JPH027140Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は縁側や部屋よりガラス障子を開けて屋
外へ出入りでき、屋外と接するガラス障子より屋
外へ延設した屋根付テラスであると共に、該テラ
スを変形して冬期の積雪に対するガラス障子の保
護をなす雪止め装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の屋根付のテラスは、支柱を立設し屋根を
支承する構造のものであつて、家屋及び各部材は
固定的に連結されており、又床面はコンクリート
面としているのが通常である。

一方、冬期の雪対策として、積雪によつて屋外
との境界となるガラス障子に当接し、その雪圧か
ら障子の破損を防止する特別の装置はなく、適当
な長尺板を必要に応じ軒等に立て掛けておく程度
である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

テラスは簡易に構成されているため、降雪地域
では積雪で屋根等が損傷し易く、又家の屋根の雪
降ろし時にはテラスが邪魔となつたりする事が
多々ある。そして、テラス床面はコンクリート面
であるため、家屋内というより屋外として認識さ
れ、有効利用の点で問題がある。

一方、屋根の雪降ろしで家周囲に落下した雪が
ガラス障子に当接積層し、押圧してガラス障子が
破損するのを防ぐため、長尺板を軒等に立て掛け
ておくのであるが、該板は不使用時には収納して
置かねばならず、収納スペースの確保が困難であ
り、又長尺板が雪圧でしなり、折れ曲がつて充分
に目的を達せられないこともある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記の問題点に鑑み、通常は有効利用
のできるテラスとし、冬期には堅固な雪止めとせ
んとするものであり、屋根板２、床板１２、支柱
１４及び基台２５で構成され、屋外と接するガラ
ス障子１の屋外へ延設した屋根付テラスであつ
て、屋根板２の基端及び床板１２の基端は家屋に
上下方向へ回動可能に取り付け、支柱１４の下端
は基台２５に前後方向へ起倒可能に取り付けたこ
と、屋根板２の前後方向へ摺動可能に設けた連結
部材６に支柱１４の上端を軸着したこと、支柱１
４の上下方向へ摺動可能に設けた支持部材１５に
床板１２の先端を軸着したものであり、又基台２
５を長尺体とし、前後方向に摺動可能に設けた支
承部材２４に支柱１４の下端を軸着することもで
きる。

〔作用〕

本考案をテラスとして利用する場合は、家屋に
回動可能に取り付けた床板１２を水平位置に、又
基台２５に起倒可能に取り付けた支柱１４を垂直
位置として支柱に設けた支持部材１５を固定す
る。

一方、支柱１４の位置が決定すれば、当然に屋
根板２に設けた連結部材６及び屋根の傾斜も決定
し、屋根板２の連結部材６を固定すれば、屋根板
２、支柱１４及び床板１２が相互に連結固定さ
れ、床板１２を有する屋根付テラスがガラス障子
１の外側へ延設される。

したがつて、床板１２を有するためガラス障子
内の部屋と一体的に利用できると共に、屋根を有
する漏れ縁としても利用できる。

次に、雪止め装置として利用する場合は、先
ず、支柱１４を家屋側へ傾斜させる。さすれば、
支柱１４の先端と軸着している屋根板２の前後方
向へ摺動可能な連結部材６は、支柱１４の傾斜に
従つて屋根板２の基端方向へ摺動し、屋根板２を
より深い傾斜にする。

この場合、連結部材６と支柱１４とは軸着であ
るから、両者の連結角度は自在に変化でき、連結
部材６の摺動及び屋根板２、支柱１４の傾斜に支
障はない。

一方、床板１２も支柱１４を摺動する支持部材
１５に軸着され、支柱１４が家屋側へ傾斜するに
は床板１２が上方へ回動しなければならず、支柱
１４の傾斜に従つて支持部材１５が支柱１４の上
端側へ摺動して支柱１４の傾斜を可能としてい
る。

