JPH0262262B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は空気処理用蒸気を大気中に蒸発する製
品、より詳細には、揮発性組成物を透過可能な薄
膜から大気中に連続して蒸発する装置に関する。

（従来の技術） 揮発性物質、例えば香水や脱臭剤が室内用エア
ーフレツシユナーとして一般に使われている。揮
発性物質を収容してそれを大気中に蒸気として蒸
発するのに、種々の容器が使われてきた。ガラス
びんとしんを利用した古いタイプの製品；透過性
囲い内に揮発性材料の、破かい可能な、不透過性
のカプセルを内蔵した最近のパケツトタイプの製
品；透過性薄膜面とこの面に積層された可剥性カ
バーとを有しこのカバーの除去によつて蒸気の蒸
発を開始するプラスチツク箱タイプの製品などが
ある。

パケツトタイプの製品の例がPCT第82−02700
号公報に開示されている。プラスチツク箱タイプ
の製品の例が米国特許第4145001号明細書に開示
されている。

（発明が解決しようとする問題点） 上述した３種類の装置のそれぞれは、欠点を有
する。例えば、ガラスびんとしんを利用した製品
には、大きく、高価でかつある場所におきずらい
という欠点がある。パケツトタイプの製品は、内
部カプセルをこわしたときに香気（又は他の空気
処理用蒸気）がどつと出ることはない。（という
のは、そのような破かいの後揮発性物質は蒸気と
して蒸発する前に透過性薄膜を通つて移動する必
要があるから）。このような香気がどつとでるこ
とは、この製品の使用をうながすかも知れない悪
臭に打ち勝ちうるという点で望ましい。

パケツトタイプの製品及びプラスチツク箱タイ
プの製品は小さい子供たちにいじくられる恐れが
ある。含有の揮発性液体がマツトや他の吸収材料
に保持されていない場合には子供たちが食物とし
てたべる恐れがかなりある。食物としてたべる心
配をなくすために吸収材料を使えば、目にみえる
使用状態信号として液体を使う可能性がなくな
る。さらに問題は、透過性面（この面を通つて揮
発性物質が出ていく）が仕上面と接触するように
なると仕上面をいためる恐れがある。

本発明の目的は、従来の問題を解決した連続し
て蒸気を蒸発できる装置の提供にある。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、上記目的を達成するために、揮発性
組成物が透過可能な薄膜を透過して蒸気として大
気中に蒸発させられるその透過薄膜をもつ囲い
と；この透過薄膜が手に触れることを防止すると
共に透過薄膜からの空気の流れをよくするための
開口部をもつカバー部材と；カバー部材の下にあ
つて透過薄膜にはがし可能なように接着されては
がす前の蒸発を防止する不透過ストリツプと；中
央部で不透過ストリツプの一端に取り付けたリー
ダー部とを設け、このリーダー部はカバー部材の
下にあるストリツプをその長さ分にわたつて被
い、このリーダー部はカバー部材の外側にある掴
み端を有し；この構成によつて、カバー部材は透
過薄膜を保護する適切な場所にあつて、リーダー
部を引つぱつて不透過ストリツプをひきはがして
透過薄膜を露出する構造を採用している。

好適実施例においては、囲いは、プラスチツク
ざらで、薄膜がさらに周縁まわりを溶封してい
る。このことから、この例はプラスチツク箱タイ
プの製品と考えることができる。

好適実施例では、揮発性組成物は吸収材料の入
つていない囲い内にある液体（自由液）である。
透過薄膜と液体とは液体が薄膜を通して観察しう
るような光学的量を有する。すなわち、薄膜は、
液体を、ことによつたら液体の着色化のおかげな
のかもしれないが、みることができる程度に透明
又は半透明である。このことから、着色された液
体は簡単な使用インジケータの役目をする。更
に、あるいは別例として、さらに同一目的のため
にすき透つたプラスチツク製とすることができ
る。

透過薄膜はほぼ単一平面内にあることが望まし
い。より好適な実施例では、囲いをプラスチツク
ざらでつくり、望ましくは熱成形ざらでつくる。
この実施例では、さら、透過薄膜（除去前不透過
ストリツプ付き）とカバー部材すべての端がそろ
えられて互いに固着されている。

