数が入力軸回転数より速くなって一方面クラッチ20が
自然に解放するため、エンジンが強制的に回転させられ
ることがなく、したがって燃費および静粛性を向上させ
ることができる。
また第3図もしくは第4図に示す装置における第2クラ
ッチ手段に2として採用すると、第2クラッチ手段に2
は萌進第4速ないし第6速で係合させて第1遊星南車1
のキャリヤ1Cおよび第2遊星歯車2と第3遊星歯車3
との各リングギヤ2R,3Rへの入力トルクの伝達を行
なうが、これらの変速段において、第6図(八)の構成
および第6図(8)の構成で並列配置した多板クラッチ
22を解放した状態で出力軸5側から駆動力を受けた場
合には、キセリャ1Cおよび各リングギヤ2R。
3Rの回転数が入力軸回転数より速くなって一方面クラ
ッチ20が自然に解放するため、エンジンが強制的に回
転させられることがなく、したがってrp5費および静
粛性を向上させることができる。
なお、第6図(B)に示す構成で並列配置した多板クラ
ッチ22を係合させてあれば、第1図もしくは第2図に
示す装置あるいは第3図もしくは第4図に示す装置のい
ずれにおいてもエンジンブレーキを効かせることができ
る。
(3)第3クラッチ手段に3を、一方向クラッチと多板
クラッチとを組合せて構成する。その例を示せば、以下
の通りである。
■入力軸4からのトルク伝達が可能な一方面クラッチ3
0と多板クラッチ31とを直列に配列するとともに、こ
れらの組合せに対して、係合方向が前記一方向クラッチ
30どは反対の他の一方面クラッチ32を並列に配列し
た構成(第7図(A))。
このような構成を第1図もしくは第2図に示す装置の第
3クラッチ手段に3として採用すると、各一方向クラッ
チ30.32の係合方向が互いに反対であるから、多板
クラッチ31を係合させることにより、入力軸4とサン
ギヤ1Sとが完全に連結され、したがって後進段を設定
できるとともに、その状態でエンジンブレーキを効かせ
ることができる。また多板クラッチ31を解放すれば、
前記並列配置した他方の一方面クラッチ32のみが作用
することになり、この場合、前進第4速で入力軸4とサ
ンギヤ1Sとが等速度で回転することにより両者を実質
的に連結し、この状態から第5速にシフトアップした場
合、サンギヤ1Sの回転が止められるので一方面クラッ
チ32の係合が自然に外れ、したがって第4速と第5速
の間の変速を特別なタイミング調整を必要とせずにスム
ースに行なうことができる。
また第3図もしくは第4図に示す装ばにおける第3クラ
ッチ手段に3として採用すると、第2遊星歯車2のサン
ギヤ2Sと入力軸4との連結およびその解除を上記の例
と同様に行なわせることができるので、多板クラッチ3
1を係合させることにより後進段を設定できること、多
板クラッチ31を解放しておくことにより、前進第4速
と第5速との間の変速をスムースに行なうことができる
ことに加え、多板クラッチ31を解放しておくことによ
り、第4速と第6速との間の変速を特別なタイミング調
整を必要とせずにスムースに行なうことができる。
■前記他方の一方面クラッチ32を多板クラッチ33に
置き換えた構成(第7図(B))。
このような構成を第1図もしくは第2図に示す装置の第
3クラッチ手段に3として採用すると、並列配置した他
方の多板クラッチ33を解放しておけば、入力軸4から
サンギヤ1Sに向けてのトルク伝達のみ可能になるので
、第4速および後進段を設定でき、かつこれらの変速段
において、スロットル開度を絞るなどのことにより出力
軸5側からトルクが反対に入力された場合には、一方向
クラッチ30の係合が外れ、したがってエンジンが強制
的に回転させられることがないために、燃費および静粛
性を向上させることができる。なお、他方の多板クラッ
チ33を係合させておけば、入力軸4とサンギヤ1Sと
が実質的に一体となるので、エンジンブレーキを効かせ
ることができる。
また第3図もしくは第4図に示す装置における第3クラ
ッチ手段に3として採用すれば、上記の場合と同様な作
用・効果を得ることができる。
■入力軸4に向けてトルク伝達可能な一方面クラッチ3
4と多板クラッチ35とを並列に配置した構成(第7図
(C))。
これは第7図fA)に示す構成のうち多板クラッチ31
に対して直列配置した一方面クラッチ30を除去した構
成である。したがって第1図もしくは第2図に示す装置
の第3クラッチ手段に3として採用した場合、多板クラ
ッチ35を解放しておけば、第4速と第5速の間の変速
を、特別なタイミング調整を要さずにスムースに行なう
ことができる。また第3図もしくは第4図に示す装置に
おける第3クラッチ手段に3として採用した場合には、
