JPH026733Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、エンジン側のクラツチケースに操作
杆を連結する刈払機における操作杆の連結構造に
関する。

〔従来の技術〕

従来は、例えば実開昭51−116830号公報に見ら
れるように、エンジンに固定するクラツチケース
内には長い操作杆の端部を嵌入してクラツチケー
ス側の固定用部材により締付けて連結するととも
に、前記クラツチケース内の駆動側回転ボスに操
作杆内の伝動軸の端部を嵌合し伝動連結できるよ
うに装設して構成する刈払機において、長時間の
作業に際してはエンジンや刈刃による振動により
どうしても固定用部材がゆるみやすくなり、その
ために作業者が知らないうちにエンジン側が操作
杆側より外れて落下し、破損したりまた作業者に
も危険となる問題点を有していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、そのような従来の問題点を解決した
ものであり、作業中にエンジン側が外れて落下す
ることのないように操作杆をエンジン側に良好に
連結することができ、しかも、従来同様に固定用
部材がゆるんで外れそうな状状態になつた場合に
は刈刃やエンジンの回転変化によりその状態を直
ちに知ることができることになり、連結も良好に
行なえる簡単な構造にして好適に実施できるよう
提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

そのため、本考案では、クラツチケースに嵌入
する操作杆の端部の周囲部には、回転ボスに嵌合
する伝動軸の端部の嵌合深さより長くなつて固定
用部材に係合できる係合凹部を軸方向に平行にし
て形成し、前記固定用部材がゆるんだ場合、伝動
軸の端部が回転ボスより外れて操作杆が外れ側に
移動する状態で固定用部材が係合凹部の端部に係
合するように取付け構成したものである。

〔作用〕

したがつて、長時間の作業に固定用部材がゆる
み、クラツチケースが操作杆から外れる方向に移
動しても、固定用部材が係合凹部の端部にあたつ
てエンジン側が操作杆から外れることは確実に防
止できることになり、また、その状態で伝動軸の
端部が回転ボスから外れることになり、そこで、
操作杆の先端の刈刃の回転が下がり、又、エンジ
ンは無負荷となつてうなりを上げる回転状態とな
るので、作業者は外れたその状態を直ちに知るこ
とができて、大事になる前に連結補修を行なうこ
とができることになる。

〔実施例〕

次に、図面に示す実施例について説明する。

第１図ないし第５図において、第２図は刈払機
全体の側面図を示し、エンジン１に固設したクラ
ツチケース２の内部には第１図に示すようにクラ
ツチドラム８に一体となる回転ボス５を軸受け９
を介して軸心方向に移動しないよう回転自在に架
設し、伝動軸６を内装する操作杆３の一方側端部
３ａをクラツチケース２の筒部２ａに嵌入すると
ともに、その端部３ａより少しく突出する伝動軸
６の端部６ａには前記回転ボス５のスプライン孔
５ａにスプライン嵌合できるスプライン軸を形成
し、前記操作杆３の一側端には吊り金具１０やグ
リツプ１１を嵌装するとともに、その近傍にはハ
ンドル杆１２を連設し、操作杆３の先端側に連設
したギヤケース１３の下方には刈刃１４を軸架し
て従来形構造同様に構成する。

前記クラツチケース２の筒部２ａの下部に従来
形同様に形成したスリツト部１４にはボルトであ
る固定用部材４を横設するが、第４図示のように
スリツト部１４の一方側に形成した孔１５に固定
用部材４を嵌挿するとともに、スリツト部１４の
他方側に形成したねじ孔１６に固定用部材４の先
端を螺挿して、固定用部材４の中間部が筒部２ａ
の内方下部に露出するように装設して構成する。

前記クラツチケース２の筒部２ａに嵌入する操
作杆３の端部３ａの外周部には、前記回転ボス５
のスプライン孔５ａに嵌合する伝動軸６の端部６
ａの嵌合深さL₁より長くなる長さの係合凹部７
を軸方行に平行にして形成するとともに、筒部２
ａ内に露出する前記固定用部材４の中間部が前記
係合凹部７内に係合できるように装設するが、伝
動軸６の端部６ａが回転ボス５に正常に嵌合して
いる状態で固定用部材４が係合凹部７の一端側に
寄るとともに、伝動軸６の端部６ａが回転ボス５
から外れる状態で固定用部材４係合凹部７の他端
側に寄るようにして、固定用部材４の許容移動距
離L₂が前記嵌合深さL₁より少しく長くなるよう
にして構成する。

