JPH0266873A - 電界発光デバイス - Google Patents

電界発光デバイス

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JPH0266873A
JPH0266873A JP1162808A JP16280889A JPH0266873A JP H0266873 A JPH0266873 A JP H0266873A JP 1162808 A JP1162808 A JP 1162808A JP 16280889 A JP16280889 A JP 16280889A JP H0266873 A JPH0266873 A JP H0266873A
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cathode
anode
metal
organic
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JP1162808A
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English (en)
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Michael Scozzafava
マイケル スコッザフェイバ
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Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
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Filing date
Publication date
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    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
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    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/14Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the chemical or physical composition or the arrangement of the electroluminescent material, or by the simultaneous addition of the electroluminescent material in or onto the light source
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/26Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the composition or arrangement of the conductive material used as an electrode
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/10OLED displays
    • H10K59/17Passive-matrix OLED displays
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    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、E Lデバイスとしても知られている電界発
光あるいは電場発光(エレクトロルミネ・ンセンス)デ
バイスに関する。さらに詳しく述べると、本発明はマト
リクスアドレス方式の有機ELデバイスに関する。
〔従来の技術〕
フラッ1〜パネル表示で使用するためのマトリクスアド
レス方式の無機電界発光デ)<イスは文献に記載されて
いる(例えば、I7.E、Tannas、 Jr、+“
FlatPanel Displays and CR
Ts”、 Van No5trand Reinhol
dCompany+ New York、 ]−984
の特に第8節を参照されたい)。これらのデバイスでは
、2個の無機誘電体層の中間に介在せしめられた、例え
ばZnSiMn系蛍光体のような多結晶無機蛍光体の薄
膜Qこ電界を加えることによって、発光をひきおこして
いる。
しかし、無機の蛍光体にはある種の欠点が具わっている
。例えば、これらの蛍光体は広範囲の分光選択性をもた
らさない。さらに、有機のデバイスと比較した場合に、
無機蛍光体の薄膜をもったELデバイスはその加工が容
易ではない。なぜこのことが重要であるかと言うと、E
Lデバイスの輝度(ルミナンス)は電界の強さに依存す
るからである。したがって、電界発光層の絶縁破壊を惹
起するような高電圧を必要とすることなく適切な輝度を
もたらし得る非常に薄い電界発光層が望ましい。
ELデバイスに有機電界発光材料を使用することは20
年間以上にわたって知られており、また、例えばGur
neeらの米国特許第3,172,862号(1965
年3月9日発行)に記載されている。有機ELデバイス
について記載したその他の早期の文献には次のようなも
のがある: Gurneeの米国特許第3.173,0
50号(1965年3月9日発行)  i DreSn
er+”Double Injection Elec
troluminescence in八へthrac
ene  、  RCA  Review、  Vol
、30+  pp、322〜33c11969 iおよ
びDresner 、米国特許第3.710.167号
(1973年1月9日発行)。
有機ELデバイスの製作の分野における最も最近の発見
としては、アノード(陽極)およびカソード(陰極)を
分離している2つの極めて薄い層(膜厚の合計が〈1.
011rIl)をもったELデバイスからのものがある
。このELデバイスにおいて、一方の層は特に正孔(ホ
ール)を輸送するために選ばれ、そして他方の層は特に
電子を輸送しかつデバイスの有機発光帯域として作用さ
せるために選ばれる。このデバイスの場合、先ず最初に
、駆動電圧を例えば電界効果型トランジスタの集積回路
駆動装置との適合性を満足させる範囲にまで低下させる
ことが可能であった。同時に、これらの低駆動電圧の場
合には、その光の出力でもって、通常の周囲照明条件下
において表示の観察を行うことが十分に可能であった。
以下に典型的な特許を列挙する: Tangの米国特許
第4,356,429号、VanSlykeらの米国特
許第4,539,507号およびVan 5lykeら
の米国特許第4,720,432号。
これらの最近の改良の結果、有機ELデバイスを実際に
使用する機会が増大した。しかし、現在までのところ、
マトリクスアドレス方式の有機ELデバイスは入手可能
となっていない。特に、小さなピクセル表示を行うこと
が可能な有機ELデバイスの製作は実現されていない。
無機ELデバイス(先に引用したTannasの264
頁を参照されたい)に用いられたシャドーマスク形成の
ための気相成長は非常に微細なラインをもったデバイス
を製作するのには不十分であった。
なぜなら、この方法によって沈着せしめられるラインは
非常に粗いものであったからである。ホトリソグラフィ
ーもまた考えられたけれども、有機ELデバイスを製作
するのには不適当であった。
なぜなら、かかる方法に一般的に用いられているホトレ
ジスト組成物の場合、電極層内のピンホールを通る電流
の漏れによるかもしくは積層構造のエツジ部への浸透に
よって有機電界発光材料を破壊することが可能な現像液
を使用したからである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、したがって、電極のラインが非常に微
細でありかつピクセルのサイズが小さく、そして有機層
の損傷を伴なわずに加工を行うことが可能な新規なマト
リクスアドレス方式の有機ELデバイスを提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕
上記した目的は、本発明によれば、アノード、前記アノ
ード上に塗被せしめられた平面電界発光媒体、および前
記電界発光媒体上に塗被せしめられたカソードを有する
電界発光デバイスであって、前記平面電界発光媒体が前
記アノードに隣接せる有機正孔注入帯域と前記カソード
に隣接せる有機電子注入発光帯域とからなり、 前記アノードが前記有機正孔注入帯域に接触せる多数個
の横方向に間隔をあけて配置されたストリップからなり
、その際、前記ストリップの中心間間隔は400p未満
であり、 前記カソードが前記有機電子注入発光帯域に接触せる多
数個の横方向に間隔をあけて配置されたストリップから
なり、その際、前記ストリップの中心間間隔は400/
s1未満であり、そして前記カソード及びアノードのス
トリップが相対的に整列せしめられていて、互いに関し
て、一部は重畳しておりかつ一部は横方向にずれている
ことを特徴とする電界発光デバイスによって達成するこ
とができる。
本発明の好ましい態様において、記載のELデバイスは
、有機のマトリクスアドレス方式のデバイスばかりでは
なくて、次のような特徴の1つもしくはそれ以上も包含
する: a)正孔注入帯域とカソードの間の発光帯域の形成が、
正孔及び電子の注入の両者を持続することができる有機
ホスト物質と正孔−電子再結合に応答して光を放射する
蛍光物質とを有する1p未満の厚さをもった薄膜により
行われること。この態様では、光出力の波長が広範囲で
ありかつ安定性が高レベルである有機のマトリクスアド
レス方式のデバイスが提供される。
b)アノードに接触せる正孔注入帯域に正孔注入ポルフ
ィリン系化合物を含ませ、正孔輸送芳香族アミンを含有
する層を正孔注入化合物と電子注入帯域の間に介在させ
ること。この態様では、安定性の改良と運転性能の持続
という追加の利点が得られる。
C)7トリクスアドレス方式のデバイスのカソードスト
リップが種々の金属(アルカリ金属を除く)を有し、そ
して該金属の最低1種類が4eV未溝の仕事関数を有す
ること。本発明のこの態様では、カソード及びデバイス
全体のすくれた安定性といった追加の利点が得られる。
この新しいタイプのELデバイスによって、従来得るこ
とができなかった貴重な性質の組み合わせを得ることが
できる。このデバイスでは、小サイズのピクセルをもっ
たフラノミーパネル表示におすることができ、したがっ
て低電圧が可能となる。
また、特に発光帯域に蛍光物質を含ませる本発明の好ま
しい態様では、分光選択性が可能となる。
さらにまた、本発明では、その好ましい態様において、
有機のマトリクスアドレス方式のELデバイスの利点、
ならびに前記項目a)、b)及びC)において示した追
加の利点の1つもしくはそれ以上がもたらされる。以下
により詳細に記載するけれども、この新しいタイプのデ
バイスの場合、有機E Lデバイスの加工に適当である
と今まで考えられなかった加工技術を用いてそれを製造
することが可能になる。
第1図は、本発明のマトリクスアドレス方式有機電界発
光(またはEL)デバイスの一部分を略示したものであ
る。このデバイスにおいて、アノードは、多数個の、横
方向に間隔をおいて配置された、平行な、導電性の、透
明な金属ストリップ102、104及び106を存して
おり、また、これらのストリップは透明なガラス基板1
08上に支承されている。アノードストリップの上には
、アノードストリップをカソードから分離するところの
有機電界発光媒体110が同一平面上に存在する。カソ
ードは、多数個の、横方向に間隔をおいて配置された、
平行な、導電性の金属ス1〜リンプ112.114及び
116の形をしている。アノードとカソードのス1〜リ
ンプは、したがって、行及び列を構成しており、また、
相対的に配列せしめられていて、互いに関して、一部は
重畳しておりかつ一部は横方向にオフセットして、すな
わち、ずれている。第1図に示されるように、アノード
ストリップの主軸は平行であり、また、カソードストリ
ップの主軸も平行である。アノードストリップの主軸は
、平面有機電界発光媒体に対して垂直な方向から見た場
合、カソードストリップの主軸に角度をつけて整列せし
められており、したがって、アノード及びカソードスト
リップの主軸は互いに垂直である。しかし、アノード及
びカソードストリップの望ましい部分重畳と部分オフセ
ットの関係は、それらのストリップの相対的な角度整列
を図示した垂直関係とは別のものとする場合に、例えば
、アノード及びカソードストリップ主軸を30°〜15
0゜の角度でもって互いに角度をつけて整列する場合に
、達成することができる。アノード及びカソードストリ
ップは、この図面に示されていないけれども、常用の技
法によって外部電源に接続することができる。この電源
は、連続した直流の電源であるかもしくは交流の電源で
あることができ、さもなければ、不連続の電源であるこ
とができる。
カソードに関してアノードに正のバイアスを印加するこ
とのできる任意の好都合で常用の電源(任意の望ましい
スイッチ回路を含む)を使用することができる。アノー