第4速と第5速との間の変速の他に、第4速と第6浬と
の間の変速をもスムースに行なうことができる。
■入力軸4からのトルク伝達が可能な一方向りラッヂ3
6と多板クラッチ37とを直列に配列した構成(第7図
(D))。
これは第7図(8)に示す構成のうち並列配置した他方
の多板クラッチ33を除去した構成である。
したがって第1図もしくは第2図に示す装置における第
3クラッチ手段に3として採用した場合、後進段におい
て、スロットル開度を絞るなどのことにより出力軸5側
からトルクの入力があった場合には、一方向クラッチ3
6が自然に解放されてエンジンが強制的に回転させられ
ないから、燃費や静粛性を向上させることができる。ま
た第3図もしくは第4図に示す装置における第3クラッ
チ手段に3として採用した場合も同様である。
(4)第1ブレーキ手段B1を、一方向クラッチと多板
ブレーキとを組合ぜて構成し、もしくはバンドブレーキ
によって構成し、あるいはバンドブレーキと多板ブレー
キとを組合わせて構成する。
この例を示せば、以下の通りである。
■対象とする部材がケース6に対して逆回転しようとす
る場合に係合する一方面クラッチ40と多板ブレーキ4
1とを直列に配置した構成(第8図(A))。
口の構成を第1図もしくは第2図に示す装置の第1ブレ
ーキ手段B1として採用すると、多板ブレーキ41を係
合させることにより、前進第1速の場合に一方面クラッ
チ40が係合して第1遊星歯車1のキャリヤ1Cおよび
第3遊星歯車3のリングギヤ3Rを固定し、所期の変速
比を得ることができる。これに対して前進第1通の状態
で出力軸5側から駆動された場合、キャリヤ1Cおよび
リングギヤ3Rがケース6に対して正回転するので、一
方向クラッチ40の係合が外れ、したがってエンジンブ
レーキが効かない反面、燃費や静粛性を向上させること
ができる。また前記キャリヤ1Cおよびリングギヤ3R
は、前進第1速で逆回転しようとし、第2速ないし第5
速で正回転するので、第1速から他の前進段にシフトア
ップする場合には、一方向クラッチ40の係合が自然に
外れ、また反対に第1速にシフトダウンする場合にはキ
ャリヤ1Cおよびリングギヤ3Rの回転方向が変わるこ
とにより一方面クラッチ40が自然に係合するため、特
別な変速タイミングの調整を必要とせずにスムースな変
速を行なうことができる。
このような作用・効果は、第8図(^)に示す構成を、
第3図もしくは第4図に示す構成の装置における第1ブ
レーキ手段B1として採用した場合にも1琴ることがで
きる。
■係合方向が前記一方向クラッチ40とは反対の他の一
方面クラッチ42と多板ブレーキ43とを直列に配列す
るとともに、この組合せを前記一方向クラッチ40と多
板ブレーキ41との組合せに対して並列に配置した構成
(第8図(B))。
この構成では、第8図(A)の構成に追加した多板ブレ
ーキ43を解放しておけば、上に述べた第8図(八)の
構成と同様に作用させて前進第1速での燃′gtIl1
5よび静粛性の向上を図り、またスムースな変速を可能
にする。これとは反対に第8図(B)の左側の多板ブレ
ーキ41を解放し、他の多板ブレーキ43を係合させれ
ば、第8図(A)の場合とは反対の一方向特性が生じる
。すなわち第1遊星歯中1のキャリヤ1Cおよび第35
m星歯車3のリングギヤ3尺が正回転しようとする際に
一方面クラッチ42が係合してその回転が阻止され、し
たがって後進第2速の場合に所期の変速比を得ることが
できる。またこの状態で出力軸5側から反対に入力があ
ると、キャリヤ1Cおよびリングギヤ3Rが逆回転しよ
うとするために一方向クラッチ42の係合が外れ、した
がってエンジンブレーキが効かないものの、燃費や静粛
性を向上させることができる。このような作用・効果は
、第8図(B)に示ず構成を、第1図もしくは第2図に
示す装置に採用した場合と同様に、第3図もしくは第4
図に示す装置に採用した場合であっても得ることができ
る。
■対象とする部材がケース6に対して正回転しようとす
る際に係合する一方面クラッチ42と多板ブレーキ43
とを直列に配列した組合せに対して他の多板ブレーキ4
4を並列に配置した構成(第8図(C))。
これは第8図(8)の構成で左側の一方面クラッチ40
を取除いた構成と同様であり、したがって第1図もしく
は第2図に示¥装置に採用した場合あるいは第3図もし
くは第4図に示す装置に採用した場合のいずれであって
も、他の多板ブレーキ44を解放しておけば、上記の第
8図(B)における左側の多板ブレーキ41を解放して
43<場合と同様に、債進第2速での燃費および静粛曲
を向上させることができる。これに対して他の多板ブレ