この場合も、支持部材１５が床板１２と軸着さ
れているから、支持部材１５の摺動及び床板１２
の上方への回動に支障はない。

そして、屋根板２と支柱１４とを一直線とし、
且つ、屋根板先端と床板先端とが重合する位置で
連結部材６及び支持部材１５を固定すれば、ガラ
ス障子前面を屋根板２と床板１２とが全面に遮蔽
することとなり、しかも、屋根板２を支持する支
柱１４と床板１２が互いに支承する恰好でもたれ
かかつているため連結が強固となり、雪圧に充分
耐えられるのである。

基台２５を長尺体とし、前後方向に摺動可能に
設けた支承部材２４を摺動させ、支柱１４の下端
を家屋側へ移動させることにより、屋根板２及び
床板１２の傾斜をより深くし、又は両者の重合を
容易にすることができる。

〔実施例〕

１は家屋のガラス障子であり、その室外側に屋
根板２、支柱１４及び床板１２で構成するテラス
が延設してある。

屋根板２は基端を家屋に螺番３で上下方向へ回
動可能に取り付けられており、又支柱１４上の縦
桟４内をローラ５で転動し、摺動可能な連結部材
６の取付片７が縦桟４の下面溝条より突出し、軸
ピン９で支柱１４が前後方向へ回動可能に支柱１
４上端に軸着し連結してある。

１０は支柱１４の垂直時の連結部材６の位置決
めをなすストツパーであり、１１は抜き差し自在
な安全ロツクピンであり、挿通孔に嵌挿する。

床板１２の基端は螺番１３で家屋に上下方向へ
回動可能に取り付け、先端は支柱１４の支持部材
１５の取付片１６に前後方向へ回動可能に軸ピン
１７で軸着し連結している。

支柱１４の支持部材１５はローラ１８で支柱１
４内を上下方向へ転動し、摺動可能であり、取付
片１６は支柱１４の内側溝条１９より突出してい
る。

２０は支柱１４の内側に突出したストツパー片
であり、床板１２の水平位置時の先端と当接支承
し、又２１は抜き差し自在の安全ロツクピンで、
支柱１４の貫通孔２２に挿通し、２３，２３は雪
止め装置時の支持部材１５の固定用貫通孔であ
る。

又、２４は車輪を下設した支承部材であり、長
尺体とし、支柱１４下に前後方向へ敷設した基台
２５レールに車輪が転接すると共に、レールに設
けた透孔２６と重合する支承部材２４の固定用透
孔２７へロツクピン２８を挿通し位置決めする。

そして、支承部材２４は支柱１４の下端を軸ピ
ン２９で軸着し、支柱１４が前後方向へ起倒可能
に支承連結している。

〔考案の効果〕

本考案はテラスと雪圧からガラス障子を保護す
る雪止め装置を兼用できるものであり、テラスと
して利用する場合は、家根付きで床板も有するた
め、従来のテラスに比し多用途に利用できる。

又、雪止めとして利用する場合は、屋根板と床
板が一体に連結固定され、雪圧に充分耐えられ
る。

そして、冬期には不用で、且つ、却つて邪魔と
なるテラスを雪止め装置としてそのまま用い、他
の季節にはテラスとして利用して、雪止めのため
の長尺板の用意収納を不要とする効果を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すテラス時の側面
図、第２図は同雪止め時の側面図、第３図及び第
４図は要部断面図である。 符号、２は屋根板、３，１３は蝶番、６は連結
部材、９，１７は軸ピン、１２は床板、１４は支
柱、１５は支持部材、２４は支承部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 屋根板２、床板１２、支柱１４及び基台２５
   で構成され、屋外と接するガラス障子１の屋外
   へ延設した屋根付テラスであつて、屋根板２の
   基端及び床板１２の基端は家屋に上下方向へ回
   動可能に取り付け、支柱１４の下端は基台２５
   に前後方向へ起倒可能に取り付けたこと、屋根
   板２の前後方向へ摺動可能に設けた連結部材６
   に支柱１４の上端を軸着したこと、支柱１４の
   上下方向へ摺動可能に設けた支持部材１５に床
   板１２の先端を軸着したことを特徴とするテラ
   ス兼用の雪止め装置。 ２ 基台２５を長尺体とし、前後方向に摺動可能
   に設けた支承部材２４に支柱１４の下端を軸着
   したことを特徴とする請求項１記載のテラス兼
   用の雪止め装置。