JPH0259202B2 - - Google Patents

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JPH0259202B2
JPH0259202B2 JP58006440A JP644083A JPH0259202B2 JP H0259202 B2 JPH0259202 B2 JP H0259202B2 JP 58006440 A JP58006440 A JP 58006440A JP 644083 A JP644083 A JP 644083A JP H0259202 B2 JPH0259202 B2 JP H0259202B2
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JP
Japan
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less
outer layer
roll
cast
casting
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JP58006440A
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JPS59129720A (ja
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Yoshihiro Nakagawa
Takashi Hashimoto
Hiroaki Katayama
Takeru Morikawa
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Publication of JPS59129720A publication Critical patent/JPS59129720A/ja
Publication of JPH0259202B2 publication Critical patent/JPH0259202B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/38Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for roll bodies

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は好適には冷間圧延用ワークロールの用
途に供される3重層構造の高クロムロールの提供
に係り、遠心力鋳造により鋳造されると共に鋳造
後の中周波加熱処理により、耐摩耗性、耐事故性
に優れたHs85以上の高硬度を有するものの提供
に関する。 一般に冷間圧延用ロールとして用いられている
ものは、Hs85〜100の鍛鋼焼入れロールが主であ
るが、この種のロールには次の特性が要求され
る。 (i) 耐摩耗性 圧延におけるロールの摩耗量は硬度に影響する
炭化物量及び基地組織により決定される。従つて
冷間圧延用ロールの耐摩耗性を望む場合、ロール
を高硬度にしかつ高硬度をもたらす組織を均一な
ものとするのが最も効果的である。 (ii) 耐事故性 冷間圧延における耐事故性の良否は焼付き、絞
込みなどの圧延時の事故によりロールが異常研摩
される故、ロール寿命を大きく左右する。また一
方、ロール全体としては大きな圧延荷重に耐える
ため胴部中心部に引張応力が働くロール残留応力
は中心部の強度よりも充分に低い引張応力が作用
する様にコントロールされなければならない。 しかして本発明は、いわゆる高クロムロールを
上記特性が要求される用途に適合すべくその製造
法を改良し、十分な耐摩耗性と耐事故性を兼備さ
せることに成功したものである。 本発明に係る高硬度高クロムロールの製造法で
は、その複合ロールの鋳造にさいし、特定成分の
外層高クロム材と芯材ダクタイル鋳鉄材との間に
中間層を鋳込んで芯材の強靫性を確保すると共
に、鋳造後は特に中周波加熱−焼入れに供し、外
層の高硬度化並びにロール全体としての低残留応
力化を図ることを特徴としている。 以下本発明の製造法について詳述して行く。ま
た外層、中間層及び芯材の化学成分については溶
湯成分で各々次のように特定される。 〔外層〕 遠心力鋳造により最初に鋳型に鋳込まれる外層
は、C2.5〜3.2、Si0.5〜1.5、Mn0.5〜1.5、P0.08
以下、S0.06以下、Ni1.0〜3.0、Cr10〜23、