ーキ44を係合させれば、エンジンブレーキを効かせる
ことができる。
■対象とする部材がケース6に対して逆回転しようとす
る場合に係合する一方面クラッチ40と多板ブレーキ4
1とを直列に配列するとともに、これらに対して他の多
板ブレーキ45を並列に配置した構成(第8図(D))
これは前述した第8図(A)の構成に対して他の多板ブ
レーキ45を並列に配置した構成であるから、他の多板
ブレーキ45を解放しておけば、第8図(八)の構成に
よる場合と同様に、前進第1速での燃費および静粛性を
向上させ、また萌進第1からのシフトアップおよび第1
速へのシフトダウンをスムースに行なうことができる。
これに対して他の多板ブレーキ45を係合させておけば
、方向特性がなくなるので、エンジンブレーキを効かせ
ることができる。このような作用・効果は、第1図もし
くは第2図に示す装置あるいは第3図もしくは第4図に
示す装置のいずれに採用した場合であっても同様である
■ブレーキドラムの逆回転がエナージ方向(ブレーキバ
ンドを巻き込む方向)となるバンドブレーキ46による
構成(第8図(E))。
ドラムとバンドとの間の摩擦力が小さい場合、ドラムが
エナージ方向に回転すれば、バンドを巻き込んで制動作
用が生じるが、ドラムがディエナージ方向に回転すれば
、制動力が減じられるとともに制動作用に時間的な遅れ
が生じ、したがってバンドブレーキはある程度の一方向
特性を有している。そのため第8図(E)に示す構成を
、第1図もしくは第2図に示す装置の第1ブレーキ手段
B1として採用した場合、また第3図もしくは第4図に
示す装置の第1ブレーキ手段B1として採用した場合の
いずれであっても、キiリヤ1Cおよびリングギヤ3R
の逆回転、あるいはキャリヤ1Cおよびリングギヤ2R
,3Rの逆回転に対して充分な制動作用が生じて所期の
変速比を設定でき、また正回転方向に対しては滑りが生
じて制動が不十分になるので、第1速においてエンジン
ブレーキが効かないものの、燃費および静粛性を向上さ
せ、また第1速への変速および第1速からの変速をスム
ースに行なうことができる。
■エナージ方向が互いに反対のバンドブレーキ46.4
7による構成(第8図(F))。
両方のバンドブレーキ46.47を作用させれば、正逆
いずれの方向にも一方向特性が生じないが、第8図(E
)におけるバンドブレーキ46と同様のバンドブレーキ
46を作用させれば、上記の場合と同様に、前進第1速
での燃費および静粛性の向上を図り、また第1通に対す
るスムースな変速を確保できる。これとは反対のバンド
ブレーキ47を作用させた場合には、一方向特性が反対
になるので、後進第2速でのエンジンブレーキを解消し
、後進第2速での燃費および静粛性を向上させることが
できる。
このような作用・効果は、第8図(「)に示す構成を第
1図もしくは第2図に示す装置に採用した場合、また第
3図もしくは第4図に示す装置に採用した場合のいずれ
であっても同様である。
■バンドブレーキ46と多板ブレーキ45とを並列に配
置した構成(第8図(G))。
第1ブレーキ手段B1は、第1図もしくは第2図に示す
装ぼであっても、第3図もしくは第4図に示す装置であ
っても前進第1速と後進第2速で係合させられるが、前
進段の場合にはバンドブレーキ46を係合させることに
よりその一方向特性を利用して係合および解放のタイミ
ングを適正化して変速ショックを低減し、また後進段で
はトルクが大きいので多板ブレーキ45を係合させる。
したがって変速タイミングの適正化と係合手段としての
容量の適正化を図ることができる。
(5)第2ブレーキ手段B2を一方面クラッチと多板ブ
レーキとを組合ぜた構成とし、もしくはバンドブレーキ
によって構成し、あるいはバンドブレーキと多板ブレー
キとを組合わせて構成する。
その例を示せば、以下の通りである。
■対象とする部材がケース6に対して逆回転しようとす
る際に係合する一方面クラッチ50と多板ブレーキ51
とを直列に配列するとともに、この粗合せに対して、対
象とする部材がケース6に対して正回転しようとする際
に係合する一方面クラッチ52ど多板ブレーキ53とを
直列に配列した組合せを並列に配置した構成(第9図(
A))。
この構成を第1図もしくは第2図に示す装置の第2ブレ
ーキ手段B2として採用すると、両方の多板ブレーキ5
1.53を係合させれば、係合方向が互いに異なる両方
の一方面クラッチ50,52が作用するので、一方向特
性が生じないが、例えば第9図(A)に示す左側の多板
ブレーキ51のみを係合させれば、第2遊星歯車2のサ
ンギヤ2Sの逆回転のみが阻止されることになり、した
がって前進第2速でサンギヤ2Sが固定されて所定の変
