JPH09176630A - 高い動作安定性を有するエレクトロルミネセンスデバイス - Google Patents

高い動作安定性を有するエレクトロルミネセンスデバイス

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JPH09176630A
JPH09176630A JP8254956A JP25495696A JPH09176630A JP H09176630 A JPH09176630 A JP H09176630A JP 8254956 A JP8254956 A JP 8254956A JP 25495696 A JP25495696 A JP 25495696A JP H09176630 A JPH09176630 A JP H09176630A
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JP
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organic
layer
aryl
fluorescent
quinacridone
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JP8254956A
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English (en)
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Jianmin Shi
シー ジアンミン
Ching Wan Tang
ワン タン チン
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Eastman Kodak Co
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Eastman Kodak Co
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/06Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing organic luminescent materials
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/14Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the chemical or physical composition or the arrangement of the electroluminescent material, or by the simultaneous addition of the electroluminescent material in or onto the light source

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率と動作安定性の改善された有機エレクト
ロルミネセンスデバイスを提供する。 【解決手段】 それは陽極と陰極と、該陽極と陰極との
間に配置された有機EL素子とからなる。有機EL素子
は2つ以上の材料の混合物を含む少なくとも一つの蛍光
放射層からなる。その混合物は化学式: 【化1】 のキナクリドン化合物を含み、ここでR3 ,R4 はそれ
ぞれアルキル、アルコキシル、アリール、縮合アリール
又はハロゲン;R5 ,R6 はそれぞれアルキル、アルコ
キシル、アリール、又は置換されたアリール;n=0,
1,2,又は3である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエレクトロルミネセ
ンスデバイス(ELデバイス)に関する。より詳細には
本発明は導電性有機層から光を放射し、高い動作安定性
を有するデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】有機エレクトロルミネセンスデバイスが
約20年の間知られてきた一方でそれらの性能の限界は
多くの望ましい応用の障害となって現れてきた(簡潔の
ためにエレクトロルミネセンスの一般的な頭文字である
ELでしばしば置き換えられる)。
【0003】初期の有機ELデバイスの代表はGurn
ee等による1965年3月9日発行のアメリカ特許第
3172862号;Gurnee等による1965年4
月9日発行のアメリカ特許第3173050号;Dre
snerによる1969年のRCA Review、V
ol.30,pp.322−334の「DoubleI
njection Electroluminesce
nce in Anthracene」;Dresne
rによる1973年1月9日発行のアメリカ特許第37
10167号である。有機放射材料は共役有機ホスト材
料と縮合されたベンゼン環を有する共役有機活性剤とか
ら形成される。ナフタレン、アントラセン、フェナンス
レン、ピレン、ベンゾピレン、クリセン(chrysen)、ピ
セン(picene) 、カルバゾール、フルオレン、ビフェニ
ール、テルフェイル(terpheyls)、クオルテルフェニ
ル、酸化トリフェニレン、ジハロビフェニール、トラン
スースチルベン、1,4ージフェニルブタジエンが有機
ホスト材料の例として提供されてきた。アントラセン、
テトラセン、ペンタセンが活性剤の例として挙げられて
きた。有機放射材料は1mm以上の厚さを有する単層と
して現れた。
【0004】有機ELデバイス構成の技術での最も最近
の発見は一方がホールを注入し、移動するために特に選
択され、他方は電子を注入し、移動するために特に選択
され、デバイスの有機ルミネセンス帯としてまた動作す
る陽極と陰極に分離した極度に薄い2つの層(結合され
た厚さで<1.0μm)からなる有機ルミネセンス媒体
で構成されるELデバイスから結果として得られた。極
度に薄い有機ルミネセンス媒体は電気的バイアスの所定
のレベルに対する最大電流密度を許容する減少された抵
抗を提供する。光放射は有機ルミネセンス媒体を通過す
る電流密度に直接関係する故に増加された電荷注入及び