ド又はカソードのいずれか一方を接地電位とすることが
できる。
第1図において、平面電界発光媒体110は、その簡略
化のために単一の層として示されている。
この電界発光媒体のことを“′平面”′と呼んでいるけ
れども、それは、この媒体の厚みがその長さ及び幅に比
較して非常に小さいからである。第2図及び第3図を参
照して以下に詳細に記載するけれども、この平面の電界
発光媒体110は、多数の層又は帯域を有することがで
き、また、それが好ましい。
ELデバイスは、そのアノードがカソードに較べてより
高電位である時、順方向バイアスをかけたダイオードと
して見ることができる。これらの条件の下において、ア
ノードは正孔(正電荷キャリア)を平面電界発光媒体中
へ注入し、一方、カソードは電子を平面電界発光媒体中
へ注入する。
アノードに接する電界発光媒体の部分したがって正札注
入及び輸送帯域を形成し、一方、カソードと接する発光
媒体の部分は電子注入及び輸送帯域を形成する。注入さ
れる正孔と電子は各々、反対の電荷をもつ電極の方へ移
行する。これは有機電界発光媒体内の正孔及び電子の再
結合をもたらす。
正札の充填時、移行電子がその伝導電位から価電子帯へ
落ち込む時にエネルギーが光として放出される。従って
、有機電界発光媒体は、電極間で、可動性電荷キャリヤ
を各電極から受取る発光帯域を形成する。代替構造の選
択に応じて、放出光は、アノードを通して、あるいはカ
ソードを通して、あるいはこれらの両者を通して、電界
発光材料から放射させることができる。
電極の逆バイアスの印加は、可動電荷の移行の方向を逆
転させ、電荷の注入を中断し、そして光の放射を終らせ
る。有機ELデバイスを操作する最も普通のモードは、
順方向バイアス印加の直流電源を用い、そして光の放射
を調節するのに外部電流の中断または変調に頼ることで
ある。
本発明のマトリクスアドレス方式のデバイスにおいて、
例えば電気駆動装置のような電源は、アノード及びカソ
ードの行と列によって形成された格子を介して電荷を供
給する。ビクセルは、それぞれの行と列が交わったとこ
ろ、すなわち、アノード及びカソードストリップが重畳
せる個所である。ピクセルは、交点にある軸に電荷を与
えてしきい値電圧とした場合に発光する。
本発明の有機ELデバイスにおいて、有機電界発光媒体
の全体の厚さを1um(10000人)未満に制限する
ことによって、電極間で比較的に低い電圧を使用しなが
ら、有効な光放射に一致するところの電流密度を保持す
ることが可能である。1p未満の厚みにおいては、20
ボルトの印加電圧は2×105ボルト/ cmより大き
い電界電位をもたらし、これは有効な光放射に一致する
。以下でより特定的に記述する通り、有機電界発光媒体
の好ましい厚さは0.1〜0.5 trm (1000
〜5000人)の範囲にあって、印加電圧をさらに下げ
ることおよび/または電界電位を増大させることを可能
とするけれども、これらのことはデバイス組立ての可能
性の範囲に十分に含まれるものである。
光透過性の電極を形成するため、有機電界発光媒体の上
および/または独立した半透明あるいは透明の支持体、
例えば第1図の透明な支持体108の上に多数個の半透
明あるいは透明の金属ストリップを形成する。これらの
ストリップの厚さは、光の透過(あるいは吸光)と導電
性(あるいは抵抗)をバランスすることによって決定す
ることができる。光透過性の金属電極を形成する際の実
際のバランスは、導電性ストリップの場合、約50〜2
50人の厚さの範囲にあるということである。もしも電
極が光を透過することが意図されないならば、加工にお
いて便利と思われるより大きい厚さを使用できる。
第1図に示されるE Lデバイス100、そしてこのよ
うなデバイスのなかの第2図に断面で示されるようなピ
クセル200は、本発明の好ましい1態様を図示したも
のである。有機ELデバイスの歴史的発展のゆえに、光
透過性のアノードを用いることが慣用の方法である。こ
れは、導電性の比較的高い仕事関数の金属または金属酸
化物の透明層を上に沈着させてアノードを形成させた光
透過性の絶縁性支持体第1図の108および第2図の2
01を提供することによって達成される。第1図に示さ
れるように、アノードは、公知な手法によってパターン
状のストリップ102.104及び106として形成さ
れる。支持体が透明なガラス板である場合、常用のホト
リソグラフィーを使用することができる。なぜなら、ガ
ラスやこのような不透質のプラスチックスは常用のホト
リソグラフィー用現像溶媒によって損傷を被らないから
である。このようなストリップの断面203は第2図に
示しである。
有機電界発光媒体のアノードに直に隣接する部分は、正
孔輸送帯域として作用するので、第2図に示されるよう
に、その正孔輸送効率に関して選ばれた有機物質の層2
05をアノード上に沈着させることによって形成するの
が好ましい。正孔輸送層の上には、その電子輸送効率に
関して選ばれた有機物質の層207を沈着させる。カソ
ードストリップのあるものの部分209は有機電界発光
媒体の電子輸送性の上層の上に載置せしめられる。
第3図は、本発明のもう1つの好ましい態様を示す単一
のピクセル300を断面で示したものである。有機EL
デバイスの発展の歴史的パターンと対照的に、ピクセル
300からの光の放射は光透過性のカソード309を介
してである。デバイス300のアノードはデバイス20
0と同じに形成させることができ、それによってアノー
ドおよびカソードの両方を通して光放射を行うことが可
能であるが、好ましい形においては、デバイス300に
例えば、比較的高い仕事関数の金属のような不透明の電
荷伝導性材料を使用してアノードストリップ301を形
成する。正孔および電子の輸送層305および307は
デバイス200の対応の層205および200に同じで
あることができる。デバイス200と300の間の顕著
な相違点は、後者は有機ELデバイスにおいて慣用的に
含まれる不透明なカソードの代りに薄い光透過性のカソ
ードストリップを用いていることである。
ELデバイス200および300の有機電界発光媒体は
単一の有機正孔注入及び輸送層と単一の電子注入及び輸
送層とからなると先に記載したけれども、以下に詳述す
るように、これらの層のそれぞれを多層とずべくさらに
努力した場合、デバイスの性能を一段と向上させること
ができる。多層の電子注入及び輸送層が存在する場合、
正孔を受は取る層は、その層の内部において正孔−電子
の再結合が行われかつそのためにデバイスの発光帯域を
形成する層である。
本発明のマトリクスアドレス方式の有機ELデバイスを
製作するため、便宜な順序の加工工程の最初として、ア
ノードのストリップを透明基板上に形成する。多数の金
属物質が透明又は不透明なアノード材料として有用であ
るけれども、この目的のために好ましい透明なアノード
材料の1種は商標“ネサトロン(Nesatron) 
’”として商業的に入手可能である。この材料は、薄く
て透明なインジウム錫酸化物(ITO)の層をガラス上
に形成したものである。透明な導電性層は、好ましくは
、約0.1〜1.0 Nlの厚さを有している。ガラス
シートを所望の寸法に切断し、そして次に洗浄及び研磨
を行う。導電性層を狭くて平行なアノードストリップか
らなる所望のパターンに変形するが、このバターニング
は常用のエツチング技法を用いて行う。手法の一例を示
すと、1)シートをジクロロメタン中で清浄にし、2)
清浄にした組成物にホトレジスト組成物を塗布し、3)
塗布の完了したシー′トを回転乾燥し、4)被膜を80
°Cで30分間にわたってベータし、5)被膜を所望の
ラインパターンをもったマスクと接触させ、UV光に3
秒間にわたって露光し、そして6)露光後の被膜を約6
0秒間にわたって溶媒と接触させることによって現像し
、次にn−へブタンですすぎ、風乾する。
透明なアノードストリップを透明基板上に形成した後、
有機電界発光材料の薄膜をアノ−トス1〜リツプの上に
、好ましくは真空蒸着法を用いて、被着させる。以下に
詳しく述べるように、特定の材料ではマトリクスアドレ
ス方式のELデバイスと組み合わさった特別の長所が得
られるけれども、多種多様のかかる有機材料を使用する
ことが可能である。この有機材料は、−例を示すと、例
えば芳香族第3アミンのような正孔輸送化合物の第1の
層、そして例えばキレート化オキシノイド化合物のよう
な電子輸送化合物の第2の層(これが発光帯域を構成す
る)を有する。これらの2つの層を、蒸着法によって、
加熱した石英ボートから被着させることができる。次い
で、この有機電界発光材料の最上層の上にカソード材料
の薄くて均一な層を被着させる。このカソードに適当な
材料及び膜厚は以下において詳細に記載する。
次いで、カソード層をパターニングしてアノードストリ
ップの方向に対して垂直な方向に延在する狭いストリッ
プを得るため、ホトリソグラフィーを使用する。この目
的のために、架橋可能なホトレジストの組成物を連続し
た層の形でカソード層上に塗布する。ホトレジスト組成
物をカソード層に適用する好ましい1方法はスピンコー
ド法である。例えばナイフコート法のようなその他の方
法も使用可能であるが、基板に引掻き傷を入れないよう
に注意することが肝要である。光開始剤と混合して溶媒
から塗布し、次いでUV光によって重合及び架橋させる
ことができる特に有用な部類に属する重合可能及び架橋
可能な単量体は、例えば、米国特許第4,322,49
0号及び同第4,619,890号に開示されている。
特に有用なものは、米国特許第4,619,890号に
開示されているベンゼントリカルボン酸アルキルアクリ
ル酸エステルである。
これらの単量体を、例えばアミン開始剤のような光開始
剤及び3−ケトクマリン増感剤と一緒に、例えば2−エ
トキシエタノールエタノールのような溶剤(ELデバイ
スの有機電界発光材料を溶解しないもの)中で混合する
。有用な光開始剤及び溶剤の例は先に引用した米国特許
のなかに開示されている。
本発明のマトリクスアドレス方式の有機ELデバイスは
、その最も広い面において、ELデバイスに適当である
任意の有機電界発光材料と任意の電極材料を使用するこ
とができる。本発明のデバイスは、しかし、先に参照し
た好ましい材料の1種類もしくはそれ以上を組み合わせ
てデバイスの製作に用いた場合により大きな利点をもた
らすことができる。すなわち、(a)発光物質を含有す
る薄膜の発光帯域、(b)アノードと接触せる正孔注入
ポルフィリン系化合物を含有する層、および/または(
C)低い仕事関数を有する最低1種類の金属(アルカリ
金属以外)を有するカソード。
発光帯域に蛍光物質が含まれないような場合には、電界
発光材料は、しかし、以下において蛍光物質用のホスト
物質として開示するようないろいろな有機物質を任意に
有することができる。
発光帯域に蛍光物質が含まれるような好ましい態様にお
いて、前記発光帯域は薄膜であり(ここで、“′薄膜“
なる語は、1廂未満の厚さをもったものを指すために用
いられる)、また、この薄膜は、正孔及び電子の注入を
持続することが可能な有機ホスト物質、そして正孔−電
子再結合に応答して光の放射が可能な蛍光物質を含有す
る。発光帯域は、その有機電界発光媒体全体が1卿未満
、好ましくは1000人未満の厚さであることができる
よう、50〜5000人、最適には100〜1000人
の範囲の厚さを保持するのが好ましい。
ホスト物質は、有機ELデバイスの薄膜発光帯域の活性
成分として従来用いられる物質のどれからでも便宜に形
成させることができる。薄膜の形成に使用するのに適す
るホスト物質の中にはジアリールブタジェンおよびスチ
ルベンであり、またこれらの物質は先に引用のTang
の米国特許4,356,429によって開示されている
ようなものである。
使用できるさらに他の薄膜形成ホスト物質は蛍光増白剤
、特に上記引用のVan 5lykeらの米国特許第4
,539,507号によって開示されているものである
。有用である蛍光増白剤は、次の構造式(1)又は(I
I)を満たすものを含み、 式中、D’  、D2 、D3、およびD4は独立に水
素;炭素原子数が1から10の飽和脂肪族、例えば、プ
ロピル、t−ブチル、ヘプチルなど;炭素原子数が6か
ら10のアリール、例えば、フェニルおよびナフチル:
あるいはクロロ、フルオロなどのようなハロゲンである
か、あるいは、DlとDzあるいはD3とD4、は−緒
に組み合わさって、例えばメチル、エチル、プロピルな
どのような1個から10個の炭素原子を有する少くとも
一つの飽和脂肪族基を任意的に担持する縮合芳香族環を
完成させるのに必要な原子からなり D3は例えばメチル、エチル、n−エイコシルなどのよ
うな1 (11ilから20個の炭素原子を有する飽和
脂肪族基、6個から10個の炭素原子を有するアリール
基、例えばフェニルおよびナフチル;カルボキシル;水
素;シアノ、あるいはハロゲン例えばクロロ、フルオロ
などであり、ただし、弐(II)において、D3 、D
4およびD5の少(とも2つは3個から10個の炭素原
子を有する飽和脂肪族基、例えば、プロピル、ブチル、
ヘプチルなどであり、Zは−0−、−N (D6)−1
あるいは−3−であり、そして Yは mは0から4の整数であり、 nは6個から10個の炭素原子のアリーレン基、例えば
フェニレンおよびナフチレンであり、そして D6は水素;1個から10個の炭素原子を有する飽和脂
肪族置換基、例えばアルキル置換基;6個から10個の
炭素原子を有するアリール基、例えばフェニルまたはナ