Mo0.5〜3.0、V0.2〜1.0を各重量%で含み、残部
実質的にFeの高クロム鋳鉄材からなる。外層溶
湯の成分範囲限定理由を述べると、次の通りであ
る。 Cは(Fe,Cr)7C3型炭化物を安定にする範囲
内でCr量とバランスし、目的のカーバイド量に
よつてその含有量が決定される。しかしてC含有
量が2.5%以下(後述のCr含有量10%以下)では、
カーバイド量が21%以下となり耐摩耗性が不足
し、一方3.2%以上(Cr23%以上)では、カーバ
イド量が37%以上となり機械的性質の劣化を来た
すためである。 Siは溶湯の脱酸のために0.5%以上必要である
が、1.5%を超えると機械的性質の劣化を来たす
ためである。 MnはSiの補助脱酸として0.5%は必要であると
同時に、Sの悪影響をMnSとして防止するのに
有効である。しかし1.5%を超えると機械的性質、
特に靭性の劣化が著しくなる。従つて、Mn含有
量は0.5〜1.5%とする。 Pは少ない程望ましく、材質を脆くするという
点から0.08%を上限とする。 Sは粒界において偏析し易く、機械的性質を阻
害する点から0.06%を上限とする。 Niは焼入性を向上し積極的に硬度調整する目
的で添加されるが、所期目的とするHs85以上の
硬度を得る上では1.0〜3.0%が適当である。 Crは高クロム材において最も特徴的成分であ
る。すなわち鋳鉄系材ではCrはFe及びCとカー
バイドを生成し高硬度化に寄与する。このさい最
も硬度の高いM7C3型のカーバイドの生成は、
Cr/C比によつて支配される。そしてM7C3型炭
化物の形成量はCr/C比が増加するにつれて増
すが、その比が約8程度に達すると飽和する。し
かして上記C含有量に対しCr含有量が10%以下
であると、カーバイドはM3C型となり、これは
上記M7C3型のものに比較すると強靭性及び耐摩
耗性の両面で劣る。またCr含有量が23%以上で
あると、カーバイドは今度はM23C6型となり、や
はり強靭性と耐摩耗性に劣化を来たす。従つて、
Cr含有量はM7C3型カーバイドを有効に形成する
範囲として10〜23%に規定する。 Moは焼戻し抵抗を著しく高めると同時に、炭
化物中あるいは基地中に固溶し硬度を上昇させ
る。この効果は0.5%以下では余り示されず、一
方3.0%を超えると過剰となつてMo2Cとして晶出
し、その改善効果が飽和した状態となるためであ
る。 Vは鋳造組織の微細化に効果があり、又炭化物
析出による硬化が期待される。0.2%以下の場合、
脱酸による効果と共晶炭化物への優先固溶の為、
微細化、析出効果ぱ顕著でなく硬度への寄与が期
待できない。又上限を1.0%としたのはV添加が
1.0%以上でも硬度への寄与があるのが靭性劣化、
コスト高等の問題がある為であり、よつてV含有
量は1.0%以下とする。 〔中間層〕 次に遠心力鋳造により上記外層内面に鋳込まれ
る中間層については、C1.0〜2.5、Si0.5〜1.5、
Mn0.5〜1.5、P0.1以下、S0.1以下、Ni1.5以下、
Cr1.0以下、Mo0.5以下、Ti0.1以下を各重量%で
含み、残部実質的にFeからなるものに特定され
る。すなわち、この中間層の鋳込みは外層高クロ
ム材から内層(芯材)にCrが拡散混入し、芯材
材質の強靭性を劣化するのを防止することにあ
る。中間層溶湯の成分範囲限定理由を述べると、
次の通りである。 まずC含有量については、その下限は主として
鋳込温度の理由による。すなわち、中間層には外
層の内面一部が溶解されて、これが完全に均一混
合したとするとCr含有量は最終的に5〜10%に
達するが、このさい中間層溶湯のC含有量が1.0
%以下であると必然的にその鋳込温度を高くする
必要が生じ、これは外層の溶解量を増す結果を生
じ、中間層のCr含有量を減じ芯材へのCrの混入
を防止する本来の意義が没却されることになるた
めである。一方その上限については、2.5%を超
えると炭化物の多い材質となり、中間層自体の靭
性が阻害されてやはりその存在意義がなくなるた
めである。 Siについては溶融の脱酸効果から0.5%以上必
要であるが、1.5%を超えると材質的に脆くなり、
中間層の機械的性質の劣化を来たすためである。 MnもSiと同様の作用があり、かつMnSとなつ
てSの悪影響を消すため0.5%以上は必要である
が、1.5%を超えるとその効果も飽和し、かつ機
械的性質の劣化を来たすため、0.5〜1.5%の範囲
とする。 Pについては鋳造時の溶湯の流動性を高める
が、反面ロール材において靭性を損うため0.1%
以下とする。Sも同様にロール材を脆弱するた