速比が設定されるとともに、この状態で出力軸5側から
反対に入力があった場合には、サンギヤ2Sが正回転し
ようとするために一方面クラッチ50の係合が自然に外
れ、その結果、エンジンブレーキが効かないものの、燃
費や静粛性を向上させることができる。また一方向クラ
ッチ50の係合・解放は、サンギヤ2Sがいずれの方向
に回転しようとするかによって自動的に行なわれるから
、第2速からのシフトアップおよび第2速へのシフトダ
ウンを特別なタイミング調整を要さずにスムースに行な
うことができる。これとは反対に第9図(八)に示す右
側の多板ブレーキ53のみを係合させれば、後進第1速
でサンギヤ2Sを固定できるとともに、その変速段で出
力軸5側から入力があれば、一方向クラッチ52の係合
が自然に外れるため、エンジンブレーキが効かない反面
、燃費および静粛性を向上させることができる。
また上記の構成を第3図もしくは第4図に示す装置にお
ける第2ブレーキ手段B2として採用した場合には、第
1TI星歯車1のリングギヤ1Rの固定およびその解除
を上記のサンギヤ2Sの固定・解除と同様にして行なう
ことができるので、上述した作用・効果を得られること
に加え、図の左側の多板ブレーキ51のみを係合させる
ことにより、前進第6速に対する変速および第6速から
の変速をスムースに行なうことができる。
■対象とする部材がケース6に対して正回転しようとす
る際に係合する一方面クラッチ52と多板ブレーキ53
とを直列に配列するとともに、この組合せに対して他の
多板ブレーキ54を並列に配置した構成(第9図(8)
)。
この構成は、第9図(A)に示す構成のうち、逆回転時
に係合する一方面クラッチ50を取除いた構成と同じで
あり、したがって第1図もしくは第2図に示す装置に採
用した場合あるいは第3図もしくは第4図に示す装置に
採用した場合のいずれであっても、前記他の多板ブレー
キ54を解放しておけば、一方向クラッチ52が作用す
ることになるので、前述したとうり、後進第1通におい
てエンジンブレーキを効かせることができない反面、燃
費および静粛性を向上させることができる。換言すれば
、前記他の多板ブレーキ54を係合させることにより後
進第1速でエンジンブレーキを効かせることができ、ま
た前進第2速(および前進第6速)を設定することがで
きる。
■上記の例とは反対に、対象とする部材がケース6に対
して逆回転しようとする際に係合する一方向クラッチ5
0と多板ブレーキ51とを直列に配列するとともに、こ
の粗合せに対して他の多板ブレーキ55を並列に配置し
た構成(第9図(C))。
この構成は、萌述した第9図(A)の構成のうち、正回
転時に係合する一方面クラッチ52を取除いた構成と同
様でおり、したがって第1図もしくは第2図に示す装置
、および第3図もしくは第4図に示す装置のいずれに採
用した場合であっても、前記他の多板ブレーキ55を解
放しておけば、方向クラッチ50が作用するので、前進
第2速(および第6速)においてエンジンブレーキを効
かせ得ない反面、燃費および静粛性を向上させることが
でき、また第2速からのシフトアップおよび第2速への
シフトダウンを特別なタイミング調整を要さずにスムー
スに行なうことができる。また当然、他方の多板ブレー
キ55を係合させておけば、前進第2速くおよび第6速
)でエンジンブレーキを効かせることができ、かつ後進
第1速を設定することができる。
■ブレーキドラムの逆回転がエナージ方向(ブレーキバ
ンドを巻き込む方向)となるバンドブレーキ56による
構成〈第9図(D))。
ドラムとバンドとの間の摩擦力が小さい場合、ドラムが
エナージ方向に回転すれば、バンドを巻き込んで制動作
用が生じるが、ドラムがディエナージ方向に回転すれば
、充分な制動作用が生じず、したがってバンドブレーキ
は、ある程度の一方向特性を有することになる。そのた
め第9図(D)に示す構成を第1図もしくは第2図に示
す装置あるいは第3図もしくは第4図に示すHidに採
用した場合には、サンギヤ2Sもしくはリングギヤ1R
の逆回転に対して充分な制動作用が生じて所期の変速比
を設定でき、また正回転方向に対しては滑りが生じて制
動が不十分になるので、前進第2速(および第6速)に
おいてエンジンブレーキが効かないものの、燃Wおよび
静粛性を向上させることができ、また前進第2速くおよ
び第6速)へのシフトダウンおよび第2速からのシフト
アップをスムースに行なうことができる。
■エナージ方向が互いに反対のバンドブレーキ56.5
7による構成(第9図(E))。
この構成を第1図もしくは第2図に示す装置あるいは第
3図もしくは第4図に示す装置に採用した場合、両方の