移動効率に結合された薄層は許容しうる光放射レベル
(例えば環境光内で視覚的に検出されうる輝度レベル)
を電界効果トランジスタのような集積回路デバイスで代
替可能な範囲の低い印加電圧で達成されるようにする。
【0005】例えばTangによるアメリカ特許第43
56429号にポルフィリン化合物を含むホール注入及
び移動層とデバイスのルミネセンス帯としてまた動作す
る電子注入及び移動層とからなる有機ルミネセンス媒体
から形成されるELデバイスが開示されている。このよ
うな有機ELデバイスでの更なる改善はVanSlyk
e等によるアメリカ国特許第4539507号により開
示される。VanSlyke等はホール注入及び移動T
angのポルフィリン化合物を芳香第三アミン層に置き
換えることにより光励起での劇的な改善が実現された。
【0006】有機ELデバイスは種々の陰極材料により
構成されてきた。早期の実験ではアルカリ金属が用いら
れた。何故ならばそれらは最低の仕事関数の金属である
からである。Tang等のアメリカ国特許第48852
11号は少なくとも一つが4eV以下の仕事関数を有す
るアルカリ金属以外の複数の金属から形成される陰極か
らなるELデバイスを開示する。
【0007】Van Slyke等によるアメリカ特許
第4720432号は改善された多層有機媒体を用いた
エレクトロルミネセンスデバイスが開示されている。カ
ラー、安定性、効率、製造方法のような有機ELデバイ
スでの更なる改善は米国特許第5151629;515
0006;5141671;5073446;5061
569;5059862;5047687;49509
50;4769292;5104740;522725
2;5256945;5069975;5122711
号に記載される。
【0008】特にTang等の米国特許第476929
2号はホスト材料と少量のドーパント分子からなる有機
エミッタ層を用いることにより一般に改善される。好ま
しいホスト材料は例えばAlqとして一般にまた知られ
ているトリス(8ーヒドロオキシキノリノール)アルミ
ニウムである8−ヒドロオキシキノリンのアルミニウム
錯体である。ドーパント分子は高い蛍光分子の幾つかの
クラスから選択される。好ましい例はクマリン、ローダ
ミンである。以下に示すようにTang等及びMura
yama等の教示により式(I)の例えばキナクリドン
顔料のような有機ELデバイスでのドーパントとして有
用な分子の他のクラスは米国特許第5227252号に
開示される:
【0009】
【化3】
【0010】ここでR1 ,R2 はそれぞれキナクリドン
化合物の水素、メチル基又は塩素又は脱水(素)の形で
ある。Alqがホスト材料として用いられるときに緑の
放射をなす高い効率の有機ELデバイスが開示されてい
る。しかしながら式(I)で記述されるようなキナクリ
ドンの有用さはEL動作でのキナクリドンの不安定さ故
に制限される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は改善さ
れた効率と動作安定性を有する有機ELデバイスを提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的は陽極と陰極
と、該陽極と陰極との間に配置された有機EL素子とか
らなる有機ELデバイスであって;有機EL素子は2つ
以上の材料の混合物を含む少なくとも一つの蛍光放射層
からなり;その混合物は化学式:
【0013】
【化4】
【0014】の化合物を含み、ここでR3 ,R4 はそれ
ぞれアルキル、アルコキシル、置換されたアルキル、ア
リール、縮合アリールハロゲン化物であり;R5 ,R6
はそれぞれアルキル、アルコキシル、置換されたアルキ
ル、アリール、又は置換されたアリールであり;n=
0,1,2,又は3であることを特徴とする有機ELデ
バイスにより達成される。
【0015】本発明により、化学式(I)に記載された
キナクリドンの有用性はEL動作でのキナクリドン分子
の不安定さ故に制限されることがわかった。特に分子構
造でのN−H及びC=O結合の存在は隣接するキナクリ
ドン分子間の水素結合の構成を引き起こす。その様な2
量体分子の形成は動作中にEL効率を徐々に劣化する。
何故ならば2量体分子は一般に蛍光がなく、故にEL励
起エネルギーの散逸の新たな非放射路を形成するからで
ある。斯くして増強された効率と安定性を有する有機E
Lデバイスを提供するアクリドン構造の変形例を作る強
い要求が存在する。
【0016】
【発明の実施の形態】図と組み合わせて以下の詳細な説
明を参照することにより、本発明のこれらのそして他の
利点はよりよく理解されよう。本発明によるエレクトロ
ルミネセンス又はELデバイス100を図1に概略的に
示す。陽極102は図示された3つの重ね合わされた層
からなる有機ルミネセンス媒体106により陰極104
から分離される。陽極上に配置された層108は有機ル
ミネセンス媒体のホール注入帯を形成する。ホール注入
層上に配置された層110は有機ルミネセンス媒体のホ
ール移動帯を形成する。ホール移動層と陰極との間に介
入される層112は有機ルミネセンス媒体の電子注入及
び移動帯を形成する。陽極及び陰極はそれぞれ導電体1
16、118により外部AC又はDC電源114に接続
される。電源はパルス又は連続波(CW)である。
【0017】ELデバイスは陽極が陰極より高い電位で
あるときに順バイアスされたダイオードとして見ること
ができる。これらの条件下ではホール(正の電荷担体)
の注入は120で示されるようにより低い有機層内で生
じる一方で電子は122で示されるようにルミネセンス
媒体内のより高い有機層内に注入される。注入されたホ
ール及び電子はそれぞれ矢印124、126により示さ
れるように反対に帯電された電極に向かって移動する。
これはホール−電子再結合を生じる。移動する電子がホ
ールを満たすようにそれの導電性電位から原子価バンド
へ落下するときにエネルギーは光として放出される。こ
の故に有機ルミネセンス媒体は電極間で各電極から運ば
れる可動電荷を受けるルミネセンス帯を形成する。交互
の構成の選択に依存して放出された光は陽極を介して、
陰極を介して、又はそれらの組み合わせを介して電極を
分離する有機ルミネセンス媒体の1以上の端128を介