フチル;あるいは、クロロまたはフルオロのようなハロ
置換基であり、D7は例えばフェニルまたはナフチルの
ような6個から10個の炭素原子を有するアリーレン基
であり、 Z′とZ rrは独立にNまたはCHである。
ここで用いる咎とき、「脂肪族」とは置換された脂肪族
並びに非置換の脂肪族を含む。置換脂肪族の場合の置換
基は1個から5個の炭素原子を有するアルキル基、例え
ばメチル、エチル、プロピルなど;6個から10個の炭
素原子を有するアリール基、例えば、フェニルおよびナ
フチル;例えばクロロ、フルオロなどのようなハロゲン
;ニトロ基;および1個から5個の炭素原子を有するア
ルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシな
どを包含する。
有用であることが期待されるさらに他の蛍光増白剤Hま
Chemistr  of S nthetic D 
es、 1971+ 618637ページおよび640
ページにおいて列挙されている。まだ薄膜形成性でない
ものの一端又は両端の環に脂肪族成分を結合させること
によってそのものを薄膜形成性にすることができる。
本発明の有機ELデバイスの発光帯域を形成するための
特に好ましいホスト物質は金属キレート化オキシノイド
化合物であり、オキシン(これはまた普通には8−キノ
リツールあるいは8−ヒドロキシキノリンとよふ)のキ
レートを包含する。
このような化合物は両方とも高水準の性能を示し、薄膜
の形に容易に加工可能である。推奨されるオキシノイド
化合物の例は次の構造式(III)を満たすものである
: 式中、Mtは金属を表わし、 nは1から3の整数であり、 Z2は各々の存在個所で独立に、少くとも2個の縮合芳
香族環をもつ核を完成する原子を表わす。
前記から、金属は1価、2価、または3価の金属であり
得ることが明らかである。かかる金属は、例えば、リチ
ウム、ナトリウムまたはカリウムのようなアルカリ金属
;マグネシウムまたはカルシウムのようなアルカリ土類
金属;あるいは硼素またはアルミニウムのような土類金
属であることができる。−船釣には、有用キレート用金
属であることが知られている1価、2価または3価の金
属を任意に用いることができる。
Z2は少くとも2個の縮合芳香族環を含む複素環を完成
し、その中の一つはアゾール環またはアジン環がある。
必要に応じて、脂肪族環および芳香族環の両方を含む追
加の環を前記の二つの必要環と一緒に縮合させることが
できる。作用の改善もなく分子の嵩が増大することを避
けるために、環原子の数は18個またはそれ以下で保つ
のが好ましい。
薄膜を形成させるために使用可能である有用なホスト物
質の例としては次のようなものがある:8M−6 アルミニウムトリス(5−メチルオキシン) Hト11 ジリチウムエピンドリジオン1μm−121
,4−ジフェニルブタジェン1(M−20)ランススチ
ルベン 上記列挙のホスト物質はすべて正孔および電子の注入に
応答して光を放射することが知られている。正孔−電子
再結合に応答して光を放射し得る蛍光物質の少量をホス
ト物質と混合することにより、その発光帯域から放射さ
れる光の色相を変化させることができる。理論上は、も
しも正孔−電子再結合に対して正確に同じ親和度をもつ
ホスト物質および蛍光物質を混合用に見出し得るとすれ
ば、各物質は発光帯域中の正孔および電子の注入時に光
を放射するはずである。光放射の感知できる色相は両方
の放射を肉眼的に積算したものである。
ホスト物質と蛍光物質をこのようにバランスさせること
はきわめて制約があるので、光放射に対して好都合な部
位を与えるように蛍光物質を選択することが好ましい。
光放射についての好ましい部位を与える極く少量の蛍光
物質だけが存在する場合には、その蛍光物質に帰せられ
る新しいピーク強度波長の発光に好都合であるようにホ
スト物質について代表的であるピーク強度波長の発光を
全く除くことができる。この効果を達成するのに十分な
蛍光物質の最小割合はホスト物質および蛍光物質の特定
的選択によって変動するが、いかなる場合でも、ホスト
物質のモル数を基準にして約10モル%以上の蛍光物質
を用いる必要はな(、また、1モル%より多量の蛍光物
質を用いることもほとんど必要でない。他方、蛍光物質
が存在しない場合に光を放射することができるホスト物
質のどれについても、蛍光物質をきわめて少量、例えば
ホスト物質を基準に約10−3モル%未満へ制限するこ
とは、ホスト物質の特徴的波長における発光の保持を可
能にすることになる。このように、光放射にとって好ま
しい部位を与えることができる蛍光物質の割合を選ぶこ
とによって、発光波長の完全なシフトあるいは部分的な
シフトを実現することができる。このことは、本発明の
ELデバイスのスペクトル発光が選択されかつ使用すべ
き用途に適するよう釣合わされることを可能にする。
光放射に好都合な部位を与えることができる蛍光物質の
選択は蛍光物質の性質をホスト物質の性質と関係づける
ことを包含する。ホスト物質は注入される正孔と電子の
ためのコL・フタとして見ることができ、蛍光物質は光
放射のための分子部位を提供する。ホスト物質中に存在
する時に光放射の色相を変化させることができる蛍光物
質を選択するだめの一つの重要な関係は、その二つの物
質の還元電位の比較である。光放射の波長をシフトさせ
ることが示されている蛍光物質はホスト物質よりも小さ
い負の還元電位を示した。還元電位は、エレクトロン・
ボルトで測定されるが、文献中でそれらの測定法の各種
とともに広く報告されている。望まれるのは、絶対値で
はなく還元電位の比較であるので、還元電位測定用の許
容される技法はどれでも、蛍光物質とホスト物質の還元
電位の両方が同じように測定される限り使用できること
が明らかである。好ましい酸化還元電位測定の技法はR
,J、CoxのPhoto ra hic 5ensi
tivit(八cademic Press、1973
年、15章)によって報告されている。
ホスト物質中に存在するときに光放射の色相を変えるこ
とができる蛍光物質を選ぶための第二の重要な関係は、
この二つの物質のバンドギャップ電位の比較である。分
子のバンドギャップ電位はその基底状態とはじめの一重
項状態とを分離するエレクトロンボルト(eV)として
の電位差としてみなされる。バンドギャップ電位とそれ
らの測定法は文献中に広く報告されている。ここで報告
されるバンドギャップ電位は、吸収ピークに対して長波
長側へ偏移しており吸収ピークの大きさの1710の大
きさのものである吸収波長においてエレクトロンポル1
(eV)で測定したものである。望まれるのはそれらの
絶対値でなくバンドギャップ電位の比較であるので、蛍
光物質とホスト物質のバンドギャップがともに同様に測
定される限り、許容されているいかなるバンドギャップ
測定法でも使用できる。一つの伐倒的な測定法はF、G
utmanおよびり、E、LyonsによるOr an
ic Sem1conductor(Wiley。
1967年、5章)によって開示されている。
蛍光物質の不存在において自ら光を放射することができ
るホスト物質が選ばれる場合には、ホスト物質単独の特
徴的な発光の波長における光放射の抑制と蛍光物質につ
いて特徴的である波長における発光の増進は、ホスト物
質と蛍光物質とのスペクトル的結合が得られる時におこ
ることが観察された。スペクトル的結合とはポスト物質
単独について特徴的である発光の波長とホスト物質の不
存在下における蛍光物質の光吸収の波長との間にオーバ
ーラツプが存在することを意味する。最適のスペクトル
的結合は、ホスト物質単独の最大発光が蛍光物質単独の
最大吸収と±25nm以内で合致するときにおこる。実
際において、有利なスペクトル的結合は、ピークの幅と
それらの短波長側および長波長側の傾斜とに応じて、ピ
ーク発光波長と吸収波長とが1100nまでまたはそれ
をこえる程度までだけ異なっている場合におこり得る。
ホスト物質および蛍光物質の間で最適より劣るスペクト
ル的結合が期待される場合には、蛍光物質の短波長側偏
移よりも長波長側偏移の方がより効果的結果をもたらす
上述の説明は、正孔および電子の注入に応答して自ら光
を放射することが知られているホスト物質に言及するこ
とによってなされてきたが、事実、ホスト物質自体によ
る光放射は、蛍光物質による光放射が上記記述の各種の
関係のどれが一つまたは組合せに好都合である場合に、
完全に止むことができる。光放射の役割を蛍光物質へ転
嫁することはホスト物質の選択のさらにより広い範囲を
可能にすることが理解される。例えば、光を放射するよ
う選ばれる物質についての一つの基本的要件は、その物
質が放射する波長の光について低い吸光係数を示して内
部的吸収を避けねばならないということである。本発明
は、・正孔および電子の注入を持続することができるが
しかし自らは効果的に光を放射することができないホス
ト物質をマトリクスアドレス方式のELデバイスにおい
て使用することを可能とする。
有用である蛍光物質は、ホスト物質と混合することがで
きかつ本発明のELデバイスの発光帯域を形成する上述
の厚さ範囲を満足させる薄膜に加工することができる物
質である。結晶質のホスト物質は自体薄膜形成に適合し
ないが、ホスト物質中に存在する蛍光物質の限定された
量は単独では薄膜形成をなし得ない蛍光物質の使用を可
能にする。好ましい蛍光物質はホスト物質と一緒に共通
の相を形成する物質である。蛍光材料は好ましい部類の
蛍光物質を構成するが、それは、染料がホスト物質中で
の分子レベル分布に合致するからである。ホスト物質中
に蛍光染料を分散させるための便利な技法は任意に使用
し得るけれども、好ましい蛍光染料はホスト物質と一緒
に蒸着させることができる染料である。先に記述したそ
の他の規準が満たされると仮定すると、蛍光レーザー染
料が、本発明の有機ELデバイスで使用するための特に
有用な蛍光物質であることが認められる。
蛍光染料の一つの好ましい部類は蛍光クマリン染料であ
る。特に好ましい蛍光クマリン染料の中には次式(IV
)を満たすものがある:式中、 R’ は水素、カルボキシ、アルカノイル、アルコキシ
カルボニル、シアン、アリール、および複素環芳香族の
基から成る群から選ばれ、R2は水素、アルキル、ハロ
アルキル、カルボキシ、アルカノイル、およびアルコキ
シカルボニルから成る群から選ばれ、 R3は水素上アルキルから成る群から選ばれ、R4はア
ミノ基であり、そして R5は水素であり、 あるいは、R’ とR2とは一緒になって縮合炭素環を
形成し、そして/または R5を形成するアミノ基はR4およびR5の少くとも一
つと一緒に縮合環を完成する。
各々の場合におけるアルキル成分は1個から5個、好ま
しくは1個から3個の炭素原子を含む。
アリール成分は好ましくはフェニル基である。縮合炭素
環状環は好ましくは五員環、六員環または七員環である
。複素環式芳香族基は、炭素原子と、酸素、硫黄および
窒素から成る群から選ばれる1個または2個の複素原子
とを有する五員または六員の複素環を含む。アミノ基は
一級、二級、または三級のアミノ基であることができる
。アミノ窒素が隣接置換基と一緒に縮合環を完成すると
き、その環は好ましくは五員環または六員環である。
例えば、R5ば窒素原子が1個の隣接置換基(Rffま
たはR5)と単一環を形成するときにはビラン扉の形を
とり、窒素原子が両隣接置換基R3およびR5と一緒に
環を形成するときにはシロリジン環(クマリンの縮合ベ
ンゾ環を含む)の形をとることができる。
以下はレーザー染料として有用であることが知られる蛍
光クマリン染料の例である。
FD−17−シメチルアミノー4−メチルクマリン FD−24,6−シメチルー7−エチルアミノクマリン FD−34−メチルウムベリフェロン FD−4伊、−(2′−ヘンジチアゾリル)−7ンメチ
ルアミノクマリン FD−53−(2’−ヘンズイミダゾリル)−7N、N
−ジメチルアミノクマリン FD−67−アミノ−3−フェニルクマリンD−11 7−アミノ メ チルクマリン 7−ジメチルアミノ ン メチルクマリ この部類の好ましい蛍光染料は次式(V)を満たすもの
である: (V) NC,c/CN FD−23   4−メチルピペリジノ(3,2−g)
クマリン FD−24   4−トリフルオロメチルピペリジノ 
〔3。
2−g]クマリン 蛍光染料のもうーっの好ましい部類は蛍光性の4−ジシ
アノメチレン−4H−ピランおよび4ジシアノメチレン
−4H−チオピラン(以後は蛍光性ジシアノメチレンピ
ラン染料および蛍光性ジシアノメチレンチオピラン染料
とよぷ)である。
式中、Xは酸素または硫黄を表わし、 R6は2−(4−アミノスチリル)基を表わし、そして R7は第二のR6基、アルキル基、あるいはアリール基
を表わす。
χは最も便宜には酸素または硫黄を表わすけれども、よ
り高い原子番号のカルコゲンは長波長移行型ではあるが
同様な応答を与えるはずであることが認められる。アミ
ン基は一級、二級または三級のアミノ基であることがで
きる。一つの特に好ましい形において、アミノ基はスチ
リルフェニル環と一緒に少くとも一つの追加の縮合環を
形成することかできる。例えば、スチリルフェニル環と
アミノ基は一緒になってジュロリジン環を形成すること
ができ、あるいはアミノ基はスチリルフェニル環と縮合
した五員または六員の環を形成することができる。R6
を形成するアルキル基は代表的には1個から6個、好ま
しくは1個から3個の炭素原子を含む。R6を形成する
アリール基は好ましくはフェニル基である。R6とR?