本発明ではリーダー部を引つぱることにより不
透過ストリツプをひきはがして透過薄膜を露出
し、このときカバー部材は透過薄膜を適当位置に
保持して小さな子供たちの手が届かないようにさ
れている。さらに、カバー部材は心地のよい外形
を与えるように設計できる。

不透過ストリツプをとりさると、揮発性組成物
と接触した透過薄膜がすでにぬれているため、香
気（又は他の空気処理蒸気）がどつと出る。本発
明の物品は小さな子供たちにかんたんにはいじら
れることがない。さらに、本発明は高価でなく大
きくない製品としてかんたんに作ることができる
ので人目につかないあらゆる場所に配置するのに
適している。本発明により秀れた「小空間」用空
気清浄装置が提供できる。

（実施例） 図面に、好適な空気処理用物品１０を示す。空
気処理用物品１０の主体は、さら１４と薄膜１６
とで形成された閉鎖容器１２である。薄膜１６を
さら１４のふち１８に沿つて溶封する。閉鎖容器
１２内には、揮発性液体２０が入れられており、
その状態は第２、第４、第５図に示される。薄膜
１６の外側表面１７にストリツプ２２を接着す
る。このストリツプ２２は、ストリツプ２２を取
り去るまで、薄膜１６から揮発性液体２０の蒸気
の蒸発を防ぐ働らきをする。

薄膜１６は揮発性液体２０が透過可能であるか
ら、ストリツプ２２を取り去つた後、液体２０は
薄膜１６を透過して空気処理用蒸気として大気に
蒸発される。ストリツプ２２を取り去る前に、ス
トリツプ２２を薄膜１６の表面全体に接着剤（不
図示）で接着する。ストリツプ２２は揮発性液体
を透過不能なので上述のように蒸気の蒸発を防止
する。ストリツプ２２と薄膜１６とで積層体をつ
くるが、ストリツプ２２はこの積層体からかんた
んにはがすことができる。

カバー部材２４をさら１４のふち１８に沿つて
容器１２に取り付ける。カバー部材２４には格子
を形成する交差部材２６があつて、透過薄膜１６
を保護する働らきをする。カバー部材２４の交差
部材２６間に開口部２８が形成されている。この
開口部は薄膜１６からの空気の流れをよくしてい
る。

第２図と第４図とにおいて、カバー部材２４に
はさら１４を収容しかつさら１４のふち１８に接
触するような構造のたな２９が両側に設けられて
いる。交差部材２６は、カバー部材２４の頂部３
０から下方に延び、その下端が不透過ストリツプ
２２と後述するリーダー部３４の収容空間を形成
しうるように、薄膜１６の位置より上の離隔した
位置にある。

リーダー部３４を、ストリツプ２２の第１端部
３８に中央部３６で取付ける。リーダー部３４を
ストリツプ２２の上に折り返すと、リーダー部３
４はカバー部材２４の下にあるリーダー部の長さ
だけストリツプ２２を被う。リーダー部３４は第
１図と第２図に示す横方向開口３８の出口からカ
バー部材２４の外側にある掴み端４０として出て
くる。リーダー部３４は、可剥性不透過ストリツ
プ２２と一体形成するのが好ましい。

揮発性液体２０は、容器１２内では自由であ
る。というのは、一緒に吸収材料が容器内にない
からである。ストリツプ２２をとり去つた後液体
２０を薄膜１６を通してよりみやすくするために
液体２０に色をつけることが好ましい。容器１２
内に残つている液体２０の量を観察しやすくする
ために薄膜１６は半透明又は透明であるのが好ま
しい。薄膜１６と液体２０のこのような視覚によ
る特性は信頼性のたかい使用インジケータの役目
をする。

さら１４のふち１８は、単一平面内にあるの
で、薄膜１６も単一面内にほぼある。さら１４、
薄膜１６、カバー部材２４のすべての端部がそろ
つておりかつ互いに固着されている。これによつ
て、本発明の空気処理用物品の組み立てがやりや
すい。薄膜１６とストリツプ２２から成る積層体
をさらのふち１８に溶封し、さら１４をカバー部
材２４のたな２９にすべりこませた後、さらのふ
ち１８をたな２９に接着して固定する。