バンドブレーキ56.57を作用させれば、正逆いずれ
の方向にも一方向特性が生じないが、第9図(D)にお
けるバンドブレーキ56と同様のバンドブレーキ56を
作用させれば、上記の場合と同様に、前進第2速(およ
び第6速)での燃費および静粛性の向上を図り、また第
2速(および第6M)に対するスムースな変速を確保で
きる。これとは反対のバンドブレーキ57を作用させた
場合には、一方向特性が反対になるので、後進第1速で
のエンジンブレーキを解消し、後進第1速での燃rRお
よび静粛性を向上させることができる。
■バンドブレーキ56と多板ブレーキ55とを並列に配
置した構成(第9図(F))。
第1図もしくは第2図に示す装置では、第2ブレーキ手
段B2は前進第2速と後進第1速で係合させられるが、
前進段の場合にはバンドブレーキ56を係合させること
によりその一方向特性を利用して係合および解放のタイ
ミングを適正化して変速ショックを低減し、また後進段
ではトルクが大きいので多板ブレーキ55を係合させる
。したがって変速タイミングの適正化と係合手段として
の容量の適正化を図ることができる。
また第3図もしくは第4図に示す装置では、前進第6速
においても第2ブレーキ手段B2を係合させるが、バン
ドブレーキ56のみを使用すれば、変速ショックの低減
やスムースな変速を図ることができ、また多板ブレーキ
55を使用すれば、大きい係合力を得ることができる。
(6)第3ブレーキ手段B3を一方面クラッチと多板ブ
レーキとを組合せて構成し、もしくはバンドブレーキに
よって構成し、あるいはバンドブレーキと多板ブレーキ
とを組合せて構成する。その例を示せば、以下の通りで
ある。
■対象とする部材がケース6に対して逆回転しようとす
る際に係合する一方面クラッチ60と多板ブレーキ61
とを直列に配列するとともに、この組合せに対して、係
合方向が上記の一方面クラツナ60と反対の一方面クラ
ッチ62と多板ブレーキ63とを直列に配列した組合せ
を並列に配置した構成(第10図(A))。
この構成を第1図もしくは第2図に示す8@の第3ブレ
ーキ手段B3として採用すると、両方の多板ブレーキ6
1.63を係合させれば、係合方向が互いに異なる両方
の一方面クラッチ60.62が作用するので、一方向特
性が生じないが、例えば第10図(八)に示す左側の多
板ブレーキ61のみを係合させれば、サンギヤ1Sの逆
回転のみが阻止されることになり、したがって前進第3
速でサンギAプ1Sが固定されて所定の変速比が設定さ
れるとともに、この状態で出力軸5側から反対に入力が
あった場合には、サンギヤ1Sが正回転しようとするた
めに一方面クラッチ60の係合が自然に外れ、その結果
、エンジンブレーキが効かないものの、燃費や静粛性を
向上させることができる。また一方向クラッチ6oの係
合・解放は、サンギヤ1Sがいずれの方向に回転しよう
とするかによって自動的に行なわれるから、第3速から
のシフトアップおよび第3速へのシフトダウンを特別な
タイミング調整を要さずにスムースに行なうことができ
る。これとは反対に第10図(八)に示す右側の多板ブ
レーキ63のみを係合させれば、前進第5速でサンギヤ
1Sを固定できるとともに、その変速段で出力軸5側か
ら入力があれば、一方向クラッチ62の係合が自然に外
れるため、エンジンブレーキが効かない反面、燃費およ
び静粛性を向上させることができる。
また第3図もしくは第4図に示す装置の第3ブレーキ手
段B3として採用すると、第2Ti星歯車2のサンギヤ
2Sの固定およびその解除を上記のサンギヤ1Sと同様
に行なうことができ、したがって上述した作用・効果は
第3図もしくは第4図に示す装置についても同様に得る
ことができる。
■対象とする部材がケース6に対して正回転しようとす
る際に係合する一方面クラッチ62と多板ブレーキ63
とを直列に配列するとともに、この組合せに対して他の
多板ブレーキ64を並列に配置した構成(第10図(B
))。
この構成は、第10図(A)に示す構成のうち、サンギ
ヤ1Sもしくはサンギヤ2Sが逆回転しようとする際に
係合する一方向りラッヂ60を取除いた構成と同じであ
り、したがって第1図もしくは第2図に示す装置に採用
した場合、あるいは第3図もしくは第4図に示す装置に
採用した場合のいずれであっても、前記他の多板ブレー
キ64を解放しておけば、一方向クラッチ62が作用す
ることになるので、前述したとうり、前進第5速におい
てエンジンブレーキを効かせることができない反面、燃
費および静粛性を向上させることができる。換言すれば
、前記他の多板ブレーキ64を係合させることにより前
進第5速でエンジンブレーキを効かせることができ、ま