して有機ルミネセンス材料から放射されうる。
【0018】有機ルミネセンス媒体は非常に薄いのでそ
れは通常2つの電極の1つを介して光を放射することが
好ましい。これは有機ルミネセンス媒体又は別の半透明
又は透明媒体上の又は別の半透明又は透明支持体上の半
透明又は透明コーティングとして電極を形成することに
より達成される。コーティングの厚さは光透過(又は減
衰)と電気導電性(又は抵抗)とのバランスにより決め
られる。
【0019】図2に示される有機ELデバイス200は
本発明の好ましい実施例の一つである。有機ELデバイ
スの歴史的な開発の故にそれは習慣的に透明の陽極を用
いている。これはそれの上に陽極204を形成するため
に導電性の光透過性の比較的高い仕事関数の金属又は金
属酸化物層を堆積された透明な絶縁支持体202を設け
ることにより達成される。有機ルミネセンス媒体206
と、それ故にそれの層208、210、212は媒体1
06とそれの層108、110、112にそれぞれ対応
し、更なる説明は不用である。以下に説明する材料の好
ましい選択で有機ルミネセンス媒体を形成すると層21
2はルミネセンスがその中で発生する帯である。陰極2
14は有機ルミネセンス媒体の上層上に堆積により容易
に形成される。
【0020】図3に示されている有機ELデバイス30
0は本発明の他の好ましい実施例である。斯くしてガラ
ス支持体302上に設けられた陽極304と陰極316
との間に挟まれた多層の有機薄膜306からなる有機E
Lデバイスが示される。陽極304上ではホール注入層
312が設けられそれに、ホール移動層310、ドープ
された蛍光層312、電子移動層314が続く。ドープ
された蛍光層312はELデバイスのスペクトル特性を
主に担う。
【0021】本発明の実施では蛍光帯は常にホール及び
電子の注入を維持しうる有機ホスト材料と、ホール/電
子再結合に応答して光を放出しうる蛍光材料とからなる
薄膜(ここでは厚さが1ミクロン以下を意味するために
用いられる)により形成される。蛍光帯は50から50
00オングストローム、好ましくは100から1000
オングストロームの範囲の厚さを維持し、それにより有
機蛍光媒体全体は厚さが1ミクロン以下、好ましくは1
000オングストローム以下にしうることが好ましい。
【0022】ホスト材料は有機ELデバイスの薄膜蛍光
帯の反応性成分として従来用いられてきた。薄膜を形成
するのに用いるのに適切なホスト材料の中にはTang
による上記米国特許第4356429号に記載されるよ
うなジアリールブタジエンとスチルベンがある。本発明
のELデバイスの有機蛍光媒体は2つの別の有機層を含
み、1つの層はデバイスの電子注入及び移動帯を形成
し、1つの層はホール注入及び移動帯を形成する。前者
はまた電子/ホール再結合をなし、故にEL放射層であ
る。
【0023】本発明のELデバイスの他の好ましい実施
例は最低限3つの別の有機層を含み、少なくとも1つの
層はデバイスの電子注入及び移動帯を形成し、一つの層
は蛍光放出層を形成し、少なくとも1つの層はホール注
入及び移動帯を形成し、ここでは電子/ホール再結合、
故にEL放射が好ましくは蛍光放出層でなされる。ポル
フィリン化合物を含む層は有機ELデバイスのホール注
入帯を形成する。ポルフィリン化合物は自然の又は合成
されたいかなる化合物でも良く、これはポルフィリンそ
れ自体を含むポルフィリン構造から得られ、又はそれを
含む。Adlerによる米国特許第3935031号又
はTangによる米国特許第4356429号により開
示されたポルフィリン化合物の全てをここに参考として
引用する。
【0024】好ましいポルフィリン化合物は以下のよう
な構造式である(III);
【0025】
【化5】
【0026】ここでQは−N=又は−C(R)=;Mは
金属、金属酸化物又は金属ハロゲン化物;Rは水素、ア
ルキル、アラルキル(aralkyl)、アリール、又はアルカ
リル ;T1及びT2は水素又は不飽和化6員環
を共に完成するものを表し、これはアルキル又はハロゲ
ンのような代替物を含みうる。好ましくは6員環は炭
素、硫黄、窒素環原子で形成される。好ましくはアルキ
ル部分は1から6の炭素原子を含み、一方でフェニルは
好ましくはアリール部分である。
【0027】代替的な好ましい形ではポルフィリン化合
物は構造式(I)のようなものと2つの水素の代わりに
金属原子が置換することにより異なり、式(IV)によ
り示される;
【0028】
【化6】
【0029】有用なポルフィリン化合物のより好ましい
例は金属遊離フタロシアニン及び金属含有フタロシアニ
ンである。一般的なポルフィリン化合物及び特にフタロ
シアニンはどのような金属も含みうる一方で金属は好ま
しくは2以上の正の原子価を有する。好ましい金属の例
はコバルト、マグネシウム、亜鉛、パラジウム、ニッケ
ル、及び特に銅、鉛、プラチナである。
【0030】有用なポルフィリン化合物の例は以下の通
りである; プロフィン(prophine) 1,10,15,20−テトラフェニルー21H,23
H−ポルフィリン銅(II) 1,10,15,20−テトラフェイルー21H,23
H−ポルフィリン亜鉛(II) 銅フタロシアニン クロムフタロシアニンフッ化物 有機ELデバイスのホール移動層は少なくとも一つのホ
ール移動芳香族第三アミンを含み、ここで後者は炭素原
子にのみ結合され、それらの少なくとも一つは芳香族環
のメンバーである少なくとも1つの3価の窒素原子を含
む化合物であると理解される。一つの形では芳香族第三
アミンはモナリルアミン、ジアリールアミン、トリアリ
ールアミン、又は重合したアリールアミンのようなアリ
ールアミンであり得る。モノマーのトリアリールアミン
の例はKlupfel等のアメリカ国特許第31807
30号に示されている。ビニル又はビニルラジカルで置
換された及び/又は少なくとも一つの活性水素含有基を
含む他の適切なトリアリールアミンはBrantley
等によるアメリカ国特許第3567450号及び第36
58520号に開示されている。
【0031】好ましい芳香族第三アミンの他のクラスは
少なくとも二つの芳香族第三アミン部分を含むそれらで
ある。そのような化合物は構造式(V)により表される
それらを含む。
【0032】
【化7】