め、実害のない0.1%以下とする。 Niについては別段添加しなくとも外層からの
混入で0.3%程度は含まれるが、1.5%までの含有
には問題ない。しかし1.5%を超えると、焼入性
がよく基地が硬くなり過ぎ、靭性及び残留応力の
両面から望ましくない。 Crについては中間層はその溶湯含有量で1.0%
以下に抑えなければならない。すなわち、これ以
上含有されていると、外層からのCrの拡散混入
量を加算すると最終的にCr含有量が10%を超え
る場合を生じ、機械的性質特に靭性が低下し、ロ
ール全体が脆弱なものとなるためである。 MoについてもNiと同様な作用があるが、0.5
%を超えると中間層が硬くなり過ぎ、実害のない
の範囲として0.5%以下とする。 Tiは鋳造時の脱酸のために有効であるが、0.1
%を超えると溶湯の過酸化状態を来たし、かつ溶
湯の流動性を低下するため、上限0.1%とする。 〔芯材〕 芯材に関しては、中間層を鋳込むことにより外
層と直接溶着一体化する場合に比較するとその
Cr混入量は大きく減少されるが、やはりCrの混
入を完全に防止することはできず、通常0.5〜1.0
%程度の混入は避けられない。従つて、芯材溶湯
はこのCr増加分を考慮して成分範囲を調整する
必要がある。 しかし上記中間層の内面一部又は全部が凝固し
てから鋳込まれる芯材は、C3.0〜3.8、Si1.8〜
3.0、Mn0.3〜1.0、P0.1以下、S0.02以下、Ni2.0
以下、Cr0.5以下、Mo1.0以下、Mg0.02〜0.1を各
重量%で含み、残部実質的にFeのダクタイル鋳
鉄材からなる。芯材溶湯の成分範囲限定理由を述
べると、次の通りである。 まずCについては、3.0%以下では材質のチル
化が進行し芯材の靭性低下が著しく、また3.8%
を超えると黒鉛化が過剰となり、芯材としての強
度不足を来たすと同時にネツク部の硬度が低下し
ネツク部が使用中に肌荒れを起こし易くなる。こ
のためC3.0〜3.8%とする。 Siについては1.8%以下では凝固時の黒鉛化が
悪くセメンタイトが多く析出し、芯材の強度が劣
化するため残留応力により割れ易い問題を生じ、
一方3.0%を超えると黒鉛化が促進されてかえつ
て強度の劣化を来たすためである。 MnはSと結合しMnSとしてSの愛影響を除く
が、0.3%以下ではこの効果が少なく、一方1.0%
を超えるとSの悪影響防止よりもむしろ材質劣化
作用が問題となるためである。 Pは鋳造時に溶湯の流動性を増すが、材質を脆
弱にするため少ない程望ましく、0.1%以下とす
る。 SはPと同様材質を脆くするため少ない程望ま
しく、加えて芯材ダクタイル鋳鉄材質の場合では
Mgと結合してMgSとなり、黒鉛球状化の目的に
はSを減少しておくのが不可欠である。かかる点
から特にS0.02%以下とする。 Niは黒鉛の安定化剤として奏効するが、2.0%
を超えても顕著な効果はなく、コスト高ともなる
ためである。 Crは外層が高クロム材である故中間層の介在
によつてもある程度の混入は避けられない。しか
してCr含有量は少ない程望ましいが、Siとのバ
ランスにより0.5%以下であることが望まれる。
すなわち、0.5%を超えると外層からの混入分を
加算すると最終含有量が0.1%を超え、材質のセ
メンタイトが多くなつて強靭性の劣化を来たすた
めである。 Moについては実害のない1.0%以下とする。 Mgは黒鉛の球状化のために必要で、凝固時の
球状化不良を防止し芯材を強靭なダクタイル鋳鉄
材質とするためには0.02%以上の含有が必要であ
る。しかし0.1%を超えると、Mgのチル化作用及
びドロスの点で問題を生じ好ましくない。 本発明に係る高クロムロールは、以上の如く、
外層、中間層及び芯材溶湯を鋳込み、これらの溶
着一体化せしめて三層構造のものに鋳造される。
第1図と第2図は上記のロール構造例を示し、図
中1は外層、2は中間層、3は芯材(胴芯部及び
ネツク部)を示す。 次に鋳造後における熱処理について述べる。上
記鋳造複合ロールは、まず中周波加熱により950
〜1100℃に高温熱処理され、その後125℃/Hr以
上の冷却速度で焼入れされ、さらに400〜600℃で
焼戻されて、各層の組織を調整しつつ特に使用層
に当る外層にはTHs85以上の高硬度が付与され
る。 しかして本発明の製造法で上記特定の熱処理条
件を採る理由について詳述する。 まず外層を形成する高クロム鋳鉄に所期目的と
するHs85の硬度を付与するためには、共晶カー
バイドをM7C3型のものとし、かつ基地組織をマ