の両者が2−(4−アミノスチリル)基を形成する時に
は、これらの基は同一、もしくは異なっていることがで
きるが、しかし対称性化合物がより便宜に合成される。
以下は蛍光性ジシアノメチレンピラン染料と蛍光性ジシ
アノメチレンチオピラン染料の例である:有用な蛍光染
料はまた既知のポリメチン染料の中から選ぶことができ
る。かかるポリメチン染料に、シアニン、錯シアニン及
びメロシアニン(すなわち、三核、四核および多核のシ
アニン及びメロシアニン)、オキソノール、ヘミオキソ
ノール、スチリル、モノスチリル、およびストレプトシ
アニンが含まれる。
シアニン染料は、メチン結合によって結合された例えば
アゾリウム核またはアジニウム核のような2個の塩基性
の複素環状核を含む。このような染料は、例えば、ピリ
ジニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、オキサシ
リウム、チアゾリウ。
ム、セレナゾリウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、
ピリジウム、インドリウム、3H−インドリウム、イミ
ダゾリウム、オキサジアゾリウム、チアジアゾリウム、
ベンズオキサゾリウム、ベンジチアゾリウム、ベンゾセ
レナゾリウム、ペンゾテルラゾリウム、ベンズイミダゾ
リウム、3HまたはIH−ベンゾインドリウム、ナフト
オキサシリウム、ナフトチアゾリウム、ナフトセレナゾ
リウム、ナフトセレナゾリウム、カルバゾリウム、ピロ
ロピリジニウム、フェナンスロチアゾリウム、およびア
セナフトチアゾリウムの四級塩から誘導されるものであ
る。
塩基性複素環核の例は次式(Vl)と(■)を満たすも
のである: 上式において、 Z3は塩基性複素環式窒素化合物から誘導される環状核
を完成するのに必要とされる要素を表わし、それらの窒
素化合物は、例えば、オキサゾリン、オキサゾール、ベ
ンズオキサゾール、ナフトオキサゾール類(例えば、ナ
フト−(2,1−d)オキサゾール、ナフトC2,3−
d)オキサゾール、およびナフト(1,2−d)オキサ
ゾール)、オキサジアゾール、チアゾリン、チアゾール
、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール類(例えば、ナ
フト[2,1−d)チアゾール)、チアゾロキノリン類
(例えば、チアゾロ(4,5−b)キノリン)、フェナ
ンスロチアゾール、アセナフトチアゾール、チアジオキ
サゾール、セレナゾリン、セレナゾール、ベンゾセレナ
ゾール、ナフトセレナゾール類(例えば、ナフト−(1
,2−d)セレナゾール)、ペンゾテルラゾール、ナフ
トテルラゾール類(例えば、ナツト(1,1−d)テル
ラゾール)、イミダシリン、イミダゾール、ベンズイミ
ダゾール、ナフトイミダゾール類(例えば、ナフト〔2
,3−d〕イミダゾール、2−または4−ピリジン、2
−または4−キノリン、1−または3−インキノリン、
ベンゾキノリン、3 Hインドール、IH−または3H
−ヘンジインドール、およびピラゾールのようなもので
あり;上記の核はその環の上で広範な種類の置換基の一
つまたは一つ以」二によって置換されていてもよく、そ
れらの置換基は、ヒドロキシ、ハロゲン類(例えば、フ
ルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード)、アルキル基ま
たは置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、オクチル、ドデシル、オク
タデシル、2−ヒドロキシエチル、3−スルフォプロビ
ル、カルボキシメチル、2−シアノエチル、およびトリ
フルオロメチル)、アリール基または置換アリール基(
例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−
スルフォフェニル、3−カルボキシフェニル、および4
−ビフェニリル)、アラルキル基(例えば、ベンジル及
びフェネチル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エ
トキシおよびイソプロポキシ)、アリールオキシ基(例
えば、フェノキシと1−ナフトキシ)、アルキルチオ基
(例えば、メチルチオおよびエチルチオ)、アリールチ
オ基(例えば、フェニルチオ、五−トリルチオ、および
ナフチルチオ)、メチレンジオキシ、シアノ、2−チエ
ニル、スチリル、アミノまたは置換アミン基(例えば、
アニリノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、およびモ
ルホリノ)、アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、
ベンゾイル、およびヘンゼンスルホニル)のようなもの
であり、Q′は例えばピロール、インドール、カルバゾ
ール、ベンズインドール、ピラゾール、インダゾール、
およびピロロピリジンのような塩基性複素環式窒素化合
物から誘導される環状核を完成するのに必要とされる要
素であり、 Rは、置換基(例えば、カルボキシ、ヒドロキシ、スル
ホ、アルコキシ、スルファト、チオスルファト、ホスホ
ノ、クロロ、およびブロモ置換基)をもつかあるいはも
たない、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ある
いはアラルキル基を表わし、 Lは、その各々の場合において独立に、置換または非置
換のメチン基、例えば−CR’−基を表わすように選ば
れ、ここに、R8はメチン基が置換されていないときに
は水素を表わし、そして、メチン基が置換されていると
きには1個から4個の炭素原子を有するアルキルかある
いはフェニルを表わすのが最も普通であり、そして qはOまたは1である。
シアニン染料は、奇数個のメチン基を含むメチン結合に
よって結合される式(Vl)で示すタイプの2個の複素
環式核を含むことができ、あるいは偶数個のメチン基を
含むメチン結合によって結合される式(VT)及び(■
)の各々に従う複素環式核を含むことができ、この場合
、メチン基は上述のとおり−CRB=の形をとることが
できる。−船釣にはポリメチン染料中でそして特定的に
はシアン染料中で、核を結合するメチン基の数が多けれ
ば多いほど染料の吸収波長が長い。例えば、ジカルボシ
アニン染料(2個の塩基性複素環式核を結合する5個の
メチン基を含むシアニン染料)はカルボシアニン染料(
2個の塩基性複素環式核を結合する3個のメチン基を含
むシアニン染料)より長い吸収波長を示し、また、後者
は、単純なシアニン染料(2個の塩基性複素環式核を結
合する唯1個のメチン基を含むシアニン染料)より長い
吸収波長を示す。カルボシアニン染料およびジカルボシ
アニン染料は長波長染料であって、一方、単純シアニン
染料は通常黄色染料であるが、しかし、核および長波長
側移行性吸収が可能である他の成分を適切に選ぶことに
よって約550nmまでの波長の吸収最大を示すことが
できる。
蛍光染料として使用するための好ましいポリメチン染料
、特にシアニン染料はいわゆる不動化染料(rigic
lized dye)である。これらの染料は、つの核
がもう一つの核との関連で動くことが制約されるように
構成される。このような制約は励起状態エネルギーの無
放射性動的放散(radiationlesskine
tic dissipation)を回避する。染料構
造を不動化する一つの試みとして、独立した架橋基を組
入れて、染料の末端核を結合するメチン鎖結合のほかに
別の結合を提供することがある。架橋ポリメチン染料は
、Brookerらの米国特許第2.478.367号
、Brookerの米国特許第2,479,152号、
G11bertの米国特許第4,490,463号、お
よび、Tredwel lらの”Picosecond
 Time Re5olved Fluorescen
ceLifetimes of the Polyme
thine and Re1ated DyesChe
mical 釉T住竺+ 43巻(1979年) 、3
07−316ページ、によって解説されている。
ポリメチン染料核を結合するメチン鎖は、染料の末端塩
基性核を結合する環状核の部分としてメチン鎖を含める
ことによって不動化させることができる。−船釣にはポ
リメチン染料、特定的にはシアニン染料を不動化するこ
とおよび吸収最大を長波長側へ移行させることの両方の
ための技法の一つは、メチン結合の中にオキソ炭素架橋
性核を含めることである。オキソ炭素架橋性核は次式(
■)によって示される形のどれかをとることができるニ 式中、nは0,1または2の整数である。
メロシアニン染料は、上述のシアニン染料タイプの塩基
性複素環式核の一つを上述の、但しゼロ個、2個あるい
はさらに多い偶数個のメチン基を含むメチン結合を介し
て酸性ケトメチレン核へ結合する。核間の結合にメチン
基を含まないゼロメチンの染料は一つの共鳴形において
核間で二重結合の連結を示し、そしてもう一つの共鳴形
において単結合の連結を示す。どちらの共鳴形において
も、核中の連結部位は各々の核の一部を形成するメチン
基によって形成される。ゼロメチンのポリメチン染料は
黄色染料である。
酸性核の例は次式(IX)を満たすものである:上式に
おいて、 G1はアルキル基または置換アルキル基、アリール基ま
たは置換アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、あるいは、
置換アミノ基を表わし、ここで、代表的な置換基は式(
Vl)及び(■)に関して先に記載した各種の形をとる
ことができ:G2はG1について列挙した基のどれか一
つを表わし、さらに加えて、シアノ基、アルキルまたは
アリールスルホニル基、あるいは−(、−G’によって
表される基を表わすことができ、あるいは、G2はGI
と一緒にとるとき、次のような環状酸性核を完成するの
に必要とされる要素を表わす=2.4−オキサゾリジノ
ン(例えば、3−エチル2.4−オキサゾリジンジオン
L2,4−チアゾリジンジオン(例えば、3−メチル−
2,4−チアゾリジンジオン)、2−チオ−2,4−オ
キサゾリジンジオン(例えば、3−フェニル−2チオ−
24−オキサゾリジンジオン)、ローダニン、例えば3
−エチルローダニン、3−フェニルローダニン、3− 
(3−ジメチルアミノプロピル)ローダニンおよび3−
カルボキシメチルローダニン、ヒダントイン(例えば、
1,3−ジエチルヒダントインおよび3−エチル−1−
フェニルヒダントイン)、2−チオヒダントイン(例え
ば、1−エチル−3−フェニル−2−チオヒダントイン
、3−へブチル−1−フェニル−2−チオヒダントイン
およびアリールスルホニル−2−チオヒダントイン)、
2−ビラプリン−5−オン、例えば3−メチル−1−フ
ェニル−2−ピラゾリン−5−オン、3−メチル−1−
(4−カルボキシブチル)−2−ピラゾリン−5−オン
および3メチル−1−(4−スルホフェニル)−2−ピ
ラゾリン−5−オン、2−イソオキサゾリン−5オン(
例えば、3−フェニル−2−イソオキサゾリン−5−オ
ンL3,5−ビラプリジンジオン(例えば、1.2−ジ
エチル−3,5−ビラプリジンジオンおよび1,2−ジ
フェニル−3,5ピラプリジンジオン)、1.3−イン
ダンジオン、1.3−ジオキサン−4,6−ジオン、1
゜3−シクロヘキザンジオン、バルビッル酸(例えば、
1−エチルバルビッル酸および1.3−ジエチルバルビ
ッル酸)、および、2−チオバルビッル酸(例えば、1
.3−ジエチル−2−チオバルビッル酸および1.3−
ビス(2−メトキシエチル)−2−チオバルビッル酸)
、から誘導されるようなもの。
有用なヘミシアニン染料は上述のメロシアニン染料と木
質的に同じであり、上式(IX)のケ1−メチレン基の
代りに次式(X)で示される基を置換えることに違いが
あるだりである。
ここに、 G3とG4は同しであっても異なっていてもよく、そし
て式(VI)における環置換について解説したとおり、
アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、あ
るいはアルアルキルを表わしてよく、あるいは、G3と
G4とは一緒にとるとき、ピロリジン、3− ピロリン
、ピペリジン、ピペラジン(例えば、4−メチルピペラ
ジンおよび4フエニルピペラジン)、モルボリン、1.