【0033】ここでQ1 及びQ2 は独立に芳香族第三ア
ミン部分であり、Gは炭素対炭素の結合のアリーレン、
シクロアルキレン、又はアルキレン基のような連結基で
ある。構造式(V)を満足し、2つのトリアリールアミ
ンを含むトリアリールアミンの特に好ましいクラスは構
造式(VI)をみたすものである:
【0034】
【化8】
【0035】ここでR1 及びR2 はそれぞれ独立に水素
原子、アリール基、又はアルキル基を表し、又はR1
びR2 は共にシクロアルキル基と、それぞれが独立に構
造式(VII)により示されるようなジアリールで置換
されたアミノ基で置換されるアリール基を表すR3 及び
4 を完成する原子を表す:
【0036】
【化9】
【0037】ここでR5 、R6 は独立して選択されたア
リール基である。他の好ましい芳香族第三アミンの好ま
しいクラスはテトラアリールジアミンである。好ましい
テトラアリールジアミンはアリーレン基を介して連結さ
れた式(VIII)により示されるような2つのジアリ
ールアミノ基を含む。
【0038】
【化10】
【0039】ここでAreはアリーレン基であり、nは
1から4の整数であり、Ar,R7 ,R8 ,R9 は独立
して選択されたアリール基である。上記構造式(V),
(VI).(VIII)の種々のアルキル、アルキレ
ン、アリール、アリーレン部分は今度はそれぞれ置換さ
れうる。典型的な置換はアルキル基、アルクオキシ基、
アリール基、アリールオキシ基、及びフッ素、塩素、臭
素のようなハロゲンを含む。種々のアルキル及びアルキ
レン部分は典型的には約1から6の炭素原子を含む。シ
クロアルキル部分は3から約10の炭素原子を含みうる
が、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘ
プチル環状構造のような典型的には5、6、又は7の環
状炭素原子を含みうる。アリール及びアリーレン部分は
好ましくはフェニル及びフェニレン部分である。
【0040】有用なホール移動化合物の例は以下の通り
である:
【0041】
【化11】
【0042】本発明の実施では蛍光帯は常にホール及び
電子の注入を維持しうる有機ホスト材料と、ホール/電
子再結合に応答して光を放出しうる蛍光材料とからなる
薄膜(ここでは厚さが1ミクロン以下を意味するために
用いられる)により形成される。蛍光帯は50から50
00オングストローム、好ましくは100から1000
オングストロームの範囲の厚さを維持し、それにより有
機蛍光媒体全体は厚さが1ミクロン以下、好ましくは1
000オングストローム以下にしうることが好ましい。
【0043】ホスト材料は有機ELデバイスの薄膜蛍光
帯の反応性成分として従来用いられてきた。薄膜を形成
するのに用いるのに適切なホスト材料の中にはTang
による上記米国特許第4356429号に記載されるよ
うなジアリールブタジエンとスチルベンがある。用いら
れ得るホスト材料を形成する他の薄膜は特に上記Van
Slyke等による米国特許第4539507号に開示
されるような光学的増白剤であり、ここに参考として引
用する。有用な光学的増白剤は以下のような構造式を満
足するものを含む:
【0044】
【化12】
【0045】ここで:D1 ,D2 ,D3 ,D4 はそれぞ
れ水素;例えばプロピル、t−ブチル、ヘプチル、のよ
うな1から10の炭素原子の飽和脂肪族;例えばフェニ
ル、ナフチルのような6から10の炭素原子のアリー
ル;又は塩化、フッ化、のようなハロゲン置換基;又は
1 ,D2 ,D3 ,D4 は共にメチル、エチル、プロピ
ルのような1から10の炭素原子の飽和脂肪族の少なく
とも一つを選択的に負担する縮合芳香環を完成するため
に必要な原子からなる;D5 はメチル、エチル、n−エ
イコシルのような1から20の炭素原子の飽和脂肪族;
フェニル、ナフチルのような6から10の炭素原子のア
リール;カルボキシル;水素;シアノ;又は塩化、フッ
化のようなハロゲン置換基;であり、式(II)で与え
られ、少なくとも2つのD3 ,D4 ,D5 が例えばプロ
ピル、ブチル、ヘプチルのような3から10の炭素原子
の飽和脂肪族である;Zは−O−,−N(D6 )−,又
は−S−;Yは
【0046】
【化13】
【0047】ここで:mは0から4の整数;nはフェニ
レン、ナフチレンのような6から10の炭素原子のアリ
ーレン;D6 は水素;アルキル置換基のような1から1
0の炭素原子の飽和脂肪族置換基;フェニル又はナフチ
ルのような6から10のアリール;D7 はフェニル又は
ナフチルのような6から10のアリーレン;Z’,Z”
はそれぞれN又はCHである。
【0048】ここで用いられるように「脂肪族」は置換
されていない脂肪族と同様に置換された脂肪族も含む。
置換された脂肪族の場合の置換基はメチル、エチル、プ
ロピルのような1から10の炭素原子のアルキル;フェ
ニル、ナフチルのような6から10の炭素原子のアリー
ル;塩化、フッ化のようなハロゲン置換基;ニトロ;メ
トキシ、エトキシ、プロポキシのような1から5の炭素
原子のアルコキシである。
【0049】更に他の有用と考えられる光学的増白剤は
Chemistry of Synthetic Dy
es、1971のVol.5,618−637,640
頁に掲載されている。まだ薄膜形成されていないこれら
のものは1つ又は両方の端の環に脂肪族を付加すること
によりその様にされうる。本発明の有機ELデバイスの
蛍光帯を形成する特に好ましいホスト材料はオキシンの
キレートを含む金属キレートオキノイド化合物(一般に
8−キノリノール又は8−ヒドロオキシキノリンと呼ば
れる)である。その様な化合物は両方の高レベルの性能
を示し、薄膜の形ですでに製造されている。
【0050】薄膜を形成するために用いられ得る金属化
されたオキシンを含む有用なホスト材料の例は以下の通
りである: アルミニウムトリスオキシン[a.k.a.ビス(8−
キノリノール)アルミニウム] マグネシウムビスオキシン[a.k.a.ビス(8−キ
ノリノール)マグネシウム] ビス[ベンゾ{f}−8−キノリノール]亜鉛 ビス(2−メチル−8−キノリノレート)アルミニウム インジウムトリスオキシン[a.k.a.トリス(8−
キノリノール)インジウム] アルミニウムトリス(5−メチルオキシン)[a.k.