ルテンサイド中心の組織に改変することが本質的
に必要とされる。このうち共晶カーバイドの形態
については、前述の如く、Cr/C比が支配的で
あるが、一方基地組織のマルテンサイト化につい
ては、 元素の添加による調整と共に、一定の有効な熱
処理を施すことが必要である。すなわち、外層を
形成する高クロム材は鋳造後の基地組織がオース
テイナイトであり、マルテンサイト変態を生じせ
しめるためには高温に保持した後急冷する必要が
ある。 かかる点から、まずその加熱熱処理温度は950
〜1100℃に保持しなければならない。保持温度の
下限については、外層高クロム材のAC3点と対応
している。すなわち、高クロム材基地中のCrは
AC3点以上に昇温されることにより高硬度の
M7C3型2次カーバイドを析出し、ひいては固溶
Cr濃度が低下することによつて焼入れによるマ
ルテンサイト化が保促進されるためである。 またその焼入れ速度は125℃/Hr以上でなけれ
ばならない。これはそれ以下の冷却速度では、外
層にパーライト変態を起生し、所期の高硬度が達
せられないからである。 さらに焼入れ後のロールは400〜600℃で焼戻し
しなければならない。この温度範囲での焼戻し
は、焼入れにより生じたマルテンサイトに余り影
響を与えず、焼入れに伴う歪を有効に解除するこ
とができる。なお400℃以下の温度では歪取り効
果が十分でなく、一方600℃を超えるとマルテン
サイトが焼戻されて硬度低下を来たすおそれがあ
るためである。 次にロールの高温熱処理にさいし特に中周波加
熱を採用する理由を述べる。ロールを中周波加熱
すると、 α:焼入れ深さ ρ:比抵抗 μ:透磁率 :周波数 の関係で、ロールはαの深さまで即ちその表面層
のみが急激に加熱されることになる。この場合、
その深さαは周波数に反比例するため、ロール
のような使用層が片肉50mm以上のものでは周波数
を下げる方がよい。 しかして中周波加熱後冷却すると、外層は収縮
し始める。しかし乍ら、このさいロール内部は加
熱されていない為、結果として外層には引張応力
が働くことになり、さらに温度が低下し外層にマ
ルテンサイト変態による膨張が生じても、内部に
対する引張残留応力は小さくなる。すなわち、中
周波加熱手段によると、大きな焼入れ速度によつ
ても無理なく必要な外層に焼入効果を発揮させ、
かつロール全体として低残留応力を達成させるこ
とが可能となる。 このような高温熱処理法によると、外層高クロ
ム材に対する焼入れ効果能のあるNi及びMoの添
加と相まつて、より確実にマルテンサイト組織を
得ることができる。かくして、外層高クロム材の
基地組織は2次カーバイド(M7C3型)+マルテン
サイトとなり、共晶M7C3型カーバイドとの相乗
効果により、所期のHs85以上の高硬度を達成す
ることができる。 なお外層硬度を特にHs85以上に規定する理由
は、一般に冷間の仕上ワークロールの場合、その
耐摩耗性は硬度との相関が強く、Hs85以下のも
のでは耐摩耗性と耐肌荒れ性が急激に低下する傾
向にある。従つて、この種ロールに高クロムロー
ルを適用し、優れた耐肌荒れ性と耐摩耗性を具備
させるためには、Hs85以上の高硬度を有するこ
とが必要条件とされる。 本発明の製造工程を概説すると次の通りであ
る。 まず遠心力鋳造機の上で回転する内面に耐火物
を被覆した金属製鋳型内に所定成分の外層溶湯を
鋳込む。その後外層の内面が未凝固の間に中間層
溶湯を鋳込み引き続き遠心力鋳造に供する。しか
して外層及び中間層が完全に凝固した後、鋳型を
垂直に立てて上部から所定成分の芯材溶湯を鋳込
み、三者を冶金学的に完全に一体化する。なお芯
材を鋳型の水平もしくは傾斜状態で鋳込みに供す
る場合では、外層及び中間層の内面が完全に凝固
してない一部未凝固の状態であつてもよい。 かくして鋳造一体化された複合ロールは、中周
波加熱炉に装入され、その後焼入れ、焼戻しの必
要な熱処理に供される。 次に本発明の具体的な実施例を掲げて説明す
る。 <実施例> 本実施例は製品胴径570φ、胴長1400の高ク
ロムロールを製造した例であり、その製造条件、
製造試験結果を下記に詳述する。 (1) 外層として高クロム鋳鉄溶湯(Vを積極的に
含有するものとしないものの2種類)を鋳込温
度1400℃で肉厚80mm(鋳込重量1T200Kg)に遠
心力鋳造用金型に鋳込んだ。 (2) 各々の場合について、外層を鋳込み始めてか
ら18分後に中間層溶湯を鋳込温度1470℃で肉厚
35mm(鋳込重量400Kg)を回転金型中に鋳込ん