2.34−テトラヒドロキノリン、3−アザビシクロ(
3,2,2)−ノナン、インドリン、アゼチジン、およ
びヘキサヒドロアゼピンのような環状二級アミンから誘
導される環系を完成する。
有用なヘミオキソノール染料は、式(IX)において示
されるとおりのケトメチレン核、そして1個または1個
より多くの奇数のメチン基を含む前述のメチン結合によ
って結合される式(X)において示されるとおりの核を
示す。
有用なメロスチリル染料は、式(IX)において示され
るとおりのケトメチレン核、そして1個または1個より
多くの奇数のメチン基を含む前述のメチン結合によって
結合される次式(χ■)において示されるとおりの核を
示ず: この式において、 G3とG4は前記定義のとおりである。
前述のより長い波長のシアニン、メロシアニン、ヘミシ
アニン、ヘミオキソノール、およびメロスチリル染料は
、有用なより長波長のポリメチン染料のより簡単な構造
形態について例示しようとしたものである。−船釣には
、置換基が核とメチン結合とを結合して追加の環状構造
を形成することができることが認められる。その上、こ
れらの染料は3個または3個より多くの核を含むことが
できる。例えば、メロシアニン染料をメチン連結におい
てシアニン染料タイプの第二の塩基性複素環状核で以て
置換することによって、アロポーラ−(allopol
ar)シアニン染料を形成させることができる。さらに
、染料発色団の一部を形成していない各種の置換基は希
望に応して変化させて染料の物理的性質、特に疎水性お
よび親水性を調整して、用いられる特定の被膜形成成分
に適合させることができる。染料の脂肪族成分としてよ
り多くの炭素原子(例えば、約6個から20個の炭素原
子)をもつ炭化水素基を選ぶことによって、それらの染
料をより親油性にすることができ、一方、より少ない数
の炭素原子(例えば1個から5個の炭素原子)を含む炭
化水素基および特に極性置換基をもつ炭化水素基を用い
て染料をより親水性にすることができる。染料の芳香族
成分は通常6個から10個の炭素原子を含有する。
以下のものはより短かい波長(<550nm)において
最大光吸収を行なうことができるポリメチン染料の典型
例である: D−39 05H11 D−34 −CH2CH=CH2CI PTS=且−トルエンスルホネート D−42 B− X−一 D−51 (CH2)5S03 2Hs D−53 1′ 、3−エチレンチア ンクロライド 2′ シアニ D−54 1,1′−エチレン ンクロライド 、2′ 一シアニ FD−58 FD−59 ,1′ エチレンシアニンクロライド メチレンシアニンクロライド 多くのポリメチン染料はより長い可視波長(〉550n
m)における最大光吸収が可能であり、また、最大蛍光
波長は一般的にはスペクトルの赤および近赤外部の中に
ある。以下のものはより長い可視波長における最大光吸
収が可能であるポリメチン染料の典型例である: 」(−一 D−84 2H5 (シクロヘキシル) C15H31fcu=c助2 ■ D−87 −CH2CH3 IE3 ■ FD−89 CH2CH2CH2 ■ ■ ■ ■ TS  2Hs  2Hs 2H5 2Hs 2Hs 2H5 CH2CH3 CH2CH3 一二f− D−107 2H5 2個の隣接R’=+CI□→丁 すなわち、スピロシクロヘキシル D−110 1=−〇10H7、 すなわちα−ナフチル 蛍光染料のもう一つの有用な部類は4−オキソ4H−ヘ
ンズー(d 、 e)アントラセン(以後はオキソヘン
ズアントラセン染料とよぶ)である。
好ましい蛍光オキソヘンズアントラセン染料は次式〇l
)によって表されるものである。
この構造式において、R9は水素、置換または非置換の
アルキル(好ましくは1個から12個の炭素原子のもの
、例えばメチル、エチル、イソプロピル、ヘンシル、フ
ェネチルなと)、置換または非置換のヒドロキノアルキ
ル(好ましくは1個から12個の炭素原子のもの、例え
ばヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒド
ロキシイソプロピルなど)、あるいは、置換または非置
換のアルコキシカルボニル(好ましくは2個から12個
の炭素原子のもの、例えば、メトキシ力ルホニル、エト
キシ力ルホニル、n−プロピルカルボニルなど)である
。好ましくは、R9は水素、置換または非置換のアルキ
ル、あるいは置換または非置換のアルコキシカルボニル
であり、さらに好ましくは、置換または非置換のアルコ
キシカルボニルである。
Wは水素であるかあるいは電子引抜又は求引基であり、
また、この語の意味は当業界において理解されていると
おりである(すなわち、標準的手順によって決定した場
合に正のハメットのシグマ値を一般的にもつ基)。特に
有用である電子引抜基は、限定されるものではないが、
ハロ(例えばフルオロ、クロロ、ブロモ)、シアノ、カ
ルボキシ、アシル、置換または非置換のアリールスルホ
ニル(好ましくは6個から10個の炭素原子のもの、例
エバ、フェニルスルホニル、トリルスルホニルなど)、
置換または非置換のアルキルスルホニル(好ましくは1
個から6個の炭素原子のもの、例エバメチルスルホニル
、エチルスルホニルなど)、置換または非置換のジアル
キルホスフィニル(好ましくは、各アルキル基が独立に
1個から10個の炭素原子をもつもの、例えば、メチル
、エチル、ブチル、デシルなど)、および、置換または
非置換のジアルキルホスホノ(好ましくは、各アルキル
基が独立に上記定義のとおり1個から10個の炭素原子
をもつもの)を含む。好ましくは、Wは水素またはハロ
ゲンである。
Yl は水素であるか、あるいは不対電子またはカチオ
ンが組み合わさった負の電荷をもつヘテロ原子から成る
基、例えば、ヒドロキシ、メルカプトあるいはアミノ 
(−NR” R””)である。RrrおよびR″′は独
立に置換または非置換のアルキル(好ましくは1個から
10個の炭素のもので、例えばメチル、エチル、デシル
など)、置換または非置換のアリール(好ましくは6個
から10個の炭素のものであり、例えばフェニル、ナフ
チルなど)であり、あるいは、R”とR″′とは、−緒
に絹み合わさった時、置換または非置換の複素環式環(
好ましくは5個から10個の炭素原子、窒素原子または
酸素原子のもので、例えばモルホリノ、ピロリジニル、
ピリジル、ピペリジノなどの環)を完成するのに必要な
原子を表わすことができる。
Y’ はまた置換または非置換のアルコキシ(好ましく
は1個から10個の炭素原子のもので、例えばメトキシ
、エトキシ、2−クロロ−1−プロポキシなど)、置換
または非置換のカルバミルオキシ(−0−C−NR” 
R”’ ) (式中、RrrとR″′は上記定義のもの
) 、−0−、M“あるいは−5−M”  (式中、M
゛は1価のカチオン、例えばNa” 、 K ” 、 
L i”NH,4など)であることができる。好ましく
は、Ylはヒドロキシあるいは一〇−M+である。
R9W FD−114メチル       水素FD−115メ
チル       水素FD−116メチル     
  クロロFD−117メチル       クロロヒ
ドロキシ 0−Na” ヒドロキシ 0−Na” FD−119メチル       水素FD−120ブ
トキシカルボニル 水素FD−121ブトキシカルボニ
ル 水素FD−122ブトキシカルボニル りロロピロ
リジニル ヒドロキシ 0−Na” 0−Na” 上記で例示したオキソベンズアントラセン染料は、置換
基がその化合物の蛍光に悪い影響を及ぼさないかぎり、
構造式中で特に例示したもの以外に、アルキル(例えば
、1個から5個の炭素原子のアルキル)、アリール(例
えばフェニル)およびその他の基のような、1個または
1個より多くの置換基をもつことができる。
オキソベンズアントラセン染料は一般的には次の手順を
用いて調製することができる。いくつかの製法の詳細は
以下に記載する。−船釣な製造手順は、(1) Coo
ke らのAu5trallian J、Chem。
旦、 230−235ページ(1958年)によって記
述されている手順によるジヒドロフェナレノンの調製、
(2)ジヒドロフェナレノンのリチウムエルレートの調
製、(3)このリチウムエルレートと適切なホスホニウ
ム・ヨーダイト反応剤との反応、および(4)この生成
物を塩化第二銅およびリチウムクロライドと反応させて
塩素化または非塩素化染料を生成させること、を含んで
いる。
蛍光染料のもう一つの有用な部類はキサンチン染料であ
る。キサンチン染料の一つの特に好ましい部類はローダ
ミン染料である。好ましい蛍光ロダミン染料は次式(X
II[)によって示されるものである: (Xエエエ)R11 R10とR”は独立に、水素、カルボキシル、スルホニ
ル、アルカノイル、あるいはアルコキシカルボニル基で
あり、 R12,R”、R′4およびR′5は水素であり、RI
6.RI7.R18およびR19はアルキル基であり、
そして X−はアニオンであり、あるいは 次の置換基対:R買2とR16、R+aとR1?、RI
4とR”、およびR”とR19のどれか一つまたは全部
は単独へテロ原子として窒素を含有する五員環または六
員環を完成する。
アルキル成分は、各々の場合において、1個から5個の
炭素原子、好ましくは1個から3個の炭素原子を含有す
る。置換基対が縮合環を完成する時には、その縮合環は
例えば、式の窒素原子を含む単一の縮合環が形成される
ときにはピランの形を、あるいは、式の同じ窒素原子を
各々が含む2個の縮合環が形成される時には、ジュロリ
デン環(式の縮合ベンゾ環を含む)の形を、取ることが
できる。
以下のものは有用なレーザー染料であることが知られて
いるローダミン染料の典型例である:FD−133  
スルフナローダミンBキサンチン染料のもう一つの特に
好ましい部類はフルオレセイン染料である。好ましいフ
ルオレセイン染料は次式(XIV)によって表現される
ものである: (XIV)         R11 ここに、 RIOとRI +は前記定義のとおりであり、Rhoと
R21は水素、アルキル、アリール、あるいはハロゲン
置換基である。好ましいアルキル基は1個から5個、最
適には1個から3個の炭素原子を含有し、一方、フェニ
ルは好ましいアリール基である。
代表的フルオレセイン染料は、 赤外の方へ深色効果でシフトするので、前二者の部類の
染料が可視光放射の達成にとっては有利である。
代表的な好ましいピリリウム染料およびチアピリリウム
染料は次式(XV)によって表わされる:(XV)R2
2 である。
蛍光染料のもう一つの有用なグループはピリリウム、チ
アピリリウム、セレナピリリウム、およびテルロピリリ
ウム染料である。これらの部類のうちのはじめの三つの
染料はLightの米国特許第3.615,414号に
よって開示されており、後者の部類の染料はDetty
の米国特許第4,584,258号によって開示されて
いる。後者の二つの部類の染料は式中、R22ば水素、
メチル、あるいは三級アミノ基、最適には−NR25R
23基であり、R23はアルキル基であり、 X−はアニオンであり、 Jは酸素または硫黄である。
アルキル基は好ましくは1個から5個の炭素原子、最適
には1個から3個の炭素原子を含有する。式(XV)を
満たす代表的なピリリウムおよびチアピリリウム蛍光染
料は次のものである:蛍光染料のもう一つの有用な部類
は蛍光カルボスチリル染料である。これらの染料は2−
キノリツール環またはイソキノリツール環を特徴とし、
しばしば他の環と縮合される。最大蛍光の波長は一般的
には他の縮合環の存在とともに増大する。
スペクトルの青色部分において蛍光を出す単純なカルボ
スチリル染料の代表的なものは次のものである: より複雑な縮合環カルボスチリル染料の例は、Kadh
imおよびPeters、 ”Ne1y Interm
ediates andDyes for 5ynth
etic Polymer Fibers Subst
itutedBenzimidazolothioxa
nthenoisoquinolines forPo
lyester Fibers”、 JSDC、197
4年6月、199−201ページ、とΔrientら、
”lm1dazole Naphthooxylene
benzimidazole Derivatives
”、 JSDC11968年6月、246−251ペー
ジ、とによって与えられている。これらのより複雑なカ
ルボスチリル染料の例は次のものである: 他の縮合環蛍光染料の中には、ジナフチレン核を特徴と
するペリレン染料がある。種々の有用な蛍光ペリレン染
料が知られており、例えば、Rademacherら、
 “5oluble Perylene Fluore
scent Dyeswith Photostabi
lity”、115巻、 2927−2934.198
2年、および、欧州特許出願筒553.353A1号(