なお、前記係合凹部７は操作杆３の端部３ａの
外周を圧絞して形成するが、溝状に切欠して形成
することもできる。

したがつて、操作杆３の端部３ａをクラツチケ
ース２の筒部２ａ内に途中まで嵌入して、係合凹
部７内を通るようにして固定用部材４を筒部２ａ
に嵌挿し、その状態から、操作杆３を、固定用部
材４が係合凹部７の一端側に接近するまで一杯に
押し込むと、第１図に示すように伝動軸６の端部
６ａが回転ボス５内に程なく嵌合することにな
り、その状態で、固定用部材４をねじ孔１６に螺
挿して操作杆３の端部を締付けると連結すること
ができることになる。

長時間の作業では、エンジン１や刈刃１４の振
動により固定用部材４の螺合がゆるんでクラツチ
ケース２は操作杆３から外れる方向に移動するこ
とになるが、この場合は第５図において、固定用
部材４が係合凹部７の他端側にあたることになつ
てエンジン１側が操作杆３から外れることは防止
できることになり、また、その状態で、伝動軸６
の端部６ａが回転ボス５より離れるため、操作杆
３先端の刈刃１６の回転が下がり、また、エンジ
ン１は無負荷でうなりを上げて空転することにな
り、作業者はその状態でエンジン１より伝動軸６
への動力伝動が外れたことを知ることができるこ
とになつて、連結補修を行なうことになる。

また、第６図および第７図は他の実施例を示
し、前記実施例とは同一符号で示すように略同様
に構成するが、クラツチケース２の筒部２ａに螺
挿するボルト製固定用部材４の先端部４ａを円錐
状に形成し、操作杆３の端部３ａの周囲部には丸
孔７ａに細幅溝７ｂが連なるようにした鍵穴状の
係合凹部７を形成して、固定用部材４の許容移動
距離L₂が前記嵌合深さL₁より少しく長くなるよ
うに構成したものである。

したがつて、固定用部材４の先端部４ａが係合
凹部７の丸孔７ａに嵌合する第６図に示す状態で
操作杆３をクラツチケース２に連結固定できるこ
とになり、作業中にエンジン１の振動等で固定用
部材４がゆるみ、仮想線で示す状態になると、操
作杆３がクラツチケース２より外れる方向に移動
する状態で、固定用部材４の先端部４ａが係合凹
部７の溝７ｂに係合して移動することになり、伝
動軸６の端部６ａが回転ボス５から外れる状態で
固定用部材４の先端部４ａが係合凹部７の端部に
係合して前記実施例と同様にエンジン１側が外れ
るのを防止できることになる。

〔考案の効果〕

このように本考案は、作業中にどうしてもゆる
むことになる固定用部材４がエンジン１や刈刃１
４による振動によりゆるんでクラツチケース２側
が操作杆３より外れようとしても、固定用部材４
と係合凹部７との係合により外れるのを防止する
ことができて、エンジン１側が外れて落下するこ
とのないよう操作杆３をエンジン１側に良好に連
結することができることになり、しかも、そのよ
うに外れそうな状態になると、伝動軸６の端部６
ａが回転ボス５から外れて作業中における刈刃の
回転が急速に低下し、一方、エンジン１が回転変
化することになるので、作業者はその状態を直ち
に知ることができて、大事になる前に連結補修を
行なうことができることになり、操作杆３の連結
も良好に行なえる簡単な構造にして好適に実施で
きる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である要部の断面図、
第２図は刈払機全体の側面図、第３図は第２図の
一部の拡大図、第４図は第１図の−線におけ
る断面図、第５図は第１図の作動説明図、第６図
は他の実施例の断面図、第７図は第６図の一部の
平面図を示す。 １……エンジン、２……クラツチケース、３…
…操作杆、３ａ……端部、４……固定用部材、５
……回転ボス、６……伝動軸、６ａ……端部、
L₁……嵌合深さ、７……係合凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジン１に固定するクラツチケース２内には
   長い操作杆３の端部３ａを嵌入して前記クラツチ
   ケース２側の固定用部材４により係止したり締付
   けたりして連結するとともに、前記クラツチケー
   ス２内の駆動側回転ボス５に操作杆３内の伝動軸
   ６の端部６ａを嵌合し伝動連結できるように装設
   して構成する刈払機において、前記クラツチケー
   ス２に嵌入する前記操作杆３の端部３ａの周囲部
   には、前記回転ボス５に嵌合する伝動軸６の端部
   ６ａの嵌合深さL₁より長くなつて前記固定用部
   材４に係合できる係合凹部７を軸方向に平行にし
   て形成し、前記固定用部材４がゆるんだ場合、伝
   動軸６の端部６ａが回転ボス５より外れて操作杆
   ３が外れ側に移動する状態で前記固定用部材４が
   係合凹部７の端部に係合するように取付け構成し
   たことを特徴とする操作杆の連結構造。