a.トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニ
ウム] リチウムオキシン[a.k.a.8−キノリノール リ
チウム] ガリウムトリス(5クロロオキシン)[a.k.a.ト
リス(5ークロロ−8−キノリノール)ガリウム] カルシウムビス(5クロロオキシン)[a.k.a.ト
リス(5ークロロ−8−キノリノール)カルシウム] ポリ[亜鉛(II)−ビス(8ーハイドロオキシ−5−
キノリニル)メテン] ジリチウムエピンドリジオン(epindolidione) 1、4−ジフェニルブタジエン 1、1、4、4−テトラフェニルブタジエン 4,4’−ビス[5,7−ジ(t−ペンティル−2−ベ
ンゾクサゾリル]スチルベン 2,5−ビス[5,7−ジ(t−ペンティル−2−ベン
ゾクサゾリル]チオフェン 2,2’−(1,4−フェニレンジビニレン)ビスベン
ゾチアゾル 4,4’−(2,2’−ビスチアゾリル)ビフェニール 2,5−ビス[5−(α,α−ジメチルベンジル)−2
−ベンゾクサゾリル]チオフェン 2,5−ビス[5,7−ジ(t−ペンティル)−2−ベ
ンゾクサゾリル]3,4−ジフェニルチオフェン トランス−スチルベン 上記のホスト材料の全てはホールと電子注入に応答して
光を放射することが知られている。ホスト材料とホール
電子再結合に応答して光を放出する能力のある少量の蛍
光材料を混合することにより蛍光帯から放出された色の
付いた光は変化されうる。理論的にはホスト材料と蛍光
材料がホール電子再結合に対する正確に同じ親和性を有
する混合である場合に各材料は蛍光帯へのホールと電子
の注入で光を放出するはずである。光放出の知覚される
色は両方の放出の視覚的な統合である。
【0051】ホストと蛍光材料にその様なバランスを付
与することは非常に制限される故にそれが光放出に対し
て好ましいサイトを提供するように蛍光材料を選択する
ことが好ましい。光放出に好ましいサイトを提供する蛍
光材料の少ない比率のみが存在するときにホスト材料の
典型的な放出波長のピーク強度は蛍光材料の属性である
新たな放出波長のピーク強度で好ましくは完全に除去さ
れうる。この効果を達成するために必要な蛍光物質の最
小の比率はホストと蛍光材料の特定の選択により変化す
る一方でホスト材料のモルを基準として約10モルパー
セント以上の蛍光材料が必要とされる例はなく、蛍光材
料の1モルパーセント以上を必要とすることも希であ
る。他方で蛍光材料のない場合に光を放出しうるどのよ
うなホスト材料でもホスト材料を基にして蛍光材料の存
在を非常に少量、典型的には10ー3モルパーセント以
下に限定することはホスト材料の波長特性での放出を得
る結果となる。このようにして光放出に対する好ましい
サイトを提供しうる蛍光材料の比率を選択することによ
り、放出波長の完全な又は部分的なシフトが実現する。
これにより本発明のELデバイスのスペクトル放射は提
供する応用に適合するよう選択され、均衡化される。
【0052】光放出用の好ましいサイトを提供しうる蛍
光材料を選択することは蛍光材料の特性をホスト材料の
それに関係づけるようにする必要がある。ホスト材料は
光放出の分子サイトを提供する蛍光材料と共に注入され
たホールと電子に対してコレクタとして観察される。ホ
スト材料が存在するときに光放出の色を変えうる蛍光材
料を選択する重要な関係の一つは2つの材料の還元電位
の比較である。光放出の波長シフトを示す蛍光材料はホ
スト材料より少ない負の還元電位を示す。電子ボルトで
測定された還元電位はそれらの測定の種々の技術に沿っ
て文献に幅広く報告されてきた。それは所望の絶対値よ
りもむしろ還元電位の比較である故に還元電位の測定用
の受容される技術のいずれも用いられ、蛍光及びホスト
材料の両方の還元電位が同様に測定される。好ましい酸
化、還元電位測定技術はR.J.Cox,Photog
yaphic Sensitivity、Academ
ic Press、1973年Chapter15に記
載される。
【0053】ホスト材料の存在するときに光放出の色を
変えられる蛍光材料を選択する第二の重要な関係は2つ
の材料のバンドギャップ電位の比較をすることである。
光放出の波長のシフトを示す蛍光材料はホスト材料のバ
ンドギャップ電位より低いバンドギャップ電位を示す。
分子のバンドギャップ電位はその基底状態と第一の一重
項(single)状態とを分ける電子ボルト(eV)
の電位差として考えられる。バンドギャップ電位とその
測定技術は文献に幅広く記載される。ここで述べるバン
ドギャップ電位は吸収ピークに対して深色である吸収波
長での電子ボルト(eV)で測定されたものである。そ
れは所望の絶対値よりもむしろバンドギャップ電位の比
較である故にバンドギャップ測定のどのような受容され
た技術も蛍光とホスト材料の両方に提供され、同様に測
定され、用いられ得る。測定技術の一例はF.Gutm
an,L.E.Lyonsによる「Organic S
emiconductors,Wiley,1967年
Chapter5に記載されている。
【0054】ホスト材料が蛍光材料の不在でそれ自体が
光を放出し得るように選択される場合にはホストと蛍光
材料のスペクトル結合が達成されるときにホスト材料の
みの放出特性の波長での光放出の抑制及び蛍光材料の波
長特性での放出の増強が発生することが観察された。ス
ペクトル結合によりホスト材料のみの放出特性の波長と
ホスト材料の不在での蛍光材料の光吸収との間にオーバ
ラップが存在することが分る。ホスト材料のみの最大放
出が実質的に蛍光材料のみの最大吸収の±25nmに適
合するときに最大スペクトル結合が生ずる。実際には好
ましいスペクトル結合はピークの幅とその浅色及び深色
の傾斜に依存して100nm以上にわたって異なるピー