1982年7月7日公開)、によって開示されるものが
ある。一つの好ましいペリレン染料は次式(XVI)に
よって表される: ここに、 R”とR25はアルキル、ハロおよびハロアルキル置換
基から成る群から独立に選ばれる。好ましいアルキル基
は1個から5個の炭素原子、最適には1個から3個の炭
素原子を含有する。
ペリレン染料のもう一つの好ましいグループは、3.4
,9.10−ペリレンビス(ジカルボキシイミド)(以
後はべりレンビス(ジカルボキシイミド)染料とよふ)
である。この部類の好ましい染料は次式(X■)によっ
て表される: ここに、 R26とR27はアルキル、ハロおよびハロアルキル置
換基から成る群から独立に選ばれる。好ましいアルキル
基は1個から5個の炭素原子、最適には1個から3個の
炭素原子を含有する。
好ましいペリレン染料の例は次のものである:FD−1
42  ペリレン し2い染料を以上に長々と列挙したけれども、これらの
列挙は特に同定される部類とさらに他の染料の部類との
両方における既知蛍光染料の単なる例示にすぎないこと
を理解されたい。例えば、多くの他の部類の、アクリジ
ン染料;ビス(スチリル)ベンゼン染料;ピレン染料;
オキサジン染料;および屡々popop染料とよばれる
フエニレンオキザイド染料のような既知の蛍光染料が有
用であり、これらの部類からの有用な染料を特に示すと
次の通りである: FD−1479−アミノアクリジンハイドロクロライド FD−148H−ビス(o%チルスチリル)ヘンゼンF
D−1492、2’−ニーフェニレンビス(4−メチル
−5−フェニルオキサゾール 多くの入手可能な部類の蛍光染料の選択が可能であるだ
けでなく、与えられた部類内でも、個々の染料の性質に
ついて広い選択幅がある。個々の染料の吸収最大と還元
電位は置換基の選択を通じて変えることができる。染料
の発色団を形成する共役部分が増すにつれて、染料の吸
収最大は深色効果により長波長側ヘシフトすることがで
きる。
放射最大は吸収最大に対して深色効果を有する。
この深色効果によるシフトの度合は染料の部類の関数と
して変動し得るけれども、通常は最大放射の波長は最大
吸収の波長と比べて25から125um深色的にシフト
せしめられる。したがって、近紫外において吸収最大を
示す染料はほとんどすべての場合においてスペクトルの
青色部分において最大放射を示す。スペクトルの青色部
分において吸収最大を示す染料はスペクトルの緑色部分
において放射最大を示し、そして、同様に、スペクトル
の赤色部分において吸収最大をもつ染料はスペクトルの
近赤外部において放射最大を示す傾向がある。
本発明の一つの形において、発光帯域を形成する物質は
、ELデバイスのカソードと正孔注入帯域の間に挿入さ
れかつこれら両者と接触する一つの均質な層であること
ができる。代りの構成として、ホスト物質を含むがしか
し蛍光物質を含まない別の層を発光帯域とカソードの間
に挿入することができる。この追加の間挿有機電子注入
層は任意の慣用形態をとることができるけれども、電子
注入層と発光帯域形成層の両方が薄膜(〉IIImの厚
さ)の形で存在することが好ましく、そして、これらの
層が発光帯域について上記した厚さよりも大きくない合
計厚さをもつことが最も好ましい。
本発明のE Lデバイスの有機電界発光媒体は、少くと
も二つの独立した有機質層を含有する。このような層の
少くとも一つの層はカソードから注入される電子を輸送
するための帯域を形成し、そして少くとも一つの層はア
ノードから注入される正孔を輸送するための帯域を形成
する。先に引用したVan 5lykeらの米国特許箱
4,720.432号に特に詳しく教示されているよう
に、後者の帯域はまた好ましくは少くとも二つの層で形
成される。
つの層はアノードと接触していて正孔注入帯域を提供す
る。もう一つの層は、正孔注入帯域と電子輸送帯域の間
におかれて正孔輸送帯域を提供する。
本発明によるマトリクスアドレス方式有機ELデバイス
の好ましい態様は、Van 5lykeらによって教示
されるように少くとも三つの別々の有機層を用いるが、
正孔注入帯域を形成する層または正孔輸送帯域を形成す
る層のどちらか一方を省略することができ、残りの層が
両者の機能を果たすことができるであろうと考えられる
。本発明の有機ELデバイスのより高い初期および持続
性能水準は、以下に述べる別々の正孔注入層と正孔輸送
層とを組合せて用いる場合に実現される。
ポリフィリン系化合物を含む層は好ましくは本発明のマ
トリクスアドレス有機ELデバイスの正孔注入帯域を形
成する。ポリフィリン系化合物は天然または合成の任意
の化合物であり、ポルフィン自身を含めて、ポルフィン
構造から誘導されるかそれを包含する。Adlerの米
国特許第3,935,031号またはTangの米国特
許第4,356,429号によって開示されるポルフィ
リン系化合物を任意に使用することができる。
好ましいポルフィリン系化合物は次の構造式(X■)の
化合物である: 属であり、 Rは水素、アルキル、アラルキル、アリールあるいはア
ルカリールであり、そして TIおよびT2は水素を表わすか、あるいは、−緒に組
み合わさって不飽和六員環を完成し、また該六員環は例
えばアルキルまたはハロゲンのような置換基を含むこと
ができる。好ましい六員環は炭素、硫黄および窒素の環
原子で形成されるものである。好ましいアルキル成分は
1個から6個の炭素原子を含み、一方、フェニルは好ま
しいアリール成分を構成する。
代りの好ましい形において、ポルフィリン化合物は、次
式(IXX)によって示されるとおり、金属原子を2個
の水素で置換した点によって前記構造式(X■)の化合
物と異なる。
ここに、Qは−N−または−C(R) =であり、Mは
金属、金属酸化物、あるいはハロゲン化合(工XX) T↓ 、2 のである: PC−1ポルフィン 有用なポルフィリン系化合物の高度に好ましい例は無金
属フタロシアニンおよび金属含有フタロシアニンである
。−船釣にはポルフィリン系化合物および特定的にはフ
タロシアニンはいかなる金属を含むことができるが、そ
の金属は好ましくは2もしくはそれより大きい正の原子
価をもつ。好ましい金属の例は、コバルト、マグネシウ
ム、亜鉛、パラジウム、ニッケルであり、そして特に銅
、鉛および白金である。
有用なポルフィリン系化合物の典型例は次のもC−5 C−6 C−7 C−8 C−9 C−10 C−11 C−12 C−13 C−14 C−15 C−16 シリコン・フタロシアニンオキサイド アルミニウム・フタロシアニンクロライド フタロシアニン(無金属) ジリチウムフタロシアニン 銅テトラメチルフタロシアニン 銅フタロシアニン クロムフタロシアニンフルオライド 亜鉛フタロシアニン 鉛フタロシアニン チタンフタロシアニンオキサイド マグネシウムフタロシアニン 銅オクタメチルフタロシアニン 有機ELデバイスの正孔輸送層は少くとも一つの正孔輸
送芳香族第3アミンを含み、また、この場合、後者は、
少くとも一つが芳香族環の一員である炭素原子へのみ結
合している少くとも−っの3価窒素原子を含む化合物で
あると理解される。
一つの形において、その芳香族第3アミンはモノアリー
ルアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミンある
いはポリマー状アリールアミンのようなアリールアミン
である。モノマー状トリアリールアミンの例はKlup
felらの米国特許第3,180,730号によって解
説されている。ビニル基またはビニレン基で以て置換さ
れ、そして/または少くとも一つの活性水素含有基を含
む他の適当なトリアリールアミンはBrantleyら
の米国特許第3,567.450号および同第3,65
8,520号によって開示されている。
芳香族第3アミンの好ましい部類は少くとも2個の芳香
族第3アミン成分を含むものである。このような化合物
は次の構造式(XX)によって表わされるものを含み、 ここに、QlとQ2は独立に芳香族第3アミン成分であ
り、そして Gは例えばアリーレン、シクロアルキレンあるいはアル
キレン基のような結合基、あるいは炭素炭素結合である
前記構造式(XX)を満たしかつ2個のトリアリールア
ミン成分を含むトリアリールアミンの特に好ましい部類
は次の構造式(XX I )を満たすものである: ここに、 R2′とR25は各々独立に水素原子、アリール基、あ
るいはアルキル基を表わすか、R24とR25は一緒に
なって環状アルキル基を完成する原子を表わし、 R26とR27は各々独立にアリール基を表わし、そし
てこのアリール基はさらに次の構造式(XX U )に
よって示されるとおりジアリール置換アミノ基で以て置
換されており、 ここに、R2BとR2Qは独立に選ばれるアリール基で
ある。
芳香族第3アミンのもう一つの好ましい部類はテトラア
リールジアミンである。好ましいテトラジアリールジア
ミンは、アリーレン基を通して連結される、例えば前式
(XXII)によって示されるような2個のジアリール
アミノ基を含む。好ましいテトラアリールジアミンは次
式(χXIII)によって表わされるものを包含する・ ここに、A raはアリーレン基であり、nは1から4
の整数であり、そして A、、 RlO,R31およびR32は独立に選ばれる
アリール基である。
前記構造式(XX)、 (XX I)、 (XXII 
) 、および(×χ■)の各種のアルキル、アリールお
よびアリレン成分は各々さらに置換基を含有することが
できる。代表的な置換基は、アルキル基、アルコキシ基
、アリール基、アリールオキシ基、そして例えばフルオ
ライド、クロライドおよびブロマイドのようなハロゲン
を包含する。各種のアルキル成分およびアルキレン成分
は通瀉約1個から6個の炭素原子を含有する。シクロア
ルキル成分は3個から約10個の炭素原子を含むことが
できるが、しかし、通常5個、6個または7個の環炭素
原子を含むことができ、例えば、シクロペンチル、シク
ロヘキシルおよびシクロへブチルの環構造を含むことが
できる。アリール成分およびアリーレン成分は好ましく
はフェニル成分およびフェニレン成分である。
有機電界発光媒体の正孔輸送層の全体を単一の芳香族第
3アミンから形成することができるが、安定性の増大は
芳香族第3アミンの組合せを使用することによって実現
することができるということが、本発明のさらに一つの
認識である。とりわけ、例えば式(XX I )を満た
ずトリアリールアミンのようなトリアリールアミンを例
えば弐(XXI[I)によって示されるようなテトラア
リールジアミンと組合せて用いることが有利であり得る
ことが観察された。トリアリールアミンをテトラアリー
ルアミンと組合せて用いる時、後者は1−リアリールア
ミンと電子注入及び輸送層の間に挿入される層として配
置される。
代表的な有用な芳香族第3アミンはBerwickらの
米国特許第4,175,960号およびVan 5ly
keらの米国特許第4,539,507号によって開示
されている。
Beriyickらはさらに、有用な正孔輸送化合物と
して、上記開示のジアリールアミンおよびトリアリール
アミンの環架橋変種と見ることができる種々のN−置換
力ルバゾールを開示している。
有用な芳香族第3アミンの例は次のものである:ΔTA
−5  N、N、N−)リ (−J)−1−リル)アミ
ンATA−9N−フェニル力ルハヅール AT八−10ポリ (N−ビニルカルパソ゛−ル)常用
の電子注入及び輸送化合物のどれでもカソードと隣接す
る有機電界発光媒体の層を形成する際に用いることがで
きる。この層は、例えばアントラセン、ナフタレン、フ
ェナンスレン、ピレン、クリセンおよびペリレン、並び
に、例えばGurneeらの米国特許第3,172,8
62号、Gurneeの米国特許第3,173,050
号、Dresner+ ”Double Inject
ionElectroluminescence in
 Anthracene″ RCA Review。
30巻、322−334ページ、1969年、および、
先に引用のDresnerの米国特許第3,710,1
67号によって例示されているような約8個までの縮合
環を含むその他の縮合環発光物質のような歴史的に教示
されている発光物質によって形成することができる。
このような縮合環電界発光物質は自体薄膜(<1廂)の
形成に適合せず、従って最高で到達し得るELデバイス
の性能水準の達成に不向きであるけれども、かかる電界
発光物質を組入れた、有機ELデバイスは、それを本発
明に従って構成する時、従来のELデバイスと比べて性
能と安定性において改善を示す。
本発明のマトリクスアドレス方式の有機ELデバイスに
おいて、有機電界発光媒体の合計の厚みを1 廂(10
000オングストローム)未満に制限することによって
、電極間で比較的低い電圧を用いながら、有効な光放射
に対応する電流密度を保つことが可能である。1馳未満