だ。 (3) 外層を鋳込み始めてから30分後、共にその外
層及び中間層は完全に凝固した。 (4) その後各々の場合について、鋳型を垂直に立
て上部から芯材溶湯を鋳込温度1380℃で鋳込
み、鋳型を完全に満たした後押湯保温剤でカバ
ーした。 (5) 芯材が完全に凝固した後、各々型バラシして
ロールを取出し、中周波加熱装置中で1000℃ま
で昇温した後、水冷コイルによりロール胴部を
水冷焼入れし、ロール表面温度が100℃になつ
た時点で再び炉内で500℃に保持し、その後炉
冷する熱処理に供した。 なお各ロールの鋳込溶湯成分と製品成分とを下
表に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】 上記製品高クロムロールの試験結果について説
明すると、鋳造熱処理後機械加工して胴部の超音
波探傷及び破断調査した結果では、外層の厚さは
中間層によつて洗われいずれも60mm前後であつ
た。また中間層の厚さは30〜35mmで、その部分の
Cr量は6.0〜8.0%であつた。そして外層と中間層
及び芯材とは各々完全に結合しており、組織的な
連続性も認められた。 なお胴部外層の硬度測定試験結果によると、実
施例1ではHs93、またVを含む実施例2では
Hs94の硬度が得られ、いずれも所期の高硬度が
達成された。 以上に述べた如く、本発明の高クロムロール製
造法では、所定成分範囲の外層と芯材との間には
中間層を鋳込んで外層高クロム材の芯材への拡散
混入を防止していると共に、鋳造後中周波加熱焼
入れによる一定の熱処理を施すことにより残留応
力を増加することなく的確に外層組織を調整する
ことができ、これによつてHs85以上の高硬度を
有し耐摩耗性と耐事故性を兼備した高性能ロール
が得られる。 従つて、本発明に係る高硬度高クロムロールで
は、叙述の冷間圧延用あるいは熱間圧延用の仕上
ワークロール、その他ホツトスキンパス用ロー
ル、線材仕上用ロール等の用途に適合する。 なお従来冷間圧延用ロールとして用いられてい
る鍛鋼焼入れロールに比較すると、その外層高硬
度域が使用層内で深く安定して得られることが利
点として挙げられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る高クロムロールの構造例
を現わす縦断面図であり、第2図はその横断面図
である。 1……外層、2……中間層、3……芯材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 遠心力鋳造により、C2.5〜3.2、Si0.5〜1.5、
    Mn0.5〜1.5、P0.08以下、S0.06以下、Ni1.0〜
    3.0、Cr10〜23、Mo0.5〜3.0、V0.2〜1.0を各重量
    %で含み、残部実質的にFeの高クロム鋳鉄材か
    らなる外層溶湯を鋳込み、次いでC1.0〜2.5、
    Si0.5〜1.5、Mn0.5〜1.5、P0.1以下、S0.1以下、
    Ni1.5以下、Cr1.0以下、Mo0.5以下、Ti0.1以下
    を各重量%で含み、残部実質的にFeからなる中
    間層溶湯を鋳込み、しかる後上記中間層の内面一
    部又は全部が凝固してから、C3.0〜3.8、Si1.8〜
    3.0、Mn0.3〜1.0、P0.1以下、S0.02以下、Ni2.0
    以下、Cr0.5以下、Mo1.0以下、Mg0.02〜0.1を各
    重量%で含み、残部実質的にFeのダクタイル鋳
    鉄材からなる芯材溶湯を鋳込み、これら三者を溶
    着一体化せしめてロールに鋳造した後、ロールを
    中周波加熱により950〜1100℃に高温熱処理し、
    その後125℃/Hr以上の冷却速度で焼入れし、さ
    らに400〜600℃で焼戻して外層にHs85以上の高
    硬度を付与することを特徴とする高硬度高クロム
    ロールの製造法。
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JPS5855551A (ja) * 1981-09-29 1983-04-01 Kubota Ltd H型鋼圧延用複合スリ−プロ−ル及びその製造法

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JPS59129720A (ja) 1984-07-26

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