ク放射、吸収波長が発生しうる。ホストと蛍光材料との
間の最適スペクトル結合より少なくしようとする場合に
は蛍光材料の浅色変位に比較して深色はより効果的な結
果をもたらす。
【0055】前記の検討がホールと電子の注入に応答し
て光を発生することがそれ自体知られているホスト材料
を参照してなされたがホスト材料それ自体による光放出
が蛍光材料による光放出が上記の種々の関係のいずれの
一つ又はその組合せによりよい結果をもたらす場合に全
体的に停止する。蛍光材料に対する光放出の役割をシフ
トすることはホスト材料の選択のより広い範囲をなお許
容する。例えば光放出のために選択された材料の基本的
な要求の一つはそれは内部吸収を回避するよう放出され
た波長の光に対して低い減衰係数を示さなければならな
いことである。本発明はホールと電子の注入を維持しう
るホスト材料の使用を許容するが、それ自体効率よく光
を放出し得ない。
【0056】有用な蛍光材料はホスト材料と混合され
え、本発明のELデバイスの蛍光体を形成する上記の範
囲の厚さを満たす薄膜内に製造されうる。蛍光材料が薄
膜形成に向いている必要はない一方でこれらの蛍光材料
のホスト材料内の限定された量はそれのみでは薄膜を形
成することができないこれらの蛍光材料を用いることを
許容する。好ましい蛍光材料はホスト材料と共通のフェ
ーズを形成することである。ホスト材料内に蛍光材料を
分散する従来技術のいずれもがなされうるが好ましい蛍
光材料はホスト材料に沿って真空蒸着される。
【0057】本発明で開示されたキナクリドン化合物は
熱安定性と光への耐久性故に塗料、繊維、自動車産業で
安定な色素として広く用いられる顔料のクラスに属す
る。これらの使用、特性、調整方法のより詳細な記述は
Peter A. Lewisにより編集されたPig
ment Handbook Volume 1 60
1頁 John Wiley&Sonsに記載されてい
る。ELデバイスでのキナクリドン化合物の使用は以前
に米国特許第5227252号に記載されている。キナ
クリドン化合物が真空蒸着によりAlqのようなホスト
EL材料内に分散されるときに得られる混合物の蛍光効
率はホストAlq化合物のみより顕著に高いことが見い
だされていた。それに対応して混合物のEL効率は非常
に向上する。上記の特許で開示されたキナクリドン材料
は構造式(I)の化合物を特に参照していることに注意
が必要である:
【0058】
【化14】
【0059】ここでR1 ,R2 はそれぞれキナクリドン
化合物の水素、メチル基又は塩素又は脱水(素)の形で
ある。キナクリドンは色素の用途に対して高度に安定で
あることが知られており、改善された効率でEL用途で
有用であり、キナクリドンが後者の用途で動作安定性も
同様に有することは自明ではない。特に分子式(I)の
キナクリドンがカルボニル又は他の基を処理する隣接分
子と不安定な水素結合を形成することを許容するN−H
部分を有するものである。その様な分子間配位はEL動
作に対して不安定な隣接するキナクリドン分子間の2量
体又は励起された状態の2量体を形成する。
【0060】斯くしてキナクリドン構造の変更がEL動
作に対して改善された効率及び安定性の両方を提供する
ために必要であることが予想される。本発明は分子式
(II)の置換されたキナクリドン構造を開示する:
【0061】
【化15】
【0062】ここでR3 ,R4 はそれぞれアルキル、ア
ルコキシル、アリール、縮合アリール又はハロゲンであ
り、R5 ,R6 はそれぞれアルキル、アルコキシル、ア
リール、又は置換されたアリールであり;n=0,1,
2,又は3である。置換されたR5 ,R6 はこのキナク
リドン構造での水素結合及びそのEL動作上の劣化の影
響の可能性を阻止するよう特に設計される。また発色団
を延長(n=2又は3)又は短縮(n=0)することに
よりこれらの置換されたキナクリドン化合物は異なる波
長の光を放出するELデバイス用の蛍光材料として有用
であることが期待される。
【0063】本発明の有機ELの電子注入及び移動層を
形成するのに用いられる好ましい薄膜形成材料はオキシ
ン(一般に8−キノリノール又は8−ヒドロオキシキノ
リンとまた称される)それ自体のキレートを含む金属キ
レートオキシノイド化合物である。そのような化合物は
両方の高レベルの性能を示し、既に薄膜の形で製造され
ている。企画されているオキシノイド化合物の例はこれ
らの満足する構造式である(IX)。
【0064】
【化16】
【0065】ここでMeは金属を表し;nは1から3の
整数であり、Zは各出現に独立に少なくとも2つの融合
した芳香族環を有する核を完成する原子を表す。
【0066】上記から金属は一価、二価、三価金属であ
り得ることは明白である。金属は例えばリチウム、ナト
リウム又はカリウムのようなアルカリ金属、マグネシウ
ム、又は、カルシウムのようなアルカリ土類金属、又は
硼素、又はアルミニウムのような土類金属であり得る。
一般に有用なキレート金属として知られているどのよう
な一価、二価、又は三価の金属も用いられ得る。
【0067】Zはそのうちの少なくとも一つがアゾール
又はアジンである少なくとも二つの融合された芳香族環
を含む異種環状核を完成する。脂肪族及び芳香族環の両
方を含む付加的な環は必要ならば2つの所望の環に融合
されうる。機能上の改善なしに分子のバルクを付加する
ことを回避するために環状原子の数は好ましくは18以
下に維持される。
【0068】有用なキレートされたオキシノイド化合物
は以下のようである: アルミニウムトリスオキシン[a.k.a.ビス(8−
キノリノール)アルミニウム] マグネシウムビスオキシン[a.k.a.ビス(8−キ
ノリノール)マグネシウム] インジウムトリスオキシン[a.k.a.トリス(8−