の厚さにおいて、20ボルトの印加電圧は2×105ボ
ルト/ cmよりも大きい電界電位をもたらし、これは
有効な光放射に対応する。有機電界発光媒体の厚さの大
きさの低減の程度(0,1馳または1000オングスト
ロームへ)は、印加電圧をさらに減らし、そして/ある
いは電界電位を増やし、従って電流密度を増やすが、デ
バイス構成の可能性の範囲内に十分に含まれる。
有機電界発光媒体が果たす一つの機能は、絶縁性障壁(
バリヤ)を提供して、ELデバイスの電気的バイアス印
加時において電極の短絡を防ぐことである。有機電界発
光媒体を貫通して延在する単一のピンホールすらも短絡
をおこさせるであろう。三つの重畳せる有機層の存在が
、配列されている層におけるピンホール存在の機会を大
いに滅らして、電極間の連続伝導路を提供する。これば
、それ自体、被覆時のフィルム形成にとって理想的には
適していない物質で以って有機電界発光媒体の層の一つ
、さらには二つを形成することを可能ならしめ、一方で
は、許容できるE Lデバイス性能および信頼性もまた
達成させるものである。
有機電界発光媒体を形成するのに好ましい物質は各々薄
膜の形で製作でき、すなわち、0.5 unまたは50
00オングストロ一ム未満の厚さをもつ連続層として成
膜できる。
有機電界発光媒体の層の一つもしくはそれ以上を溶剤塗
布するとき、フィルム形成性ポリマー結合剤を活性物質
と一緒に同時被着させて、例えばピンホールのような構
造的欠陥をもたない一つの連続層を確保することが便宜
である。結合剤は、もしも用いる場合には、もちろん、
それ自体で高い絶縁強度、好ましくは少くとも約2X1
06ボルト/cmの強度を示さねばならない。適当であ
るポリマーは広範囲の種類の既知の溶剤流延付加および
縮合ポリマーから選ふことができる。適当な付加ポリマ
ーの例は、スチレン、L−ブチルスチレン、N−ビニル
カルバゾール、ビニルトルエン、メチルメタクリレ−1
・、メチルアクリレート、アクリロニトリル、およびビ
ニルアセテ−I・のポリマーおよびコポリマー(ターポ
リマーを含む)である。適当な縮合ポリマーの例は、ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、およびポ
リスルホンである。活性物質の不必要な稀釈を避けるた
めに、結合剤は、層を形成する物質の合計重量を基準に
して50重量%未滴定制限するのが好ましい。
有機電界発光媒体を形成する好ましい活性物質は各々フ
ィルム形成物質であり、そして真空蒸着することができ
る。極めて薄い欠陥のない連続層をこの真空蒸着によっ
て形成することができる。
とりわけ、満足できるELデバイス性能をなおも実現さ
せながら、約50オングストロームはどの薄い個々の層
の厚さを存在させることができる。真空蒸着したポルフ
ィリン系化合物を正孔注入層として、フィルム形成性芳
香族第3アミンを正孔輸送層(これはさらにトリアリー
ルアミン層とテトラアリールジアミン層とから成ること
ができる)として、そしてキレート化オキシノイド化合
物を電子注入及び輸送層として使用したとすると、約5
0から5000オングストロームの範囲にあるそれぞれ
の膜厚が推奨され、そして100から2000オングス
トロームの範囲の膜厚が好ましい。一般に、有機電界発
光媒体の総体的厚みが少くとも約1000オングストロ
ームであることが好ましい。
有機ELデバイスからアノードストリップを通して光を
透過させることが意図される場合には、光透過性基板、
例えば透明あるいは半透明なガラス板またはプラスチッ
クフィルムの上に薄い電性ストリップを形成することに
よってこれを便宜に達成することができる。一つの形に
おいて、本発明の有機ELデバイスは、例えば先に引用
の、Gurneeらの米国特許第3.172,862号
; Gurneeの米国特許第3,173,050号:
 Dresner、 ”Double Injecti
on  Electroluminescence  
in  Anthracene  +  RCARev
ietv+ 30巻、322−334ページ、1969
年;およびDresnerの米国特許第3,710.1
67号によって開示されるように、ガラス板上に被覆さ
れた錫酸化物またはインジウム錫酸化物から形成される
光透過性アノードを含めるという歴史的慣行に従うこと
ができる。基板として任意の光透過性ポリマーフィルム
を使用できるが、G11lsonの米国特許第2.73
3,367号および5w1ndellsの米国特許第2
.941,104号はこの目的のために特に選ばれるポ
リマーフィルムを開示している。
本願明細書で用いるとき、用語「光透過性」とは、層ま
たは要素がそれが受ける少くとも一つの波長の光の50
%よりも多くを透過しかつ好ましくは少くとも1100
n間隔にわたって光を透過することを単純に意味する。
反射(非散乱性)および拡散(散乱性)の放射光は望ま
しいデバイス出力であるので、半透明物質と、透明また
は実質的に透明の物質の両方が有用である。大部分の場
合において、有機ELデバイスの光透過性の層または要
素はまた無色であるかもしくは中性光学濃度であり、す
なわち、一つの波長域中での光の吸収が別の波長域と比
べて著しく大きくないものである。
しかし、も方ろん、光透過性電極支持体または別々の重
畳せるフィルムまたは要素は、もしも必要ならば、放射
トリミングフィルターとして作用するようにそれらの光
吸収性を調節することができる。このような電極構成は
、例えばFlemingの米国特許第4,035,68
6号によって開示されている。
電極の光透過性導電性ストリップは、受けとる光の波長
あるいはその倍数にほぼ等しい厚さで成膜される場合、
干渉フィルターとして働くことができる。
歴史的慣行とは対照的に、一つの好ましい形において、
本発明の有機ELデバイスはアノードを通してでなくカ
ソードを通して光を放射する。このことは、アノードが
光透過性であるという要件からアノードを開放し、そし
て、事実、本発明のこの形においてアノードは光に対し
て好ましくは不透明である。不透明アノードはアノード
の形成のための適当に高い仕事関数をもつ金属または金
属の組合せから形成することができる。好ましいアノー
ド金属は4エレクトロン・ボルト(eV)より大きい仕
事関数を有する。適当なアノード金属は以下で列挙する
高(>4eV)仕事関数金属の中から選ぶことができる
。不透明アノードは、支持体上の不透明な金属層から形
成するかもしくは別の金属箔またはシートとして形成す
ることができる。
本発明の有機ELデバイスは、従来この目的に対して官
用であることが教示されている。任意の高または低仕事
関数金属を含めた任意の金属で構成されるカソードを用
いることができる。予想されなかった加工上、性能上、
そして安定性上の利点が、低仕事関数金属と少くとも一
つの他の金属との組合せのカソードを形成することによ
って実現された。低仕事関数金属は、本願明細書におい
て、4eVよりも低い仕事関数をもつ金属として定義さ
れる。−船釣には、金属の仕事関数が低ければ低いほど
、有機電界発光媒体中への電子注入にとって必要とされ
る電圧が低くなる。しかし、最低仕事関数金属であるア
ルカリ金属は、反応性が大きすぎて、単純なデバイス形
成および形成手順で以て安定なELデバイス性能を達成
することができず、そして本発明の好ましいカソードか
ら排除される(不純物濃度を別として)。
カソード用に利用できる低仕事関数金属(アルカリ金属
以外)を元素周期表の周期により以下に列挙する。これ
らの金属は0.5eV仕事関数グループに分類される。
ここに与えられている仕事関数はすべて、S、、!、 
Ph 5ics of Sem1conductor 
Devices+Wiley、 N、Y、、1969年
、366ページからのものである。
ヘリリウム マグネシウム カルシウム スカンジウム チタン マンガン ガリウム 3.5 − 4.0 3.5 − 4.0 2.5 − 3.0 3.0 − 3.5 3.5−4.0 3.5 − 4.0 3.5 − 4.0 ストロンチウム イツトリウム インジウム ハリラム ランタン セリウム プラセオジウム ネオジウム プロメシウム サマリウム ユーロピウム ガドリニウム テルビウム ディスプロシウム ホルミウム エルビウム ツーリウム イッテルビウム ルテチウム ハフニウム 2.0−2.5 3.0−3.5 3.5 − 4.0 〜2.5 3.0−3.5 2.5−3.0 2.5 − 3.0 3.0−3.5 3.0 − 3.5 3.0 − 3.5 2.5 − 3.0 3.0 − 3.5 3.0 − 3.5 3.0−3.5 3.0 − 3.5 3.0−3.5 3.0−3.5 2.5−3.0 3.0 − 3.5 〜3.5 7   ラジウム      3.0−3.5アクチニ
ウム    2.5−3.0 トリウム      3.0−3.5 ウラン       3.0−3.5 前記の列挙内容から、利用できる低仕事関数金属はその
大部分が第11a族あるいはアルカリ土類金属 イツトリウムおよびランタニドを含むが硼素とアルミニ
ウムを除く)およびアクチニド族金属に属することが明
らかである。アルカリ土類金属は、それらの入手の容易
さ、低コスト、取扱いやすさ、および最小の環境・イン
パクトポテンシャル(a−dveres enviro
nmental impact potentia+)
の故に、本発明のELデハイスのカソードにおいて使用
するための低仕事関数金属の好ましい部類を構成する。
マグネシウムとカルシウムが特に好ましい。
著しく高価ではあるが、含まれる第■族金属、特に稀土
類金属は類似の利点をもち、好ましい低仕事関数金属と
して特に推奨される。3. 0から4.OeVの範囲の
仕事関数を示す低仕事関数金属はより低い仕事関数を示
す金属より一般的に安定であり、従って一般的に有利で
ある。
カソードの構築において含まれる第二の金属はその主た
る1目的としてカソードの安定性(貯蔵中および操作中
の両方)を増大させることを有する。この第二の金属は
アルカリ金属以外の任意の金属から選ぶことができる。
この第二の金属は自体低仕事関数金属であることができ
、従って4eV未溝の仕事関数をもつ先に列挙した金属
から選ぶことができ、先に論じた同じ選択が十分に応用
できる。この第二の金属が低仕事関数を示すかぎりにお
いて、この金属はもちろん、電子注入の容易化において
第一の金属を補足することができる。
さもなければ、第二の金属は4eVよりも大きい仕事関
数をもつ各種の金属のどれかからでも選ぶことができる
。かかる金属は、酸化に対してより抵抗性である元素を
含み、従って金属元素としてより一般的に製作される。
この第二金属は、それが加工されたままの有機ELデバ
イス中で残留するかぎり、そのデバイスの安定性へ寄与
する。
カソード用に利用可能のより高い仕事関数(4eVまた
はそれ以上)の金属を元素周期表の周期によって以下に
列挙する。これらの金属は0.5eν仕事関数グループ
に分類される。
硼素 炭素 アルミニウム ハナジウム クロム 鉄 コハルト ニッケル 銅 亜鉛 ゲルマニウム 砒素 セレン 〜 4.5 4、5  −  5.0 4、0  −  4.5 4、0  −  4.5 4、5  −  5.0 4、0  −  4.5 4、0  −  4.5 〜 4.5 4、0  −  4.5 4、0−4.5 4、5  −  5.0 5、0  −  5.5 4、5  −  5.0 モリブデン テクネチウム ルテニウム ロジウム パラジウム 銀 カドミウム 錫 アンチモン テルル タンタル タングステン レニウム オスミウム イリジウム 白金 金 水銀 鉛 ビスマス ポロニウム 4、0  −  4.5 4、0  −  4.5 4、5−5.0 4、5−5.0 4、5  −  5.0 4、0−4.5 4、0  −  4.5 4、0  −  4.5 4、0  −  4.5 4、5  −  5.0 4、0  −  4.5 〜 4.5 〜 5.0 4、5  −  5.0 5、5  −  6.0 5、5  −  6.0 4、5  −  5.0 〜 4.5 〜 4.0 4、0  −  4.5 4、5  −  5.0 4eVまたはそれ以上の仕事関数をもつ利用可能金属を
列挙した前記記載から、注目すべきより高い仕事関数の
金属はその大部分がアルミニウム、第1b族金属(銅、
銀および金)、第TV、Vおよび■族の金属、および第
8族遷移金属、特にこの族の貴金属、によって占められ
ることがわかる。
アルミニウム、銅、銀、金、錫、鉛、ビスマス、テルル
およびアンチモンがカソード中へ組入れるための特に好
ましいより高い仕事関数の第二金属である。
第二金属の選択をその仕事関数あるいは酸化安定性のい
ずれかを基準にして制限しないのにはいくつかの理由が
存在する。第二の金属はカソードの極く少量成分にすぎ