た前進第3速を設定することができる。
■上記の例とは反対に、対象とする部材の逆回転時に係
合する一方面クラッチ60と多板ブレーキ61とを直列
に配列するとともに、この組合せに対して他の多板ブレ
ーキ65を並列に配置した構成(第10図(C))。
この構成は、前述した第10図(A)の構成のうち、サ
ンギヤ1Sもしくはサンギヤ2Sが正回転しようとする
際に係合する一方面クラッチ62を取除いた構成と同様
であり、したがって第1図もしくは第2図に示す装置に
採用した場合、あるいは第3図もしくは第4図に示す装
置に採用した場合のいずれであっても、前記他の多板ブ
レーキ65を解放しておけば、一方向クラッチ60が作
用するので、前進第3速においてエンジンブレーキを効
かせ得ない反面、燃費および静粛性を向上させることが
でき、また第3速からのシフトアップおよび第3速への
シフトダウンを特別なタイミング調整を要さずにスムー
スに行なうことができる。
また当然、他方の多板ブレーキ65を係合させておけば
、前進第3速でエンジンブレーキを効かせることができ
、かつ前進第5速を設定することができる。
■ブレーキドラムの逆回転がエナージ方向(ブレーキバ
ンドを巻き込む方向)となるバンドプレ−キロ6による
構成(第10図(D))。
ドラムとバンドとの間の摩際力が小さい場合、ドラムが
エナージ方向に回転すれば、バンドを巻ぎ込んで制動作
用が生じるが、ドラムがデイエナージ方向に回転すれば
、制動力が減じられ、また制動作用が生じるまでの時間
がかかり、したがってバンドブレーキはある程度の一方
向特性を有することになる。そのため第10図(D)に
示す構成を第1図もしくは第2図に示す装置に採用した
場合、あるいは第3図もしくは第4図に示す装置に採用
した場合のいずれであっても、サンギヤ1Sもしくはサ
ンギヤ2Sの逆回転に対しては充分な制動作用が生じて
所期の変速比を設定でき、また正回転方向に対しては滑
りが生じて制動が不十分になるので、第3速においてエ
ンジンブレーキが効かないものの、燃費および静粛性を
向上させることができ、また第3速へのシフトダウンお
よび第3速からのシフトアップをスムースに行なうこと
ができる。
■エナージ方向が互いに反対のバンドブレーキ66.6
7による構成(第10図(E))。
両方のバンドブレーキ66.67を作用させれば、正逆
いずれの方向にも一方向特性が生じないが、この構成を
第1図もしくは第2図に示す装置に採用した場合、ある
いは第3図もしくは第4図に示す装置に採用した場合の
いずれであっても、第10図(0)におけるバンドブレ
ーキ66と同様のバンドブレーキ66を作用させれば、
上記の場合と同様に、的進第3速での燃費J3よび静粛
性の向上を図り、また第3速に対するスムースな変速を
確保できる。これとは反対のバンドブレーキ67を作用
させた場合には、一方向特性が反対になるので、前進第
5速でのエンジンブレーキを解消し、前進第5速での燃
費および静粛性を向上させることができる。
■バンドブレーキ66と多板ブレーキ65とを並列に配
置した構成(第10図([))。
第3ブレーキ手段B3は前進第3速と第5速で係合させ
られるが、第5速の場合には小トルクでよいのでバンド
ブレーキ66を係合させ、また第3速の場合には第5速
に比較してトルクが大きいので多板ブレーキ65を係合
させる。このようにすることにより係合手段としての容
量の適正化を図ることができる。このような作用・効果
は、第1図もしくは第2図に示す装置あるいは第3図も
しくは第4図に示す8置のいずれに採用した場合でも得
ることができる。
以上、クラッチ手段やブレーキ手段どして使用し得る構
成の数例について説明したが、この発明は上記の例に限
定されないことは勿論であり、またその遊星歯車1.2
.3を含めた配列は以上の例で示した配列に限定されな
い口とも勿論である。
第11図は上述した係合手段のうち適当なものを第1図
に示す装置に適用した一例を示す模式図であって、この
第11図に示す菌中変速g1における各係合要素は第3
表に示すように係合して前進第1速ないし第5速および
後進段を設定する。
また第12図は上述した係合手段のうち適当なものを第
3図に示す装置に適用した一例を示す模式図であって、
この第12図に示す南中変速装置における各係合要素は
第3表に示すように係合して前進第1速ないし第5速お
よび後進段を設定する。
なお、第3表中、第6速は第12図に示す装置のみにつ
いてのものであり、またO印は係合状態、◎印はエンジ
ンブレーキ時に係合状態、空欄は解放状態、△は係合さ
せてもよいことをそれぞれ示す。また第4速と第5速と