キノリノール)インジウム] リチウムオキシン[a.k.a.8−キノリノール リ
チウム] 本発明の有機ELデバイスでは有機ルミネセンス媒体の
全体の厚さを10000オングストローム以下に制限す
ることにより電極を横切る比較的低い電圧を用いる一方
で有効な光放射と両立する電流密度を維持することが可
能である。1mm以下の厚さで20ボルトの印加された
電圧は2x105 ボルト/cmより大きな電界を生じ、
これは効果的な光放射と両立できる。印加された電圧の
更なる減少及び/又は電界及び故に電流密度の減少を許
容する有機ルミネセンス媒体の厚さの100オングスト
ロームオーダーの強度減少は、デバイス構造の許容範囲
内に充分収まる。
【0069】有機ルミネセンス媒体を形成するために好
ましい材料はそれぞれ薄いフィルムの形で製造可能であ
り、5000オングストローム以下の厚さを有する連続
的な層として製造されうる。有機ルミネセンス媒体を形
成する好ましい方法は真空蒸着である。極度に薄い欠陥
のない連続な層はこ方法により形成される。特に50オ
ングストローム程度の薄さのそれぞれの層は満足なEL
デバイス性能をなお実現する一方で実現されうる。ホー
ル注入層として真空蒸着されたポルフィリン化合物を用
い、ホール移動層として芳香族第三アミン(これは今度
はトリアリールアミン層及びテトラアリールジアミン層
からなることが可能である)で形成されたフィルムを用
い、ホスト材料と蛍光化合物の混合からなる蛍光放射層
及び電子注入及び移動層としてキレートされたオキシノ
イド化合物を用いる場合には約50から5000オング
ストロームの範囲のそれぞれの層の厚さが計画され、1
00から2000オングストロームの範囲の厚さの層が
好ましい。有機蛍光媒体の全体の厚さは少なくとも概略
1000オングストロームであることが一般に好まし
い。
【0070】有機ELデバイスの陽極及び陰極はそれぞ
れどのような便利な従来技術の形でもとりうる。それが
有機ELデバイスから陽極を介して光を透過するよう意
図されるところでこれは例えば透明又は実質的に透明な
ガラス板又はプラスチックフィルムのような薄い導電性
層を光透過性基板上にコーティングすることにより便利
に達成されうる。本発明の一つの形では有機ELデバイ
スはGurnee等によるアメリカ国特許第31728
62号、Gurneeのアメリカ国特許第317305
0号、Dresnerの「Double Inject
ion Electroluminescence i
n Anthracene」,RCAReview、V
olume30,page322−334,1969及
びDresnerのアメリカ国特許第3710167号
に開示されているガラス板上にコートされた酸化錫又は
インジウム錫酸化物で形成された光透過性陽極を含む歴
史的な実践を追従することが可能である。
【0071】本発明の有機ELデバイスはこれまでこの
目的に有用だと教示されたどのような高い又は低い仕事
関数の金属を含むどのような金属で構成された陽極をも
用いうる。予期されない製造、性能、安定性の利点は低
い仕事関数の金属と少なくとも一つの他の金属との組み
合わせの陽極を形成することにより実現されてきた。更
なる開示についてはTang及びVan Slykeの
アメリカ国特許第4885211号を参照し、この開示
はここに参考として引用する。
【0072】
【実施例】本発明及びその利点は以下の特定の例により
更に示される。合成: 例1−N,N’−ジメチルキナクリドンの合成 キナクリドン(31.2g,0.1mol)の乾燥テト
ラヒドロフラン(THF)500mL内の懸濁液に80
%の水素化ナトリウム(20.0g,0.67mol)
を窒素下でゆっくり加えた。混合物は2時間の間還流す
るために加熱され、それから沃化メチル100mLが加
えられた。反応混合物は一夜の間還流するために加熱さ
れ続けた。沃化メチルの過剰分を蒸留で除去した後にメ
タノール(300mL)が反応混合物にゆっくり加えら
れた。生成された赤い沈殿はフィルターされメタノール
で洗浄された。乾燥後に粗製のN,N’−ジメチルキナ
クリドン(33.0g)が97%の収率で得られた。純
粋なN,N’−ジメチルキナクリドン(セルの製造に直
接用いうる)は285゜C2Torrで昇華により得ら
れた。
【0073】同様の手順を用いて以下のアクリドン化合
物,
【0074】
【化17】
【0075】がよい収率で得られた。ELデバイス製造及び性能: 例2−製造手順 本発明の要求を満たすELデバイスは以下の方法で製造
された。デバイス構造は4つの有機層堆積を有し、即ち
ホール注入層、ホール移動層、蛍光放出層、電子移動層
である。
【0076】a) インジウム錫酸化物をコーティング
されたガラス基板は順に市販の界面活性剤中で超音波を
かけられ、脱イオン化水中ですすがれ、トルエン蒸気中
で脱脂され、紫外線光及びオゾンに数分間曝される。 b) 次に銅フタロシアニンのホール注入層(150オ
ングストローム)はタンタルの舟形容器から蒸着により
ITOをコーティングされた基板の上面上に堆積され
る。
【0077】c) 銅フタロシアニン層の上にまたタン
タルの舟形容器から蒸着によりN,N’−ビス−(1−
ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジンのホール
移動層を堆積する。 d) 次にキナクリドン化合物でドープされたAlq
(400オングストローム)の蛍光放出層はホール移動
層上に堆積される。この混合された層は別のタンタルの
舟形容器から2つの材料の共蒸着により調製される。速
度は独立に制御された。Alqの典型的な速度は秒当た
り5オングストロームであり、キナクリドンの速度は所
望の濃度により調整される。
【0078】e) Alqの電子移動層(400オング