ない。第二の金属の主機能の一つは第一の低仕事関数金
属を安定化することであり、そして、驚くべきことには
、この第二の金属は自体の仕事関数および被酸化性と無
関係にこの目的を達成する。
第二の金属が果たす第二の価値ある機能はカソードの厚
みの関数としてカソードのシート抵抗を下げることであ
る。許容可能の低いシー1〜抵抗水準(100オーム/
 cA未満)が薄いカソードの厚さ(250オングスト
ロ一ム未満)において実現され得るので、高水準の光透
過を示すカソードを形成することができる。100〜4
00μm(好ましくは150〜250如)の範囲の厚さ
をもった光透過性カソードストリップが推奨される。こ
の第二の金属では、許容できる低い抵抗水準と高い電子
注入効率とをもつ高度に安定で薄い透明なカソードが達
成可能である。このことは、ひいては、本発明の有機E
 Lデバイスが光透過性カソードで以て形成されること
を可能としくただし必要とするものではない)、そして
有機EI−デバイスが電極領域を介した光放射を達成す
るために光透過性アノードを有することの必要性を排除
するものである。
第二の金属が果たすことが観察されている第三の価値あ
る機能は、E Lデバイスの有機電界発光媒体上への第
一金属の真空蒸着を補助することである。真空蒸着にお
いて、第二の金属も被着される時には、より少ない金属
が真空室の壁面上に被着され、そしてより多くの金属が
有機電界発光媒体上に被着される。有機ELデバイスを
安定化し、薄膜カソードのシート抵抗を下げ、そして有
機電界発光媒体による第一金属の受容を改善するという
、第二金属の有効性は以下の実施例によって立証する。
上述の利点を達成するため、極く少量の第二金属が存在
すればよい。実質的な改良を達成するため、カソードの
合81金属原子の僅かに約0.1%が第二金属によって
占められればよい。第二金属が自体低仕事関数金属であ
る場合には、第一および第二金属の両者が低仕事関数金
属であり、どちらが第一金属でありどちらが第二金属で
あるかということは問題ではない。例えば、カソード組
成物は、カソード金属原子の約0.1%がある低仕事関
数金属によって占められているものから合計金属原子の
約0.1%が第2の低仕事関数金属によって占められて
いるものまでの範囲にあることができる。好ましくは、
二つの金属のうちの一つは存在する合計金属の少くとも
1%、最適には少くとも2%を占める。
第二の金属が比較的高い(少くとも4.0eV)仕事関
数の金属である時には、低仕事関数金属は好ましくはカ
ソードの合計金属原子の50%よりも多くを占める。こ
れは、カソードによる電子注入効率における低下を避け
るためであり、しかしまた、第二の金属添加の利点はそ
の第二の金属がカソードの合計金属原子の20%未満を
占める時に本質的に実現されるということも観察に基い
て予測される。
以上の論議はカソードを形成する金属の二成分の組合せ
に関してなされたものであるが、希望する場合には、3
種、4種、さらにはそれより多数の金属の組合せが可能
でありかつ使用できることが、もちろん予想される。」
二倍した第一の金属の割合は低仕事関数金属の任意の便
宜的組合せによって占められることができ、そして第二
の金属の割合は高および/または低仕事関数金属の任意
の組合せによって占められることができる。
第二の金属は電気伝導性の向上のために依存され得るが
、それらの金属はカソード金属の合計の小割合であるの
で、これらの金属が電気伝導性の形で存在することを不
必要にする。第二の金属は、化合物(例えば、鉛、錫、
またはアンチモンのテルル化物)として、あるいは例え
ば1種類もしくはそれ以上の金属酸化物または塩の形の
ような酸化された形で、存在することができる。第一の
低仕事関数金属は、それらの金属がカソード金属の主要
割合を占め、かつ電気伝導にとって転りにされるので、
元素状形態で用いられるのが好ましく、ただし、若干の
酸化が経時的におこってもよい。
第一の金属単独を基板上または有機電界発光媒体上へ被
着させる際、溶液からであっても、あるいは好ましくは
蒸気相からであっても、第一の金属の初期の空間的に分
離された被着物はその後の被着のための核を形成する。
引き続く被着によってこれらの核が微結晶へと成長せし
められる。その結果は微結晶の不均等でランダムな分布
であり、不均質カソードが得られる。この核形成および
成長段階の少くとも一段階、そして好ましくはその両方
の段階の間で第二の金属を提供することにより、単一元
素が提供する高度の対称性が低減せしめられる。二つの
物質は正確に同じ晶癖と寸法をもつ結晶セルを形成する
ことがないので、第二の金属はどれでも対称度を低減し
、少くともある程度まで微結晶の成長を遅延させる。第
一および第二の金属が区別できる結晶晶癖をもつ場合に
は、空間的対称性はさらに減らされ、微結晶の成長はさ
らに遅延させられる。微結晶の成長を遅延させることは
追加的な核形成部位の形成に好都合である。このように
して、被着部位の数が増加し、より均質なコーティング
が達成される。
金属の特定的選択に応じて、第二の金属は、それが基板
とより相容性である場合には、不釣合いの数の核形成部
位をつ(り出すことができ、次いで第一の金属がこれら
の核形成部位において沈着する。このような機構は、も
しも事実ならば、第二の金属が存在する場合に、第一の
金属が基板によって受理される効率は著しく増進される
という観察を説明するかもしれない。例えば、第二の金
属が同時被着されつつある時には、真空室の壁上で第一
の金属のより少ない被着がおこるということが観察され
た。
カソードの第一および第二の金属は、同時被着される場
合、均密にまぜ合わされる。すなわち、第一の金属ある
いは第二の金属の被着がどちらも、残りの金属の少くと
も一部が被着せしめられる前に完了することがない。第
一および第二の金属の同時被着が一般的に有利である。
さもなければ、第一および第二の金属を順次増分的に被
着させることができ、これは並流被着に近似し得る。
必要とされるわけではないが、カソードは、それを−た
ん形成した後に後処理を行うことができる。例えば、カ
ソードを基板の安定性限度内で還元雰囲気中で加熱して
もよい。ワイヤポンディングあるいはデバイスの封止と
いう慣用的付加工程のようなその他の作業も′実施する
ことができる。
〔実施例〕
本発明のマトリクスアドレス方式の有機ELデバイスの
製作を以下の実施例で具体的に説明する。
実施± a)ガラス上にインジウム錫酸化物(ITO)層を有し
てなるアノード材料の透明シートをその寸法が10cm
X10cmである正方形に切断した。この金属コーティ
ングを0.05卿のアルミナ研磨剤で2.3分間にわた
って研磨し、引き続いてイソプロピルアルコール及び蒸
留水の1:1 (容積)混合物中で超音波洗浄し、そし
て次にイソプロピルアルコールで洗浄し、そして窒素を
吹き付けて乾燥した。
その後、金属層の変形加工を行い、幅が275側で中心
間の間隔が400μm未満である薄膜平行アノードスト
リップの層を形成した。
b)次いで、芳香族第3アミン、1.1−ビス(4−ジ
−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサンの正孔注
入及び輸送層(膜厚750人)をアノードストリップの
上に被着させた。この被着は、タングステンフィラメン
トによって加熱された石英ボートからのソース材料を蒸
着することによって実施した。
C)発光帯域を構成する電子注入及び輸送層を正孔注入
及び輸送層の上に被着させた。アルミニウムトリスオキ
シン(Co−1)をホスト物質として使用し、タングス
テンフィラメントによって加熱された石英ボートから蒸
着させた。
d)原子比が10:1であるMg及びInのカソード層
をその膜厚が0.22側となるまで発光帯域の最上層の
上に被着させた。
e)次いで、カソード層をアノードストリップの方向と
は垂直の方向にホトリソグラフィーでパターニングして
、幅2757I11の平行ストリップを得た。ホトレジ
スト組成物は光重合及び架橋が可能な単量体、トリス(
2−アクリロイルエチル)1.3.5−ヘンゼントリカ
ルボキシレートであった。この単量体をフリーラジカル
メカニズムによって重合させ、その際、増感剤と活性剤
の反応を通してフリーラジカルを発生させた。パターニ
ング工程は次の通りである: 1)単量体をその溶媒である2−エトキシエタノールか
らパターニングした。
2)単量体層を所望のパターンを与えるプロキシミティ
マスクを介してUV光に露光した。
3)アレイを2−エトキシエタノール中に数秒間にわた
って浸漬することによって、未露光域内の非架橋の単量
体を除去した。
4)次いで、アレイを100:1水:硫酸溶液からなる
酸エツチング浴中に浸漬することによって、得られた露
出金属を除去した。
5)エツチング後、アレイを水中ですすぎ、そして余分
の水を除くために回転させた。第1図に示したような最
終パターン化アレイが得られた。
このアレイにおいて、約275陣のピクセルサイズをも
った3、 8 cm X 3.8 cmの活性セル領域
の上に100ライン×100ラインのアレイが形成され
、また、アノード及びカソードストリップの中心間の間
隔は約375umであった。
上記の実施例で説明したような手法を用いた結果、例え
ば以下に列挙するようないくつかの重要な利点が得られ
た: a)l’M単なホトリソグラフィーを使用する。
b)有機電界発光媒体を無傷のまま保つ溶媒を使用する
C)常用のシャドーマスク法で可能なよりもより一層大
きな面積をパターニングできる。
d)シャドーマスクを用いるよりもかなり小さいピクセ
ルサイズ、例えば300卿未満、が可能となる。さらに
詳しく述べると、ピクセルサイズは、好ましい態様にお
いて、エツジ長さで200卿未満、より好ましくは50
I1m未満であることができる。同じように、ストリッ
プの中心間間隔を400uIrlのオーダーとすること
ができ、あるいはストリップ幅がより狭い場合には上記
よりもさらに狭くすることができ、例えば好ましくは3
00i未満、最適には100卿未満であり、したがって
、これに対応してより小さなピクセルを形成することが
できる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、公知なデバイスの最も望ましい特徴と
非常に小さなビクセル領域の形成を可能ならしめるマト
リクスアドレス電極パターンとを組み合わせて有してな
る有機電界発光デバイスが成功裡に提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のELデバイスの1態様をその一部分に
ついて略示した拡大斜視図で−あり、そして 第2図及び第3図は、それぞれ、本発明のELデバイス
の1態様において用いられる個々のビクセルを略示した
拡大断面図である。 なお、これらの図面を略示した理由は、それぞれの層が
非常に薄く、また、これらの層を正しい縮尺で示すには
層の膜厚の差が大きすぎたからである。 図中、100は電界発光デバイスであり、102104
及び106はストリップであり、108は絶縁性支持体
であり、200はデバイスであり、203はストリップ
の断面であり、205及び207は層であり、209は
カソードのストリップ部分であり、300はデバイスで
あり、301はアノードのストリップであり、305及
び307は層であり、そして309はカソードのストリ
ップである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.アノード、前記アノード上に塗被せしめられた平面
    電界発光媒体、および前記平面電界発光媒体上に塗被せ
    しめられたカソードを有する電界発光デバイスであって
    、 前記平面電界発光媒体が前記アノードに隣接せる有機正
    孔注入帯域と前記カソードに隣接せる有機電子注入発光
    帯域とからなり、 前記アノードが前記有機正孔注入帯域に接触せる多数個
    の横方向に間隔をあけて配置されたストリップからなり
    、その際、前記ストリップの中心間間隔は400μm未
    満であり、 前記カソードが前記有機電子注入発光帯域に接触せる多
    数個の横方向に間隔をあけて配置されたストリップから
    なり、その際、前記ストリップの中心間間隔は400μ
    m未満であり、そして前記カソード及びアノードのスト
    リップが相対的に整列せしめられていて、互いに関して
    、一部は重畳しておりかつ一部は横方向にずれているこ
    とを特徴とする電界発光デバイス。
JP1162808A 1988-06-27 1989-06-27 電界発光デバイス Pending JPH0266873A (ja)

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