本発明の物品を使用して空気処理用蒸気を蒸発
させるには、物品１０を片手に保持してリーダー
部３４の掴み端４０を他方の手で引つぱればよ
い。この動作によつて薄膜１６からストリツプ２
２の引きはがしが、掴み端４０から離れたところ
ではじめられる。リーダー部３４とストリツプ２
２とはすてられ、空気処理用蒸気の蒸発がはじま
る。

本発明は、芳香をまきちらそうとするときの空
気を新鮮にする製品として使用できる。しかし、
他の揮発性の空気処理用組成物も使うことができ
る。１つの良い例が殺虫剤である。

包装材料の選択は使用する揮発性液体による。
すなわち、透過性薄膜は、そのような液体の適当
な蒸発が可能なようにえらばれている。不透過ス
トリツプは、そのような液体の通過をはばむよう
に選ばれなければならない。特定な液体、特定な
材料は本発明の要旨ではない。しかし、１例とし
て、テルペンを基材とした芳香、透過可能な薄膜
としての低密度ポリエチレン、不透過性ストリツ
プとしての被覆アルミニウム箔を使おうとすれば
使える。種々の適格な組合わせが当業者には公知
である。前述の米国特許第4145001号明細書の開
示に特に注意して下さい。

液体と部材の間の化学的相互作用については何
ら問題がないので、種々の材料を使うことができ
る。しかし、さら１４は液体２０に対して透過不
能の材料でつくる必要がある。カバー部材２４は
熱成形するのが好ましく、薄膜１６とストリツプ
２２はふち１８にそつて溶封するのが好ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る好適な空気処理用物品
の斜視図、第２図は第１図の２−２矢視の側断面
図、第３図は分解した側面図、第４図は第１図の
４−４矢視の背面断面図、第５図は第２図に丸で
囲んだ部分の拡大部分図である。 主要部分の符号の説明、１２…閉鎖容器、１４
…さら、１６…薄膜、２０…揮発性液体、２２…
ストリツプ、２４…カバー部材、２６…交差部
材、２８…開口部、３４…リーダー部、４０…掴
み端。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 揮発性組成物が透過可能な薄膜部を通つて大
   気中に蒸気として蒸発される前記透過薄膜部をも
   つ囲いを有する空気処理用物品において、 前記透過薄膜が手に触れることを防止しかつ前
   記薄膜からの空気の流れをよくするための開口部
   を有するカバー部材と；該カバー部材の下にあつ
   て前記薄膜にはがすことができるように接着して
   はがす前に蒸発することを防止する不透過ストリ
   ツプと； 中央部で該不透過ストリツプの一端に取付けた
   リーダー部とからなり、該リーダー部は前記カバ
   ー部材の下にある前記ストリツプをその長さ分だ
   け被い、前記リーダー部は前記カバー部材の外側
   にある掴み端を有し；該リーダー部を引つぱるこ
   とで前記不透過ストリツプを引きはがして前記透
   過薄膜を露出しそのとき前記カバー部材は前記薄
   膜を保護するように適切な位置にあることを特徴
   とする空気処理用物品。 ２ 囲いの中にある揮発性組成物は自由液である
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の
   空気処理用物品。 ３ 薄膜と液体とは、液体の存在を透過薄膜を通
   して知ることができそれによつて使用インジケー
   タとして使うことができるような光学的量を有す
   ることを特徴とする、特許請求の範囲第２項に記
   載の空気処理用物品。 ４ 透過薄膜部がほぼ単一平面内にあることを特
   徴とする特許請求の範囲第１，２又は３項に記載
   の空気処理用物品。 ５ 囲いは、その周縁まわりを溶封した薄膜部を
   有するプラスチツクざらから成り、カバー部材が
   プラスチツクの格子であり、前記薄膜、カバー部
   材及びさらはすべての端がそろえられて互いに固
   着されていることを特徴とする、特許請求の範囲
   第１，２又は３項に記載の空気処理用物品。 ６ プラスチツクざらは透き通つたプラスチツク
   からできていることを特徴とする特許請求の範囲
   第１，２又は３項に記載の空気処理用物品。