ストローム)は蛍光放出層上に堆積される。 f) Alq層の上にMgとAgの10:1の原子比率
で形成された2000の陽極が堆積される。 上記の過程によりELデバイスの堆積が完成された。次
にデバイスは周囲の環境に対して保護するために乾燥し
たグローブボックス内で密封梱包される。例3−N,NジメチルキナクリドンをドープしたAlq
蛍光放出層を有するELデバイス ELデバイスは例2の過程により製造された。蛍光放出
層はN,N’ジメチルキナクリドンを種々の濃度でドー
プしたAlqである。表1はアンペア当たりのカンデラ
の単位で測定された蛍光量子効率と、CIE座標と、2
0mA/cm^2の一定のバイアス電流下での蛍光出力
とを示す。
【0079】
【表1】
【0080】例4−N,Nジメチルキナクリドンをドー
プしたAlq蛍光放出層を有するELデバイスの動作安
定性 ELでの動作安定性は20mA/cm2 の時間平均順バ
イアス電流密度のACバイアス条件でテストされた。A
C波形は方形であり、周波数は1kHzであった。順バ
イアスサイクルでは一定の電流がデバイスに印加され、
逆サイクルでは一定の電圧は14ボルトであった。
【0081】表2は例2のELデバイスの組の安定性性
能をまとめた。表は種々の期間でELデバイスの相対的
蛍光レベルを示した。初期の回の絶対蛍光値は表1に示
される。
【0082】
【表2】
【0083】例5−置換しないキナクリドンをドープし
たAlq蛍光放出層を有するELデバイス ELデバイスは例2の過程により製造された。蛍光放出
層はキナクリドンを種々の濃度でドープしたAlqであ
る。表3はアンペア当たりのカンデラの単位で測定され
た蛍光量子効率と、CIE座標と、20mA/cm2
一定のバイアス電流下での蛍光出力とを示す。
【0084】
【表3】
【0085】例6−置換しないキナクリドンをドープし
たAlq蛍光放出層を有するELデバイスの動作安定性 ELでの動作安定性は20mA/cm2 の時間平均順バ
イアス電流密度のACバイアス条件でテストされた。A
C波形は方形であり、周波数は1kHzであった。順バ
イアスサイクルでは一定の電流がデバイスに印加され、
逆サイクルでは一定の電圧は14ボルトであった。
【0086】表4は例5のELデバイスの組の安定性性
能をまとめた。表は種々の期間でELデバイスの相対的
蛍光レベルを示した。初期の回の絶対蛍光値は表3に示
される。
【0087】
【表4】
【0088】例4と6のN,N’ジメチルキナクリドン
と置換しないキナクリドンの安定性データを比較する
と、N,N’ジメチルキナクリドンをドープしたAlq
蛍光放出層を有するELデバイスが優れていることは明
らかである。キナクリドンをドープされたデバイスのE
L蛍光減衰の速度はキナクリドンドーパント濃度と共に
急激に増加し、キナクリドン材料の本質的な不安定さを
示している。他方でN,Nジメチルキナクリドンをドー
プしたデバイスに対してはこの減衰速度はドーパント濃
度に比較的独立であり、実際には低濃度レベルで幾分減
少する。この安定性の挙動はN,N’−ジメチルキナク
リドンがELデバイスに対して効率と安定性の向上をも
たらす優れたドーパントであること示している。
【0089】本発明はその特定の好ましい実施例を特に
参照して詳細に説明されてきたが、改良及び変形は本発
明の精神と範囲内で有効である。
【0090】
【発明の効果】本発明の利点は有機ELデバイスは従来
用いられていた利点を有するキナクリドンを用いて、上
記の問題を克服することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いうるELデバイスの概略図であ
る。
【図2】本発明に用いうるELデバイスの概略図であ
る。
【図3】本発明に用いうるELデバイスの概略図であ
る。
【符号の説明】
100、200、300 ELデバイス 102、204、304 陽極 104、214、316 陰極 106、206、306 有機蛍光媒体 108、110、112、208、210、212、3
08、310、312中間層 114 外部電源 116、118 導電体 120 下の有機層 122 上の有機層 124 ホール 126 電子 128 端 202、302 透明電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極と陰極と、該陽極と陰極との間に配
    置された有機EL素子とからなる有機ELデバイスであ
    って;該有機EL素子は2つ以上の材料の混合物を含む
    少なくとも一つの蛍光放射層を有し;その混合物は化学
    式: 【化1】 の化合物を含み、ここでR3 ,R4 はそれぞれアルキ
    ル、アルコキシル、置換されたアルキル、アリール、縮
    合アリールハロゲン化物であり;R5 ,R6 はそれぞれ
    アルキル、アルコキシル、置換されたアルキル、アリー
    ル、又は置換されたアリールであり;n=0,1,2,
    又は3であることを特徴とする有機ELデバイス。
  2. 【請求項2】 該混合物は化学式: 【化2】 の金属錯体を含み、ここでMeは金属を表し;nは1か
    ら3の整数であり;Zは各発生で独立に少なくとも2つ
    の縮合芳香環を有する核を完成する原子を表す請求項1
    記載の有機ELデバイス。
  3. 【請求項3】 R5 ,R6 はメチル、エチル、又はフェ
    ニルである請求項1記載の有機ELデバイス。
  4. 【請求項4】 R3 ,R4 は水素であり、R5 ,R6
    メチル又は第3級ブチルである請求項1記載の有機EL
    デバイス。
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