の間の変速際には第1クラッチ手段に1における多板ク
ラッチ12を変速前に解放しておく。
第3表 なお、上述した各実施例では、第1ないし第3のクラッ
チ手段Kl 、に2 、に3および第1ないし第3のブ
レーキ手段31.32.33を設けた構成としたが、第
1表および第2表から知られるように、第2クラッチ手
段に2を省けば、オーバードライブ段のない前進4段・
後進1段もしくは前進4段・後進2段の変速装置とする
ことができ、また第1ブレーキ手段B1を省けば、前進
4段もしくは5段・後進1段の変速装置とすることがで
き、さらに第2ブレーキ手段B2を省けば、前進4段・
後進1段の変速装置とすることができる。
このように第1図ないし第4図に示すlI或はクラッチ
手段やブレーキ手段の変更によって変速段数の異なる変
速装置に変えることができる。
発明の効果 以上の説明から明らかなようにこの出願にかかる各光明
の歯車変速装置によれば、必要とする遊星歯車は、二組
のシングルピニオン型遊星歯車と一徂のダブルピニオン
型遊星歯車との合計三組であるから、大型化することな
く前進5段もしくは前進6段でかつ後進1段もしくは後
進2段の変速装置を得ることができ、またこの出願の各
発明の歯車変速装置では、各遊星歯車のギヤ比を0.3
〜0.53程度に設定でき、それに伴い歯車列をコンパ
クト化でき、同時に前進第1速から第4速の各変速段で
の変速比を等比級数に近い値に設定し、車両として運転
し易いものとすることができ、かつまたオーバードライ
ブ段での変速比を0.72あるいは0.85程度の実用
性の高い値に設定できるために、動力性能を確保し、高
速走行時のエンジン回転数を抑えて燃費および静粛性を
向上させることが可能になる。そしてこの出願の各発明
では、ギヤ比の幅(前進第1速とオーバードライブ段と
のギヤ比の比率)を大きく取ることが可能であり、また
設定し得る変速段の数を多くできるために、発進・登板
性能や中高速域での走行性能を向上させることができる
。またこの出願の各発明では、隣接する変速段に切換え
る場合に、変速開始直前まで係合させていたクラッチ手
段の全てを解放することがなく、すなわち入力の切換え
が不要なので、変速ショックの低減に有利なものとする
ことができる。さらにまた請求項2に記載の発明によれ
ば、前進段で動力の循環が生じないので、燃費上で有利
な歯車変速装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は請求項1に記載した発明の一実施例を@沖釣に
示すスケルトン図、第2図はその発明の他の実MfPJ
を示し、エンジン横置きタイプの車両に適するよう配列
を変えた例のスケルトン図、第3図は請求項2に記載し
た発明の一実施例のスケルトン図、第4図はその発明の
他の実施例を示し、エンジン横置きタイプの車両に適す
るよう配列を変えた例のスケルトン図、第5図(A) 
[B)のそれぞれは第1クラッチ手段の具体例を示す模
式図、第6図(A)(B)のそれぞれは第2クラッチ手
段の具体例を示す模式図、第7図[A)ないしfD)の
それぞれは第3クラッチ手段の具体例を示す模式図、第
8図(八)ないしfG)のそれぞれは第1ブレーキ手段
の具体例を示す模式図、第9図fA)ないしくF)のそ
れぞれは第2ブレーキ手段の具体例を示す模式図、第1
0図(A)ないしfF)のそれぞれは第3ブレーキ手段
の具体例を示す模式図、第11図は請求項1の発明の更
に他の実施例を示すスケルトン図、第12図は請求項2
の発明の更に他の実施例を示すスケルトン図である。 1・・・第1遊星歯車、 2・・・第2遊甲歯車、 3
・・・第3遊星歯車、 4・・・入力軸、 5・・・出
力軸、B1・・・第1ブレーキ手段、 B2・・・第2
ブレーキ手段、 B3・・・第3ブレーキ手段、 K1
・・・第1クラッチ手段、 K2・・・第2クラツヂ手
段、 K3・・・第3クラッチ手段。 出頼人  トヨタ自vJ単株式会社 代理人  弁理士 ! 1)底入 (ほか1名) 第5図 (A) (B) 第6 図 (A) 第7図 (A) 第9図 第10図

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)第1サンギヤと、第1リングギヤと、第1サンギ
    ヤおよび第1リングギヤに噛合するピニオンギヤを保持
    する第1キャリヤとを有するシングルピニオン型の第1
    遊星歯車と、 第2サンギヤと、第2リングギヤと、第2サンギヤに噛
    合するピニオンギヤおよびそのピニオンギヤと第2リン
    グギヤとに噛合する他のピニオンギヤを保持する第2キ
    ャリヤとを有するダブルピニオン型の第2遊星歯車と、 第3サンギヤと、第3リングギヤと、第3サンギヤと第
    3リングギヤとに噛合するピニオンギヤを保持する第3
    キャリヤとを有するシングルピニオン型の第3遊星歯車
    とを備え、第1リングギヤと第2キャリヤと第3サンギ
    ヤとの三者が一体的に連結されるとともに、第1キャリ
    ヤと第3リングギヤとが一体的に連結され、さらに第2
    リングギヤと第3キャリヤとが一体的に連結され、 さらに、一体的に連結された第1リングギヤおよび第2
    キャリヤならびに第3サンギヤと入力軸とを選択的に連
    結する第1クラッチ手段と、第2サンギヤと入力軸とを
    選択的に連結する第2クラッチ手段と、第1サンギヤと
    前記入力軸とを選択的に連結する第3クラッチ手段と、
    一体的に連結された第1キャリヤおよび第3リングギヤ
    の回転を選択的に止める第1ブレーキ手段と、第2サン
    ギヤの回転を選択的に止める第2ブレーキ手段と、第1
    サンギヤの回転を選択的に止める第3ブレーキ手段と、
    一体的に連結された第2リングギヤおよび第3キャリヤ
    に連結された出力軸とを具備していることを特徴とする
    自動変速機用歯車変速装置。
  2. (2)第1サンギヤと、第1リングギヤと、第1サンギ
    ヤおよび第1リングギヤに噛合するピニオンギヤを保持
    する第1キャリヤとを有するシングルピニオン型の第1
    遊星歯車と、 第2サンギヤと、第2リングギヤと、第2サンギヤに噛
    合するピニオンギヤおよびそのピニオンギヤと第2リン
    グギヤとに噛合する他のピニオンギヤを保持する第2キ
    ャリヤとを有するダブルピニオン型の第2遊星歯車と、 第3サンギヤと、第3リングギヤと、第3サンギヤと第
    3リングギヤとに噛合するピニオンギヤを保持するとと
    もに出力軸に連結された第3キャリヤとを有するシング
    ルピニオン型の第3遊星歯車とを備え、 第1サンギヤと第2キャリヤと第3サンギヤとが一体的
    に連結されるとともに、第1キャリヤと第2リングギヤ
    と第3リングギヤとが一体的に連結され、 さらに、一体的に連結された第1サンギヤおよび第2キ
    ャリヤならびに第3サンギヤと入力軸とを選択的に連結
    する第1クラッチ手段と、一体的に連結された第1キャ
    リヤおよび第2リングギヤならびに第3リングギヤと前
    記入力軸とを選択的に連結する第2クラッチ手段と、第
    2サンギヤと前記入力軸とを選択的に連結する第3クラ
    ッチ手段と、一体的に連結された第1キャリヤおよび第
    2リングギヤならびに第3リングギヤの回転を選択的に
    止める第1ブレーキ手段と、第1リングギヤの回転を選
    択的に止める第2ブレーキ手段と、第2サンギヤの回転
    を選択的に止める第3ブレーキ手段とを具備しているこ
    とを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。
JP63221670A 1988-09-05 1988-09-05 自動変速機用歯車変速装置 Pending JPH0272245A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5057063A (en) * 1989-03-15 1991-10-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Automatic transmission
US5090952A (en) * 1989-02-03 1992-02-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Automatic transmission
US5122103A (en) * 1989-01-23 1992-06-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Speed changing gear device having two independent gear assemblies
US5716298A (en) * 1996-04-02 1998-02-10 Ford Global Technologies, Inc. Multiple-speed automatic transmission for an automotive vehicle

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